2021/07/26 のログ
■ラヴェータ > 「ふむ...そうか...とはいえ油断は禁物だ、理央
心配させるなと私に言うのだから貴様も私に出来るだけ安心させてくれ
最近は貴様のいいつけ通り落第街にもスラムにも立ち入ってないのだ
それくらいはいいだろう?」
冗談めかしてそう伝えるが、少女の心情に心配は確かにあり。
決して冗談で言っているものではないとわかるだろうか。
「対個人の能力か
ひとまず刃物の扱いか武術の類でも修めてみてはどうだ?
気休め程度にはなるだろうさ」
似た戦闘スタイルをとっていた自分にとってもその悩みと課題は理解できる。
鍛えろと言いたいところではあるが、少年を一瞥し...その華奢な肉体では無理がありそうだなどと思っている。
「冗談だ、そう怒るな
本当に貴様は甘味が好きだな
ちゃんとおいて行ってやるから安心しろ」
とみじかく笑って肩を下ろす。
■神代理央 >
「……そうだな。ぐうの音も出ないとは、この事か。
確かに、いらぬ心配をかけたな。すまなかった。
私も、もう少し自分の身には配慮するとしよう」
少女に心配させるな、と言っておきながら自分は此の有様。
確かにそれでは、普段偉そうにしておいて何を、というところである。
心配の情を伝える少女に小さく微笑むと、ぽんぽんと頭を撫でようと手を伸ばすだろうか。
「刃物…武術、か。何方も正直得意とする部類では無いな…。
近接戦闘ですら拳銃を使っていた様な有様だ。緊急時は、肉体強化の魔術で肉弾戦を行う事もあるが…素人が殴り掛かったところでな」
とはいえ、最低限接近戦に備えた戦い方も必要だろう。
折角肉体強化を行う事が出来るのだから、何か考えてみようかな、とか思っていたり。
「糖分は人類最良の友だからな。それを奪おうとするのが悪い」
ふん、と拗ねた子供の様な声色ではあるが。
それでも視線は少女へと向き直り、くすり、と悪戯っぽく笑ってみせようか。
■ラヴェータ > 「ああ、そうしてくれ
...ああ、それにその方が冥のやつも貴喜ぶだろうしな」
僅かに頭を下げて撫でやすい姿勢をとる少女。
元々この手のことに抵抗はないが、迎え入れるような姿勢をとるのは珍しいだろうか。
少女は撫でられるどことない安心感を感じているようで。
細目な落ち着いた猫のような表情を見せて。
...と、この一連の流れに冥を思い出し、一言付け加えた。
「まああれだな
魔術でもなんでもいいが近接を考えた技法はあったほうがいいだろうという話だ
退院するまでにでも考えておけばいいさ」
種族も素の能力も違う自身が出せるアドバイスなどたかがしれている。
経験がある少年自身の方がいい答えは出せるだろう。
「それもそうだな、同感だ」
言葉とは裏腹な、こちらに向けられた少年の愉快そうな笑顔にハハ、と短く笑ってみせた。
■神代理央 >
「……冥と会ったのか…?
…いや、まあ、寧ろ会ってない方が不自然だったのかもしれないが…」
撫で心地の良い少女の髪を撫でながら…少女から告げられた名前に、少しだけ驚いた様な表情。
とはいえ、己の家に住んでいる比良坂冥と、気儘に己の家を訪れる少女。
同じ風紀委員会の鎖付き、という事も考えれば寧ろ名前が出るのは当然、と言うべきなのだろうか。
「そうだな…。まあ、最終手段として用いる術を考えておくのは良いかも知れない。
私の場合、最後の手段として取る魔術や異能は大概ロクな事にならないからな」
広範囲への火力を重んじる己の異能は、追い詰められた時にはほぼほぼ自爆技めいたものになる。
周囲への被害を考慮すれば、接近戦への備えは出来た方が良いだろうな、と少女に頷くだろうか。
■ラヴェータ > 「ああ、先日貴様の部屋に行ったのだがその時に出くわしてな
ずいぶんと前になるが貴様の言っていた監視対象とはあいつのことか?
...にしても、くつろいでいたら危うく不審者として通報されるところだった
とはいえ特に何も起きなかったからな、安心していいぞ理央」
あいつの料理は美味かったぞ、付け加えて。
楽しかった、といった風にたんたんと語る。
少年の話を出した時のことは話さない。
自分が気を付ければ済む話だ、わざわざ口にして不安にさせる必要はないだろう。
「自爆覚悟にしろ接近戦にしろ、せめてもう少し貴様が堅ければいいのだがな...
大楯がもう少し小回りがきけばな...
...あれを身にまとってしまうのはどうだ?防御面も火力面も向上が図れるのではないか?」
などと、面白いことを思いついたとでも言いたげな様子で提案する。
■神代理央 >
「ああ、そうだ。色々あって、今は私の家に住まわせている。
前任の監査役と連絡も取れなくてな。刑事課も捜索してはいるんだが…。
……ん、そうか。仲良くしてくれているようなら何よりだ。
アイツは寂しがり屋なところがあるから、これからも仲良くしてやってくれると、嬉しい」
比良坂冥との話を少女から聞けば、少し安心した様な笑みを向けるのだろうか。
やはり同性の友人がいた方が彼女の為だろう…と、気遣っている様な素振り。
…そして、付き合いの長い少女なら気付くかもしれない。やはり、というか何と言うか。少女が抱いた様な比良坂冥への感情は、少年は持ち合わせていない…というより、気付いていない、という事に。
「ふむ…防御面、か。肉体強化の魔術は本来防御用のものでな。
アーバリティ、という怪異と戦闘に至った時も、十全にその役割は果たしてくれた。唯、魔術であるが故に発動術式にラグがあるのが難点だな…」
「…そうなると、お前の言う様に異能を防御に用いるのは有用ではるんだが…纏う、纏うか…」
考えたこと無かったな、なんて顔をしながら思案顔。
異形を鎧の様に直接身に纏う事が出来れば、確かに魔術よりも発動のタイムラグは短いし直接的な火力も増大する。
見た目はまあ…大分、風紀委員らしからぬものになるだろうが。
■ラヴェータ > 「ああ、言われなくてもそうするさ
悪いやつには見えなかったしな」
少年はどれほどあの冥という少女に不信感を抱いているか。
もしくはそれに類する感情や評価があるか、気になっていた。
少女があの時わずかに覗かせた異常性を、どれだけ危険視しているか。
...この調子だと、恐らく下手に触れるだけ悪化させてしまうだろう。
以前も似たようなことをしでかしたことはあるのだ、今回も同じ失敗はすまい...
そんなことを考えながらも、口にも表情にも極力出さず。
特段あの少女と不仲になろうというわけもない。
元より仲良くする気である、という本音だけを告げた。
「アーヴァリティか...聞いたことがあるが...
良ければどんなやつなのか、今度聞かせてくれないか?」
名前だけは一時期よく耳にした。
風紀委員に無視できないぐらいには死傷者を出していたはずだが、とある時期からめっきりと聞かなくなった名だ。
興味があるようだ。
「ああ、そうだ
あの盾を全身に装着できれば並大抵の攻撃は通さんだろうし砲塔を纏えばどこぞで聞いた機動戦士みたいな戦いも出来るのではないか?」
高火力高耐久
俊敏性はわからないが、面制圧の召喚異形と合わせて隙の無い軍隊となるのではないだろうか。
■神代理央 >
「ん。ありがとな、ラヴェータ。
私はどうもそういう細かな機微には疎い所があるからな…。
こんな事を言うのも情けない話だが、頼りにしているよ」
少女が表情にも口調にも出さなければ。
少年はその真意に気付く事無く、穏やかに微笑むのだろう。
少女の選択が正しいのか否か。それが明らかになるのはきっと、まだ暫く後の話になるのだろう。
「構わないが…聞いて面白い話でも無いと思うがな。
悪い奴ではない…とは思うが…」
命のやり取りをする程の戦いをしておいて悪い奴ではない、というのは如何なものかと我ながら思うのだが。
とはいえ、風紀委員会に敵対していた以上、下手な情けをかけるわけにもいかない。
何時ぞや拳銃を渡してしまったのは、些細な気紛れだったのか。それとも、戦う相手を失う事を畏れていたのか…と、何と無しに思ってはしまうのだが。
「…別に機動戦士になりたい訳ではないんだが。とはいえ、敵に与える威圧感も相当なものにはなるだろう。
異形との一体化か…真面目に、考えてみようかな」
フィジカル面の脆弱さを異形でカバー出来れば、確かに戦闘面においては非常に有利だ。
パワードスーツの様な使い方になるかな、なんて思案顔。
大楯の異形は、防御力と機動力に特化した異形だ。それと一体化出来れば、肉体面で相当な強化となり得るだろう。
「……ふぁ。……む…頭を動かしたら、眠くなって、きた…。
苺、ありがとう…美味しく、いただくよ……。
ちゃんと、みおくりする、から……ふ…わぁ……」
そうして思考を巡らせようとしたタイミングで。
痛み止めを兼ねた麻酔と肉体の疲労が急激に少年を睡魔へと誘う。
ぽふ、とベッドに倒れ込み、呂律の回らなくなり始めた口調で見送る、と告げるのだが…。
いくばくかもしない内に、少年はくぅくぅと寝息を立ててしまうのだろう。
根深い疲労と、包帯だらけの躰。しかし、少女と語らった時間によって得た安息は、その表情に確かに穏やかさを与えていたのだった。
■ラヴェータ > 「私もそこまでその手のことは得意ではないが...
まあ、やれるだけやるさ
任せておけ」
任せられるような感じはしないが、それでも少年とあの少女の関係そのものの今後の為にも、
出来ることはしよう、そう内心誓う。
「ほう、当時の話を思い出しても到底いいやつには思えんが...
まあ一戦交えた貴様にしかわからんものでもあるのだろうな」
戦いに限った話ではないが、特定の何かをしないとわからないものはあるものだ。
そんなものだろう、と納得する。
「ああ考えておけ考えておけ
異形を纏った姿というのも面白そうだ
それに二つ名がが鉄火の支配者から機動戦士カミシロになるかもしれんぞ」
面白いだろう?と壺にはいったのかくくく、と笑いをこらえて。
「ああ...疲れているだろうに長々と話させてしまってすまなかったな
ゆっくり眠れ、理央
おやすみ、だ」
そう言い終えた時にはすでに、少年は寝息を立てていた。
ずいぶんと安らかに眠る少年の姿に不意に笑みをこぼす。
少年の安息のひと時を作れたのなら、ここに来た価値はあったと、満足げな表情で。
しばし少年の寝顔を見つめたのち、少年の髪を一撫でし、ドアからその場を去っていった。
ご案内:「常世学園付属総合病院 VIP個室」からラヴェータさんが去りました。
ご案内:「常世学園付属総合病院 VIP個室」から神代理央さんが去りました。