2020/07/07 のログ
ご案内:「風紀委員会内部資料『トゥルーサイト』」に*****さんが現れました。
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――処理済み資料――
閲覧は『自己責任』で。
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●違反部活名称:『トゥルーサイト』
●暫定区分:カルト系
●対応優先度:低
****年**月**日、**時**分にて壊滅。
最後の生き残り『日ノ岡あかね』の捕縛にて状況終了。
壊滅の原因は小規模な《門》の召喚を行う儀式。
当該資料では暫定的にこれを《窓》と呼称する。
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《窓》により「声を掛けた存在」は****。
当該違反部活構成員は****の干渉を受けて死亡した模様。
『日ノ岡あかね』が生き残った理由については調査中。
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《窓》の開放時間は五分前後と予測される。
執行部が突入した際には既に《窓》は閉じていた。
《窓》による二次災害発生も無い。
専門調査員も「《窓》の開放は多大なリソースを必要とする以上、以後の心配はない」とコメントを残している。
また、今回当該違反部活が《窓》越しに接触した存在は風紀委員会の利益にはならないと判断された。
少なくとも今後の落第街での《窓》開閉について、監視は必要ないと判断する。
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『日ノ岡あかね』は身柄を拘束し、リミッターを装着させた上で地下教室での『補習処分』とする。
『日ノ岡あかね』個人への事情聴取もそちらで行う。
以降、『日ノ岡あかね』の調査資料は別枠にて扱う。
前述の理由により、以降『トゥルーサイト』に関する調査と監視は全て凍結とする。
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――処理終了。以降、閉鎖書架にて書類は保存。――
――閲覧は『自己責任範囲内』で自由とする。――
ご案内:「風紀委員会内部資料『トゥルーサイト』」から*****さんが去りました。
ご案内:「研究施設群 羽月研究所」にカラスさんが現れました。
■カラス >
わちゃわちゃしている夕食時。
この研究施設で現在、唯一人型を取っている合成獣である青年は、
彼にとって兄弟姉妹の小竜たちのご飯を準備したり、自分も一緒にご飯を食べていたり。
「あ、おかえりなさい、お父さん。」
そんな彼らにとっての父、羽月 柊が帰ってくれば、
食べていない子たちが総出迎えである。
「ああ、ただいま。
良い魔力石を見つけた。明日の午後には届くだろう。」
柔らかい笑顔で竜たちにしゃがみこみ、柊はそう言って撫でやる。
■カラス >
「じゃあ、明日は、魔力組のご飯、ですね。」
ひとしきり小竜たちを撫でた後、
最後にぽふりとカラスの頭も柊は撫でやる。
その行動に思わず肩を竦めてしまうのだが、
柊はそんなカラスにも構うことなく、その大きな手で撫でた。
装飾品を多くつけている分、少々独特な感覚がする
ここの研究所は魔法で小さくした竜たちがたくさんいる。
その食事形態は様々で、普通の肉食・草食・雑食に加え、
石鉱石金属を食べるモノ、魔力のみを食べるモノ。他様々だ。
「そういえば、お父さん。
言われていた、タケノコ、植えておきましたけれど…。」
■カラス >
柊はカラスからそれを聞くと、
「ああ、ありがとう。
俺の食事が終わったら話す。」
と言われ、一緒に廊下を進んでいく。
人型の生活スペースの方へ入り、柊も夕食の時間だ。
カラスは七夕のことを良くは知らなかった。
この柊という養父は割と実用的なことは教えるが、
そういった迷信じみたことは進んで教えようとはしない。
柊が食事を終えるまで、小竜たちのいるドームに行き、
草原のスペースで追いかけっこをしたり。
疑似的に川の流れている場所の竜たちを様子見たりしていた。
そんな自然を切り取った場所のドーム内の森スペースに、
今日はちょこんとタケノコを植えたのだ。
■カラス >
食事を終えて柊がドーム状建物の方へ来る。
ぱたぱたとカラスと小竜たちが駆け寄り、一緒にタケノコを植えた場所に。
「…今年は、皆で七夕をするのも良いかと思ってな。
笹は放っておくと地中に広く根をはってしまうから、明日には除去して草食の食事行きだが…」
そう言いながら、柊は植わっているタケノコに手をかざす。
七夕とはなんですか? と柊に青年は聞く。
ドームのガラス天井から見える空には、流石に天の川は見えなかった。
「日本の行事…迷信の一つだ。
星座の話はいくつか聞かせたとは思うが、
アジア圏の星座の話だ。」
そう言って柊は手で空を撫でるように動かした。
すると、ドームの天井部が暗くなり、プラネタリウムのような光景が広がる。
外の人口の光に掻き消された天の川や、夏の大三角形が煌めく。
そうして、柊はカラスと小竜たちに織姫と彦星の話を聞かせた。
話口はとても淡々としているが、
カラス達には何も問題は無い。
■カラス >
「……まぁ、日本では大概の催し事はお祭りのようなモノだ。
七夕には願い事を短冊に書いて笹に吊るして、
空が晴れていたら、織姫と彦星が逢っているだろう、ぐらいの感覚で良い。」
クリスマスだってハロウィンだって、日本にはさして宗教的な重要さは薄い。
なんならバレンタインなんて商業理由で出来たイベントだ。
柊はそう語り終え、植えられたタケノコに手をかざす。
『願いあれかし、渡し舟』
短い言霊を紡ぐと、雨後のタケノコのように、
それは特有の節を持つ緑の笹の木となり、
小竜たちは喜びくるくると二人の周りを回る。
養父の言霊を聞くのは好きだ。
つい耳羽根がぴこっと動く。
いつだって彼は強制的に魔力を統べるのではなく、
願い請うように、"手を貸して欲しい"と優しく語り掛けるモノだからだ。