2021/03/06 のログ
ご案内:「常世総合病院・病室」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
『それじゃあ、何かあったら呼んでくださいね』
やんわりと微笑む看護師に、こちらもハイという言葉と笑みを返す
魔術医による治療のおかげで、あれだけ酷かった傷も治りつつある
擦過傷なんかはもう見る影もない
あちこちに巻かれていた包帯も必要なくなって、
顔の傷が残らなかったことに看護師が良かったですねと言ってくれた
回復に関しては…驚異的だという話
体力の衰え、運動能力の低下…どちらも軽微なものでリハビリの担当にも驚かれた
「(それはまぁこっそり色々やってるからだけど…)」
とりあえず、顔や身体に目立つ傷が残らなかったことには、内心ホッとしていた
残ったら…自分よりも大きく傷つきそうな人がいるのだから、気をつけないといけない
ベッドから上体を起こして…今日はとりあえず勉強でもしようと脇のバッグを引き寄せた
■伊都波 凛霞 >
体力の回復、学業の補習以外にも考えなければいけないことはある
治療に専念する時間はしっかり治療に専念した
島内の最近の動向もしっかりとチェック済み
自分の今できること…今、すべきことは──
手元に取り出した異能の研究資料を纏めた参考書
するりと栞紐を手にとって、続きから読み進める
「…問題は物理干渉なのかそうでないのか。…検証は、難しいか……」
失敗は成功の為の糧。──対異能者への精度を上げること
異能者の力によって引き起こされる事象の特徴や、分析結果を読み解き、二度目がないよう練り上げる
こうやって生き残った以上はそうする必要がある
同じ相手に二度不覚をとることは絶対にしない
古流武術の継承者でもある少女の、堅い自負心でもあった
■伊都波 凛霞 >
「──物理干渉なら、答えは簡単。自動発動・任意発動に関わらず…」
とんとん、と手元のボールペンを参考書の横に置いたメモに走らせる
そう、より強い"力"で抑え込む単純な計算が可能である…というのが物理干渉だ
自分のように物理法則や理合を利用しての戦いをする人間には、少々難しいが
異能によってより強力な膂力を発揮できるような人物なら、単純なだけに対処が可能である
「私の異能は、戦いには役立たず…だしね」
うーん、と頬杖をつき唸る
考えれば考えるほど、あの博士とは相性が悪い
いざ戦いになった時にやれることといえば…場を整えることくらいだろうか
行き詰まる、というよりは調べ、考えを巡らせればそれだけ結果が明確に見えて来る
そうなるとあまり考えすぎても意味がないわけで…
「……そもそもなんで彼は私を殺さなかったんだろう」
参考書を閉じ、ベッドテーブルに突っ伏して、残り続けている疑問を口から漏らす
──そのうちにゆっくりと、瞼が下がる
絶賛超回復中のお姉ちゃんは微睡みに沈んでゆくのだった
ご案内:「常世総合病院・病室」から伊都波 凛霞さんが去りました。