2022/01/29 のログ
ご案内:「青垣山 山道」に八坂 良彦さんが現れました。
ご案内:「青垣山 山道」に『調香師』さんが現れました。
八坂 良彦 > 青垣山に一番近い駅で降りて、レンタサイクルを借りて山道へ向かう。
自転車に乗れないという少女を後ろに乗せ、背負っていたリュックサックを前に抱えるように直して走り出す。
時期が時期だけに少し寒いが、張れていて道上は日差しで気持ちがいい位で。
暫くは自転車で風を切って走り、少し先に山道の入り口が見えてくる。

「見えてきたな、あそこが入り口らしいぞ」

後ろにいる少女にそう声を掛ける。
ちなみに少年の恰好は、動きやすそうな厚手の青色のシャツの上に迷彩柄のジャンバー、下は黒のハイキングパンツを履いている。
背中には小型のリュックサックを背負って、腰にはベルトに水筒を挿し込むホルダーに水筒を付けている。

山道の入り口で自転車を降りると、自転車を片手で支え、少女に手を差し出して、後ろから降りるのを手伝う。

『調香師』 > 「は、はぁい」

電車やバスに乗る事は時々あれど、
自転車への搭乗を想定された試しもなし

風を受けて走る道のりは、香りの移り変わり
目線を向けていてもいつの間にか遠くへ。首の角度も忙しなく
辿り着いた時の彼女の声は、ギアのかからないローテンション

...要は、自転車で『酔った』という状況に近い
おぼつかない足取りには、貴方の助けがどれ程役に立ったことか

衣装も普段のワンピース、そしてピクニックに向かうのかと、
そう思わせる程の大きなバスケット。一見して、明らかに『山』を知らない
世間知らずのお嬢様といえる風貌は山道を目の前に、強調されて浮き出ていた事だろう

瞳だけが、爛々と

「森の香りがそこにあるんだね?」

八坂 良彦 > 「あぁ、この先はここら辺とかなり雰囲気も変わるし、なんか、空気の感じも違うんだよな」

おぼつか無い足取りの少女に手を貸しつつ、一度リュックサックを乗ってきた自転車の上に乗せ、片手で開けていく。
中からとりだしたのは、少年の予備なのか、一着の濃い緑のジャケット、それを少女に差し出しながら。

「日陰に入るから少し冷えると思う、良かったらこれ羽織ってくれ、サイズは一応入ると思う。
足元は、流石にくつはないからなぁ、山道はずれなければ、大丈夫だと思う、痛くなったりしたら言ってくれな」

身長的には10センチほどの差はあるとはいえ、成長を期待して少し大きめのサイズの服などを買うので、少女でも普通に着られるだろう。
そういいながら、リュックサックを締めていく。

『調香師』 > 「あなたの知ってる森の香り、という物も進めば漂ってくるのかな?
 ありがとう。今のところは脚も大丈夫だよ」

好意は受け取る、感じ取っているものの状況を問わず
袖を通して、彼女にとってもぶかっとした衣装
長め緑の下より、ふわりとしたスカートの花弁が咲く

少年の顔に、また変わらない笑みを向けたまま、彼女は待つ
先は任せる。そういう約束でもあるのだし。出来ない事は人に委ねよう

八坂 良彦 > 「前に来た時似た感じの所あったし、そこら辺なら知ってる香なかんじじゃないかな。
そんじゃいくか、根っことかが盛り上がってたりするから、気を付けてな、一応ない場所を出来る限り歩くけど」

ジャケットを着た少女を確認し、山道入り口を振り返る、自転車にあずかっていたチェーンロックを掛けて、脇にどけ。
山道に踏み込んでいく二人、最初はまばらだった木が、段々と増え、道の周りに木がある状態から、森の中に道があると、そんな感じに変わっていく。

「少し…えーと、俺が早足で1時間だから、2時間くらいかな、奥に行くと、小さな滝があって、そのあたりが知ってる所にそっくりだったんだよ」

少女の歩みに気を使い、速度を少し落としながら、説明してくる。
舗装された道とは違い、歩きにくいのは確かで…そんな場所でも、普通の路を歩いているように歩く少年は、森歩きになれているのだろう。

『調香師』 > 「うん。よろしくお願いするね?」

歩く。背後より、時々こつんと音を繰り返す
進めば進むほど、当然その音の頻度は多くなる
大きなものが倒れる様な事はない辺り、躓くまでには至らないが

「良彦さまは慣れている。と、言うよりも
 森で過ごしてたってお話も時々出てたっけ

 引かれる様に歩いてる。私でも、森の香りに気を取られて、どっちに行けばいいのか分からなくなってくるのに」

あなたの導が無ければ。道を道とは認識できず、
ただ彷徨っていた事だろう。また、つま先を小突く音がする

歩みを遅くしてもらえても、夢中になれば置いていかれる。我慢我慢

八坂 良彦 > 「あぁ、爺さんとかに連れられてさ、山籠もりとかちっちゃいころからさせられてなぁ、だから慣れてるよ」

獣の痕跡なんかも、普通のは判るから,避けてるしなぁと微笑んで。

「メロウの目的は、その香りだろ、俺はその手伝いだから、安心して任せてくれて良いぞ」

そもそも、それも俺との話が発端だしな、と苦笑する。

「あ、疲れたとか喉乾いたとかした時もすぐ言ってくれ、休憩できる場所探すのに少し時間かかるかもだし」

山道のなか、休憩に適した場所はそれほど多くなく、報告は早めに頼んだと、小jへ注げる。
よく見れば、少年の行く手に小枝などがあると、少年はそれを手で払い、切り落としているように見える。

『調香師』 > 「それじゃあ、今も時々山籠もりはしてるのかな?」

『ちっちゃいころ』を今も引き続き
小さな体で先導する、貴方に向けて、
彼女の言葉は小さな失礼とも?
当然、彼女がそれを意識している筈も無かろうが

『疲れ』も『渇き』も、メロウは確かに頷くけれど、
結局最後までそれを伝える事は無かろう。備わる物ではない
移ろう子供の好奇心を抱きながら、人間らしからぬ一定の歩み
故に根に時に阻まれよう。避ける動きを未だ学習出来ていない

貴方が気を使って枝を掃う仕草も、まだ彼女の認識の外
ただただ、目的地まで付いていく。少女の形をした機械

八坂 良彦 > 「委員の仕事とかあって、山籠もりはできないな、山に登ったりはするけど」

なんだかんだと忙しい所にはいったからなぁと、肩を竦める。
ともあれ、足元が悪く歩き辛い事には変わりはなく気を付けているのが、自然相手の事。

「もう少し行くと、少し休憩できる場所あるはずだから」

ついてくる少女に声を掛ける為に、軽く振り返る。

??? > 二人が山道を歩いてしばし、突然真っ白な霧で視界が遮られ、次の瞬間にはその霧が晴れる。
霧が晴れて視界に入ったのは並んだ木々ではなく、自らが薄く光る人造と思われる青い壁。
足元の感触も、土ではなく硬い物になっており、周りを見渡せばそう大きくはない部屋だと判る。

部屋の真ん中には、壁と同じ素材らしき大きな真球が浮かんでおり、どの方向から見ても目の様な模様が見える不思議な球。
その球から小さな光が二人の前にすっと飛び出してくる。

まるで触れという様に視線を動かしても光は目の前についてくる。

部屋の中を見渡せば、浮いている真球の裏側には、何処かへ通じる道が見え、風の流れが少しある事が判る。

『調香師』 > 「委員の仕事。それもまた、学校のこと?」

この島で生きている人ならば至極真っ当な質問を、真面目な顔で問いかけた所で

香りが変わる

埋め尽くされたノイズの様に、書き換えられた背景に、
少女は硬直をした。理解に時間を費やした

目線を向けている筈なのに、その何処にも向いていない
内向的に、整理を情報を。私達が迷い込んだ『ソレ』を

八坂 良彦 > 「あぁ、風紀委員で…って、なんだ、これ…いきなり何処だ?」

少年の驚きの声が。部屋に響く。
目のまえに浮かぶ光をみて、首を傾げ、少女の方を見て、どうしたものかという顔で、動きを止めた少女に気づく。

「おい、メロウ大丈夫か?」

そして頭を振って気を取り直すと、少女へ駆け寄り、声を掛ける。
そうして、何かに気づいたように

「そういえば噂でこの山に遺跡があるとかあったけど、もしかしてそれか、それがいきなり何でいきなり?」

??? > 部屋の中で動かずにいると、頭へ語り掛ける声が聞こえる。

「突然引き込んだ事には、謝罪を、意ある者の訪れと、星辰がそろったからの偶然、けれど此処へ来たあなた達へ、祝福を。
その光に害はありません、その光はあなたたちの助けになるもの、受け入れるならそれに手を。
拒むなら、部屋を出ても構いません、先の通路を抜ければ、外へ出られるでしょう。
どちらを選んでもあなた達に害が及ぶことは無いでしょう」

感情のない自動音声の様な感じを受ける声。
そんな声が聞こえ、その声が一度途絶える。

『調香師』 > 状況の把握を続ける。そこに追加される情報
貴方の声と新たな声。その両方を、耳に

後者は自身と似た境遇を想う。今日まで忘れられていたと
受け入れる。意思の揺らぎもあれば、想う事はあったのだろうが
前者の声がある時に、彼女の判断基準は自身には依らず

「良彦さま?」

『如何にしよう』などと思いはせず、言葉と目線を向ける
状況は知りながらも意識の行先は完全に一つ。それは貴方

八坂 良彦 > 「あぁ、とりあえず、大丈夫そうか」

少女の反応があったことに安堵しながら、少女の顔と光を何度か見比べて。

「ん、もしかして、どうするか決めろって、事か?」

少女と不思議な声両方に、訪ねるように問いかける。
一人であれば、あまり考えなかったであろうがいまは少女もいるので少し、頭を悩ませる。

『調香師』 > 「大幅な更新が伴う事項なら、マスターの了承が必要だね
 そういう意味で、私が取るべきは行動は引き留め・保留なんだけど

 それであなたの事をどうするのか、という点への回答がないから
 私はあなたを止められないし。そうすると、どうしよっかなって?」

興味が無いと言えば嘘にはなるが。ここまで歩いてきた道のりと、
迷い込んだ過程を照合しても、再現性の根拠がない
ここを再び訪れられるかどうかの判断が不可能である

拒んでしまえば今回ばかりの縁ならば、忘却の遺物には忘却を捧ぐ、
とすれば、居座るかどうかは貴方の興味に委ねて、少女は佇む

八坂 良彦 > 「ん、ぁー…さっきの声からして此処に来たこと自体が思い切り偶然ぽいよな、それで声の言葉を信じるなら」

あたまをがしがしとかきながら、一個ずつ口へ出し確認していく、状況をまとめるなら順番に考えないと混乱しそうだ。
んー、としばらく唸って。

「同時に触れとは言われてないし、俺が触って大丈夫そうなら、メロウも触ってみるか?」

結果、好奇心や、此処に次ぎ来れるか判らない点を考え、まずは自分で首実検しようと、そんな結論になったらしく、そう提案してくる。

『調香師』 > 「私に選択権はないよ。『出来る事』とはされてないから」

笑みを続け、そのまま立つ。それは待つ
人間にしては不自然な応答を繰り返して

『香り』についてを求め訪れた地、
想定外には貴方の判断を仰ぐこと
二人にとっての想定外なら、私は『私』を守ること
マスターの居ない所で壊れる恐れのある選択をしないこと

貴方には好奇心に対して自由に振る舞う権利がある
彼女にはそれを自身に許していないだけ

八坂 良彦 > 「ふ、む…良く判らないが、俺が決めろって事だよな」

お互いの回答がずれている感じはするが、今そこを突き詰めても意味は無いと、一旦放置。
腕を組んでもう一度、考えて、顔を上げる。

「触る事にする、リスクはあるかもだけどな、もう一度来れるとは考えにくいし…どんな助けなのか判らないけど、声を信じる」

少女にそういってふぅと息を大きく吐いて、少女に宣言する。

『調香師』 > 「それじゃあ。危なくなったら
 ...私の危なくない程度には、どうにかするね?」

危なくなりそうならば、何も出来なさそうならば
自分は逃げる。そんな事も暗に示して

「いってらっしゃい。良彦さま」

そう判断出来るまで。彼女はその場で待っている

八坂 良彦 > 「あぁ、それじゃいってくるな」

とはいえ、光は近くにある、そっと手を伸ばせば届くわけで。

手を伸ばし、光に手が届く。

触っれた瞬間、光は消えて…。

NPC > 光に触れると、光が2つに分かれる。
1つの光は少年の胸元へ収束し、少年の胸元で形を作る。
1つの光は少女の掌の上に収束し、少女の手の上で形を作る。

少年の胸元で光は直ぐに収まっていき一枚の板鏡へと姿を変える。
少女の手の上で光は直ぐに収まり、小さな台座の上、水晶の中に封じられたような、桃の木のミニチュアに姿を変える。

『調香師』 > 「わ」

『飛び込んできた』
そう認識するまでに、彼女の認識は時間を必要とした
両手で掬うように、まずは落とさないようにその物体を

目をぱちくり。良彦に注目しなければならない時に、
彼女の注意は手元に完全に奪われて...

NPC > それをみて、少女の頭に響く声、内容的には以下の通り。
『桃李成蹊・佳光桃』 (とうりせいけい けいこうとう)
使う事で薄く輝く桃の木の映像を好きな場所へ設置可能、見た人の興味を強く引く。
映像のサイズなども変更可能、自分の家と認識している場所なら複数設置も可能。
恐らく手にある物の名と、その使いかた、効果などが理解できる。

八坂 良彦 > 胸元に来た板鏡を確認する少年は、その板鏡の裏を見たあたりで声が聞こえたらしい、少年には別の声が聞こえているのだろう。

「なんか、おかしな物が手に入った…もうべんきょう?」

呟き、あ、ともう一つ飛んだ光の先、少女を振り向いて。

「メロウ大丈夫か?」

危険はなかったぽいが、驚きはしたので、心配し声を掛ける。

『調香師』 > 「どうしよう」

両手で受け止めたまま、扱いかねる様子でそれを抱く
受け取ってしまったもの、投げ捨てる訳にもいかず
受け取る予定のなかったもの、受け入れ方も分からず

おろおろと、揺れる目線が貴方に助けを求める
危険ではないらしい。ないらしいが...

「良彦さま、だいじょうぶですか?」

そう。まずは光に触れた貴方へ尋ねなければ

八坂 良彦 > 「あぁ、こっちは平気、なんか変な鏡が首に掛かってるけど、んと…『百鍛千練・望勉鏡』 (ひゃくたんせんれん もうべんきょう)って、名前で、鍛錬の助けになるって…なんか、鍛錬の時に体に負荷かけたりできるみたいだな」

首に掛かった板鏡を外して、少女に見せる、裏にはやはり札がありそこに、『百鍛千練』と書かれている。

「これが、あの声が言ってた助けって事なのか、メロウのは…木のミニチュア?」

少女が手に持つものを見て、首を傾げるが、怪我などは無い様子に安堵したのか、ほっと息を吐き出す。

『調香師』 > 「もうべんきょう...?
 私は、けいこうとう。え、初めてだよ?」

混乱が続く。彼女の首も傾く
知ってしまっている。一度の説明でソレが『何』か

「どうして、私は知ってるんだろう
 それは説明されたから。だから、これを知っている
 これは...一体何のために?えっと、それは...」

答えに詰まる。その『意味』を問い続けた結果

八坂 良彦 > 「けいこうとう…?、灯りの事じゃなさそうだよな」

此方も首を傾げて、

「今の声、だよな説明したの…メロウは俺と違う説明うけてたのか、物が違うから説明が違う?」

そして、少女の雰囲気が少し変わった気がして。

「ん?、メロウ、混乱してるのか、大丈夫か?」

少し顔をあげて、視線を合わせ、少女の目を見つめる。
動揺などは目に出やすいというのは、経験即だが…。

『調香師』 > 「ひ」

その声に至るは、未知を刻まれた『恐怖』
しかしその目線が至るは、直線で貴方

ブレがない。認識して揺れる事は無い
貴方が正面に居る事は、すぐに認識出来たから


「良彦さまは、すぐに受け入れられるんだね
 うん、私は怖いけど。これが大丈夫だって思えるのも含めて

 ...良彦さま。大丈夫ですか?」

繰り返す。大丈夫の根拠は、暫く貴方に問いかけて

八坂 良彦 > 「あぁ、俺の方は大丈夫…変な声にこれの効果教え込まれたけど、害はないみたいだし。
怖いなら、さっさと此処出るか、今の所は他に何もないみたいだし」

少なくとも実害があった訳ではないので、此方は問題ないと、少女の目を見つめながら。

「すこし休むなら、メロウが落ち着く事なにかあれば、言ってくれればするぞ。
あれだったら、水とか少し飲んでみるか?」

怖いという言葉に、落ち着くことは何かあるかと問いかけ、腰にあった水筒を差し出しても見る。

『調香師』 > 「落ち着く事。例えば答えがあるのなら、定義が為されるのなら」

しかし声はそれ以上響かず。物を委ね、それ以上の干渉はなく
彼女は首を横に振った。人間の慰めを受け入れられる程、取り繕えてはいなかった

「...香りを知りたい。続きを望んでも、いいかな?
 私達は、滝に辿り着けてはいないからね
 知らない香りを知らないまま。それは貴方の為にはならないからね」

その為に。彼女の脚元は確かに立っていた
出よう。その部分を確かに肯定した

八坂 良彦 > 「了解、この部屋の出口っぽい所、風が入ってきてるから、辿れば外へいけるだろ、声もそんな事言ってたし」

その言葉にうなずくと、手を取って部屋の出口へ向かい歩きだす。

「でるまでは、これで行くか、はぐれても困るし」

少年の手は、大きさの割には思ったより硬く、力強い物で。
薄っすらと光るへ揚出口へ向けて歩き出す。

出口を超え、一本通路になっており、そこを少し進んでいくと。

NPC > 再び霧に包まれ、その直後その霧は消える。
足元は土の感触、周りには木々が見える…山道に戻されたらしい。
後には最初に歩いてきたであろう山道、先ほどの部屋の痕跡などは見当たらず、来た時に見た光景が続いている。

八坂 良彦 > 「…また、いきなり場所が変わった、てか…多分、最初に霧が出たあたりだ、此処」

この先に休憩できる場所があると、いったその場所だと少年は、素早く自分たちの位置に気づいたらしい。

『調香師』 > 普段は手を引く側。慣れない場所では手を引かれる
今まで触れた中で、彼の手は小柄に不相応な形

先程聞いた『モウベンキョウ』との言葉の意味の欠片を知った所で、
また、別の場所へ。先程までの香りの記憶

「ここが?」

当然、彼女は分からない。自分の場所知る筈もない
余程注意深く探らなければ、場所の違い香りの違い、知る筈もなく
彼が言うならそうなのだろう、程度の認識で

八坂 良彦 > 「あぁ、んーと…あそこの木が少し変な形に伸びてるの判るか、あの先に少し大きめの岩がある広い場所があるんだ。
そこから少し行けば、多岐につくはず…体力とか大丈夫なら、そのまま通り抜けるけど、どうする?」

つないだ手はそのままに、説明をしていく、少年が示す先には確かに斜めに伸びる木が有るので言ってる事はあっているのだろう。

「疲れたなら休憩しても…て、んー…あそこ、変な所だったんだな、あそこに居た時間考えると、霧に巻かれてからほとんど時間たってないっぽい」

つないでいる手と反対の手で、何かを確認するように端末を確認して、首を傾げる。

「ま、帰りが変に遅くならないで済むか」

楽観的な思考で、なぜそうなのかをあまり考えてない様子、不思議な事があったなら考えこんでも仕方ないとでもいうかのように。

『調香師』 > 「体力は大丈夫だよ。えっと、時間は経ってないとか...そうなの?」

自身の認識した時間こそが真実。世界に合わせて生きていない
故に少し、置いて行かれたように首を傾けて

「良彦さま、随分としっかりしているのか。それともマイペースなのか?
 私はそのどちらでも大丈夫。ちょっと助けられてるし

 気になる事は在るけれど、今日は今日で楽しむって事にしたいな
 良彦さまの方が。慣れていても疲れるんじゃないかなって気持ちもあるけど」

相変わらず、根っこの認識は甘い歩きを続けながらも

八坂 良彦 > 「そんなかんじだな、時間経過が少なくとも俺の端末じゃしてないし、日の傾きも変わって無い」

携帯端末だけではなく、見えづらいが木々の上にある日差しも変化はないようだと、上を見ながら。

「しっかり…ではなく、マイペースのほうかね、もしくは置く言われるのは考え無しだな。
あんまり頭良くないからなぁ、細かい事考えるのは苦手で、判らない物は判らないから仕方ないってなるんだよな」

はっはは、と軽く笑って、気楽に生活してるから、と微笑んで。

「そうだな、今言った通り、気楽にしてるし、体力は有り余ってる方だしな、大丈夫。
新派押してくれてありがとうな、メロウ、多岐着いたら休憩がてら軽く腹に何か入れよう、食い物も少し持ってきたし」

体力が平気ならと、先ほどいった岩の広場を超えて、そのまま歩くと。
10m程の高さから落ちる水が、滝になり落ちた場所に小さな滝つぼを作っている場所へたどり着く。

「とうちゃく、あぁ…こんな感じの空気だったな、あそこも」

『調香師』 > ふふ。そんな風な笑う声
表情の薄さも、見えていなければきっと影響も薄く

滝に辿り着いてしまった時に。真に無表情となったそうな
小さくなりとも、音が衝撃が、水飛沫が作る景色
香りを吹き飛ばす力を持ちながら、森と調和する場面という物を

正面から対峙した時に、考えが吹き飛ばされてしまったそうな


「これが、森」

目がいつもより大きく。飛沫が瞳に入ろうとも、夢中の彼女には届かない。貴方の声も

八坂 良彦 > 「そうだな、こんな感じの場所だった…メロウ?」

動きが止まった少女に、一度声を掛け、反応がないことにそちらを見る。
動きが止まり、目を見開いている様子を見て、邪魔しない方が良いかと思う。

「その間に、少し準備しておくか」

滝つぼの近く、水が飛んでこないくらいの距離にあった平たい岩の上にリュックサックから取り出したレジャーシートを乗せて、その上に腰掛ける。
リュックの底から、タッパーを3個取り出して、近くに置いて、少女の様子を見て、あぁ、タオルもいるなとリュックから大きめのタオルも取り出しておく。
水が飛んでこないようにはできるのだが、それも邪魔になりそうで、結局見ているしかできない。

『調香師』 > 突如、何の脈絡もなく。少女の姿は反転する

たくさんの水滴を浴びて、背にそれを受けて
それでも尚、満足そうな笑みを湛えて
余り口の角度は変わっていないけれども


「作れそう」


彼女は仕事に『意義』を見出した。手ごたえを掴んだ
先程まで、胸中に持っていた蟠りは既に洗い流される

貴方の案内が、確かな物を彼女に与えた。そう確信するには十分だろう
彼女は戻ってくる。心配の通り、髪の湿り気は桃の香りを漂わせながら

八坂 良彦 > 「おう、そうか…とりあえず、ほいこれ」

その声に、立ち上がり近づいて、タオルを頭からかけて。

「まずは、体拭くと良いと思うぞ結構濡れてるし」

近づいて感じる良い匂いに、気分をよくしながら、くしゃくしゃとタオルを動かしていく。

「軽くつまめる者もあるから、少し休んでからもどるか?」

岩の上のタッパーは口を開けられており、中にはマフィンはおにぎり、玉子焼きが入っている。

『調香師』 > 「食べた方が良い?」

首を傾けようとして、髪を拭く手つきに負けて首が揺れる
質問としては、彼女としては当然のものだが人間としてはやっぱり不自然

「おいしく食べて欲しいなら。私は香りがある物が良いな
 オススメはあるかな?良彦さまのお料理、美味しく食べたいから」

受け取り方によっては、随分と難儀な返答だ

八坂 良彦 > 「食べてほしくてつくったものだからなぁ」

混栗と頷きながら、かわった質問だなと思いつつも、んーと考え。

「チョコチップ入りのなら、結構いい香りだと思うぞ、チョコとバニラエッセンス入れてるから、甘い匂いするし」

マフィンの中からチョコチップの入ったマフィンを差し出す。
リュックから取り出した携帯型のコップに、水筒からココアを入れて、準備している。

『調香師』 > 「それでは」

ふるると最後に頭を振って。帰ったらきちんと乾かす必要あるかなと思い
注目はすぐにマフィンの方へ。両手で受け取って、小さく開いた口でもぐり

リアクションは軽微。その集中度合いは見て取れよう
夢中に、或いは分析を進める時ばかりは、彼女の反応は薄く
ただただ淡々と食べ進めていくその姿を、どう見られようとも

手を止めない限り、満足している...筈である
食べ終わるまで、たっぷりと時間を掛けまして

八坂 良彦 > マフィンを食べる様子をみて、なんかリストとかみたいだなと、微笑んで。
自分はプレーンのマフィンを口へ放り込む。

他は食べなさそうなので蓋をしてリュックへ仕舞う、帰ったら飯にすればいいかなと思いながら。
ゆっくり食べる少女を眺めながら、ジャンバーからハンドグリップを取り出す。

「終わったら言ってくれ」

そういながら、ぼうっと少女を視界におさめつつ、ぎゅ、ぎゅとグリップを掴む。