2020/07/17 のログ
■紫陽花 剱菊 >
「…………ッ!」
理央の言葉に、悲痛さが襲う。表情が、歪む。
そうだ、其の通りだ。あのあかねの一撃と共に、理解している。
彼女が"そう言う扱い"を望んでいなかった事を、彼女が"普通の少女"である事を。
神格化、そうだ。其の通りだ。彼女を思う余り、何も見えていなかった。
彼女が望んだ関係は、そう言うものでは無かったはずだ。彼女自身がそうなる『出会い直し』の約束では無かったのか?
「……──────ッ。」
もっと言えば、自分自身が其れを知っている。
悲劇など、誰もが持ち得る。
そして、自分自身が"災禍"とも民草に忌み嫌われていて、悲劇の種になっていたことを。
人を思う余りに、人に忌み嫌われた"天災"。
……彼女にしたことと、何が違う……?
自らも変わろうとした矢先、結局何も変われてはいなかった。
そして、気づいてしまった。
"自分自身の二律背反に"
酷く、軋む音が胸中に響く。
息が、酷く荒くなる。
「……違う、違う違う違うッ!!私は、"刃"として育てられた!!父に!!『乱世の世を治めて太平の世を目指せ』と言われ、願いのままに、平和の為に"剱"となって……──────。」
「物心つく前にそうであったとッ!!戦火がそうだと言っていた!!斬った先に未来が在ると!!悩む暇など、在るものかッ!!」
「今だってそうだ!!最早一刻の猶予も無いうえで、私は─────私が、私が生命に対して誤魔化す等……!!」
「万に一つ─────!其の様な朝、当の昔に何度も迎えた!!貴様にわかるのか!?私の心が!?」
「刃で在れと言われ、人を、魍魎を、親兄弟を、合切を斬り捨て────……!」
<……■菊は■■が麗■……本当──■■なんて似■■■い……■■は■■です……。>
「……ッ!?」
斬った命を覚えきれない程に散らした。
だからこそ、彼等を尊いと悲しんだ。
親兄弟もそうだと言ったのに、自分が最も大切にしていたあの思い出が、霞んでいる。
……脳裏に響く言葉が、反響する。
此の女の声のみならず、無数の老若男女の悲鳴が木霊する。
「──────……!?」
声にもならない慟哭が、雨の中に響いた。
刀を手放し、頭を抑えた。膝をついた。
今迄誤魔化してしまったものを、"ついに直視"してしまった。
二人の言葉に、酷く、酷く、全身が悲鳴を上げる。
雨の中、頭を抑え、嗚咽を吐き捨てた。
濡れる鈍色の刀に、己の姿が見える。
……ああ、何とも無様だな……。
■山本英治 >
手の中にある青い紫陽花が、雨垂れを。涙を。流した。
「誰を何回斬っても……変わらないさ………」
「喪失の痛みは……変わっちゃくれない………」
「そうか……アンタは刃だったんだな…………」
「あまりにも鋭利すぎた白刃」
「紫陽花剱菊」
彼の名前を呼んだ。
今、俺に何ができる。彼のために、どんなことが言える。
「アンタが感じている痛みを絶対に忘れるな」
「その痛みが削り出す形がアンタそのものなんだ」
「今はわかりづらいかも知れない……けど」
「痛みまで麻痺させたら、死んでしまった人は浮かばれない」
手のひらを見る。血で汚した拳を。
先週、人を殺したばかりの掌を。
今は、優しく凜花を包むその手を。
「アンタは人間だよ、紫陽花剱菊」
「ただの刃が苦しんで、悩んで、未来を欲しがるわけがないんだ」
「だから………」
だから、なんだ? 俺は彼じゃない。彼の苦しみはわからない。
それでも、言うんだ。
「だから、立ち上がってくれ。もう一度、その手に刃を蘇らせてくれ」
「アンタにしか出来ないことが、絶対にある」
■神代理央 > 男の慟哭に感じるのは、奇妙な既視感。
自己への矛盾。存在意義の肯定と否定。思い出と記憶が、己を呪う様なその様は。
「…何ともまあ。無様、とは言えんな。それに、気付いただけまだ良かったじゃないか。気付けぬ儘終わりを迎えるよりはな」
同じ様な慟哭を、己もした覚えがある。
彼と己の違いは、それを受け止めてくれる存在、だろうか。
己が抱えていた闇は、己の想い人が受け止めてくれた。では、彼の抱える呪いは、矛盾は、自己の矜持の崩壊は。果たして、誰が受け止めるべきものなのだろうか。
「貴様のその叫びを、慟哭を、嘆きを、怒りを、戸惑いを。俺達二人が分かる訳ないじゃないか。大体、こんなむさくるしい髪型の男と、生意気な年下の男に理解されて貴様嬉しいのか?」
「本来であれば、その慟哭は日ノ岡に吐き出すべきものだったのかも知れないが……まあ、男として恰好をつけたい事もあろうな」
そして、彼に向かって立ち上がれと告げる後輩に。何処までも真直ぐな男に一度視線を向ける。
嗚呼、やはり彼に救いの言葉を投げかけるのは、此の男でなければならない。己はもしかしたら、彼に、彼女に。不器用な恋人達に、砲火を向けなければならない立場なのだから。
しかし、まあ、それでも。多少は自分の彼女の事を惚気るくらいの事は、しても良いだろう。
「……私の女はな。私がどんな結末を迎えようと、きっと傍にいる女だ。喧嘩をして、意見を違えて、擦れ違う事があっても、私の女はきっと私の傍にいる。アイツは、それが出来る強い女だ」
「さて、紫陽花。紫陽花剱菊よ。貴様は私の女よりも女々しく、さめざめと泣き崩れるしか出来ない男だったか?
私に王道を説いた男は、こうも情けない男であったか?」
「私は別に構わんぞ。選択肢を違えれば、日ノ岡あかねの終わりの引き金は、私の異能が引くかも知れんのだ。その際、邪魔建てする刃は少ない方が良いからな」
深々と吸い込んだ紫煙が、唇から零れ落ちる。
甘ったるい紫煙が、地面を漂う紫陽花の花びらと、膝をつく男に纏わりつく。
「……先ずは話をしたまえよ。日ノ岡あかねと。それすら畏れる様な男ならば、最早公安の狗とも呼ばぬぞ。
彼女とて、唯の少女である"日ノ岡あかね"と唯の男である"紫陽花剱菊"で向かい合って欲しいのではないのかね。
やれ終わりの時だの、真理だの。そんな下らない事が優先される様な恋心なら、端から諦めろ、馬鹿者」
フン、と偉そうに、尊大に。
紫煙を燻らせながら、膝をつく男を見下ろしていた。
飴と鞭、というにはちょっと華が無い面子だなと下らない思考を紫煙の中に煙らせながら。
■紫陽花 剱菊 >
降りしきるさめざめとした雨の中、動く事すらままならなかった。
何と、何と無様なのか。
乱世の世を駆け、数多の武士を屠り、生き残り、そして今も尚刃で在ろうとした男が
たった"一振り"捨てただけで、己の存在意義さえ見失いかけるとは、何と言う体たらく。
──────あかねの行いは、然るべきだった。
情けない男だ。腹を切って詫びるべきだろう。
だが、まだ此の生命を捨てる時ではないのは、分かっている。
だが、如何詫びるべきか。決めかねていた。
決めかねていた時に掛けられる言葉は
朗らかな陽の日差しの言葉と、冷淡だが確かな真実。
『陰陽以て、人と成す』最早、誰の教えかも覚えていない。
「……………。」
しとどに濡れた黒髪が、解けて地面に垂れた。
男の髪と言うよりは、雨に濡れても艶やかさを失わない女性の髪。
泥に塗れ、血に塗れた己の手を、友の血で汚した陽の手を、一瞥した。
<もう一度、"その手"に刃を蘇らせてくれ>
「…………嗚呼。」
そうか、そうだな。そう、在るべきだ。
人々に握らせていた刃<おのれ>を、今度は己の手で握るべきだ。
「……"人刃一体"……。」
刃の己と合わせて、陰陽合わせて"人"と成す。
──────何かが、研ぎ澄まされる感覚が胸中から沁みる。
優しく包む、硬い手を、そっと握り返した。
鉄の様に冷たい、其の体温で。
ゆるりと、濡れた体を起こし、顔を上げた。
「…………本来で在れば…………そう在るべきなのだろう。」
理央の言う通りだ。然れど
「……然るに、彼女に"此れ以上"背負わせるつもりは無い。」
静かに開いた、黒の双眸。
水底に"光在り"。
「…………泣き崩れ、誹られて然るべきだろうが…………此処迄お膳立てされて、立ち上がらない訳にもいかない。」
「確かに私は阿呆だった様だ。……英治、理央。」
「"もう、大丈夫"だ。」
英治の手を離すと同時に、此の胸の"熱さ"を重い、其の手を振るった。
──────"互いの雨が、止んだ"。
正確には、"頭上の雨が、斬れていた。互いにかからないようの、ほんの暇"。
「……ありがとう……。」
雨音に邪魔されぬ為に、しかとその礼を二人に届けて、深々と頭を下げた。
生真面目な、"何時もの"態度だ。
程なくして、再び三人の頭上に雨が降り注ぐ。
■山本英治 >
彼を立たせるのに、ほとんど力はいらなかった。
紫陽花さんは、自分の足で立ち上がったのだから。
俺の手はほんのきっかけにすぎない。
そして。
空は。雲は。暗闇が。
斬れた。
「ったく……とんでもない人を奮い立たせちまったかな…」
雨が再び降り注ぐ前に。
彼の口から出た言葉は。
「止してくれ、次は敵同士かも知れない」
「アンタはあかねさんを守るんだろ?」
「いや……違うな………」
「紫陽花さんはあかねさんの心を守るんだろう」
「そして俺は園刃さんを取り戻しに行く」
「いよいよもって進退窮まったな……」
冗談めかして笑って。
自分の傘を拾い上げる。
「紫陽花剱菊は漢だった」
「それがわかっただけで十分さ」
神代先輩に空いた左手を広げて見せて。
「てか、神代先輩も彼女さんいるし? ロンリー男子は俺だけかよぉ」
「ああ、やだやだ……独り身に雨が染みるとくらぁ」
ずぶ濡れになったままその場を去っていく。
「じゃあな、二人とも」
これ以上の言葉は野暮だ。
後は……それぞれの答えと意思があるのみ。
■神代理央 > 雨が、止んだ。
ほんの一瞬。ほんの刹那。だが、確実に雨は止んだのだ。
彼の心に降り注いでいた雨は、止んだのだ。
「…大丈夫だ、ではないわ馬鹿者。貴様の悩みを聞く為だけに此処迄足をかけた私達をもっと敬え。この山本など、彼女欲しさに女を漁りに行く途中……だったかも知れないのに」
多分違うが。まあ、折角彼の気は晴れて、再び前に進む事が出来たのだ。多少捻くれた軽口を叩くくらいは、きっと許されるだろう。
「しかし、物理的に雨を切ってみせるとはな。その力が、我々に――いや、私に振るわれぬ様に祈るばかりだ。
其処の愉快な髪形の男の散髪くらいにしておいてくれ」
小さく肩を竦めつつ、広げていた傘を畳む。
未だ雨は降り注いでいる。しかし"雨は止んだのだ"
ならば、傘など不要だろう。あっという間に湿気っていく煙草を、再び携帯灰皿に捻じ込んだ。
「お前も気の良い男なのだから、直ぐに彼女の二人や三人くらい出来るだろう。…髪型をもう少し普通にしてみるのも良いと思うのだが」
「まあ、個人の趣味に口出しはせぬがね」
傘を拾い上げた後輩に小さく笑みを浮かべつつ、水分を吸って重くなっていく制服の儘、紫陽花に視線を向ける。
「ではな、公安の狗。再び手にしたその刃を精々大事にすることだ。貴様と日ノ岡の物語が、互いに納得のいくものになる事を祈るよ。太陽に挑むイカロスの結末を、私に見せてくれ」
最後迄尊大で、傲慢な儘。
緩やかに唇を緩めた後、山本とは反対方向へと足を向けて立ち去っていく。
此処に集った三人は、恐らく進む道も理想も違える者達。
しかし、それでも。此の瞬間だけは。同じ方向を向いていたのかもしれない。
■紫陽花 剱菊 >
「……敵同士かは定かではない。しどけない様を見せたのを申し訳ないと思うが……。」
「そうだな、仮に二人と今一度相対した時は……」
「─────私が『選んだ』道だ。恐れ多い事だが、"惑い"は無い。」
其れは、己の価値観の惑いとは違う。
『選んだ』からこそ、迷いなく其の先へと進める。
此の先、二人を斬る事に成れば後悔はする。
だが、"迷いこそ"無い。
憂いを帯びた、はにかんだ微笑みは、覚悟の証。
「御足労頂いた事には感謝している。……事においては、英治には大変な苦労を掛けた。」
だんだんと、何時もの調子が戻ってきた。
そして、男は、背を向けた二人に手を伸ばす。
「────少し、待って頂きたい。。」
静止の言葉。
「此れほど世話を掛けた上で、恥の上塗りを承知で願いたい。」
男は静かに、泥の上に膝をつく。
「……私は彼女を大切にし過ぎた。だが、其の気持ちに偽りは無い。故に……」
「"私なりの考えがある"。英治が望む形に近しいやも知れないが……公安は私の方から話を通す。」
「故に」
「どうか」
「どうか……」
「風紀も"手出し無用"と、其方から声を掛けてはくださらぬだろうか─────。」
「……"危険ではない"と分かれば、互いに手を引くと踏んでいる。だからこそ」
「私が、"そうする"。」
其の言葉がどれほど荒唐無稽かは、己が一番理解している。
何が起こるかわからない禁断の箱を開けようとしている者を、公安も風紀も無視するはずも無い。
危険ではないと、自らが証明すると言った所で、其の言葉をどれだけ信用出来る?
天秤に測るまでも無いだろう。公平に見てしまえば、個人と大衆の命を比べるまでも無い。
二人がこれに応じたとしても、全員が全員、止まるはずも無い。
必ずどちらも、何名かが其の"対処"に出向くだろう。
一度荒れ狂った波を、止める事は不可能だと知っている。
だが、自分一人ではどうする事も出来ない事は分かっている。
地道、余りにも地道すぎる声掛け。
「……どうか……。」
「私に『力添え』をお願いしたく、些細な事でも良い。私は、其の為なら、如何なる道を『選ぶ』つもりだ。」
額を泥の上に、添えた。
全霊を以て、二人だからこそ、頼み込んだ。
下手をすれば二人の立場も危うい、激流への挑戦。
無視して立ち去るも、罵声を浴びせるも、如何様に自由だ。
■山本英治 >
振り返る。
男が頭を下げることの意味。
それを噛みしめる。
「元より風紀は動かないさ……」
「トゥルーバイツは風紀だからな」
「きっと動けるのは全部終わった後だ」
「だから、俺は俺の、アンタはアンタの道を征け」
ニカっと笑ってサムズアップ。
ああ、野暮だ野暮。俺ってやつはこれだからモテない。
そして俺が認めた漢に恥をかかせる趣味はない。
それ以上彼を見ることなく、去っていった。
■神代理央 > 「……元より、不干渉のつもりだ。その旨は、既にある程度私からも話を通している」
「山本の言う通り、そもそもが味方の組織であるからな。明確な反旗。風紀委員会や学園都市への敵対行動が無ければ、貴様達の行動は黙認するまでもない。そもそもが、手出しする案件では無い」
一度だけ、彼に振り向く。
その視線は、僅かな憐憫が含まれている――
「……真理で世界は変わらない。惑星は平面では無く球体だと知り得ても、人は何も変わらぬ様にな。
だから、動かぬさ。墜落するイカロスに、態々手を出す意味は無い」
僅かな溜息と共に彼の"頼み"を聞き入れると、今度こそ、静かに其の場を後にするのだろうか。
■紫陽花 剱菊 >
静かに立ち上がる。
「ありがとう……。」
本日、二度目の礼。
そして、理央の言葉に首を振った。
「そんな、大した話じゃない……此れは、もっと"個人的"な事だ……。」
世界だのなんだの、大袈裟な話じゃない。
二者対極の姿を、雨の中見送った。
此の冷たさを、一身に受け、目を瞑った。
「…………さて。」
啖呵を切った以上、やるしかあるまい。
自信のほどなど、実の所ハッキリ言ってなかった。
其れでも、やるしかあるまい。今は、此の手に握った。
己自身が振るう一体の異能<やいば>がある。
……自ずと晴れた空を一瞥し、己も踵を返し、別方向へと去っていくだろう。
ご案内:「紫陽花之園」から山本英治さんが去りました。
ご案内:「紫陽花之園」から紫陽花 剱菊さんが去りました。
ご案内:「紫陽花之園」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「歓楽街のアパートの一室」に持流 童男さんが現れました。
■持流 童男 > アパートの一室、壁には魔法少女ブルーのアニメのポスター、そして電脳アイドルのフィギュア、棚にはエロゲと同人誌、「魔法少女ブルー」
「ファンタジア★ブレイブ」「異能ノ傷」「オルトロスの犬」「鬱ゲー」や「NTR]モノの彼が救ってきた世界の作品がある。
「でゅふふふ」と言いつつTVには魔法少女ブルーのアニメが流されている第13話のようだ
「うおおおお!!ここはいいでござる・・!すっごい神作画でござるぅ・・!」
アニメを見ているようだ
「これで25回でござるか・・!面白いでござるなぁ、何回見ても面白いアニメは」
25回、30分アニメを見てるようだ。おかげでここ5日間、お風呂にも入らず、髪もぼさぼさ、一つのことに集中すると
他の事が疎かになってしまうオタクのようである。
■持流 童男 > 「NTR」ものの世界は「間男」を叩きのめして、鬱フラグになるようなものを徹底的に壊していき、鬱ゲーは知られずの英雄と知られずの英雄の一撃BILLION!!!!という技で異次元ごとぶっ壊したり、体から治癒の力を入れつつ、病気を直したり、鬱フラグのラスボスを
「できてるでござる・・・・」
といって体を消滅させながらも救ったりと、色々てんやわんやであった。
■持流 童男 > 鬱ゲーのラスボスは、体が消滅しながら、そして関わった推しが某を忘れることで、ハッピーエンドにしたでござる。
ただまぁ、推しが泣いてたっていうのは、コラレテラルダメージでござろう。あのまま言ってたら色々とやばかったわけでござるし。
アニメを見ながらも、
と鬱ゲーを見つつ、少し懐かしむように思いながらも、ニコっと笑いつつ。
「可憐 葵殿、元気してるでござるかな」
自分が忘れられて救った世界のことを思い出し、懐かしむように思いながらも。少しだけ頬が濡れる。
「まぁ!大丈夫でござろう!」
それをごまかすように、アニメを見つつもその時の記憶がちらつく
■鬱ゲーの記憶 > 「なんで・・!なんでそこまでして・・!!」
「やめてよ!!これじゃあなた死んじゃう!!」
泣き晴らしたように某に大声をかけてくれる、推しの声
その声が某の力になる
「なんでって・・?それは、推しだから!!お主がかけがえないものだから!!」
言いつつ最後の力を振り絞り、体を圧縮されながらも、粒子になりながらも最後の一撃を放った。
「あぁ・・!消えていく・・!キモオタ!!」
「はは・・・最後まで某の名前言ってくれなかったでござるな・・でも満足でござる、ありがとう」
「推しに看取られるのは悪くないでござるな」
そして粒子になり推しの泣き顔を見つつ、この世界に来た。
■持流 童男 > 「・・・推しが幸せならハッピーエンドでござるよね」
少しナイーブになりながらも、アニメを見ている。
そのアニメの中の魔法少女が、かすかに泣きそうな顔をしていたのを
持流は見えなかった。
■持流 童男 > 「しっかし・・・!魔法少女ブルー可愛いでござるなぁ!!やっぱり!」
次の瞬間には、泣き顔が戻っていたが、たしかに泣きそうな顔をしていた。
よく見ればNTRものと鬱ゲーの表紙もハッピーエンドにはなっているが、泣き顔で写っているものが多いだろう、そして「セリフも」わずかに違う。
「よし!ゲームでもするでござるか!」
不潔な体と、ボサボサの頭をしながらも、ゲームを取りに行く
■???? > 持流は気づかない、救って忘れても、確かにその世界には会った、あった、残っているのだと。そして一つの集合体が生まれてしまう。怪異が生まれる。
((((絶対に逃さない))))
その思いが、何かを生み出してしまったことも
持流は知らない。
■持流 童男 > 「さーって戻ってきたでござるよ~~」
「ん?なんか雰囲気が・・・?まぁ気のせいでござろう。」
言いつつも、アニメを見つつボサボサの髪をしながらもダラダラしつつ休日をすごす。怪異が生まれていることも知らずに。
ご案内:「歓楽街のアパートの一室」から持流 童男さんが去りました。