2022/10/05 のログ
ご案内:「青垣山 廃神社」にセレネさんが現れました。
セレネ > 夜の色に染まる空。月と星が瞬く良い夜。
廃れた神社の屋根に腰掛け、半分と少し満ちた月から
採取した魔力を手元で浮かせ弄びながら涼しくなった風を感じる。

『良い季節になったわね。』

暑さの苦手な己にとっては、実に過ごしやすい季節になったものだ。
月光を受け煌めく月色と蒼。人気の無い場所だからか、然して警戒せずにのんびりと。
風に乗って香るは、甘く華やかなローズの香り。

セレネ > ふわり、ふわり。
水滴のように、真珠のように丸い手元のそれ。
白くも蒼く、金色にも見える。
様々に色を変えながら白い指先で自在に操る。

小さな三日月、兎、種から生えた双葉、燃え盛る炎、ローズの花…等。
己が思い描いた形に自由に形を変えられる。
筆で描く絵のように。自ら手を加える粘土細工のように。
力を加えれば壊れてしまうガラス細工のように。

細まる蒼は、何を思うか。

セレネ > 一頻り一人遊びに興じ、無心の時間を過ごした後。
この採取した月の魔力をどうしようか悩んでしまった。
何せ何も考えずに採取してしまったものだから。
捨てて行く、というのもある種危険だ。
月の魔力は人を狂わせる可能性がある。
月に魅入られる者がいるように。

己もそうなのだろうか。
見目も、纏う香りも、人を惹きつけるもの…らしい。
聞いた話だ。自身に自覚はない。
だからこそ、今己が友人や恋人に好かれているのは。
それらのお陰ではないのか、と。
そう考えざるを得ないのだ。

『――体質のせいではないと、良いのだけど。』

異国の言葉で呟く言葉は風に攫われて。
弄んでいた月の魔力は、飴を口に含むように己の口に放り込んで飲み下す。
己には毒ではないし、魔力補充になる。
補充した魔力で風の術式を組み上げると、浮かび上がり寮へと帰るとしよう。

ご案内:「青垣山 廃神社」からセレネさんが去りました。