2023/07/09 のログ
ご案内:「青垣山 廃神社」にホロウさんが現れました。
ホロウ > 黄昏時、もし近辺に誰か居るのであれば赤い尾を二本連れた飛行体を目撃出来るだろう。
そして、その飛行体が中腹に向かって降りて行く所も…

「これより、上垣山直接観測を開始します。」

余波もなく青垣山中腹に降り立ったジェット機を装備した少女が無機質な声で任務の開始を告げる。
腰の三角のジェット機を展開したまま近辺を見渡す。
瞳の中の十字が忙しく動き回り、色とりどりの変化を見せる。
土と石畳を踏む音を鳴らしながら、少女がじっくりと歩き回り、周囲を見渡す。

その行動は警戒故の行動にも見えるだろう。

ホロウ > (私の知る限りこの山は”かみ”の名こそ冠していますが…)

警戒を緩めずに確認作業を継続します。
何故か時を超えて以来初めて訪れる見知った地は未知で満ちていた。
地続きである筈なのに異界のような、超えてはいけない結界を超えたような感覚がこの地には満ちていた。

{私が居ない間に随分と変わってしまっているようではありますが、ここの変化は異質の一言に尽きますね…}

そんな事を考えている少女の警戒とは裏腹に、特に目立った驚異や異常は発生しなかった。
奇遇にも、赫耀を伴い飛来した少女は周囲の有象無象によりある種の信仰を獲得した事で一時的に神性に近いモノを獲得していた。
それは、ここを離れればさっぱり消えてしまうものであろうが、この場で身を守るのには十分なものであった。
もちろんそれはそれを認識できる相手に限るのだが。

ホロウ > 「…異常なし。」

視線や気配は幾つも感じていた。それも、あまりよくないモノから何でもないモノ、大きなモノまで多種多様。
しかし、それらはこちらを見つめていたりするだけで寄ってくる様子すらなく、

(多少の襲撃や異常は覚悟していたのですが、意外と何も起きませんね)

実際には異常そのものはあるのだが、一先ず異常なしとして任務に集中することとする。
もちろん警戒を緩める気はないが、それでは本来の目的を果たせない。
渋々といった感じではあるが倒壊した鳥居へと歩み寄る。
鳥居近辺の弱い存在らが逃げ出す気配をよそに、瞳の十字が赤く輝き、鳥居へと照射された。

「観測対象「鳥居」…年代…」

ぶつぶつと観測結果を呟く少女。
しばらくは独り言と赤光の照射が続くだろう。

ホロウ > 「…おかしい」

ついこぼれた言葉にハッとし口を抑える。
それだけ、観測結果がおかしかった。

(年代がズレている…以前観測に来た時と明らかにズレている)

異質な変化の影響かは分からないが、鳥居の素材の劣化などから見た年代のズレが大きい。
勿論風化の度合いなど均一ではないし人為的な何かに影響を受けた可能性も捨てきれない。
しかしながら…

(素材もわずかだが違う…いやそれこそ…)

素材も違うとなれば…受け入れがたい情報に頭が熱くなる。
様々な可能性が脳裏を過ぎてゆく。
人為的な何かがあった可能性が大きいのか、それとも似た場所があるのか…

警戒心すら薄れるほどに少女は没頭した。
それは、信じられない事象にエラーを起こしている様子そのものであった。

ホロウ > 「…一度、整理の時間が必要です。」

抑制機能により落ち着いた少女が頭を横に振って落ち着くよう努める。
これ以上の情報を入手する前に一度状況をリセットしようとジェット機が起動する。

本来ならこのまま調査を続行する予定だったが様々な要因により一度調査を切り上げる。
様々な条件を再検証した後、再び訪れよう。

そうして少女はわずかな魔力の跡のみを残して飛び経った。

ご案内:「青垣山 廃神社」からホロウさんが去りました。