2021/05/22 のログ
ご案内:「二人の部屋」に修世 光奈さんが現れました。
ご案内:「二人の部屋」にジェレミア・メアリーさんが現れました。
修世 光奈 > 「ふんふーんふんふふーん♪」

すっかり慣れた部屋の中。
テーブルには、二人で食べるには少し豪華な料理が並べられている
今日はお祝い事の日。
成績も良くなく、異能も大きく成長が見られない光奈だったが恋人のおかげで進級が決定し、三年生になることができた
同時に彼も、飛び級に成功した

後は、卒業まで引き続き頑張れば問題無いだろうと思う
特に拘りも無くなってきていたから、彼が居なければこれほどは頑張っていなかったかもしれない

「ミーアー?そろそろできるよー」

大き目…二人で食べられる程度の大きさのチキンを用意して
後は、サラダやお酒っぽい飲み物を用意
もちろんアルコールは入っておらず、雰囲気だけの物だ
こういう時にしか使わないグラスを取り出して、白くてしゅわしゅわした液体を注いでおく

「よっし。これくらいかな」

ふふん、と鼻を鳴らす
中々自分も、料理の腕が上がってきた
とはいっても今日は焼いただけだが、焼き加減は上々だと言える
切り分けるナイフとお皿も用意して、準備は万端
バイト代も入っていることだし、今日はたくさんお祝いしよう

ジェレミア・メアリー >  
「……ふぅ」

思わず漏れたのは、自分でも意外に思った溜息だ。
何かに不満が在ったり、現状に文句がある訳じゃない。
だから、何で漏れたかは自分でも"意外"だった。
ただ、心当たりがないわけじゃない。
自分の事は誰よりも自分が知っている。
……本当にこんなに順風満帆な人生を送っていいのか、と。
多くの人間にそれを肯定され、そしてその条件は深く胸に刻まれている。
だけど、こんな風に時々思わずにはいられない。

「……三年か」

風紀委員である事と、一応真面目に働いたおかげでもある。
風紀に残る為に留年する先輩方とは、また真逆の考えだ。

「実感わかないなぁ」

けど、やはり今一、心のもやもやと共に地に足つかず、だ。
何気なく肩を竦める頃には、聞きなれた彼女の声が耳に入る。

「ん、今行くよ。光奈」

ゆるりとソファから立ち上がり、軽く背伸び。
彼女と向かい合わせになるように、椅子に腰を下ろしてテーブルを一瞥する。
何時もよりも豪勢な面々だ。チキンにサラダ。
泡立つ飲み物とご機嫌な夕食だ。
へぇ、と浮かない顔も自然と口元が緩んできた。

「随分と奮発したね、光奈。今日は結婚記念日、だっけ?」

なんて、少しばかり"自分のガワ"っぽくとぼけて見せた。

修世 光奈 > 時々、彼は何か考え事をしている
気になりはするから、機会があれば聞いておきたい
ただ、少しの間はお祝いにしよう
せっかく少し二人の目標に近づいたのだから

「いらっしゃーい、なんて。
……ばーか。プロポーズならもうちょっとロマンティックにしてよね。
進級のお祝いだよ!ミアはもう余裕~って感じだったけど私は異能の関係とかもあって危なかったんだからー」

軽口だとわかっていても、少し照れてしまう
彼とはもう将来を誓った仲ではあるが、それでも少しはぐ、っとくる

後はそう、勉強ができていなければ進歩がみられない光奈の異能はあまり点数に勘案されることはなく
最悪、年下の恋人が上級生なんていうゲームみたいな展開になるところだった

「でも、ミアのおかげで進級できたし、それならお祝いでしょ!
バイト代も入ったから奮発ー。切り分けてあげるね」

ふふーんと上機嫌そうに笑いながら
用意したナイフでチキンを切り分け、お皿に乗せていく

「…そーいうミアこそ、進級嬉しくないの?飛び級はあるとはいえ、すごいことだよ?
……そ、そのー、後は。彼女と同じ学年に居れる喜びとかも、あるんじゃないでしょーか!」

彼も照れればいい、なんて思いつつ…話しながら用意を終えて
後は乾杯待ちの姿勢だ

ジェレミア・メアリー >  
「ハハ、ごめんごめん。ジョークでしか、考えた事なかったや。
 大丈夫、わかってるよ。異能はともかくとして、学業面も大変だったけどね」

異能によるそれは、おおよその制御等、問題なければすんなり行ける。
彼女の場合は現状、脅威性も低い事もあり、学園の方はともかく、自分は心配していなかった。
何方かと言うと、"学業"の方が心配だったのだ。

「進級テストの時、居眠りしてないよね?光奈。
 活字のプリントは子守歌じゃないよ?」

如何にも活字と相性の悪い彼女。
本一つ読ませて見せれば、目を離せば夢物語へ一直線。
睡眠学習なんてそれではなく、眠ったエネルギーは全て体へと回される。
くつくつ、と喉を鳴らしてそれこそ笑いながらからかった。
今でこそ、笑い話に出来るからだ。

「うん、そうだね。めでたい事だから、二人でこうやってお祝いしないとね」

二人の思い出はこうやって常に積み重なっていく。
二人で一緒に、何処まで紡いでいく。
……それに、"責務"を感じる事もある。
自分の事を常に、こうして疑問に思わなくなった時は…。

それは、きっと因果応報を受ける時だと思っているから。

切り分けられるチキンを見ながら、ありがとう、と礼を一つ。

「んー、そうかな?風紀委員のポストって、立場的に大きいしなぁ。
 ズルとは違うけど、あんまり驚きは……んー……」

顎に指を添え、一思案。

「そうだね。授業中に居眠りしないように監視できるかな?」

にっこり。
とんでもない言いがかりだ!

修世 光奈 > 例えば距離の制限が無くなったり、光球を通して視界を得ることなどができれば
災害救助に役立てるとして点数は加算されたことだろう
マイナスになることは早々無い異能方面だが、それはあくまで学業ができていればの話

「それも、ミアのおかげで、大分マシになった。
……まだ、古文とかはちょっと眠くなるけど、全然大丈夫になったし」

前までなら、テストの時間はうつらうつらしていた
今では本を読んでも、普通に疲れるだけ
強烈な眠気で寝てしまうことも無くなっていた
それも、彼の指導のたまものだ。寝そうになる度、彼の言葉と未来への約束が後押ししてくれる

「でも、風紀だからって無条件で上がれるわけじゃないでしょ。
やっぱり、ミアの頑張りが無いと上がれなかっただろーしさ……って!寝ないよ!
…ミアに格好悪いところ、見せられるわけないし、あれだけいっぱい私に勉強とか教えてくれたから、それを裏切れないよ」

ぶつぶつ呟き、反論する
自分の力だけではなく、体質改善ができたのは彼の力もすごく大きい
それを裏切れるわけもない

「ほらほら、カンパイ!」

ワイングラスを手に取って照れを誤魔化すように乾杯を促そう

ジェレミア・メアリー >  
「そう?光奈の力になれたのならよかった。
 まぁ、どうせ寝てくれてもいいけど、夢の中で僕に会いに来てくれるならね」

そう言う感じの惚気だ。
ついつい、彼女と二人きりだと"ガワ"のようなことを口走ってしまう。
……あんまり、良い事ではないかもしれない。
けどまぁ、仕方ない。好きな人を程意地悪したくなる心理。
今ならこの気持ちが、理解出来てしまう。
だって光奈、良い反応してくれるんだもん。
相変わらず口元を緩めたまま、キャップの唾を掴んで目深に被った。

「無条件じゃなくても、緩い事には違いないよ。
 学生にやらせるような事でもないしね、色々と」

勿論、全員が全員と言う訳では無い。
だが、風紀委員と言う肩書は"重い"。
そして、今までもこれからも、犯罪者とは言え誰かを傷つける立場にある事。
そうでもしないと、人を守れない状況だからこそ、引き金を引いている。
年齢制限、種族でさえ制限のない常世学園とは言え、学生にやらせるような事ではない
と、常々考えている。だからこれは、ある種の"等価交換"だ。
勿論それを鼻にかける事はしない。
とはいえ、自分の力でのし上がったとは考えない。

「けど、光奈のおかげなのは間違いない、かな」

彼女のおかげであることは、間違いない。
手に取ったワイングラスを軽く揺らして、チン、と軽く縁を合わせて見せた。

「乾杯、光奈」

くぃ、とすぐに喉へと流し込んだ。

修世 光奈 > うぐぐ、と固まってしまう
何せ顔がドストレートに好みというのが大きいし
彼の内面もまた、知れば知るほどに好きになる
そんな相手から、冗談でも気障な事を言われるとやはりどき、とする

こればかりは、いつになっても慣れない

「ふーんだ。……その癖、治らないね、ミア
…夢じゃなくて、これからは…まあ、いつでも現実で会えるし、隠すこともないでしょ?」

一応二人の関係は積極的に広めることはしていない
精々が、共通の知り合いに少し伝えている程度
けれど同じ学年となったからには、存分にいちゃつけるのでは、などという期待もあって
いや、同じ部屋になっている時点でいちゃついているなどという次元ではないかもしれないが

「…うん。それでも。
私はミアにも頑張った、って言いたいの。どっちも、頑張ったってね
ん。…乾杯!」

厳しい業務から言えば、加点はあるのだろう
けれど、頑張ったと言いたいから、言う

「…んー……。
最近、よく考えごとしてるのはお仕事のこともある?
別にいーけどさー、構って欲しい時は私から構いに行くし」

はい、あーん、と
わざわざチキンを差し出す

「……それでも、考えてることは相談してね。話を聞くぐらいは出来るからさ」

逆を言うとそれくらいしかできない
それ故に、それはしっかりやろうと思う
じー、とキャップの奥の眼を見ながら話をしよう

ジェレミア・メアリー >  
「…………」

"癖"。
事あるごとに、視線を切るように目深に被るキャップ。

「まぁ、ね。この動作、"キッド"の癖だから染み付いちゃって。
 ……そうだね。だったら、同じ教室でも勉強教えながらくっつきあったりする?」

元々はお話の中のだけの人物。
ろくでなしのクソガキ。節々に挟まれる、帽子を目深に被る動作。
"誰かの真似をする時、いつの間にかその誰かに乗っ取られている"。

…そんな、何処かで聞いたような一節を思い出した。
考え事に、隠し事。目は、口よりものを言うらしい。
嗚呼、何時も被ってるこれは、本当に"便利"だと思う。
何処となく感じる後ろめたさを隠すように、最後にちょっと茶化して見せた。

「……ありがとう、光奈」

何かをしたわけじゃない。
きっと、この学園じゃ、この世界じゃありふれた悲劇だ。
それをひけらかす事は無いし、それを理由に腐る事だって。
それでも彼女は何時でも自分を肯定してくれた。
彼女が肯定してくれる限り、自身を戒める、疑う心は何時でも忘れないでいられる。
そうしてくれる限り、自分は今の幸せを享受できるんだ。
ことりとグラスを置いて、気恥ずかしそうに頬を掻いた。

「色々。本当に色々な考え事だよ。
 将来の事とか、本当に色々。……心配してくれた?」

だから、心配もかけてしまうのかな。
そう言ってくれる人がいるだけで、十分だと思ってしまうのは我儘かもしれない。

「わかってるよ、光奈。けどさ、構って欲しいのは光奈の方じゃないの?」

なんて、減らず口を忘れずにあーん、と口を開けた。

修世 光奈 > 「ま、いーけどね。癖っていうなら相当頑張らないと治せないだろうし
…でも、好きだよ?それ。照れてたり、何か考えてるーってすぐわかるし」

ふふん、と笑う
その恰好も、やっぱり好きなのだ
それが彼の感情を表してくれるものなら猶更。
だから、直して欲しいとは言わない。
それも、ジェレミアメアリー。
大好きな人の仕草なのだから

「えへへ。そうしよっか。ミアは私のものだーってアピールできるし?」

彼が自分を好いてくれていることはもちろん知っている
だけれども、欲が出るのが人間というものだ
絶対取られたくない、そんな気持ち
だから、アピールは欠かさない。ちょくちょく風紀委員関係のニュースが目に入ってしまうのもその一環
もし、誰か女性と映っていたりしたらちょっともやもやしてしまうかもしれないくらいには、好きだから

「勿論、心配してる。…当たり前でしょ。
……カレシに、旦那様に構ってほしーっていうのは…自然じゃないかなー?」

あーんをした後
自分もぱく、とお肉を食べながら行儀悪くもたれかかる

「構ってくれないと、拗ねちゃって面倒くさいよ?、私は。
だから、ずーっとその目で見ててよ」

何度も言っていること
相手してくれないとダメだという事を伝えていこう

ジェレミア・メアリー >  
「……そんなにわかりやすいかな……」

そう言われると何とも言えない感じに、少しだけ訝しんだ。
気取った雰囲気と言うのはよく言われる。
そうしてるつもりだから。
けど、"そんなにわかりやすく"見えるのだろうか。
ちょっとだけ納得がいかない男心。
また、無意識に帽子を目深に被って肩を竦めた。

「…………」

のらりくらりと、せめてる言葉が全部受け流されている感じがする。
寧ろ、相手の愛が自分より強い気もする。
からかったと思ったら、それが当然のように返され続けている。
さっきの事と合わさって、こういう方面で思ったより優位に立てていない。

「いや、そうかもしれないけど……」

"アピールできる"。
"『旦那様』に構って欲しい"。
それは自分としてもわかる範疇ではあるが、そこまでしれっといえるものなのか。
何よりも…。

「『旦那様』は早いんじゃ……、……こ、光奈?」

まだ籍を入れてないし、からかっておいて尻込みとは我ながら情けない。
もたれ掛かる光奈の体を受け止めながら、見上げてくる視線を見下ろした。
恥ずかしさに揺れる碧眼。見上げる光奈の瞳に、吸い込まれてしまいそうだ。

「ちゃんと見てる、つもり、だけど……」

ずっと、彼女だけ見ているつもりだ。
今でもこんなに、視線を外すことが出来ない。
体をくっつけているせいで、胸が高鳴る音が丸聞こえだ。
顔が熱いのは、きっと気のせいじゃない。

「……どう、見てればいい?」

瞬きすることなく、顔を近づけてそう尋ねた。

修世 光奈 > 「まー、はっきりわかるのは私くらいだろうけどね!
…自然過ぎて、私も見逃すこと多いし」

ずっと近くに居るからこそ、ようやく気づけて、からかえる自然さ
もしかすると彼と一緒に働いている風紀委員も気づいている人はいるかもしれないけれど
ここは、カノジョ特権ということにして威張っておこう

「……………」

慣れてきてはいる
こういうことを言ったり、言われたりすることに対しては
けれど、やはり…勢いを無くすと恥ずかしくはなってくるのだ
重すぎたか、とか、独占欲出しすぎてないか、とか
そもそも、まだ学生なのに先走りすぎじゃないかとか
だから、必死に隠してはいるけれど息は少し浅く、顔は赤い

「……別に、女の子を見るのは、いい
やっぱり、仕事とかで一緒になることもあるだろーし
そこまで、縛らない…けど」

「……そうやって、好きって言ってくれる目は…私だけ
それは、忘れないで?」

少し、鶏肉のソースの味がするキス。
く、と反動をつけて触れるだけのそれをして

「…さ、食べよっかー!今日はねーデザートもあるよ!」

ふふ、といつもの調子
まだ顔は熱いけれど、今は…二人のお祝いを続けていこう――

ジェレミア・メアリー >  
「……そ、っか」

一緒にいるからこそ、お互いわかることがある。
近いからその癖も何もかも分かってしまう時がある。
ロマンチックだな、なんてからかう余裕もない。
唇が重なった時にする味は、晩餐と同じソースの味。
余りにも自然に、それが当たり前すぎて受け入れてしまう程に。
もう、お互いにキスをすることもなれてしまったのかもしれない。

「わかってるよ。光奈以外に、そう言う目は向けた事ないから……」

今でもずっと、此の目は彼女の事を見ている。
一度も彼女から視線を外した事は無い。
多くの人間の中から必ず、ずっと彼女の事を見続けている。
学生だとか、そう言うのを越えて……。

「そうだね。今日は二人で一緒に……」

長い夜を、過ごそうか。
もたれ掛かった彼女の体を支えるように、自己主張するようにそっと肩を抱き寄せて。

祝いの席は、続いていく。

ご案内:「二人の部屋」から修世 光奈さんが去りました。
ご案内:「二人の部屋」からジェレミア・メアリーさんが去りました。