2020/09/24 のログ
マルレーネ >  
「そ、そりゃあ、困りますけど!
 でもなんか、こう、恥ずかしいじゃないですか。」

も、もう、っと不満げに頬を膨らませて、こつん、っとその額をつついてやる。

「困るとき、ですか?
 今みたいな時もまあ、困りますけど。

 ………困ること自体は多いですけど。
 ひとまずは自分で頑張って、なんとかならないか試すことが多いんですよね。
 それで、まあ、なんとかなっちゃうっていうか……。」

体力お化けで、力自慢。合わせて指先が器用となれば。
気合と頑張りで、なんとかしてしまうことも多いのだろう。
 

日月 輝 > 「あはは、その顔その顔。夏祭りの時に下着穿き忘れて来た時以来だわ──」

文字にするなら含羞に染まる頬。見事な様子にそれはそれでと笑ってみせて、
次には額を突かれて湯面に仰向けに沈む。ざっぱーん。

「──ま、うん。ちゃんと困るなら安心……安心と言うのも変だけど良かったわ
 何でも試して何とかなっちゃうのは……良いことなんでしょうけど」

それから、ゆうらりと顔を出すのは髪の毛が解けて船幽霊のもかくやとなったあたし。
水を吸った髪の毛が重たくて些かに項垂れ気味のまま溜息を吐く。

「……それでダメだった時。本当に独りきりだったらおしまいだもの。
 だからさ、普段も誰かを頼れそうなら……頼っていいんじゃない?」

話は巻き戻る。
独りきりの話。マリーはそうじゃなかった話。
ともすれば押し付けがましく、鬱陶しいこと。

押しつけがましいのは嫌いよ。
だってそれは、あたしのパパとママがあたしにすることだもの。
二人とも、あたしのことを想ってくれているのは判っているけれど、それはそれ、これはこれ。

だからね、あたしはそうすることはしたくない。それはとっても可愛く無くて、ポリシーに反するものだから。
この島であたしはそうしてきた。

「……何とかならなくなっちゃったあなたを、あたしは視たくないから」

可愛く無い事を言うわ。
押しつけがましい事を言うわ。
あたしのために、そうしてほしいと我儘を言うわ。

言わずに居ようと思ったけれど、頭からお湯に沈んで水に流れてしまうのだから、どうか水に流して頂戴な。

マルレーネ >  
「……頼ってるつもり、なんですけどね。」

んー、っと困った顔をしながら、僅かに目を伏せる。
いつだって、誰かに助けてもらっている。
何より、この格好をして活動をすることを許してもらっているのも、また人の手助け。
結果として施療院も、支援を頂いて助けてもらっているわけで。

……きっと、輝の言う頼る、とは決定的なズレがあるのだけれど、気が付くこともなく。


「………本当なら。」

こほんt、と静かに咳払いをして、目を伏せる。

「本当なら。私はこういう時に。
 絶対に何とかすることを約束しましょう、っていうんですけど。」

何があっても、どんなことがあっても。
そう言って、己にプレッシャーをかけて。
全力で戦い続けてきた。

流石に、つい先ほど負けたばかり、だからこれ以上は言わないけれども。


「でも、私は今まで、両手に余るほどの危機を乗り越えてきました。
 命の危機も、何度でも。
 それでも、こうして今ここにいます。」

にこりと微笑みながら、ね、と手を差し伸べて。
 

日月 輝 > あたしはマリーじゃなくて、マリーはあたしじゃあないのだから
その判断や基準が違うのは当たり前のこと。

「……御免なさい。あなたを非難している訳じゃないの。
 ちょっと……いえ、口が滑ってしまったわ。今日はマリーの退院祝いなのに」

だから、言葉が過ぎれば摩擦が生まれて、それはきっと肌身を切り裂くものになる。
困らせようとして、困らせることが出来ず、困らせたくないのに、今、困らせてしまっている。

折角の友人の、大切な人の退院祝いなのに何をしているのかと自問して自答を得ない。

「……マリー」

そうしている間の彼女の言葉は、やっぱり柔らかくて、優しい。
大変な目に遭ったのに、あたしを励ますようにしてくれている。

「そうよね。あなたは此処に居る。……今はそれで十分。そう思っておくわ。
 改めて……おかえりなさい。もう知らない人についていったら駄目よ?」

差し出された手を取って、自らの胸、心音を届かせるように触れさせる。
あたしもこうして此処に生きているのだからと、言外に言い聞かせるようにして、
決して水には流れる事の無いようにして伝える。

マルレーネ >  
「………………ん、いいんですよ。
 思ったこと、全部言えるのも退院したからですもんね。」

少しばかり困っている様子に、微笑んで。
こっちのことを心配して言ってくれている、ってことはよくわかるから。

「………ええ、もう大丈夫ですよ。
 安心してくださいね。

 私はここにいますし、もう誰にも負けませんから。」

胸に手を当てれば、そのまま、そっと腕を開いて。抱きしめようとする。
いやまあ、相手が抱き着いてくる、かどうかはまた別問題なのだけれど。
 

日月 輝 > 「……あたしが元気付けられてるみたいなんだけど」

抱き締められて言葉が近い。ともすれば鼻先が擦れ合うくらいの距離であたしは呆れた。
呆れて、額同士をぶつけるようにして暫くはそのまま。

ご案内:「旅館「山椒館」」から日月 輝さんが去りました。
ご案内:「旅館「山椒館」」からマルレーネさんが去りました。