2020/06/26 のログ
ご案内:「落第街の隅にある屋台のラーメン」に富士 雅さんが現れました。
富士 雅 > この日、男は落第街にまで制服姿のままやってきた。
授業が終わり次第、試験勉強に励む同級生たちを尻目に真っすぐ電車へ。

向かったのは落第街にあると言う一件のラーメン屋。
こんな場所でありながら屋台でやっていると言う。
男は教わっていた場所、特徴などからこれと思われる店を発見し、暖簾をめくる。

人相の悪そうな親父が一人居る他、まだ客は誰もいない。

「初めてだが、醤油ラーメンはあるのか?
あるのなら、チャーシュー多めで、あとライスをくれ。」

静かに首を縦に振る親父に対し、男は承ったのだと判断。
端の席に座っていると水が出される。
コップは飾り気もないただのガラスコップだ。

「いいな、こういう店は俺の好みだ。」

富士 雅 > 注文して直ぐにチャーシューで表面が隠れたラーメンが出てくる。

「ほう、これは美味そうだな。」

男は割り箸を一膳取ると、パチンと割ってまずはチャーシューを一枚捲る。
捲らないとラーメンや他の具が見えない程に載っているからだ。

香りは濃厚な醤油。まずはチャーシューを一枚口にして。

(…ほう、これは。)

漬け込んであったチャーシューはラーメンのスープとよく調和しており、おまけに温度差も左程感じさせない。
チャーシューは良い。
次は…。

刻んだネギやモヤシ、そして今は珍しいとされているナルト。
男はチャーシューの次は麺を啜る。

(なるほど、良い味だ。)

決して変わった味などではない、丁寧に作った醤油ベースのチャーシュー麺。
それでも、男は元の世界を思い出すような味であった。

ラーメンに感動している所でライスが出てくる。
大き目のどんぶりに盛られた白い飯。
これは後でスープを掛けて食べるためのものだ。

富士 雅 > 麺もスープも男好み。
珍しさが無いことが余計に男を望郷の念に駆らせる。

チャーシューもたっぷりとスープを沁み込ませてから頂き、具や麺も綺麗に食べてしまう。

「美味いな、親父。」

次はいよいよラーメンライスだ。
先ほどからにしたラーメンにレンゲを入れ、スープを掬う。
掬ったスープをライスに入れて掻き混ぜる。
後はレンゲでご飯を掬って食べるだけ。

醤油ベースのスープを入れるとライスも絶品だ。