2022/12/14 のログ
ご案内:「青垣山 廃神社」にセレネさんが現れました。
セレネ > 蒼い双翼をはためかせ、廃れて久しい神社の屋根にゆっくりと降り立つ。
今夜はふたご座流星群。飛んでいる間でも、そこそこの頻度で流星が流れていた。

『此処なら静かに見られるかしら。』

双翼を消しては蒼が夜空を見上げ、白む息を吐く。
寒さには強いとはいえど白い手は外気と同じくらい冷たくなってしまった。
カイロか、温かな飲み物でも持ってくるべきだったか。
ふぅと息を吐きかけつつ冷えた手を温める。

キラリ、キラリ。澄んだ空に煌めく一筋。
流星を編んで、マフラーにでもすれば綺麗だろうか。
そんな思考になるのは、己が神族故、か。

セレネ > まぁでもそんな事をしても贈るような相手は特にいない。
やっぱり神器を作るのが一番かしら、なんて。
或いは、弦が切れた時の予備か。

蒼の中で流れた流星を一つ、摘まむ。
摘まんだ指には一本の細い糸…ではなく、流星の跡を実体化させただけのものが垂れ下がっていた。
それをもう片方の指で摘まみ少し神性と力を入れて引っ張り伸ばしていく。
傍目から見ればただの弦。けれども案外強靭である。
ある程度の長さになればクルクルと巻いて解けないようにしてから、
ひょいと収納魔術で片付けた。
滅多に使わない神器と予備。今後も使う機会がなければ、それが一番良い。

神族など珍しくない世界だが、だからといっておいそれと言っては神秘も薄れよう。

セレネ > 秘匿は神秘である。神秘は神性である。
己が神族であるという事を基本的に伝えないのは、これ以上神格を失いたくないが為。
神格を失えば、それは神として存在できなくなる。
……それはそれで、楽になれるか。
ふ、と小さく鼻を鳴らせばぐいっと身体を伸ばして冷たい空気を肺に送り込む。

今はまだ。まだ、早い。
片手に嵌めているシルバーのリングをそっと撫でれば、少し蒼を伏せて。
再び背に翼を現せば、軽く屋根を蹴って空高く飛び上がった。

あとはゆっくり、もっと月と星々に近い所で流星を眺めるとしよう。

ご案内:「青垣山 廃神社」からセレネさんが去りました。