2020/06/15 のログ
ご案内:「蓬莱オンライン」に朝宮 小春さんが現れました。
朝宮 小春 > 頭が良いのと、コンピュータへの知識の深さはまた別ベクトルであり。
コンピュータへの知識の深さと、要領よく使いこなすスキルもまた別ベクトルである。
当然のことながら、それらとゲーム世界での上手さもまたリンクすることはないわけで。

「よし、これで歩けるのかしら。」

ゲームにそこそこ疎い生物教師がゲームの世界へと降り立つ。
名前? 本名ですが。
服装? そのままですが。
ゲームとは何かという本質的な問いを投げかける恰好をしながら、芝のような地面に降り立ち、足場を確かめるようにとんとん、っと足踏み。

「………進化が早くてついていけなくなってきてる気がする。」

一つ一つに、おー、と感心する女教師。 生徒から見れば、"あの先生だ"とあまりにもわかりやすい恰好。

朝宮 小春 > 「………武器選択?」

にょいん、と目の前に現れるウィンドウにいちいちビクッ、としながらも、書いてある文字を読めば腕を組み。
自慢じゃないが、身体を動かすことに関してはおおよそ全部ダメな女である。
姉が天才肌で何でも出来る分、そっち方面では劣等感の塊だ。

「……んー、ぅうー、ん…………銃、かなぁ………」

それでも学生時代に射撃を嗜んだことはある。
学生時代は成績優秀だったが、今は的に全く当たらなくなってしまった。
それでも、経験のある銃を選べば、実際にはありえないような装飾が施された銃を手に入れて。

「……しっかり重さも感じるのね。ちゃんと撃てるかしら。」

心配である。以前他の教師に付き合ってもらったが、全く当たらなかった。
かといって、棍棒やら剣やら槍やらを振り回せるとも思えず。

朝宮 小春 > 「………」

武器を選び終われば、彼女は冒険の世界へと投げ出される。 ぽーい、と乱暴に。
目を見開けば、見渡す限りの草原と青い空。
片手には拳銃、そしていつも通りの白衣にスカート。
装備すらまともにそろわないままではあれど、彼女の冒険はここから始まる。

「………ええと。」

はずだった。
問題があるとすれば、目の前にもうすでに明らかに敵対意思を見せている小鬼が3体、じろりとこっちを見ていることだろう。
冷や汗が、たらーりと背中を流れ落ちる。
このゲーム、傷ついてもそこまでの痛みは走らないとは聞いているが。
それでも、明らかに初心者を狙うように配置された敵に、思わず腰が引ける。

朝宮 小春 > 知っている。こういう時に手を出さなければ敵対しないことがあるということを。

「……あ、あはは、あは………」

愛想笑いをしながら、一歩、二歩と後ろに下がる。
こういった暴力的なことからはとっても縁が遠かった人生であり。

「……ふ、きゃっ!?」

ぽこん、っと思い切り殴られ、3匹に囲まれてぽくぽくぽかぽかされる。
ぎゃー!?

ご案内:「蓬莱オンライン」から朝宮 小春さんが去りました。