2020/10/30 のログ
ご案内:「紅葉の山」に阿須賀 冬織さんが現れました。
ご案内:「紅葉の山」に白亜 愛さんが現れました。
阿須賀 冬織 > 会話を弾ませながら坂を上る。
出発から数時間。そろそろお腹もすいてくるようなころあいにちょうど目の前が開ける。

「おお、着いたぞ!」

登り切ったという達成感を感じながら、隣へと声をかける。
頂上――正確に言うなら頂上付近の広場といったところだが――は、ベンチや簡単な展望台のようなものがあり、
自分たちより先に上ったであろう登山客がちらほらとくつろいでいる。

白亜 愛 > 「ついに頂上だぁ……!」

もう少しお話しながら歩きたかった。
そんな考えもあったが、達成感が上回る。

「へへ、登ってたら暑くなっちった。……ちょっと休みません?」

気温はいい感じだが日差しはあるので体感温度は高めって感じがする。
胸元を緩めて空気を送りながら、二人で座れそうなベンチを探す。

阿須賀 冬織 > スー、ハーっと深呼吸をする。やはり山の上は空気がおいしい。

「まあ、ずっと歩きっぱなしだった…し……っ……。」

彼女の言葉に、答えながらそちらの方を見て……慌てて目線を逸らす。
確かに暑くなってきた。そのまま、良さそうな場所がないかなとこちらも周囲を見渡してみる。

白亜 愛 > 「うーんっと……あ、冬織さん、あそこなんてどうでしょう?」

広場の一画に、山からの景色を一望できるような外側へ向いたベンチが空いている。
二人分くらいの広さで、休むには打って付けの……特定の利用者層が浮かび上がるような。

(あれくらいなら、鞄を広げても大丈夫かな?)

それならば、と引っ張って先導するように歩く。

「へへへへ。こっちです。はやく」

阿須賀 冬織 > 「……ん、どれどれ。……うん、よさそうじゃん。」

指し示されたのは見晴らしのよさそうなベンチ。ついでに雰囲気もよさそうだ。
広さも十分で、軽く物を置くにも問題なさそうだ。
……外側を向くわけだから他の人の視線だとかも気にせずに済みそうだし。

「ちょちょっ…きゅっ、急に引っ張るなって!」

まあそんなことを言いながらもまんざらではなく、そのままぐいぐいと引っ張られる。

白亜 愛 > 「あ゛……!ご、ごめんなさい」

そう詫びるも、足は止まらないのですぐにベンチに着く。

「今日はですね……ででんっ!」

ベンチに座り、鞄を広げる。
中から取り出したのは二段の弁当箱。
一段目はおにぎり、二段目は唐揚げ等が入っている。

ハイキングに向かうならばと作ってきた渾身の出来だ。

「……ど、どうでしょ」

一緒に食べませんか、と顔を伺う。

阿須賀 冬織 > 椅子に座ると彼女がなにやら取り出す。

「おおおお!! すっげー、美味そう!」

そして、ででんっという声と共に開けられたそれを見てテンションが上がる。

「すっげーよ! これ、本当に食べていいのか!?」

一緒に食べないかとそう聞かれれば、むしろ食べていいのかと返す。とても美味しそうだし……何より好きな人の手作り弁当だ。
食べたくないわけがない。早く食べたいと目を輝かせながら相手の反応を待つ。
……さしずめ待てと言われている犬だろうか。

白亜 愛 > 「ハイ!冬織さんのためにつくりましたので!」

どうぞ、とおにぎりを手渡す。
具は鮭とツナがあるが、具の代わりにふりかけを米に混ぜ込んだタイプも用意してある。

「それじゃ自分も……んっ」

形さえ崩れなければおにぎりは失敗じゃない。満足の味。

「♪~……ほら、おかずもありますよ!」

そう言って自分でも食べていく。箸はひとつ。

阿須賀 冬織 > 「っーーーー。あっ、ありがと。」

嬉しさで感情が振り切れた。差し出されたものをおずおずと受け取る。
一口口に含む。どうやらツナのようだ。

「んめーー!」

食べやすい大きさにしっかりと握られたそれはやはり、今までのどれよりも美味しくて。

「んじゃ、そっちのほうもって……。」

勧められればそのままおかずも食べようと手を伸ばして……箸がない。
いやまあ自分は手掴みでも気にしないけれど……流石に目の前では気が引ける。

白亜 愛 > 「よがっだぁ!やったぁ」

喜んでもらえた!
思わず天にガッツポーズ。

「……ハッ、箸、これっです!」

我に返り、慌てて自分が使っていた箸を手渡す。
他にも選択肢はあったけどちょっとやる勇気が足りなかった。

阿須賀 冬織 > 「なんっていうか、ただ食べただけだから……そんなに喜ばれるとむず痒いっていうか……。」

ガッツポーズをする彼女に照れ隠しで頬を掻く。

「ん……ありがと。じゃあいただきますっと……うっめえー! これ、全部今朝作ったのか?」

渡された箸でひょいっと唐揚げをつまんで頬張る。うっまい!
やはり男子、揚げ物だとかは大好物なのだ。

白亜 愛 > 「美味しいって言ってもらえることが次へのモチベなんです!」

おかずも喜んでもらえたようで何より。
顔の緩みが止まらないので頬に手を当ててむにむに。

「へへへへ。どんどん食べてねぇ」

ニコニコしながら食べっぷりを眺める。
その様子でお腹いっぱい胸いっぱいなので。

(あぁー熱くなってくる!顔が!暑い!)

阿須賀 冬織 > 「……んじゃあ次も、あるって期待していいのか?」

なんだか頬をむにむにと触っているのが可愛い。
……そして、次へのモチベなんて言われて思わず聞き返す。

「ん。これならほんと、いくらでも……食べられそう。」

そう言いながらパクパクと。
身体を動かしてお腹が空いていたこともあるから、完食は出来そうだろうか。
……食事の方に夢中と言うこともあって、顔の変化に気が付く様子はないだろう。

白亜 愛 > 「え゛ぇとその!よ、お!お応えできる、ょぅに……」

喜んで、と言おうとして尻すぼみに答える。

「お、お粗末様でしたっ……!」

彼が食べ終われば、いそいそとお弁当箱を片付ける。
また彼に作ってあげようと決心をして。

阿須賀 冬織 > 「じゃあ、その時を楽しみにしとくかな。」

愛の作る料理ならなんでも美味しく食べられる自信がある。
(……作ってもらってばかりもあれだから、俺も手料理を……いや…でも、流石にそれは勇気が……)

「ごちそーさまでした。ありがと、すっごく美味かった!」

腹いっぱい、と言いながら感謝の言葉を。多分、今の自分は幸せって顔をしてるんだろうなあ。
そんなことを考えながら、袋に入れるだとか手伝えそうなことがあれば片づけを手伝って。終われば軽く体を伸ばす。

「んーーー、にしても。食べるのに夢中でちゃんと見てなかったけどいい眺めだなぁ。」

まさしく秋といった高い空と巻雲。眼下にはさっきまで歩いていたであろう、赤と黄の絨毯が広がる。