2021/07/25 のログ
ご案内:「常世学園付属総合病院 VIP個室」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 >
この病室に入るのも、久し振り…いや、そうでも無いだろうか。
見慣れた天井。見慣れた個室。見慣れた風景。
ベッドの寝心地も何だか懐かしい。一人で寝るには無駄に広々としたベッドに横たわって、ぼんやりとしていた。
「……煙草、吸いたいなあ…」
いやまあ、VIP個室程にもなれば室内での喫煙も見咎められないのだろうが、一応自分は風紀委員という立場で入院している。
であれば、相応の過ごし方をするべきだろう。
まあ、多少の秘密は黙っていてくれるのも此の病院の良い所ではあるのだが。
「……しかし、私もまだまだだな。油断が過ぎた、と言えばそれまでだが…」
包帯の巻かれた自らの躰に視線を向けて、思い返すのは昨晩の戦闘。
目に見えるダメージの量に油断してしたが故の負傷。幸い、長引く程ではない、との事ではあるのだが。
「…ただでさえ、夏季休暇で人も少ないんだ。早めに退院したいところではあるんだがなあ…」
■神代理央 >
入院回数が増えれば病院の対応も慣れたもので、着替えだの仕事用のミニデスクだの、何時も使っている物は一通り用意されていた。
おかげで不便する事は何も無い。まあ、此処に入院して困った事は今まで無かったのだが。
「…しかし…襲撃者の正体と目的、か。………思い当たる節が多過ぎるな」
恨みつらみは、山ほど買いこんでいる。
具体的にどれだ、誰だ、と考えるのはもう諦めた。
まあ、誰かに依頼された様な事を言っていたし、何処かの違反部活の手の者なのかもしれないが。
「…警邏時には警戒を怠らないように伝えておかないとな…。何処までダメージを与えられたか分からんが…」
機関砲を浴びて尚、余裕を見せていた敵。
狙いが自分だけであれば構わないのだが…落第街に出入りする風紀委員には、念の為警戒を呼び掛けた方が良いのかもしれない。
ご案内:「常世学園付属総合病院 VIP個室」にラヴェータさんが現れました。
■ラヴェータ > 「入るぞ、理央。
入院したと聞いたから見舞いに来てやったぞ。今度はどんな無茶をしたんだ?」
病室のドアをノックし、声をかけながら入室する。
ドアを閉め、やれやれと首を左右に振りながら少年の方へと歩み寄り、ベッドに腰掛ける。
「ほれ、見舞いだ
あとで味わって食え、貴様が一番喜ぶであろう品をもってきてやった」
そういい、手にした"常世苺"と書かれた辞書大程度の大きさの箱を少年の隣に置く。
本当は自分用に買ったのだが...まあいい。
■神代理央 >
病室に響くノックの音。
開かれた扉の先から聞こえてきたのは、聞き慣れた少女の声。
己が監査役を務める、風紀委員会の鎖に囚われた少女。
「…肉体強化の魔術を、術式の構成が不十分な状態で全力起動した。
おかげで筋肉がぼろぼろだよ。それでも此の程度の入院で済んでいるのは、流石常世付属、といったところかな」
小さく肩を竦めながら、腹や腕に巻かれた包帯に手を添える。
その視線は、少女が持ち込んだ箱に移っていって――
「……常世苺か!随分と気前の良い見舞いの品じゃないか。
嬉しいよラヴェータ。ありがとう」
見舞いの品は大いに少年を喜ばせるものだったらしい。
珍しく素直に喜色満面、という具合で笑みを向けるだろうか。
■ラヴェータ > 「なるほどな...そんな状況に追い込まれるまでに何があったかは知らんが...
油断して後ろからーというわけではあるまいな?」
貴様ならやりそうだ、などと付け足し目を細めて追及する。
「しかしまあ...無事そうで何よりだ。
にしても、こちらの技術やら異能やらには毎度驚かされるな
私のいたところにはここまで高度な治癒技術は無かったからな
何度見ても素晴らしいものだ」
少年の無事を祝う方が先であったか、と。
包帯が巻かれベッドの上の身ではあるが、それでも五体満足で危篤でもないのであるというのだから安心だ。
僅かな微笑みを少年に見せる。
「そうかそんなにうれしいか
それは重畳だが...なんというか複雑な気もちだ
持って帰ってもいいか?」
これ以上ない喜びを見せた少年の笑顔に微笑みの口端を小さく歪めて返す。
持って帰るとは冗談半分本気半分といったところか。
■神代理央 >
「……まあ、否定はしない。油断はあった。魔術戦に対する認識の甘さもな。
とはいえ、油断していなければ勝てたとは言わん。魔術の汎用性を良く理解した敵だった。最初から全力で当たっていても、苦戦しただろう」
「やはり対人、対個人の戦いにおいては私は一手出遅れるところがあるからな…。今後の課題、といったところか」
油断したか、との言葉に否定はしない。
しかし、油断していなければ――と、奢る事も無い。こうして入院に至ったのは、己の判断ミスでもあるのだから。
「生徒が警察権を行使する関係上、医療技術は特に力を入れていると聞くしな。
まあ、此処迄快適に過ごせるのは、相応の金を払っているから…だが」
療養の為に過ごすには余りに豪奢で広々とした室内。
そんな室内を一度見渡した後、呆れた様に笑ってみせる。
「……む、持って帰る…だと?
………貴様とは暫く口をきかん」
ふいっ、とそっぽを向いてしまう。
冗談と分かっているとはいえ、甘味の恨みは中々根深い様だ。
本気では無いにしろ、若干の不機嫌さは隠しきれずにそっぽを向いてしまおうか。