2020/09/08 のログ
ご案内:「風紀委員会本庁・資料室」に水無月 沙羅さんが現れました。
水無月 沙羅 > 自分の上司から頼まれたとある違反部活について、現在、水無月沙羅は過去の資料を片端から調べ上げていた。

先日起きたと目される、『シスター・マルレーネ』の失踪事件。
否、まだ失踪事件とも風紀委員会の中では目されてすらいない。
たかだか異邦人一人が教会からいなくなった、と言うだけの話。
それを一部の生徒が、行方不明、失踪、ひょっとしたら誘拐、と騒ぎ立てているだけの話だ。
だが、行方不明かもしれないと、自分の上司、想い人が否定しきれておらず、風紀としてではなく、個人的な捜査をしたいというのであれば、それを動きやすくしてあげたいと思うのは人情というものだろう。

それにあたり聞き込みによって幾つか明らかになったことがある。
違反部活『ディープ・ブルー』の活動に活発化が見られている。
その構成員もまた、発見報告が相次いでいる様だ。
事実、公安委員会もその動きの兆候を感じ取っているようで、調査を進めることが勧められた、というのが事の経緯に当たる。

ご案内:「風紀委員会本庁・資料室」に日下 葵さんが現れました。
水無月 沙羅 >  
「『ディープブルー』、ね。 今更どうしてこんな組織が。」

昨日の夕暮れから、一度の帰宅を挟んでほぼすべての時間をこの資料室で過ごしていた。
眼には隈ができ、眼はかすんで来ている。
流石にそろそろ休憩して仮眠でもしようかというときになって、ようやくこの資料を見つけた。

違反部活動『ディープブルー』
かつて、落第街に拠点を置いていた違反部活。
学園にそぐわないとされる研究を繰り返す違反研究者達の集まりであり、その出自は明らかになっていない。
分かっているとすれば、彼らは基本的に研究の為ならば人道など意にも介さず、非人道的実験を繰り返していたという事位だろうか。
しかし、その彼らの拠点は何らかの実験の過程で『消失』の憂き目にあったらしい。
そして、ディープブルーは実質の自然消滅となった。
と、思われていた。
実際には公安委員の調査によって、未だに存在し続けていることが明らかになっている。

ここまでの情報では、よくある違反部活として処理できる。
シスター・マルレーネとの関係も特になさそうに思えるが、問題はその先にあった。

彼等は己の研究の為に拉致を繰り返している可能性があり、それが大きく表沙汰になっていない事から、隠蔽性も高い組織であるという事が推察できるという点だろう。
それ故に、彼らの情報はほとんどないに等しかった。
こうして一日資料室に籠って調べなければ見つからない程に。

「拉致を繰り返している可能性……か。」

確かに、シスター・マルレーネが居なくなったと目されている日時と、彼らが目撃され始めたのが、ほぼ同時期に当たることは少々気になるところだ。
しかし、それもあくまでも可能性でしかなく、決定的な証拠は何一つ存在していない。
彼らが、彼女を拉致誘拐した、とは言えないというわけだ。
つまり、『シスター・マルレーネ』の失踪に事件性は無い、と言える訳である。

「……でも、気にならないわけでもない。」

とりあえず、調べ上げた情報をメールに添付して、己の上司であるところの『神代理央』に送り付けた。

あとは、このディープブル―の拠点の一つでも見つけて、摘発するための資料作りができれば、『ついで』として、シスター・マルレーネの捜索程度ならできるだろう。

日下 葵 > 「資料室なんて何年ぶりでしょうか。
 ペーパーレスの時代にあれだけの紙媒体を抱え込んでいるとか、
 ちょっと気分が乗らないですねえ。

  ――開いてる?」

廊下を歩きながら独り言をぶつぶつしゃべるながらやって来たのは資料室。
電子ロックを開けようと手帳を鍵にかざすと、すでに鍵が開いていた。
こんな場所に来る風紀委員がいるのか……なんて思いながら扉を開けた。

「おや、誰がいるのかと思えば沙羅さんじゃないですか。資料整理ですか?」

そこにいたのはつい先日一緒にご飯を食べた同僚である。
何か資料整理かと問うが、彼女の様子は疲労の色が濃かった。
この様子だと随分長い時間ここにいるようだ>

水無月 沙羅 >  
「あぁ、マモル?
 ううん、ちょっと調べ事をね。」

彼女に話して良い物か、少々迷う所である。
というのも、彼女自体マルレーネさんにそこまで関係があるかもわからないし、自分のように頼まれているわけでもないからだ。
刑事課である彼女の手を借りれば、少しは調査の幅を広げられるかもしれないが、職務でもない個人的な調査を多くの人に頼むというのは、組織としてはよろしくない。

見ていた資料をテーブルに置いて、目頭を少し抑えた。
ほぼ不眠不休の調べごとによって、身体は思った以上に疲労をため込んでいる様だった。
どんな怪我でも治る不死とはいえ、疲労感までは消し去ってはくれないのだから役に立たない。

日下 葵 > 「ちょっと、ですか。
 オーバーワークは仕事に響きますよ?」

テーブルに広げられた資料と、目頭を押さえる彼女の様子。
典型的な”働きすぎ”である。

「それだけ探すのに手こずるような資料探し、
 他に人手を回してもらえなかったんですか?」

よほど人手が不足しているのだろうか。
あるいは人手を回してもらえない理由、
例えば秘密裏な調査だったり、個人的な調査だったり。

何にせよ疲れた様子の彼女を見ているとこちらまで疲れてしまいそうであった>

水無月 沙羅 >  
「あー……んー……。
 まぁ、確かにオーバーワークなんですが、そうもいっていられないと言いますか。」

苦笑いをして、彼女の言に肯定するように頷いた。
この後は少し休むべきだろう、次の書類はミスしましたでは洒落にならない。

「神代理央に私的に頼まれたことですからね。
 あ、これオフレコでお願いします。
 他人の手に任せて適当にされても困りますし。」

遠回しに、風紀の仕事ではないことを告げてみる。
本来であれば、私情で風紀委員の備品を使った調査は認められない。
今回はたまたまた、公安の方から情報が出ていたから都合よく乗っかっていただけに過ぎない。

あまりよくないところを見られてしまったなぁと、椅子の背もたれに寄り掛かった。

日下 葵 > 「随分ひっ迫しているんですねえ。
 ていうか、あーん。神代さんから。
 いやまぁ別に他の人に言いふらしたり、
 適当なお節介を焼くようなことはしませんけど」

彼からのお願いか。
ともなれば多少無理してでも仕事しちゃうか。
なんて見当違いに納得する。
兎角、下手に手伝っても迷惑だろう。
そう思ってこちらはこちらの仕事をすることにする。

「とはいえ、普段来ないから何の資料がどこにあるかわかりませんねえ。
 沙羅さん、ちょーっと申し訳ないんですけど、
 スラムや落第街にある、宗教施設や支援施設についての資料って、
 どこにあるか知りませんかね?」

疲労困憊の彼女に尋ねるのは少々気が引けるが、
これだけ資料を漁っているならどこかで見ただろう。

「なんだかそこの施設の人がどこか行っちゃったみたいなんですよねえ」

行方不明や拉致とも断定できないんでひとまず資料を探そうと思ったんですが。なんて。
無論、彼女――沙羅と私が同じ人物について調べているなんてことは、
知る由もない>