2020/07/04 のログ
■武楽夢 十架 > 凄み、例えば目の前のこの彼はまず一般的には種族的な見た目で凄みがあるだろう。
ソレに付け加えて、技術を見せる時に少しソレっぽい気配を覚える。単純な武術の達人などに感じる―――ああ、なるほどこれが圧か。
これは一朝一夕には成らない。しかし、そうか、そういうところからも感じるのか。
少し、先走った興奮の熱を一度の深呼吸で冷ます。
こういった精神制御だけは上手くなったが。
拳を作る。
まともにヒトなんて殴ることは考えたこともない素人の構え。
脇も甘い、角度も何も考えられちゃいない。そもそも殴るための動作を意識した構えになっちゃいない。
それでも、それが今は青年にとっての最強の一撃だ。
「胸を借ります―――フッ!」
タイミングなんてあってないようなものだ。
元より目が彼の動きについていってない。
右拳を―――フックとも言えない無様な一撃を―――放つ、
■ハルシャッハ >
種族的な凄み、となると男にはわからない。
己と同じ地走種の竜人一つ取っても様々、千差万別であるし、世界を広く見れば見た目ばかりではない。
故に男は今を見、今を生き、今を走る事に集中する。その先に何が有るのかわからないが、
それでも先につながる何かは有るだろう。 男はそう考えて足を動かす。
深呼吸をゆっくりとする相手は精神的にも成長を続けている。
己もヒトに教えるのは初めてだ。 完璧は常に存在しないが、それでも今持てるものを惜しまず出す。
出せないものは多々あれど、それでもまずは出していけばそれでいい。
拳を作る相手の動きを受けて、ゆっくりと揺らめいた体が反応した。
「――ゆっくり動く。 対多をいなすための『他の相手への』投げだ。 体が浮くぞ。」
比較的ゆっくりと、振り抜いた腕に己の左手を伸ばし、
相手の拳の方向に沿うように腕を伸ばせば体を当て身に近い形で入れる。
そうなれば自分の体の上に相手の体を乗せれば自然と重心は乗る。
ここまでくれば、後は足の力で軽く跳ね上げ、勢いを生かして腕で投げ込んでやるだけだ。
「――『握投術』(キャッチ・アンド・グラブ)! 受け身は取りやすい。注意しろ。」
すべての盗賊が学ぶ基礎の一つ。
衝撃を殺すためにかなりゆっくりだが、それでも形はほぼきれいに出た技だった。
■武楽夢 十架 > 拳を振るったと思った直後には、男の声が聞こえた。
―――え、どういう…
と疑問を抱く前に自分の意思とは関係なしに視界が大きく回る。
一種の心地さえある『体の制御』を失う感覚だった。
奇術か魔術の類かと思うほどに。
投げ方が綺麗だったからか意識したわけではないが、受け身は自然体に出来ている。
柔道や空手にも縁のなかった青年には正しく何が起きたのか、理解が追いつかなかった。
ただ、『技術』をかけられた。それだけはハッキリとわかる。
気がつけば、空を見ている。こういう事もあるのか。
「……凄いな、ほんとに」
そう認めると幾つかの体にあった接触の感覚を思い返す。
正確にどの順番で流れた接触かは一度では、把握しきれなかった。
簡単には理解させない出来ない、それが技術でもあるのか、
とゆっくりと体を起こす。
■ハルシャッハ >
投げ技は敵の体を弾丸に変える技術だ。
質量の弾丸は相手にぶつかれば更に相手に負担を強いる。
相手の体勢を崩し、襲ってくる相手の数をさらに減らす基礎の技だった。
「――左手、上体入れ、重心載せ、足で跳ね上げ、左腕投げ、だ。
相手の攻撃の方向に体を合わせる。
一回で覚えろとは言わねぇ。覚えられるとも思わねぇ。 俺も組手で何回もやった。
しかし、感覚と手順を覚えておけば、ぐっと変わるだろ。」
コレは一つの鍵だ。 様々な技があるが、まずは対多を抑え込む技の一つを教えていく。
体を起こす相手に軽く手を貸しつつ、男は大丈夫か、と様子を見る。
問題がなければ、次の技を教える準備を整えるだろう。
空手でできる技は極めて少ないが、基本的にはすべて手と足で相手をいなす技だ。
■武楽夢 十架 > 言葉を聞きながら当てられただろう場所を確かめる。
解説があれば、なるほどそうか、と思えるもののこれも―――、
「左手、上体、重心、跳ね上げ……相手を利用して」
今の一瞬を思い出しながら、
差し出された手を借りて立ち上がる。
「ありがとうございます。
体は痛いところもないですし大丈夫です」
そう笑顔で答えながら、投げられた自分と投げた男の姿がどうであったかを想像する。
理屈はそう、言われるとわかるがタイミング、スピードなど考えると課題は山積みのような気がした。
■ハルシャッハ >
始まりなどそんなものである。
体を鍛えながらも技を磨き、相手の動きに目を慣らしながら次を目指す。
ゆっくり、確実に、コツコツとやるしか無いのが体術である。
丸一年を掛けてみっちりとやってやっと基礎が仕上がるのだ。
そんな緩い話では全くもってない。
「――そうそう。」
立ち上がる姿を軽く観察すれば、
「Good。 ――次行こうぜ。すぐ出来る技じゃねぇしな。
数重ねてなんぼ、だ。 体術1年で基礎。」
軽く相手の言葉を受ければ次の技を見せる準備をしよう。
体術はいくつか有る。 剣や短剣を含めると星の数ほどだが、
まずは基礎基本だけでもぐっと変わるだろう、と。
■武楽夢 十架 > 次にいこうぜ、という言葉を聞いて思わずそうだったと笑う。
まだまだ覚えることは山のようにあるんだったと思い出す。
「ははは、お手柔らかに……と思わず言いたくなるけど
それじゃ余り成長にならないと思うから、丁度いいのかな」
畑仕事もそうだったような記憶がある。昔ながら農業の方法でやること覚えること山のようで朝から夜まで畑で過ごしたのも懐かしいという具合だ。
難易度はこちらのほうが遥かに上、相手は意思を持ったヒトになるし、
敵対関係となったら待ったはきかない。
「お願いします、ブラウンさん」
次。
感覚一つずつでも覚え、
―――そして、盗めそうな感覚を探そう。
■ハルシャッハ >
頭がついていかなければそういうものだ。
初めて戦場に立つ人間ならば、脳の順応には時間がかかる。
脳の命令が脊髄を経由して肉体に通るのは神経だ。
その神経が順応し、より早く、正確に動けるようになるまではかなりの時間がかかる。
「――感覚を知ることが大事だ。
焦る理由はねぇ。 筋肉と同じで肉体が順応するには時間がかかるし、技も同じだ。
きれいに動けるまでには倍かかるんでな。」
そんなものだ、とゆるく相手に返せば、次は相手に正対して。
「じゃ、次だ。
蹴りを入れられた時に使える技だ。
殴りかかられたときでも、腕を引いてやればほぼ同じ動きが使える。」
そう告げて男は軽く構える。
相手の攻撃を崩す動きがいくつか有る。そのうちの基礎。
相手の攻撃を受動で受けて、力点を崩すというべき動きを見せる構えを、自然体で。
■武楽夢 十架 > 相対して、一呼吸。
切り替える。
話を聞くに先の拳と同じような技だというが。
「蹴られた時に同じように……」
これは青年には中々イメージできなかった。
拳は先程の流れの解説で理解できた。
脚、どのように―――と考えるが今は考えても仕方がない。
ならば、と。
「いきますっ!」
気合とは裏腹に、足腰のバランスは上手く取れていない
威力などあまりないだろう。
右足を振るう―――、
■ハルシャッハ >
切り替えが上手い相手は本当に良いなと思う。
自分は切り替えがどうにも上手くない。大分慣れても、やはり引きがちにはなる生き物だ。
「ああ。 同じくゆっくり動くぜ。」
イメージが難しいなら体で示せばいい。
ゆっくりと相手の攻撃に反応して、己の体もまた動きを始めていた。
きっちりと、確実に、ゆっくりと動く。相手に動きを示すことが重要だ。
右足を振るうということは動きは正対して左から右への動きとなり、
左足は確実に地面についている状態になるのが必定だ。
ならば、相手の攻撃に合わせて勢いを借りながら足を取れば良い。
相手の左側に全力で踏み込んで相手のサイドを取る。
そこから相手を軸に回転するラリアットのように、体を相手の後ろへ重心を倒せば左足で膝関節を押す。
膝カックンの動きが想像しやすい。
相手の体重が後ろに倒れれば関節は体重を支えることはかなわない。
「――『棒倒し』(スティック・オーバー)。
打撃を加えたいなら地面に向けて軽く加速度を加えてやれ。 今回は、ナシだ。」
柔らかくも、確実に崩す。後ろから倒れる相手に手を出しながら、
男は声を投げていた。
■ハルシャッハ >
PL:
***時間の関係上一旦セーブ、掲示板の置きレスにしておきます。***
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