2019/02/13 のログ
ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 風紀委員もいい加減な部分があるんだな。
彼女の話を聞いてそう思った。

「FN Five-seveN、ですかね。自分が使う銃の名前や構造は頭に叩き込んでください」

整備の時に困りますし、何よりも命を預けるものですから。
彼女から拳銃を預かると、スライドを開けて薬室がからであることを確認し、
次に弾倉を抜いて装填されていることを確認。
もう一度スライドを引いて、安全装置を外す。

「おそらくすでに研修で言われていると思いますが、基本は両手で持ってください。
 右利きならひだりてはグリップの下に添えます。
 腕をたたむように曲げると反動に負けるので自然に伸ばします。
 上半身全体で腕を支えるように構えて―――」

パンッ!

乾いた音が一つ。的のほとんど中心に当たったようだ。
スライドを引いて弾を抜けば、薬室内が見える状態にして彼女に渡す。

「どうぞ、雪兎さん」

いきなりなれなれしく呼ぶようなことは、もちろんなかった>

織機雪兎 >  
ああそうそれそれ。
ゴーナナだって先輩言ってた。

(分解清掃もできるようにしておけとも言われていたっけ。
 跡から銃と一緒にもらった解説書を見ながらやってみよう。
 銃のチェックをする作業がいちいちプロっぽくてカッコイイ。)

ふむふむ――うん?
うん、うん……ははぁなるほど。

(彼女の言葉を聞いて、自分でも空手で構えを取ってみる。
 なるほどわからん。
 とりあえず彼女の真似をして構えてみたが、しっくりくるのか来ないのかすらよくわからない。)

おー、お見事らうらん。
えー、と……。

(見事な射撃の腕を拍手で称える。
 銃を受け取り、なるほど渡すときはこうするのかと感心。
 しかしこの状態からどうすればいいのか。
 薬室には弾が見える。
 しかし珠切れした時のようにスライドロックがかかっている。
 弾倉に弾は残っているようだし、リロードする必要はなくて、じゃあこのままスライドロックを外して……。
 なんてモタモタしながらどうにか準備を終えた。)

右手で、左手はグリップを畳むように自然に……???

(わからん。
 とりあえず覚えている限り彼女の真似をして、狙いを定めて引き金を引いた。
 ガク引き。
 的の上の方を銃弾が通過。)

――うん、難しいね。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「この銃はスライド下部にスライドストップがあります。
 打ち尽くしたり引いたままロックすると止まるので、ここを押し下げれば装填されます」

そう言ってもたつく彼女に助け船を出す。
そうして打てる状態になると一発、先ほどと同様に乾いた発砲音。
的を見ると先ほどまでと同様に上にそれてしまったようだ。

「腕に木材が入っているのをイメージして。
 鉄心ではなく、木材。その木材越しに来る衝撃を肩で受け止めるイメージです」

彼女の右手の上に自身の右手を重ねる。肘を意識しないよう伝えて、
もう一度撃たせてみる>

織機雪兎 >  
木材。

(イメージ。
 腕に木材が入っているイメージ。
 鉄ほど硬くはなく、しなやかで、たわむことで衝撃を吸収する木材。
 イメージ。
 集中。)

あっ、やべ。

(瞬間、膨大な魔力が己の右腕に集中する。
 咄嗟にイメージを切り替える。
 腕の中ではなく、外へと射出するイメージ。
 同時に彼女から離れるように身を捩り、)

――っ。

(右肩からバカでかい木の杭が後方へ射出された。
 魔力に聡いのならば、とんでもない量の魔力が木材へと姿を変え射出されたとわかるだろう。
 だが自身にとっては制御し損ねた魔力がわずかに溢れた程度。)

ごめん、大丈夫?
怪我、無い?

(こちらは服の右肩あたりがはじけ飛んでいるが、怪我をしたわけではない。
 彼女に流れ弾が飛んで行っていないかが心配だ。)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「そう。木材」

彼女が引き金を引こうとした瞬間、何かを察知した。
お互いとっさに回避行動をとるが、彼女から放たれた木材はこちらに飛んできてしまう。
数瞬後、彼女が心配する先には、寸でのところで止まる木材が目に入るだろう。

「ええ、大丈夫です。雪兎さんこそ、大丈夫ですか?
 非常に、膨大な量でしたが。。。」

何が、とは言わなかった。
言わずとも、わかっていたから。
止まっていた木材がまるで糸を切ったかのように落ちると、
イマイチ飲み込めない状況にいぶかし気な表情を浮かべる。
体調でも悪いのだろうか、それとも実弾射撃に緊張しただろうか。
そんな思考が巡る>

織機雪兎 >  
そっか、ごめんよ。
――気に入ってたんだけどな、この服。

(破れてしまった服、露出した右肩を擦りながら、残念そうな声。)

うん、どうにも魔力の扱いが下手でね。
いつもこれで抑えてるんだけど、ちょっと集中したりするとあんな感じに漏れちゃうんだ。
しばらく無かったから油断してたなぁ。

(これ、と言いながら耳のピアスを触る。
 彼女の目の前で木杭が止まったのは彼女の能力か魔術だろうか。
 地面に落ちた木杭を持ち上げようとしたが、大きすぎて持ち上げられなかった。)

私は魔力量だけ多いくせにめちゃくちゃ扱いがおおざっぱでさ。
しかも反応しやすくてよく暴走するんだ。
――さて、続き続き。

(難儀なものだよ、なんて苦笑して見せ、再び銃を的に向けて構えて見せる。)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「それは―――難儀ですね。
 能力が発現したのは最近なんですか?」

扱いが下手、と聞いて、てっきりまだ発現して間もなく、
慣れていないのだろうかと思ったのだ。

「きっと、あなたの魔術の扱いが下手なのではなくて、
 本当に魔力が膨大なんでしょうね。
 同じ直径の蛇口でも水槽と、プールとで水圧に差がある様に。」

人並みの魔力量なら、きっとうまく制御できていたのではないだろうか。
そんな風に思えて。

「―――そうですね」

再び、さっきと同様に手を添える。
服が破れてしまっているが、こちらは気にしない。
銃を扱っているときに、そんなことを気にはしていられない。
彼女はどうか知らないが>

織機雪兎 >  
いいや、そうでもないよ。

(さらりと答える。
 これ以上は話す気がない、と言うように。)

どうだろうね。
私に魔術の才能がないってことかもしれないよ。
――ええと、なんだっけ。
腕に木材だっけ。

(へらりと笑い、今度こそ的に意識を向ける。
 腕に木材、しかし集中し過ぎないように。
 しなやかな頑丈さで衝撃を吸収するように――ガク引き。
 先ほどよりはマシだが、やはり上に逸れる。)

……らうらんが右手を添えてまで教えてくれる以上は答えたいのだけれどね。
魔術だけじゃなくて射撃の才能もないのかな。

(自身は気が付いていないが、右手を添えた彼女ならわかるだろう。
 引き金を強く引きすぎて狙いがぶれていると言うことが。)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「そうなんですね。
 才能……確かに、才能がないのかもしれません」

彼女の簡素な回答に、簡素な返答。そして、射撃。
やはり上にずれてしまう。

「生まれ持たなかった才能を埋めるための訓練ですから。
 雪兎さん、もっと力を抜いてください。
 木材は力を入れたりしません。無論、指も」

やさしく諭すように囁く。
添えていた右手を離して、彼女の肩に触れる。
リラックスするように指示して>

織機雪兎 >  
自分の口で言う分には平気だけど、人から言われるとゆっきー傷付いちゃうゾ☆

(ウインクまでして見せる。
 全く傷付いているようには見えないだろう。)

いやぁ、力を抜いているつもりなんだけどね。
何と言うかこう、人を殺せるものを持っているとどうしても。

(へらりと笑いながらも、彼女が触れた肩はじっとりと汗ばんでいるだろう。
 こちとらちょっと女の子が好きなだけのただの女子高生なのだ。
 人を殺す道具なんて、初めて触る。)

――らうらんは、人を殺したこともあるのかい。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「下手に擁護して、甘えが生まれては困ります。
 あなたが持つ異能も、今持っている道具も、人を殺せるものですから」

意図せずに人を殺めたときに負う傷は今私につけられる傷よりも重いのだから。
そう諭して、グリップの握りを矯正する。

「……殺す時は、本気で殺しなさい。
 殺すことに傷つけられるのではなく、殺すことを背負うつもりで。
 そうすると、不思議と殺しは遠ざかっていきます」

汗ばんだ彼女の肩。きっと方だけではないのだろう。
きっと、風紀委員の先輩や銃のマニュアルは、こんなことを教えてはくれないだろう。
人を殺してきたからこそ言えた言葉だ。
そしてその言葉は、彼女の問いかけへの答えとしては十分なものだろう>

織機雪兎 >  
ゆっきーの心はガラスのように繊細なんだからもうちょっと甘やかしてくれよ。
それとも、この傷付いた心をらうらんが慰めてくれるのかな?

(茶化すように。
 いやまぁ慰めてくれたり甘やかしてくれたりするのなら大歓迎だけど。)

難しいことを言うね。
僕はただの新米風紀委員だよ。
人なんか殺したら一か月は夢に見続けた挙句に起きた瞬間ゲロを吐きそうだ。

(スプラッタとかは勘弁してほしい。
 それでもちょっと肩の力が抜けた。
 今度は絞るように引き金を引く。
 銃弾は的の右斜め上、円のギリギリ外側あたりに着弾。)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「慰めてほしいならいくらでも」

といっても、彼女が期待するような慰めや癒しではない。魔術を使った精神安定効果だ。
もっとも、彼女の様に反応性が高いうえに膨大な魔力を保有するものに通じるかは定かではないが。

「一ヶ月夢にでてきて収まるならあなたの心はガラスよりもずっと強いですよ。
 もっとも、この弾丸は細いのでマンストップパワーが小さいですから、
 致命的な箇所に当てなければ即死するようなことはまずありません」

そう考えると少しは楽でしょう?
そう言って見せるが、一般的にはそうは思えないだろう。
ようやく円の周辺に命中して、うっすらとほほ笑んだ>

織機雪兎 >  
マジで?
じゃあちょっと一晩ほど添い寝を。

(つい素が出た。
 マジの顔になる。)

――一生夢に見そうだ。

(自分の認識が甘かったらしい。
 出来ればこれを人に向けて撃つような事態にならないように祈っておこう。)

おっ、当たった。
そうなのかい?
聞いた話では貫通力と衝撃力?を兼ね備えた弾を撃つって聞いたけど。

(弾が体内でのたうつからどうのこうのと、あまり想像したくない動きをするとかどうとか。
 違う意味で気が重い。
 続けて二発三発と撃つが、なかなか中心には当たらない。
 五メートルほど離れた的そのものを外すことはないが、まばらにまんべんなくばらけて当たる。)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「……あなたが人を殺すことになったら来てください」

一瞬、本当に一瞬だけ、表情が曇る。

「貫通力は通常の9㎜弾より大きいです。初速が1.5~2倍近く出ますから。
 ホローポイントやダムダムと違ってフルメタルジャケットですから、
 体内で弾頭が回転したり、花を咲かせるようなことはありません」

簡単に身体を抜けてくれます。
そんな話をするが、なされる説明はどれも痛々しいものばかりだ。
徐々に集弾率がよくなっているのは事実だあとは訓練でどうにかなるだろう。
穴の開いた的をみてそう感想を述べて>

織機雪兎 >  
ううん、そのために人を殺してしまいそうだ。

(冗談交じりに苦笑して。)

ほろー、だむ……?
うん、まぁ、つまり貫通力は大きいと。

(専門用語が多い。
 頭の上にハテナマークを浮かべるも、とりあえずそう言うことだろうとあたりを付ける。
 弾はさっぱり狙ったところに当たらないけれど。)

拳銃はそうそう当たらないとは聞いていたけれど、本当に当たらないものだね。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「そんなことをしたら私があなたを始末することになってしまうのでやめてください」

たとえ冗談だったとしても、こちらの語気はどこか本気だ。

「拳銃を用いた戦闘行為の有効範囲は3m~10mだといわれています。
 相手が走れば数秒でこちらに手が届くような、室内での戦闘が想定されています。
 それよりも長いレンジでの射撃はアサルトライフルやバトルライフルの領分なので」

誤解されがちだが、拳銃はナイフと同じ近接武器なのだ。
白兵戦に使えないというだけで。
そもそも、実戦においてじっくり構えて撃つことなどほとんどない。
何発か撃って、どれかが当たればいい、そんな感覚なのだ>

織機雪兎 >  
それはそれでちょっと魅力的だな。
――冗談だよ、そんな勇気はないさ。
僕は臆病だからね。

(彼女みたいな美人が自分を追いかけてくると言う点においてだけだが。
 死ぬのはごめんだ。)

ふうん。
ドラマみたいに屋外でバンバン撃ち合うようなものじゃないんだねぇ――おっ。

(撃つのにもだいぶ慣れてきた。
 軽口を叩きながらもリズムよく引き金を――絞るように――引いていく。
 そうしてマガジンの弾を打ち切り、スライドがロックされた最後の弾丸が、見事的の中心を貫いた。)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「私も可能であればそうなることは願い下げです」

そうそう頻繁に人を殺すなんてことは自分も経験したくない。

「そもそも当たりませんからね」

少しずつ感覚をつかんできたのか、引き金の引き方が滑らかになっていく。
そうして最後の一発が、的の真ん中に穴をあけた。

「ふふ、今日はこの辺でやめておきましょうか。
 あまり続けても手の皮がむけてしまいますし」

そう言って、手を離す。
すると、訓練中の落ち着いた感じはどこへやら、
途端に最初の様におどおどした感じで、軽く会釈をすると機関銃を手にそそくさと訓練場を後にするのであった>

ご案内:「訓練施設 射撃訓練所」からラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが去りました。
織機雪兎 >  
(当たらないと言うことは今日身をもって実感した。
 室内の動かない的でこのありさまなのだ。
 屋外で動く相手に当てるのは至難の業だろう。)

――あぁ、思ってたより銃を撃つと言うのは疲れるんだね。
手がすっかり痺れてしまった。
お腹も空いたし、良ければこの後一緒に――おや。

(お茶か食事にでも誘おうと思っていたのだが、彼女はそそくさと訓練所から出て行ってしまった。
 ぱちくり、と何度か瞬きをして彼女が出て行った扉を見つめる。)

――自分の好きなこと以外ではシャイなのかな?
うーんカワイイ。

(何にしても彼女が教えてくれたから何となくコツを掴めた。
 いなくなった彼女に対して頭を下げる。
 マガジンを抜き、スライドを引いて薬室から弾を抜く。
 それを腰のホルスターに入れて自身も訓練所を後にしよう――)

ご案内:「訓練施設 射撃訓練所」から織機雪兎さんが去りました。