2020/09/11 のログ
ご案内:「歓楽街のアパートの一室」に持流 童男さんが現れました。
ご案内:「歓楽街のアパートの一室」にロベリアさんが現れました。
持流 童男 > 「なんで、某は、躊躇っちまったんでござろうな」
そう言いながらも、『友達』が来るのを待つ。

『仲間』にこんなに弱い自分のことを言いたくない。言ったらきっと嫌われるから。
仮面をつけてるのも、弱い自分を見てくれたのは彼女だった。だから頼ろうと思って、相談をしようとしてる。

あの状況で、くらげ殿を守る時に
知られざる英雄を使うのをためらってしまった。
あそこでもしものことがあったら、そう思って震える。

扉のドアは、友達が来るのを知ってるから空いている。

ロベリア >  
「たのも……むっ、開けっぱなしとはブヨージンだな」

そんなドアからひょこっと顔を覗かせた小さな影。
褐色肌の悪魔っ娘───ロベリアは、それが自分のために開いているとも知らずに怪訝そうな顔をした。
まぁよい、と言って中へ入る。当然ドアはそのままだ。

「……なんかにおうぞ。イカでも食べたのか?」

無遠慮に童男のところまで上がり込んできた。

持流 童男 > 「はは、まままま待つでござる!?」

そう言いながらもいかくさいと言われて動揺しつつも
中に入ってきたロベリアさんに、仮面をつけないで言う。
そして、誰にも見られてないように、辺りを見回してドアを閉める。
事案!!

「ロベリア殿が来ると知ってたでござるからな。だから、開けておいたでござるよ。・・・ロベリア殿、相談したいことがあるんでござるが。」

そういってからロベリアさんに真剣な顔をする。
少しだけ、切羽詰まっている。

ロベリア >  
隠れてイカを食べていたところで別に咎めはしないというのに。
一連の挙動不審っぷりを見て首を傾げつつ、畳の上に胡坐をかいて座る。
しかし戻ってきた童男のいつになく真剣な表情を見て、茶化すのは止めた。

「いったい何なのだ? このワレに相談事などと」

聞くだけ聞いてやるぞ、と目線で続きを促す。

持流 童男 > 「ロベリア殿、某、異能を使えなかったんでござる」

そう息をのんで言う。

「某、知られざる英雄を、使うべき時に、これでいいのかって、躊躇っちまったんでござる。守るべきものが、後ろにいて、それを使うのを躊躇っちまった。」

息を継ぎながら言う。

「忘れられたくない、覚えてほしい、慕われるようになりたい。とは…思ってたけど。
それでも、来るべき時が来たら使うつもりだったでござる。
だけど・・躊躇っちまったんでござる。これでいいのかって」
弱弱しく自分の異能が使えなかったことを言う

「・・・なぁロベリア殿、某は、何で、使えなかったんでござるかね。
こんな某が、記憶から消えてもなんら、支障はないというのに、なんで・・なんで、某は、躊躇っちまったんでござるかね。
使うことを。」

そう相談する。

ロベリア >  
「異能を"使えなかった"……?」

そう切り出された言葉を繰り返し呟き、詳しい話を聞いた。

「ふむ。その口ぶりだと、使おうとしたがハツドウしなかった……というわけではなく。
 腰がひけてしまった、というふうに聞こえるが」

原因不明で異能が発動しなくなってしまったという話ならロベリアの管轄外だ。
医者なり専門家なりに掛かってくれで終わるが、そうではないらしい。
ロベリアの知る持流 童男という男は、端的に言い表せば自己犠牲の塊。
他人を守るためなら自分を顧みずに危険な行為や代償のある異能を行使してきた。
しかし、その裏では誰かに覚えていてほしいという願いを持ち、心をすり減らして戦ってきた人間だ。
その童男が異能の行使を躊躇ったということは───

「……なるほどな」

持流 童男 > 「な、何かわかったんでござるか・・・?」

そうおどおどしながらもロベリアさんに聞く。
怖いのだ、守るべきものも守れなくなったのが
知られざる英雄以外で、助けられるのか自信がないのだ。

確かにあの時はそれ以外で助けられた。だけどその次は・・?その次は?
そう思うと怖いのだ。

救われたいのが自分で、誰かが他人を助けてるのを見るのを見たくない。そんな醜い部分を自分はまだ受け止めきれてない。
だってそうしないと・・・誰も某を見てくれない。

「分からないんでござる。某、使おうとしたんでござる。だけど・・・だけど、某は、使えなかった。」

そうロベリアさんに、しっかりと言う。

ロベリア >  
「わからんのか?」

どうやら、当の本人は本気で原因に思い悩んでいるらしい。
考えてみれば至極単純───それこそ今のロベリアでさえ思い当たるようなことだ。
なにせ以前に彼自身の口から理由を聞いているのだから。

「なんでも何も、それはキサマがそう望んだからだろうに」

持流 童男 > 「・・・忘れられたく・・ないから・・?」

そうロベリアさんにおどおどしながら言った
温もりを忘れられたくなかったからだ。
覚えていてほしかったからだ

「ロベリア殿、某は・・・忘れられたくないから。使”わ”なかったんでござるね。使”え”なかったんじゃなくて。」

そうロベリアさんに言った。
至極当然のことだ。

「・・・某が、望んだ。ことを某はやってたでござるね。」

たどたどしくロベリアさんに言う。

ロベリア >  
「ほかにどんなリユウがあるというのだ」

知られずの英雄。
護りたいと思った者───"推し"を守る力を得る代わりに、自分はその"推し"の記憶から消える。
始めて出会った時に童男の口から説明された異能の詳細はこうだったか。
あの時は自分の力で窮地を脱したため、この能力は発動せずに今日まで交流が続いている。

だが、彼はロベリアと出会う前、13の世界で異能を使って"推し"を助けてきたという。
その度に助けた相手からは忘れられ、何も残らない世界を去っていく重圧を受けながら。
本当は忘れられたくなんてない、覚えていてほしかったと涙ながらに吐露した童男の顔を今でも覚えている。

「こんな自分が消えてもシショウはない、などと言いながら本心では消えるのがこわいのだ。イヤだったのだ。
 べつにおかしなことではないぞ。ヒトとして当たりまえの考えだと前にも言ったはずだ」

あの時は"人"と"英雄"の狭間の中途半端なところにいた。
しかし今は"人"に寄ってきている、ただそれだけのことだ。

持流 童男 > 「某は・・・・怖かったのでござるな・・
支障がないなんて言いながら、」

言葉に詰まる。

「本当は温もりが、この世界でお主や、彼らと彼女たちからもらった温もりが。
本当に、かけがえないもので。」

ロベリア殿に、人として当たり前の考えと、いやだったのだというのを聞き、嫌なことは嫌だと言えと友達に言われたことを思い出す。

この力で、僕はその世界からなくなってきた。あったけど、某しか覚えてなかった。温もりも、温かさも、友情も全部なくなって。
取り繕おうとした。

その時は、人ではなかった。英雄であろうとしてただけど、
普通の人間に、耐えられるわけがない。
思わずロベリア殿に言って、泣いた記憶を覚えている

「某は、某は、人に、なれてきてるので・・ござるな。
化け物(英雄)ではなくて・・・人に」

ロベリアさんにつぶやく。
震える声で

「某は、自分を…救えているんでござろうか。
不器用で、どう救えばいいかわからなくて。」

そうさまようようにロベリアさんにいう。

ロベリア >  
「さぁな、そんなことワレにきかれてもわからん」

縋るような問いかけを一蹴。だが、本当のことだ。

「ワレがキサマをすくったかという話なら、まだこたえられる。もちろん否だ。
 だが、キサマがオノレをすくえているかなど、キサマ自身にしかわからんことだろう」

他人が答えても、それは欺瞞にしかならない。
それを決められるのは常に自分しかいないのだから。

「……まぁ、キサマはまちがいなくはじめて会ったときからヘンカしてきている。
 それをよいヘンカととらえるかどうかは、キサマしだいだ」

だから、答えは自分で導き出せと、そう告げた。

持流 童男 > 「・・・まだわからないでござる。だけど、だけど
化け物ではなく、人間に成れてきてるのなら。
人に近寄ってきているのならば。おそらくよい変化だとおもうでござる・・だけど」

そう一息告げる。
だけどまだ多分だけど

「ロベリア殿・・某は、自分自身を助けに、行くでござる。
・・大丈夫でござる。某は無茶はしないでござるから」

そうロベリアさんに言う。
その顔は、覚悟をしている顔で、ロベリアさんならわかるかもしれない無茶をする顔だと。。

ロベリア >  
───自分自身を助けに行く。
きっと何か心残りがあって、自らの手で決着を付けに行くのだろう。
覚悟を決めた童男の表情を見てロベリアは目を伏せた。

「……そうか。ならば行くがよい」

無茶をすると分かっていても止めるようなお人好しではない。
そのまま何も言わずに見送ろうとするだろう。

持流 童男 > 「ーーロベリア、これが最後になるかもしれないから言っとくよ。」

そう本心から言った。常世渋谷には噂程度だけど、裏常世渋谷があると聞いた。
そこに言って自分を、一番助けを求めてる自分自身を助けてやる。こんなことでしか自分を救えないほど不器用な自分だ。
行くのは未知の世界かもしれない。

・・・だから最後になるかもしれないから言う

「----愛してたぜ、ロベリアさん。
これで、また会えるか分からないけど。ありがとう
もし帰ってこなかったら、少女を僕の家族を守ってやってくれ」
冗談めかしてそう言いながらも

そう後ろを向いて、礼を言いながらも。そこを去っていくだろう

ご案内:「歓楽街のアパートの一室」から持流 童男さんが去りました。
ロベリア >  
「なっ───」

突然の言葉に驚いて瞼を開いた時には、童男は立ち去った後だった。
意表を突かれた間抜け面を見られずに済んだのは良かったが、宙ぶらりんの感情をぶつける先がない。
結局、溜息と共に肩を落とすことしかできなかった。

「…………ばかものめ」

そう呟いて、彼女もアパートを後にした。

ご案内:「歓楽街のアパートの一室」からロベリアさんが去りました。