2020/08/16 のログ
■フレイヤ >
「ヤマモト……エイジね」
彼の名前が分かった。
ついでに年齢も。
あと知りたいことは一つだけ。
「エイジは何故そんなおかしな髪型をしているの?」
彼の髪型の理由だけ。
■日下 葵 > 「うぐッ……」
確かに人命が関わるところ以外は不真面目かもしれない。
そう言われると、だんだん真面目じゃない気がしてきた。
「冗談ですよ冗談。
安心してください。
何より私はそんなに強くないんですから」
何をそんなに恐れているのか。
そう言って>
■フレイヤ >
「ん――食べたいものは特にないわ」
さっきごしゅ――友人から食べさせてもらったし。
「上手に焼くのね、と思って」
むしろ気になるのは彼女の手付き。
手際よく焼け具合の違う食材を次々とひっくり返していく彼女。
良くどれがどの程度焼けているか、見ただけでわかるものだ。
■山本 英治 >
「この髪型かい?」
「そうだな……今までと違う自分になる、という決意表明みたいなもんさ」
笑顔で答えて。
「情けなかった自分とお別れするためにアフロにしたんだ」
「維持は大変だけどねー」
遠い目になる。毎月4時間は美容室に籠もる。
■紅葉 >
「そない気ぃ張らんと、もっと胸張ったらええんよ。
特に今は……酒の席やしな」
呑んでるのはこの人だけです。
欲しいと言われればサーブする飲み物係の名残。
「真面目すぎてもおもろないしな。
気ぃ抜けるところはとことん抜くのが人生楽しむコツやで~」
言いながら凜霞の焼いてくれている肉やら野菜やらをひょいひょい取り皿に取っていく。
「ん~、この絶妙な焼き加減!
酒が進みそうやわぁ。エエ仕事するなぁ」
■フレイヤ >
「だめよマモル、お仕事は真面目にしないと」
大人びたお説教をするかのように。
しかし顔は楽しそうな笑みを浮かべていて。
■伊都波 凛霞 >
「せっかくの美味しいお肉や新鮮なお野菜。
綺麗に焼かないともったいないもんねぇ」
手際よく、ひっくり返して焼け上がったものはお皿へ
食べにくそうなものは串を抜けやすくお箸で回転させたりしながら
「加減は、まぁ慣れかなあ…?
お料理とか常日頃からしてるとなんとなくわかるようになるってやつ」
言葉を返しながら、ちょっと手が開いた好きに野菜串を口元へ
香ばしさと野菜の甘さのハーモニーがたまらないね。もぐもぐ
■紅葉 >
「そこは髪切るところと違うん?」
禁句。
■フレイヤ >
「その髪型は情けなくないの……?」
元の髪型は知らないが、結構情けない――と言うか、ヘンなのでは。
「エイジは普通の髪型の方がカッコイイと思うわ」
■伊都波 凛霞 >
「山本くんの髪型は目立つもんね。お手入れというか、洗うのがほんとに大変そう」
あまり詳しくないけどああいう髪って洗う時どうするんだろう
ドレッドみたいな編み込む髪型は洗えないと聞いたこともあるけど
■山本 英治 >
「えっ……髪って盛るものじゃないんですか…?」
■日下 葵 > 「あっ、はい……」
説教をされた。
自分よりも6つも下の女の子に。
メラメラと何か黒い感情がわいてきて――――
「でも私が真面目に仕事してたらフレイヤ、
あなた今ここでバーベキューできてませんよ?」
報告書にどこまで書くかにもよるが、
なかなかの騒ぎにはなっていただろう。
そんなことを、彼女の耳元で囁いてみる>
■フレイヤ >
「お料理なんてしたことない」
だってしなくても食べられるんだもの。
お嬢様。
「焼けるのは表面だけでしょう? なんで中の状態もわかるの? 火が強いところと弱いところで分けてるのはなんで? 強火の方が速く焼けるんじゃない?」
そして質問攻め。
■山本 英治 >
「ははは、それじゃ決意表明が終わったらアフロ辞めちゃおっかな?」
フレイヤに肩を揺らして笑って。
伊都波先輩の言葉には顔をしかめて見せて。
「洗うのはもう、椿油のシャンプーたっぷりつけてワシワシと」
お高いやつ。
■山本 英治 >
「あっ、それじゃ俺もちょっとだけお酒入れちゃうー」
「美味しそうに肉も焼けてるしな!!」
ああ、楽しい!!
俺たちの夏はこれからだ!!
■日下 葵 > 「盛る、ってのは分からなくもないですけど、
管理が大変ですよね」
髪の毛で遊んでいる身としては、
彼の盛るという気持ちも分からなくはない。
でも結局面倒が勝ってしまう……
何よりもアフロにできるくらい髪を伸ばせるのはうらやましい>
ご案内:「BBQ祭り会場」から山本 英治さんが去りました。
■フレイヤ >
「それはそれ。マモルが真面目に報告してたら、マモルが大変なことになってたでしょう?」
ふふん、とお見通しだと言う様な顔。
「マモルが不真面目なおかげで私はバーベキューに参加出来たけど、それはそれとしてお仕事はちゃんと真面目にしないと駄目。でしょう?」
■伊都波 凛霞 >
「してみると色々発見があるかもしれないね。
お料理ができるようになる以外にも、以外な調理法とか、食材の保存の方法とかにも詳しくなるし。
知識って持っているならそれはそれで無駄にならないから」
お料理をしたことない、という少女に答えながら、口元をもぐもぐ
「じっくり火を通したほうが美味しいものがあったり、さっと表面だけを強火で炙るほうが食感がよくなったり、食材によって色々あるんだよー」
質問攻めにも丁寧に答えを返してゆく凛霞
手元にある串をふりふり、ちょっと得意げだ
■伊都波 凛霞 >
たくさんシャンプー使うんだろうなあ…なんて思いながら苦笑
さて男の子はいっぱい食べるだろうし腕によりをかけて焼き上げなければ!
と気合が乗る凛霞
■日下 葵 > 「あー……っと、
それはぁ……まぁ。はい……」
あえなく撃沈。
なんだろう、いつもの調子が出ない。
周りに人――風紀委員がいるからだろうか。
まぁ、仕事は確かに真面目にやらねばなるまい>
■紅葉 >
「ほんまおもろいニイさんやなぁ……見てて飽きんわ。
じゃんじゃん飲みぃや。そんで一発芸でも見してもらおかな」
英治のコップに酒を注ぎつつ囃し立てる。
この酔っぱらいはバーベキューの間ずっとこんな調子だろう……
■フレイヤ >
「わざわざ私がしなくても、もっと上手な人はいるでしょう? お金を払えばその人の料理が食べられるのに」
わざわざ自分で料理をする理由がわからない。
苦労しなくてもお金を払えば美味しいものは食べられるだろうに、と。
「ふうん」
わかるような、わからないような。
それはそれとして、何となく料理に興味が出てきた。
「――お料理出来ると、楽しい?」
ご案内:「BBQ祭り会場」から紅葉さんが去りました。
■日下 葵 > 「さて、だいぶ人も減ってきましたけど、
お二人は何か飲みますか?」
特に伊都波さんは焼きっぱなしで汗をかいているだろう。
まだ飲み物は冷えているから取ってきますよ、といって二人に質問してみる>
■伊都波 凛霞 >
「そうだね。お金を払えばいくらも美味しい物も食べれる。
というか極論でいうとお金を払うことでできないことってないんだけど」
んー、と口元に指をあてて
「自分が自分の手で作ったものを誰かに振る舞って笑顔に出来るのって、結構楽しいんだなー、これが。
そういう楽しさだけは、お金で買えないモノ、かな?」
ふふ、と優しく笑う
■伊都波 凛霞 >
「あ、じゃあスポドリあったらください!」
水分補給、だいじ!
声をかけてくれた日下さんに快活にお返事
ちょうど最高の焼き具合になったカットコーンをお礼に献上しよう
■フレイヤ >
「ふうん……」
よくわからない。
よく、わからないけれど。
ごしゅじ――友人の彼女を、チラリと見る。
「――ねえ。今度、お料理、教えてくれない……?」
もじもじしながら、手際のいい彼女へ。
■フレイヤ >
「私はお水」
ついにアバウトな返事しか出来なくなってしまった彼女へ、水を要求。
■日下 葵 > 「はーい、伊都波さんにはスポーツドリンク、
フレイヤにはお水ですねえ」
二人に要求された飲み物を手際よくクーラーボックスの氷水から引き抜いて手渡す。
そして献上してもらったカットコーンを
箸――ではなく串にさすと、熱々の状態で頬張った。
ちなみにお共に私はサイダーである>
■伊都波 凛霞 >
「ん…お料理を?」
意外な申し出
お金で解決、といったような合理的な言葉を口にしていた少女
その口からそんな言葉が出るということは、ちょっとした興味が湧いたのだろうか
「いいよ!私も風紀委員で夏季休暇中それほど暇ってこともないけど、タイミングがあったらでよければね」
快く返事を返して、一端焼き場を落ち着ける
「ありがとうー! あ、あついよ?それ」
アツアツのコーンを頬張る日下さんにちょっと困惑
いや彼女なら平気なのかもしれないけれど──
■フレイヤ >
「ほんと!?」
不安そうな顔から、ぱあ、と明るい顔に。
「ええと、じゃあ、連絡先……ああ、置いてきちゃった、取ってくるわ!! ――これ! 私、フレイヤ、フレイヤ・アースガルズよ!」
ぱたぱたと一度その場を離れ、なにやら遠くにいる男三人の方へ。
スマホを手に戻ってきて、連絡先を彼女へ見せる。
そして嬉しそうに自分の名前を。
■フレイヤ >
「わ、つめたい……」
思ったより冷たかった水のボトル。
が、それを開けようともせずじっと見つめる。
「――ん」
そしてそれを渡してくれた彼女へ突き出した。
開けて、と言わんばかりに。
■日下 葵 > 「あttっつい」
案の定、やけどをした。
痛みを感じないわけではないのでカットコーンの熱さに反応はするものの、
絶妙に抑揚がない。
それでも、ふぅーふぅーと冷ましているあたり、
程よい温度でおいしくいただきたいのだろう。
「いや、ダメですねえ、
痛みになれると勢いだけで行動しちゃって」
「おやおや?随分と仲がよさそうですねえ?
なにか楽しいことでもあったんです?」
フレイヤが慌ただしく伊都波さんと話しているのを見ると、
少し気になって聞いてみる、が――
「あれれ?
もしかしてフレイヤは自分でペットボトルをあけられないんですか?」
ニヤニヤして突き出されたペットボトルを手に取る。
仕方がないですねえ?
なんて言ってペットボトルのキャップを回すと、フレイヤに手渡してあげる>
■伊都波 凛霞 >
「フレイヤちゃんね。私は伊都波凛霞」
嬉しそうにこちらに連絡先を見せる少女に微笑んで、自分もまた荷物からスマホを取り出して、連絡先を交換する
いつでも…というわけにはいかないけれど、都合のついた時にでも喜んで教えてあげよう
■伊都波 凛霞 >
さて、十分に焼いたし食べたし
後はのんびりと過ごすとしよう
なんだか新しいお友達?も増えたし、来て良かった
そうして日中のちょっとした暇をこうやった満足に使えた凛霞はその後もBBQを満喫
ゴミの後始末なんかをちゃーんと最後まで見届けて、真面目なお姉ちゃんっぷりを発揮したりしていたのでした
ご案内:「BBQ祭り会場」から伊都波 凛霞さんが去りました。
■フレイヤ >
「し、しかたないじゃない! 家では全部メイドがやってくれてたんだから!」
ぷうと頬を膨らませつつも、開けてもらったボトルを受け取って。
「マモル、大丈夫?」
そして彼女が口の中?を火傷したならば心配そうな顔。
手を握り、力を使うか、と目で問いかけて。
■日下 葵 > 「私はメイドじゃないんですけどねえ?」
頬を膨らませる彼女の頭を軽く撫でると、
次に彼女がみせたのは心配そうな表情。
「大丈夫ですよ、
もう治っちゃいましたし」
そう言って唇を軽く裏返すと、
そこには傷一つ残っていなかった。
「妙なところで優しいんですから、フレイヤは」>
■フレイヤ >
「……だって」
ごしゅじんさま、だもの。
撫でられて、少しくすぐったそうな嬉しそうな顔。
その腕からするりと逃げるように身を翻し、
「――そろそろ私帰るわね。バーベキュー?楽しかったわ!」
そうしてその場にいる皆に笑顔を向け、先ほどの三人組の男たちがいる方へ走って行って――
ご案内:「BBQ祭り会場」からフレイヤさんが去りました。
■日下 葵 > 「おっと……」
なんだろう。
妙に胸が締め付けられると言うか、ドキッとしたと言うか。
するりと腕から離れていく彼女にあっけに取られていると、
パチッと炭がはじけてまた火傷をしてしまった。
ちょっと熱に当てられた顔のまま、バーベキューコンロから離れると、
ボーっとした顔で煙草を吸いに離れた岩場に行くのであった>
ご案内:「BBQ祭り会場」から日下 葵さんが去りました。
ご案内:「海水浴場 浜辺」にラピスさんが現れました。
ご案内:「海水浴場 浜辺」にセレネさんが現れました。
■ラピス > 降り注ぐ太陽、青い空と海、遠くに見える白い雲。目の前の光景は、夏120%な雰囲気だった。
さてさて、やって来たるは海水浴場の浜辺。今日は一日オフだから、仲良しさんと楽しむつもり。
この間買った水着が見たいから、と誘ってはみたものの、実はへっぽこ教師の方も水着初見せだったりする。
こっそりと商店街の服屋で買っておいた空色のフリフリビキニに麦わら帽子とパーカーのコーディネート。
何処からどう見ても、これから海で遊ぶちっこい女の子感が否めないが、今日の所は良しとしておく。
「という訳で、海ですよ、海!いやぁ、潮風って気分上がりますよねー!
髪の毛とかお肌の敵ではあるので、ケアはいつも以上に丁寧にしないとですけど!」
わふー!とテンション高めなへっぽこ教師は、仲良しな彼女にニコニコ笑顔。
右手に抱えた魔法のトランクには、日焼け止め試作品やらパラソルやらを詰め込んで。
真夏の盛りというのもあって、大盛況な海水浴場の一角をどうにか陣取る算段だった。
今回の目的は、彼女と楽しく遊ぶこと、それから日焼け止め試作品の実用テスト。
そう、デートだ!なんて言いたげにやる気満々なへっぽこ教師は、なんとも足取り軽やかだった。
■セレネ > 普段ならばこの地獄のような炎天下の中外に出るなんて無謀は絶対にしないが
今回ばかりは傍に居る仲良しさんたってのお誘い。
ザ・真夏の海を体現しているこの浜辺は当たり前だが人が多い。
暑さに加え人の多い場も苦手な己は内心既にげんなりしてはいるものの。
努めてそれを表に出さぬよう気を張りながらテンションが上がっている彼女へと蒼を向ける。
「ラピスちゃんが楽しそうで何よりです。
…確かに。帰ってからのケアがいつもより大変そうですね。」
己のテンションは普段通り。
日傘を差しパーカーとパレオで真っ白な脚を覆うよう包んで肌を極力晒さないようにしつつ。
紫外線対策もほぼバッチリ。ただ、日焼け止めは今回塗ってきてはいないので塗るまで安心は出来ない。
何処か良い場所はあるかと周りを見回す。
人の多さもあり、結構難易度は高そうだと感じた。
■ラピス > 思い出づくりをしましょう、なんて無理やり彼女を引っ張り出しての休養日。
彼女の内心など露知らず、すっかり遠足当日の小学生的な何かである。
ともあれ、まずは拠点の確保だ、と砂浜をぽてぽて練り歩いて場所探し。
絶好の場所は先に取られているだろうから、あえて少しだけ不便な方へ。
ずっと海に浸かっている訳でもないから、と海水浴場からちょっと遠目の一角を狙うつもりだ。
「うにょ、先生は楽しいですよー、こんなに可愛い水着セレネちゃんと一緒ですし!
ふふ、帰り際に、お手製のケアセットを用意してるので、土産に持って帰ると良いです」
ぽてぽて、ぽてりこ。人混みを少し抜けた先は、海水浴場の隅っこの方。
脱衣所や海の家からも少々距離があるからか、不人気らしく人気も疎ら。
よしよし、と頷くへっぽこ教師は、ぽいっとトランクを砂浜の上へ。
留め金を外して蓋を開くと、中に手を突っ込んでゴソゴソ。取り出すのはシートとパラソルだ。
大きめの水玉が幾つか描かれたシートを拡げて、砂浜の上に拠点を確保。
ついで、見た目の割に軽いパラソルをせっせと持ち上げて、砂浜にぷすっと差し込んで。
「それじゃ、後は大地の精霊ちゃんにおまかせしましょー」
よろしくー、と声をかけると、何処からか土色の燐光がフヨフヨとパラソルの根本に集合。
それから、開いたパラソルがひとりでにずぶずぶと、砂浜に沈み込んでいく。
こうして、魔術を使って横着した拠点作りは一段落。トランクをシートの上に移すと。
「さぁさぁ、セレネちゃん、日陰の方にどうぞー!」
にこぱー、と彼女に勧めてみよう。
■セレネ > 傍に居る彼女の見た目のせいか、それとも気質のせいか。
付き添いに来ている保護者の気分。
隣を共に歩きながら時折相手とはぐれないよう気にしつつ砂浜を歩く。
これだけでも既に暑い。砂が太陽の光と熱を吸収して熱波を放っているから溶けそうだ。
相手についていけば人気も疎らな隅の方に来た。此処なら多少はマシかな。
「ふふ、貴女もとても可愛いですよ?
水着似合ってますし。
日焼け止めだけでなくケアセットもお手製だなんて。何だか申し訳ないですね。」
己は残念ながら相手のように何かを製作できる技術は持ち合わせていない。
だから代わりに何かを作ってあげる事は難しい。
せいぜい料理か多少の菓子作りくらいであろうが、それも相手と比べれば足元にも及ばないであろうし。
己は彼女に何をしてあげられるだろうか。何を対価として差し出せるだろうか。
楽しい場には似つかわしくない思考を回して。
「おぉ…。成程、そういう使役方法もあるのですね。」
トランクからレジャーシートとパラソルを取り出した彼女。
重くないかな、とか深く刺せるのかなとか心配だったが
彼女が契約している精霊のお陰で難なく立った。
パラソルを差すのは女性にとっては大変だし、ここは適役だったのかもしれない。
「すみません。有難う御座います。」
日傘を折り畳み、ヒールサンダルを脱いではシートの上へ。
陰になる方に座れば一つ息を吐いた。…ちょっと疲れた。
■ラピス > 旗から見た感じは、海が楽しみな妹とお目付け役の姉だろうか。
或いは、ちびっこ娘と麗しい美貌の美魔女な母親かもしれない。
何れにせよ、衆目を掻き分ける最中で幾人かの視線を釘付けには出来たはず。
――このへっぽこ少女は色々残念なので、きっと彼女目当てなのだろうけど。
閑話休題。パラソルも立て終わったら、ここからが今日の本命のお時間。
ごそごそ。取り出すのはトロピカルドリンクのセットと日焼け止めの小瓶。
他には軽食の用意も入っているし、何なら浮き輪やら何やらも詰め込まれている。
大枚叩いて購入した魔法のトランクケースは、その甲斐ある働きを示していた。
「さてと、それじゃ、日焼け止めを塗る用意をしますので、ドリンクどうぞ。
一杯はセレネちゃんの分で、もう一杯は精霊さんへのお供えって感じです。
――あ、日焼け止めに香料を混ぜ込めるんですが、好きな匂いとかありますかね?
匂いなんかなくてもいいよーって感じだったら、無臭でも使える仕様ですけども」
どうしましょー?と首を傾げて尋ねつつ、ドリンクのグラスをひょいと差し出す。
彼女の次は精霊の分。小さめのグラスにブルーの液体を注ぐと、土色の燐光がまわりにふわふわ。
精霊が飲んだ分だけ少しずつ水位が勝手に下がっていく様は、ちょっと不思議な光景かもしれない。
「っとと、今日セレネちゃんに付き合ってもらうのは、お日様の下で少しと、水の中で少しです。
お日様苦手なセレネちゃんにはちょっぴり申し訳ないですけど、ターゲットとして最適なので。
試作品が満足行く出来になったら、その時は大瓶で進呈しちゃいますので、お手伝いよろしくです」
声掛けしつつ、彼女の要望に従って、日焼け止めの最終調整。
それが終われば、早速彼女に使ってもらうお時間がやってくるわけで。
「さて、それじゃ、早速塗り塗りしましょうかー。
セレネちゃんは日陰に転んと寝転んでくれれば大丈夫です。
一応、背中だけ先生で、お腹とかはセレネちゃんに任せちゃう気ですけどー」
それとも、全身隈なく先生が塗っちゃいます?なんて、問いかけながら、自分のお手々に塗り塗り。
伸び具合よし、日焼け止め特有の臭いもなし、現状の評価としては、満足いく出来だった。
■セレネ > 相手とは色味も似ているから、血縁者に見られてもおかしくはないかもしれない。
特に己は外見もそうだが雰囲気もあってか実年齢より上に見られがちだから余計に。
彼女が持ってきたトランクは見た目以上に様々な物が詰め込まれており、
さながら青いロボットが持っている魔法のポケットのよう。
「ん、有難う御座います…と、貴女の分はないのです?
――好きな匂い、ですか。うーん…。
ローズやラベンダーの香りは好きですね。」
普段使っている香水もローズ系の香りだったりするし。
相手から差し出されたグラスを受け取り、精霊がドリンクを飲む様を眺める。
見た目は蛍のように見えるけど、きちんと精霊なんだなぁと思ったり。
「はい。分かりました。」
この燦々と降り頻る太陽光と対峙せねばならないとは。
しかしそれも全て自身の為。少しでも快適に夏を過ごせるようになる為だ。
相手の声掛けに頷いて了承。
「んー。自分でやると塗り残しがあったりするので
お手数ですが塗って頂けると有難いですかね。」
パーカーを脱ぎ、白い肌を曝け出す。
相手が同性だからと警戒心皆無に、塗ってもらえればなんて。
俯せに寝転べば柔らかな胸元が押し潰され変形する。
■ラピス > へっぽこ教師の異能や魔術と組み合わせれば、確かに魔法のポケットかもしれない。
魔力を消費すれば何でも作れて、作ったものは全て入れて置けるのだ。
身の丈に合わないものを作れないことさえ除けば、ではあるが。
「ん、先生の分は、精霊さんが飲み終わったらですかねー。
――ほむ、それじゃ、薔薇の香りを混ぜ込んでみましょうか」
事前に中の女子生徒に聞いた結果としては、日焼け止めの臭いが苦手というのがあった。
そこを改良してみたのが、香料を混ぜ込んで好きな匂いをつけられる仕様だった。
日焼け止めが香水を兼ねれば、お洒落かなぁ、という適当な発想の産物である。
トランクに手を突っ込んで、薔薇の香料を引っ張り出すと、少しばかり混ぜ込んで。
試薬の調合は慣れ親しんだ作業。その手付きはてきぱきと迷いのないものだった。
「そのドリンクちゃんと飲んじゃってくださいね。熱中症対策なので。
先生もこの間、うっかり油断してヘロヘロになっちゃったので、対策はしっかりと、です」
精霊もちびちびとドリンクを消化中。彼らには熱中症なんてなさそうではあるが。
さっぱりとした柑橘風味の甘さに、ほんのりと塩味の混ざったドリンクは、保健室でも飲めたりする。
冷蔵庫に透き通ったブルーの液体が突っ込まれていたら、くすねてみるのもありかもしれない。
「さて、それじゃ、全部塗りますねー。
――おおぅ、何という素敵なお餅……!」
寝転んだ彼女を見て、むにぅ、と変形する柔らかなものに思わず感想がぽろりと漏れる。
こほん、咳払いで気分を切り替えると、彼女のそばに寄っていき、まずは背中にぺとり。
キメ細かい肌の感触に思わず息を呑みながら、ゆっくりと肩甲骨の辺りに日焼け止めを塗り拡げる。
それから、肩の辺りを塗って、首の後ろも忘れずに伸ばして、そこから背筋を伝うように下へ。
背中側の水着の下にも手を滑り込ませて、それから腰元へと進んでいこう。いやはや、役得である。
■セレネ > 嵩張りそうな物も入れておけるのなら手荷物が減って良い。
そういう魔法道具も欲しいなぁと思うものの、学生にとってもなかなかに値が張る品物だから難しい。
だからちょっと、そのトランクを持っている彼女が羨ましかった。
「精霊への貢ぎ物の方が先ですよね。そっか。」
手慣れた手つきで香料を混ぜる彼女。薬師だから流石だと感じた。
「成程。遊びに来たのに熱中症になっては大変ですからねぇ。
あら、大丈夫だったのです?」
それは心配だと相手の言葉を聞いて眉をハの字に。
寝転んだままだから若干飲みにくいが、グラスを傾けて口に運ぶ。
柑橘の風味に少しのしょっぱさ。スッキリとしていて飲みやすい。
美味しい、と感想を述べながら
「これくらい大きいと肩も凝って仕方ないのですよ?」
己の胸に関する感想には苦笑。
しかしそれはそれで大変なのだと言いつつ、背に受ける小さな手の感触に小さく肩が震える。
背中はあまり人に触れさせないから慣れない。
首元には、髪が邪魔だろうと片側に寄せて塗りやすくして。
背中を塗り終えた手が腰に下りる。
巻いているパレオは邪魔ではないだろうか。大丈夫だろうか。
■ラピス > 魔法のトランクは、無視できる重量や魔法で拡張する容量が大きいほど、その値段も高くなる。
へっぽこ教師が使っている品物も、給料の何ヶ月分を軽く吹っ飛ばした代物だ。
それでも一度使うとこの便利さには抗えない。なにせ、買い物し放題なのである。
今ならへっぽこ教師を買い物に誘うと、魔法のトランクが一緒についてくるので大分お買い得だ。
「臍曲げられたら、帰りの片付けが大変ですからねー。
ジュース一杯でお仕事してくれるならば安いものですけど」
ふふー、とぼやきながら、彼女の背中にぬりぬり。
それにしても、胸元は豊かなのに腰元は細いなぁ、と改めて感心。
女の子の理想のスタイルな気がしますよねー、とか内心で眼福を喜びながら。
腰元を塗り終わると、更に下へ。水着のパレオにふむむー、と悩んだ後に。
「水着の中は良いとして、少しズレても良いように、際の部分は塗りますねー?
ほんの少しだけ指先差し込みますが、気にしないでくださいなーっと」
背中側から、ほんの少しだけ腰元の水着の下に指を差し込んで塗り塗り。
布地が多少ズレても大丈夫なように、という配慮である。
大きくずれたらその時は遊泳なんてしていられないので、そこは割愛。
一頻り塗り終わったら、パレオをちょいと摘み上げて太腿へ。
しっとり感覚でしなやかな柔らかさとか、先生が男だったら一撃ノックアウト確実。
やばい、膝枕とか超気持ちよさそう。お前はおじさんか、と突っ込みたくなる邪念がよぎる。
「んしょっと。それにしても、セレネちゃんのお肌、真っ白で綺麗ですねー。
手触りもキメ細かくてスベスベもっちりですし、何か特別なケアとかしてるんです?」
もにゅもにゅぬりぬり。少しだけ揉むような動作が入っているのは邪念のせい。
それを誤魔化すかのように話題を振りながら、役得を目一杯に楽しむへっぽこ教師なのである。
■セレネ > 今後の利便性を考えると、値が張る品物でも買いたくなるもの。
その分色々な物を我慢しなければならないが…。
必要経費、必要経費。
「結構深くまで刺さってますからね。
男性か力自慢の子と一緒なら問題なさそうですけど。」
此処に男性は居ないし、己も相手も力に自信はない。
チラリと横目でパラソルの根本を見ては、眼福されている事など露知らず。
「あ、はい。動いてるとズレてしまう事もありますしね。」
塗り残しがあればそこが焼けてしまうから、相手の配慮は有難い。
己より細い指が差し込まれ、塗り込まれる。
そして今度は脚へと。
膝枕は今の所誰にもした事は無いけれど、相手が望むならしてあげても良いかもしれない。
己は人より体温が低いからこの時期猶更心地良いかも。
「えへ、有難う御座います。
肌が弱いのでケアは欠かせないんですよ。
…でもなかなか自分に合うものがなくて、大変です。」
肌を褒められれば嬉しい。
ちょっと照れながら礼を言うと、何だか揉まれているような気がして。この間動いた筋肉痛が少し痛む。
自分の肌に合う美容ケア商品が少なくて悩んでいるのだとお悩み相談。
今使っているものを探すのもそれなりに苦労したのだ。
■ラピス > 「精霊さんはお仕事しっかりやってくれますからねー。
帰りも手伝ってもらって、お家帰ってから奉納なのです」
精霊の力を借りると、その後の食事は大抵精霊のリクエストした品になる。
今日の夜飯も同じくだ。色々料理を知っているのも、その辺りに由来している。
無論、食べるのも食べさせるのも好き、という気質も関係しているのは言うまでもない。
「ですです。本当に完全ガードするなら、布の下も塗るべきなのですけどね。
ただまぁ、今回はそこまで長時間日差しの下に居ないだろうから大丈夫かと」
ぬりぬり、ぬりぬり。尻から太腿、そこから脹脛へ。
もみゅもみゅしながら塗っていくと、わずかに筋肉が強張っているような気もする。
つい最近運動でもしたのかしら、とかぽやんと思いつつ、とりあえずはぬりぬり続行。
「かなり丁寧にケアされているなぁって言うのが伝わってくる肌触りですよぅ。
そういうことなら、今日持って帰るケアセットも試してみると良いかもです。
特注品じゃないので個人に特化してはいませんが、良い感じにはなるんじゃないかと」
後は踵の辺りまで塗り込んだら、背面については一旦終了。
ついでに、足の甲もそのまま撫でるように日焼け止めを塗り込んで。
「――っと、それじゃ、ころんと寝返りしてくださいな。
お腹側を全体的に塗っていきますのでー。それにしても、うん」
これでお腹側も塗るってなると、あの素敵なたゆんを見ながらの作業となるはず。
もしや、こここそが天国かな?と思いたくなる素敵シチュで、内心ガッツポーズである。
■セレネ > 「ふむふむ。
大地の精霊は何がお好きなのですかね。気になりますね。」
精霊と契約する機会があれば、参考にしてみるのも良いかもしれないし。
相手の料理のレパートリーの多さ、己も見習わないといけないなぁと思った。
「長時間陽の光に晒されたら私が溶けそうです。」
暑さでK.O.してしまいそうだ。
マッサージされていると、痛みは伴うが多少解れる筋肉。
相手にこのままマッサージを頼みたい所だがそれでは此処に来た意味がないので今回は我慢。
「少しでも綺麗で居たいですからねー。
ん、それなら帰ってから楽しみになりますね。
…そうか、ラピスちゃんに作ってもらえば探す手間は省けるのか…。」
それは盲点だった。しかし相手の手間がかかりそうだ。
どうしようと悩みつつ、踵までしっかりぬりぬりされると
グラスを一旦置いてころりん。
胸の重さで肺が圧迫される感覚。
「仰向けになったの久し振り…。」
パラソルと相手の顔を視界に映しながらそんな事をポツリ。
■ラピス > 「んー、大地の精霊さんは塩分やミネラルが多めのメニューが好みですねぇ。
なので、さっきのドリンクにも塩入れましたし、夜の付け合せも麦茶です」
なお、このへっぽこ小娘に付き従ってくる物好き精霊の好みである。
他の精霊と契約する時の参考になるかは、中々未知数かもしれない。
「ふむ、セレネちゃんが溶けちゃったら、困っちゃいますねー。
仲良しさんが居なくなってしまうと、先生悲しみなのですよー」
そもそも彼女みたいな大の仲良しでなければ、こうして遊びには誘わなかった。
或いは治験に誘うのも、彼女ならば信頼できるという距離感故のことだ。
おそらく、へっぽこ教師にとっては、この学園島の中で一番の仲良しさんなんじゃないだろうか。
「ん、女の子は綺麗でなくては、ですねぇ。
先生の息抜きで作る程度でいいなら、偶に用立てますよ?」
ころんと転がった彼女を見て、ほわぁ、と拝みたくなる。
この質、この量、どう見ても圧倒的。男子じゃなくても見惚れる筈。
仰向けだとボリュームがよく分かるので、大変けしから――よろしい光景かと。
「それじゃ、今度は、足元から上に登っていきますねー?」
足の甲は塗ったから、脛から膝にかけてをなぞり、そこから太腿の前側へ。
ほっそりしなやかなのに、やわらかさもある贅沢な感触を味わいながら、ぬりぬり。
流石に、太腿側の水着の縁はちょっと色々危ういので、肌が顕な部分だけで止めておく。
太腿の内側も、忘れずに塗り塗り。うぅん、夏って素敵な季節だ。
「っとと、も少し先も塗ります?それとも、お腹に移っちゃいます?」
脚部はあらかた塗り終えたが、太腿と下腹部の接点についてはノータッチ。
許可があれば指を差し入れてなぞるけれど、ということでとりあえず確認。
流石に分別わきまえてますよー、先生ですものー、と邪念はどうにか投げ捨てたらしい。
■セレネ > 「…あー。土にもミネラルって含まれてますものね。成程。
麦茶を飲む精霊…。」
いや先程もドリンクを飲んでいたのだけども。
案外、精霊というのも味覚は人と変わらないのだなぁと感じて。
「あはは、私は吸血鬼ではないですから、実際に溶ける事はありませんよ。
……私が居なくなったら、貴女は悲しんでくれるのですね。」
そうか。そうなると、少なくとも己は一人ではないという事か。
まさか相手にとっての一番の仲良しさんが己だなんて思わず。
「ぇ、宜しいのです?
…ならば、用立てて頂けたら有難いです。
でも無償で、というのは気が引けるので…うーん。
私で良ければお手伝いとかしますから。」
最近また育った胸元。ぼちぼち新しい下着も買うべきかなぁとか思いつつ。
「はーい。」
動かぬようにじっとしながら足先から塗られる感覚。
流石に危うい部分は避けてくれたので内心安堵。
「あ、いえ。そこは自分で塗りますよ。」
そこまで塗られるとちょっと危ない気がしたので首を横に振り。
指でなぞられるとぞわぞわして変な声が洩れるだろうから。
だから腹を塗ってくれと頼もうか。
■ラピス > 「先生と仲良しの精霊がそうってだけなので、他の子達は別かもですけどね。
喜んでるのかも良くはわかりませんが、次の仕事も受けてくれるから平気かなぁ、と」
ふよよん。土色の燐光はドリンクを飲み終わったようで、順次解散していった。
後で呼び出すまでは、そこらの砂と戯れていたりするのだろう、きっと。
「溶けちゃうなら、溶けないようにする薬を作らないといけない所でした。
――おや、当たり前じゃないですか。セレネちゃんは、大好きな友人ですからね」
その正体が何であろうと、彼女は彼女。それがへっぽこ教師の捉え方。
一緒にいれば楽しいし、居なくなれば悲しむ。それが、少女の当たり前だ。
「ん、それなら、実際に色々作ってみましょうか。
それじゃ、今度またお菓子の差し入れとかくださいな」
彼女のお菓子は、本当に美味しかった。また食べたいと心から思っている。
だから、お願いするのも躊躇なく、快諾されたらよりご機嫌になること必至だ。
「んしょ。まぁ、周りの人に可愛いセレネちゃんを必要以上に見せることもないですからね。
二人っきりの保健室でだったら、ちょっとばかり悪戯していたかもしれませんが――」
ともあれ、次はお腹だ。ほっそりしたウェストに、形の良い臍がちょこんと存在する部分。
触れてみると柔らかながら、無駄なお肉がない感じ。こういう感触もかなり好みなのは秘密だ。
ふにふに、ぬりぬり。太腿よりは優しい手付きで、少しだけ揉みながらの作業が続く。
そうして、鳩尾の辺りまでを塗り終えたら、ある種最大の強敵である部位が迫る。
「……この素敵すぎる二つのお餅は、どうしますかね。
セレネちゃんが塗ります?塗っちゃいます?」
最近更に育ったらしい魅力的な箇所は、流石に聞いてからだよね、と良識は働いた様子。
ちょっぴり、或いは結構残念そうなへっぽこ教師だが、そこは放っておけば良いと思う。
■セレネ > 「へぇ。なかなか興味深いですねぇ。
精霊の観察をしてみるのも楽しそうです。」
観察とかも大好きなので。
見ればいつの間にか飲み終えている精霊は、ふよりとどこかへ飛んで行った。
「溶けないような薬も作れてしまうのですか。
…なら、ラピスちゃんを悲しませないように気を付けないとですねー。」
無茶をすればまた怒られるだろうし。
今後、無理はしづらくなるなぁなんて思いつつ。
「お願いします。
――へ?それで良いのです?」
以前詫びにと作ったお菓子だったが相手の口に合ったようで。
そんなもので良いのかと蒼を瞬かせた。
菓子作りの技術も相手にはきっと劣るであろうに。
「人目に晒されるのはそれはそれで慣れてないので…。
ラピスちゃんも悪戯好きなのですか。」
何をされるのだろう。想像がつかない。
お腹に触れられるのは、世の女性は嫌がるもの。
己もあまり得意ではないが日焼け止めの為、耐える。
「あぁ…胸も自分で塗りますよー。」
言った直後残念そうな顔を向けられ良心が痛む。
この間遊びに行ったプールでは共に行った人物から揉まれたし。
だから胸元までは塗らなくて良いと相手に伝え。
■ラピス > 「セレネちゃんの場合は、月の精霊とかだと親和性高そうですけどねぇ。
ほら、この間先生が呼んだやつです。あの子達なら、気が合うかも?」
なお、へっぽこ教師が呼び出す精霊は燐光の塊だが、他の人には違って見えたりもするらしい。
実際、へっぽこ教師の親は人型を取れる精霊で、ひょんな事から番となって、へっぽこ教師を産んだ。
精霊にも色々いるから、彼女の呼び出した精霊はまた別の姿なのかもしれない。多分。
「んー、結構難しいとは思いますけどね。吸血鬼の弱点を取り除くようなものですし。
でも、友達が必要とするなら、どうにか無理を通すのが先生のお仕事なわけです」
だから、先生にお望みなことは何でも言うが良いですよー、とニコニコ笑顔。
無茶したら怒るし、無理すればそのケアに追われるのも、友人だからである。
「ん、良いですよ。大事なのは、そこに含まれる思いですから。
先生には、自分で作ったお菓子より、作ってもらったお菓子の方が美味しかったので」
彼女が自分のために作ってくれた。その事実が大切なのだ。
だからまた食べたいし、ずっと食べたい。そういう関係で居たいのである。
「ですよねー。先生も、流石にセレネちゃんを悲しませる気はないですし。
っとと、それじゃお腹もおしまいで、胸はお任せしますから――鎖骨の辺りですか」
まぁ、それが妥当だし懸命よね、と苦笑しつつ、胸元はスルーして、首のあたりへ。
豊かな膨らみの上の際あたりから、鎖骨、首筋と指が伝って、ついで彼女の腕を両手でぬりぬり。
手の甲も忘れずに塗って、もう片方の腕も手際よく済ませて、後はお顔だけ。
「それじゃ、ちょっとだけ目を瞑って頂けますかー?
お顔にも塗っちゃいますので。害はないですけど、目に入ると痛いですから」
そうしたら後は、彼女の整った顔に日焼け止めを薄く伸ばしていく。
一応お化粧の上から塗っても、下地に影響はない仕様。ほのかにローズがふわりと香る。
そうして、額や頬もしっかりと塗れば、これでようやく準備完了。
なお、へっぽこ教師自身の分は、既に家で塗りたくり済み。
道中の日差しでどのくらい効果があるかも検証したかったから、丁度良かったのだ。
これで、お日様の元に出る準備はほぼ出来た。残った日焼け止めは小瓶ごと彼女の手元へ。
「それじゃ、残りの部分はこれで足りると思うので、セレネちゃんの手でどうぞ。
終わって余ったら、持って帰っちゃっても良いので、好きなだけ使っちゃってくださいな」
あとはのんびり待ちモード。精霊に捧げたカップを使って、自分の分のドリンクでも飲んでいよう。
■セレネ > 「あぁ確かに。月の精霊かぁ…契約出来ればしたいところですけれど、精霊ってこの島にも居るのですかね。
…いや、幻想生物が居るなら居てもおかしくはないのかな。」
精霊や妖精は見る人によって様々な形を取るというのは文献で読んだ記憶がある。
だから一定の姿ではないのだとも。
「それが可能な腕をお持ちというのも流石ですね。
私は人を癒すしか能がないので。」
相手のような大した技術など持ち合わせていない。
だからこそ、勉強をするし足りないものを補おうとするのだ。
「…成程?大事なのは想いですか…。」
贈り物も、品より気持ちが大事とか聞くし。
そういうものなのだろうか。
相手がそれで良いのであればそうしようと、また菓子を作って持って行く事を約束しよう。
「悲しいというか、恥ずかしいというか…。」
腹の塗りも終わり、胸元は飛ばして鎖骨付近。
首元も日焼けすると服着た時擦れたりして痛いんだよなぁと思いながら、大人しく塗られて。
腕も満遍なく塗られ、最後は顔。
「はーい」
蒼を閉じ、顔に塗られる感触と身体に塗られていた時よりやや強く感じるローズの香り。
塗り終われば目を開け、差し出された瓶を受け取った。
相手から見えないように、後ろを向いては小瓶から日焼け止めを出して塗っていく。
「有難う御座いました。助かりましたよー。」
水着をきちんと正して、小瓶に蓋をして、相手へ向き直っては改めての礼。
己もまだ飲み終えていないドリンクを飲み、互いに飲み終えたなら
実験も兼ねた灼熱の砂浜へと揃って歩み出すとしよう。
歩いて少しすればもう、戻りたいという気持ちで一杯だったが
楽しそうな彼女を見れば言うに言い出せず。
そのまま相手と一緒に遊ぶだろう。これも一つの思い出として。
■ラピス > 「うーにゅ、それこそ、そこは暁先生に聞いてみたりしたら良いのではないですかね?
先生のことも知ってますから、『精霊を使役する魔法を見て勉強したくなった』とか言えばよいかと。
ほらほら、相手の知っていそうなネタで会話を弾ませるのも、距離を縮めるテクニックですよぅ?」
によによ。好きなあの人と話す口実になるんじゃないか、などと放り込む爆弾。
へっぽこ教師は人の恋路を応援する気満々である。好きなんだもの、そういうの。
「出来るかどうかで言えば出来ますが、やったら多分ぶっ倒れますねー。
それこそ、この間保健室で寝ていたセレネちゃんのようにぐったりです」
技術はあっても、対価を払えない。そこがへっぽこ教師の能力の難点。
生来の性質を捻じ曲げるともなれば、霊薬もかくやという貴重品となるはず。
ともすると、良くて魔力をごっそり根こそぎ使って、小瓶を満たせるかどうかだろう。
そんな制約があるからこそ、へっぽこ小娘は分をわきまえているのかも知れない。
「ういうい、そういうことです。自分で作ったお菓子は、美味しくても嬉しくはなりません。
でも、セレネちゃんが作ってくれたお菓子は、美味しいと嬉しいが両方あるのですよー!」
贈り物は、彼女の思いを得られたから、その分だけ価値が増すのだ。
逆に自分が彼女に色々してあげたいのも、同じ思いを持ってほしいから。
嬉しくなってくれれば、喜んでくれれば。ただそれだけなのである。
「ん、流石にここでしでかしたら、周りから不躾な視線を向けられますからね。
先生だけなら恥ずかしいだけかもですが、他は良い気分しないでしょう?」
だからやらないのですー、と理屈をぽろり。
秘め事は秘めるからこそ価値がある。そんな物言いだ。
「いえいえ、こちらこそ大変良い思いをさせてもらいましたので」
素敵な彼女の全身をほぼ隈なく触れられた。それだけで十二分だ。
おもちに未練はあるが、それはこの日陰に置き去りにするべきもの。
ドリンクを飲み終えたなら、日差しの中に繰り出そう。
一応彼女が熱中症にならないように、休憩は適宜少し多めに。
後は海の中なども楽しんで、目一杯に遊んだのだとか。
そして、日焼け止めの効果の程は、二人のみ知っていることになるのだとか――。
ご案内:「海水浴場 浜辺」からセレネさんが去りました。
ご案内:「海水浴場 浜辺」からラピスさんが去りました。
ご案内:「病院前」に園刃 華霧さんが現れました。
ご案内:「病院前」にマルレーネさんが現れました。
■園刃 華霧 >
「……ッ」
なんでだ なんなんだ
なにがおきた どうなってるんだ
思わず、足元の空き缶を蹴飛ばしそうになる。
アイツに連絡がつかなくなって、探し回っていた。
あそこにも、あそこにも……どこにも、いない。
そんなところに、急なリンリンからの連絡が入った。
「……は?」
……病院に行った。
彼女の意識は無かった。
でも、生きてはいた。
血の一つも飲ませればいいだろうと医者連中に迫ってみた。
大喧嘩のすえ、出入り禁止を食らって今アタシは此処に居る。
……クソッ
頭の固い奴らだ。
ご案内:「病院前」からマルレーネさんが去りました。
■園刃 華霧 >
それにしても――
「なんなんだ……」
どうして なんで
アタシは なにをまちがえた?
また まちがえたのか?
なにを みおとした?
なにに きがつかなかった?
ああ わからない
ああ それは しらない
ああ それは まだ
ずきり、と何処かが痛んだ。
■園刃 華霧 >
「くそ……」
ふらふらと 街中を歩く
ふと アラームに気づいた
「……あァ」
約束の時間だった。
……それは すてられない
顔を張る。
「……行く、か」
前を見上げ、歩き始めた。
ご案内:「病院前」から園刃 華霧さんが去りました。