2021/12/08 のログ
ご案内:「プレ娘キューティダービー」にアリスワールドさんが現れました。
アリスワールド >  
プレシップス娘。
それは走るアイドル。
プレシップス娘。
それは君の夢を駆ける存在。

これはプレ娘たちの熱いレースとライブの物語である。
 

っていう設定のVRゲームだ。

アリスワールド >  
スペクトラルギアというVRギアを装着。
今日という日は遅刻はできない。
今日は……スターダスト杯。

プレ娘にとって大切なレースの日なのだから。

周囲から歓声が聞こえてくる。
私、アリスワールドを待っているお客さんもいるのだろうか。
空は快晴。場内、良いコンディション。
私の精神は……どうだろう。

軽く跳躍。接続は問題ない。

実況 >  
「歓待の音楽が鳴り響く中、各プレ娘が出揃います」

「三番人気、6番アリスワールド。
 どうやら緊張しているようです。
 実力は十分、後はメンタル面で上振れが期待できるか」

アリスワールド >  
ははー……緊張してるは余計だって。
でもレースに勝って。
ライブのセンターはいただき。

プレ娘、それは走るアイドル。
レースで勝ったプレ娘は、センターで歌えるのだ。

スターダスト杯、ここでバシッと決めて弾みをつけたい。
ここで真の星になるのは、誰か。

絶対に勝つ。
屈伸を軽くして、ゲートに入る。

実況 >  
「さぁこのレースを制し、年末に向けて大きく飛躍するのはどのプレ娘か」

「今回、非常に名の売れたプレ娘が揃っております」
「位置につきまして………今、スタートしました!!」

アリスワールド >  
始まった!!
スタートはちょっと出遅れ、私の得意な展開は差し……
後半から一気に追い上げるスタイルとはいえ。

あんまり後方にいると良くない。
どうする? どう出る?

先頭集団は大逃げの気配。
どうにも荒れる気がする。

実況 >  
「長丁場ですが、芦毛のプレ娘が場を牽引します」
「先頭一番人気、アーネストスピード」
「二人分離れて四番人気、マッハメテオ」
「そこを追う三番手アルアブソリュート」 

「ここまでが先頭集団、中盤で睨みを効かせる三番人気アリスワールド」
「続いてディノアビオニクス」

「非常に丁寧な試合展開となっております」

アリスワールド >  
まだだ。まだ足を温存できる。
この位置……この位置をキープすればまだチャンスはある!!

歴史に名を刻むのは、私っ!!

焦る気持ちを抑え込み、仕掛けるタイミングを見計らう。
プレ娘のスタミナは無限じゃない。
ただの大逃げで……勝てると思われちゃ困る!!

実況 >  
「アーネストスピード、非常に好調」
「このまま逃げ切れるでしょうか」
「マッハメテオもそれを追う、プレ娘たちが火花を散らす」

「ああっとディノアビオニクスも上がってくる、主張が激しい、ここでグイグイ来る」
「外からはフィールザマジック、どのプレ娘の眼も死んでおりません」

アリスワールド >  
六位……七位………
じわじわ下がる順位。
みんな仕掛けてきてる。
でも、最後の大欅。
あそこまでは私はこの位置でいい。

ここから差し切る。

実況 >  
「先頭は依然としてアーネストスピード!」
「ディノアビオニクスがきた! ディノアビオニクスが追う!!」

「マッハメテオ伸びないか!! ここでスタミナが切れるのか!!」
「マッハメテオ順位を落としていきます!!」

アリスワールド >  
ここだ……!!
メインスキル発動!!

固有スキル、『アリスの時間』!!
これで一気にスピードを上げて差し切る!!

全力だ。もうこれ以上下がれない。
ううん、違う。

もう後塵を拝するのは十分だ。
あとは先頭の景色しか、要らない!!

実況 >  
「4コーナーをカーブして、最後の直線!!」
「アリスワールドが大外から来た!!」

「先頭はアーネストスピード!!」
「アリスワールドがそれを追う!!」

「アリスの小さな世界は先頭の景色を捉えるか!!」
「アーネストスピードはここで加速!!」

「アリスか、スピードか! アリスか、スピードか!!」

アリスワールド >  
絶対に……負けられない…
私が絶対って言ったら、絶対なんだ。

この言葉、安くはない!!

一気に先頭プレ娘を追い抜き、駆け抜ける。
長い直線の攻防戦を制した、私が。

私こそが。アリスワールドだ!!

実況 >  
「アリスワールド!! 今、一着でゴールイン!!」
「非常に強い!! 冷静に差し切りました!!」

「金色の刺客、ここでアーネストスピードを超えました!!」

アリスワールド >  
……はっ!?
気がついたらライブ会場にいる!!
この違和感だけはいつまで経っても慣れない。

でも、別に私がガチで踊るわけではない。
歌ってさえいれば、VRギアが補正で勝手に体を踊らせてくれる。
……スキルさえ、足りているなら。

「みんなー! 聴いていってね、曲は………Angel Legna!!」

アリスワールド >  
この日のためにカラオケでめちゃくちゃ練習してきた。
勝てなかったらマジで泣く。
それくらいガチで練習した。

「月の灯りを調べにして
 天使と悪魔はBetする」

フリは完璧ぃ!
いやぁ、ダンスの練習も(VRで)重ねた甲斐があったなぁ!!

「燃え盛るような情熱に
 涙は空へ溶けてゆく」

2位以下は私の隣。センターは……私!!

アリスワールド >  
「Re:Pray Re:Pray Re:Pray…
 祈るその手に添えられる」

VRギアから見える景色が流れる。
そうか、私は今、演出でライブ会場を走っているんだ。

「Reply Reply Reply…
 誰かの御手を裏切れない」

さぁ、こっからサビぃ!!
歌って踊っていきましょうー!!

アリスワールド >  
「ArrowをShoot 導くはAngel or Devil?
 恋の矢が全てを決めるの?
 そんなのつまらない I promise you」

ファン(VR)のみんなー!!
盛り上がってるー!?
ああ、すごい。脳内麻薬出る脳内麻薬。

「CoinをShot 囁くのAngel and Legna?
 オモテかウラかで決めよう」

これが私です!! アリスワールドです!!
覚えて帰ってください、来場者のみなさーん!!

アリスワールド >  
ラブソングです!!
私、大勢の前でラブソング歌ってまーす!!

「愛しいヒトどうか微笑んで
 負けられないTriangle song」

ラストまで振り付けバッチリ!!
いえーーーーーい!!!

「みんな、ありがとうー!!」

共に競い合ったライバルたちと来場者の皆さんに手を振る。
プレ娘、サイッコー!!
 

VRギアを外すと、私の部屋を掃除してくれているママがいた。

一気に冷静になった。

ご案内:「プレ娘キューティダービー」からアリスワールドさんが去りました。