2020/06/24 のログ
ご案内:「昔話」に日ノ岡 あかねさんが現れました。
日ノ岡 あかね >  
 
かつて……『トゥルーサイト』と言う、違反部活があった。
 
 

日ノ岡 あかね > 一つ目の意匠が凝らされたエンブレムを掲げた、カルト系違反部活。
その違反部活は……変わった違反部活だった。
活動人員の数はせいぜい数十人。
全員に共通点はなく、横の繋がりらしい繋がりもない。
そんな彼らの目的は、一つだけ。

日ノ岡 あかね >  
 
『見て見ぬ振りを、しないこと』
 
 

日ノ岡 あかね > 『トゥルーサイト』……真実の目。
真の視界。
真の瞳。
この世の全てを覗き見る。
この世の全てを仰ぎ見る。
その瞳に曇りはなく、その瞳に淀みはない。
 
ただただ、瞳は……真実を見据える。

常世の先を。
終わりの先を。

真理の先を。
 

日ノ岡 あかね >  
日ノ岡あかねは、そこに居た。
日ノ岡あかねは、確かに居た

常世の摂理に逆らって。
此世の人理に逆らって。

確かにあかねは、そこに居た。
形振り構わず……そこに居た。

『楽しむため』に……そこに居た。
 

日ノ岡 あかね > これは、昔の話。
昔々の物語。
今は終わった物語。
だから……もう何処にもない。
もう、何処にも存在しない。
此方にも。
彼方にも。
 
この世の何処にも……存在しない。
 

日ノ岡 あかね > 終わった話は、終わった話。
もう、省みられる事はない。
もう、振り返られる事はない。
 
始まりがある以上。
終わりもまたある。

それはきっと、それだけの話。
それ以上にもそれ以下にもならない。

きっと……当たり前の話。

だから、その末路も……きっと、『当たり前』の事でしかない。

日ノ岡 あかね >  
末路は変わらない。
終わりは変わらない。
『トゥルーサイト』は壊滅した。
それは間違いのない事。
それは覆しようのない事。

だが、一つだけ。
たった一つだけ。
 

日ノ岡 あかね >  
 
誤魔化されてる事がある。
 
 

日ノ岡 あかね >  
 
『トゥルーサイト』は、風紀委員会執行部が『全て』壊滅させたわけではない。
 
 

日ノ岡 あかね >  
 
風紀委員会が踏み込んだ時、既に……『トゥルーサイト』は『ほぼ』壊滅していた。
その所属人員は、『ほぼほぼ全て』……死亡していた。
 
たった一人の……女を残して。
 
 

日ノ岡 あかね >  
 
その、たった一人の生き残り。
真実の生き残り。
最後の残党。

その女の名は。

――日ノ岡あかり。
 
 

日ノ岡 あかね >  
最後の生き残り、日ノ岡あかりの捕縛をもって、『トゥルーサイト』は壊滅した。
風紀委員会執行部の手に寄って。
風紀委員会執行部の判断に寄って。

日ノ岡あかりは、捕縛され……文字通り『トゥルーサイト』は……一人残らず『消えて』なくなった。

日ノ岡 あかね >  
 
こうして、『トゥルーサイト』は『壊滅』した。
 
この世の何処にも、存在しなくなった。
人員は一人残らず『死ぬ』か『管理』された。
嘘は一つもない。
嘘は一つも存在しない。

全て、全て真実。
 
全て、本当にあったこと。
ただ、少しだけ――話にあがっていないだけ。

日ノ岡 あかね > 昔々の物語。
今ではない物語。
かつてあった物語。

この話は、それでおしまい。
 
知ろうと思えば知れる話。
見ようと思えば見れる話。

だけどそれは。

『どちらでもなければ』……無理に語られる事もない。
 
せいぜい、その程度の話。

日ノ岡 あかね >  
 
「……誰にだってあるでしょう? 無理に語ることもない昔話なんて……ねぇ?」
 
 

ご案内:「昔話」から日ノ岡 あかねさんが去りました。