2021/01/26 のログ
■神代理央 >
「…シスター・マルレーネ………ディープブルーの…?
…成程、成程。あの時逃した獣が、こんな形で噛みつき返してくるとは…」
ぎり、と拳を強く握りしめる。
シスター・マルレーネ。そして伊都波凛霞。
一度ならず二度までも、己が世話になる者を襲うとは――良い度胸をしている。
「……異能、学会の、松葉雷覇。
…分かりました。直ぐに全員に通知しましょう。
異能学会への強制捜査も、直ぐに手配します」
少しでも捜査に非協力的なら、特務広報部を動かす事も視野に入れ乍ら。
大きく息を吐く彼女を気遣う様な視線を向けつつ――握りしめた拳を、怒りに任せてさらに強く、強く握り締めた。
尤も、異能学会から松葉の姿が消えている事など、少年も知る由の無い事。
結果的に、松葉博士の所在を異能学会への捜査で明らかにすることは出来ないのだろう。
しかして、犯人の名前は得られた。異能学会から、或る程度の情報を得る事も出来るだろう。
歯車は、ゆっくりと。しかし確実に、動き始める。
■伊都波 凛霞 >
「………」
頼りになる後輩の、毅然とした言葉を受けて
凛霞はほんの少しだけ、安堵の表情を見せる
「…う、ん。…でも、無理だけは、しない、で」
敵は、一筋縄ではいかない
例え事前に彼…雷覇博士の情報を得ていたとしても、あの圧倒的な異能の力に抗えたかどうか
真正面から立ち向かえる者は、恐らく風紀委員でも限られてくるだろう
「…お見舞い、ありがと……。すこ、し、休む…ね…」
言葉を終えて、視線を天井に戻すと、ゆっくりとその眼を閉じてゆく
痛み止めの麻酔は十分に効いているのだろう、──しばらくすれば、少女はそのまま安らかな寝息を立てはじめた
■神代理央 >
「……ええ、勿論です。先輩に、心配をかけさせる様な事はしませんよ」
安堵の表情と共に、無理はしないで、と告げた彼女に――にこりと微笑んでみせる。
少しでも彼女を安心させようと、浮かべる笑みは穏やかなもの。
「……そうしてください。私も、そろそろ御暇しますから。
急に押し掛けてすみませんでした。今は、ゆっくり休んで下さいね」
彼女の眠りを妨げぬ様に、そっと声をかけた後。
音も立てずに立ち上がれば、ぺこりと頭を下げて病室を後にする。
今は唯、眠る少女に少しでも安息と休息を。
彼女が"灰被り姫"ではなく"眠り姫"になってしまわぬ様に。
少しでも穏やかな時間を過ごして欲しいと、切に願うばかり。
復讐の鉄火は、己が振るえば良い。
彼女には暫く、穏やかな眠りを…どうか。
ご案内:「病院・個室病棟」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「病院・個室病棟」から神代理央さんが去りました。