2020/07/13 のログ
ご案内:「フェリー乗り場」にロザリ―さんが現れました。
ロザリ― > 「はぁ、ようやくついたか。
極東とはよく言ったものだ。
これなら魔術を使ってきた方が幾段も早かろうに」

フェリー乗り場から降りて背伸び。
固まった体を伸ばしながら愚痴をこぼすのは、何日も船に監禁された者の仕方ないことだろう。

「あぁ、しかし――ひどい湿気だ。
暑さで死んでしまいそうだ……」

ロザリ― > この時期には暑かろうと誰もが思う、フリルのついた黒のロングワンピース。
その上からこれまたフリルのついたエプロンを着て、どこぞの令嬢かと思わせるような装飾を身に着け、その豊満なスタイルを更に強調するかのようにコルセットを巻いている。
ある程度知っている者にはすぐわかるだろう――どう見ても、少し豪華なところはあるが、メイド服であることが。

「で、こんな極東の小島に派遣されたはいいけれど。
本当にこんなところで仕事があるのかしら」

ロザリ― > 彼女がここにきた理由は、彼女が所属している協会からの依頼だった。
色々と、ここ常世島で問題が起きているために問題解決を行なうための一人として派遣されたわけだが。

(どうせ送り込むなら協会のもっと実戦的な戦闘員の方が良かったんじゃないかしら?
時代遅れの魔術師を送ってなにさせようっていうんだか)

ここでぼぅっとしていても仕方ない。
スーツケースをカラコロと引っ張りながら歩き出す。
行先は宿泊予定のホテル。

ロザリ― > (学生として潜り込むのはやっぱり難しいかしら。
年齢制限がないとはいえ目立つでしょうし。
そうすると少し子供に戻ったほうが良いのかしら)

自分が派遣されたということは怪異に対しての問題か。
はたまた、その魔術の汎用性を用いて動けということか。
向こうはいつも指示が足りない。
ただ一つの紙を渡して「行ってこい」だ。

(協会、脱退するわよ。まったく)

そんな愚痴を内心こぼしつつ、周りの視線を少し受けながらホテルへと歩いていく。

ご案内:「フェリー乗り場」からロザリ―さんが去りました。
ご案内:「路面バス停留所」に227番さんが現れました。
227番 > 今日も少女は学生街を一人で歩いている。

昨日に続き、メモ帳にマッピングをしながら。
表の通りをあるいていると、ふと気になるものを見つけた。

……人がまばらに並んでいる。
なにやら看板がおいてあるのを見るに、何かの待合所なのだろうか?
227は文字が読めないので、看板であることはわかるが、何の看板であるかはわからない。

ボラードに腰掛けて、遠巻きに眺めてみる。

227番 > 並んでいる人は小さな板のような何か──端末をじっと見ている人が多い。

あれは見たことが有る。睡蓮に、地図を見せてもらったものだ。

珍しいものだと思っていたのだが、結構な人が持っているもののようだ。
自分の保護者も持っていたと思う。
いつか自分も貰ったりするのだろうか。
それとも、買わなければならないもの、だろうか?

そんなことを思いながら見ていると、大きな箱が走ってきた。
あれは、車という乗り物のうち、バスというものらしい。
車は自分の足では到底追いつけないスピードで動く。ちょっと怖い。
……いや、瞬間的になら追い越せるかも知れないが。

227番 > とにかく、待っていた人たちはそのバスに乗り込んで行く。
なるほど、ここはバスを待つ所なのか。

バスの中で一番前に座っている人が、こちらを向いている事に気づいた。
自分はなにか悪いことをでもしたのだろうか?

「ち、ちがう……」

慌てて声を出しながら、両手を振る。
こういった乗り物に乗せてもらうときは、何かを見せるか、お金を払う必要があるはずだ。
そういった物は、今は持っていない。

ジェスチャーが通じたのか、中の人は頷いて、
ドアが閉まり、バスはあっという間に走り去っていった。

227番 > そういえば、看板の形は見覚えがある。
案内板だ。あれに似たような形のマークがあったはずだ。

少し考えて、案内板を思い出しながら歩みを進めると、
マークの位置には似たような看板が置いてあった。

なるほど、バスを待つ場所のマークということか。
目印としてはかなり便利そうだ。

ご案内:「路面バス停留所」にアージェント・ルーフさんが現れました。
アージェント・ルーフ > ―昼下がりの中、対してそう速くもない足をパタパタと忙しなく動かしながら、何処かへ急いで向かう様に走る人影が一人。

(発車まで後1分切ってる…!)

腕時計を傍目にただ只管直線をボクは走り抜ける、この一時だけどこぞのメロスの様に太陽が落ちるよりも早く走れたら良いのだが、生憎そんな身体能力は持ち合わせてない。

そうこう考えているうちに、目視できる距離でバスが止まり、バスに乗り込む人々が目に入った。

「ちょっと待っ…」

普段から運動していないのが仇となり、声を張れない。残り10数m、息も絶え絶えになり、果たしてバスは大きいエンジン音をその場に残し、無情にも去っていった…

「…ぁ…ちょっと…」

ゴール寸前でのタイムアップを目の当たりにし、其処らにあった柱に手を付きながらも重力に任せ体を落とし、息を整えさせる。

227番 > 人が走ってきた。
あまり速くないし、ものすごくしんどそうだ。
どうしたのだろうと見ていれば、目的はバスらしい。

悲しきかな、彼がたどり着く頃にはバスはもう居なくなっていた。
人はバスを待つが、バスは人を待ってくれないらしい。

一部始終を傍から見ていた少女は。
この人は大丈夫だろうか、と少し離れた所から心配そうに見ている。
知らない人に声を掛ける勇気は、まだあまり無い。