2021/10/15 のログ
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に『調香師』さんが現れました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」にメアさんが現れました。
■『調香師』 > こり、こり、こり、こり
営業中。彼女はまた、空いた時間に調香の準備を行っている
小さなすり鉢の中の薔薇の花弁を挽いている音
...昨日の不安が消えたわけではない。だから、今日は特別に匂いの強い物を作りたい
薔薇の香りをベースにすれば、非常に好ましい仕上がりとなるだろう
また1つ、歓楽街に新鮮な香が漂い始める
■メア > 「ふ、ふ~♪」
くるり、くるりと舞いながら、バラの香に誘われて、店へと入り込む。
「ここが噂のWings Tickleかぁ。こんにちは、店主さん?」
くるりと『調香師』に向かい、スカートを摘まんでひざを曲げ、頭を下げる。
「ここは…お香を売ってるのかしら?」
■『調香師』 > 店内にベルの音が響く。それが来客の合図
香りに意識を向けていた彼女も、この音は大切な物と定めてあります
首を正面に向けて、次に焦点を相手の顔に合わせるために角度を合わせました
「いらっしゃいませ!」
造られた笑みで歓迎。それでお出迎えはきっと完璧です
早速、作業を中断し貴女の目の前へ駆け寄りました
「噂はあまりわかんないけど、ここがWings Tickleだよ!
リフレだから、オイルを使ったマッサージも出来るし、香りも売ってるよ。それが私の出来る事だよ、みぱー」
不自然に笑う声。目線は入り口横のカウンターのメニュー表を示しました
・『全身マッサージ』
・『お望みマッサージ』
・『香料・お望みの調合します!』
■メア > 「ほうほう…アロマキャンドルとかでも良いのかしら?香水はちょっと苦手でねー。」
機械とは思えない笑みで近付く。肌は人間とほぼ同じ成分であり、瞳も人間を模していて…よく見なければ人間と見分けがつかないだろう。
「マッサージはやったことはいっぱいあるけどして貰ったことはなかったなー」
メニューを興味深そうに見る。その所作一つ一つが、人間をトレースしている。
不自然さが、ない。
■『調香師』 > 「キャンドルも出来るよ
でも匂いって香水だけじゃなくって、物に染み込ませて部屋に置くって使い方も出来るよ
今だとアロマスティックって言うのかな?」
『調香師』の目からしても、相手の事が人間としか見えていないのだろう
多少の不自然があったとして、今は亡き過去の遺産同士でなければ前提として探り知る事も無い
尤も、機械と知ったとして、それより優先すべき約束事は『お店とお客様との関係』
もてなしに変化が生じる事も無いのだろうが
「どっちでもいいよー。そのどっちでも、あなたの好きな香りや困っちゃう事を聞きたいな
オイルを選ぶときに、とっても大事な事なの」
■メア > 「香りはどれも捨てがたいけど…強いて言うなら薔薇かな。香水、身体に付けちゃうとどうしても荒れちゃってねー。『お手入れ』するのが大変だから…」
自分はロストテクノロジーの塊だ。今は偏屈な技師に世話になってやりくりしているが、それでもメンテナンスは難しい。
「私の仕事、見た目大事だからねー。心配事は少ない方が助かるのよ」
■『調香師』 > 「お肌が大変なの?だったら香水は難しいね
でも、だったら猶更私の作る香りはオススメかも?
アルコールを使わない『フレグランスオイル』というものもあるよ
それだったらお肌にも優しくて、匂いを楽しめるんだよ
いま丁度薔薇のお花を挽いてたから、良い物を作れちゃうかも?」
そんなお話をしている間にも、お互いの顔を近づけてみて
髪に触ってみていいのかな。そうして匂いを感じてもいいのかな
■メア > 「ふむふむ…じゃあ、お願いしちゃおうかな?あ、それと…折角だしマッサージもお願いしちゃおうかしら?」
顔を近付けても、髪を触れられても、嫌な顔一つしないだろう。
彼女は、そう作られているから。
嗅げば、僅かに薔薇のような香りがするだろう。
■『調香師』 > 目を閉じて、毛束から静かに匂いを感じ取って。ゆっくりと数秒
改めて貴女を見つめる瞳孔の拡縮。確かに、人相と薔薇の芳香を結び付けた。これをもっと、私が良い匂いにするんだと自分の役割として最優先
「それじゃ、別のお部屋に案内するね
薔薇の蒸留の準備をしたら私もすぐに始めるよ
その間に着替えて貰いたいな」
先導したのはロッカーのある待合室。そのお隣の部屋がベッドのある部屋だと説明します
サイズの合うローブをご自由に使ってね、そう言い残して一端部屋を出ていく事だろう
■メア > 「はぁい」
先導されるがまま、言われるがままに待合室で着替え始める。
手間のかかるドレスを脱ぎ、継ぎ目一つ無い裸体を晒す。
その後、ローブを身に包み。
「着替え終わりました-。」
そう告げるだろう。
■『調香師』 > 「はぁい」
数分とはかからない。彼女もまた戻ってきて
...そうして、首をかくんと傾げました
「サイズ、大きかった?」
Sサイズを想定しても、その背丈に合うローブというものは流石に置いてなかったかもしれない
もしかしたら、特別に準備しないといけないのかもなと内心の反省も行いながら今度は手を差し伸べました
『それでもいいなら、行きましょ?』との仕草
変わらない笑みは、貴女を隣の暗闇の部屋のベッドへと誘うのでしょう
■メア > 「ん、大丈夫」
ロープを手で押さえながら、誘われるままに暗い部屋へと足を踏み入れました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」からメアさんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から『調香師』さんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に『調香師』さんが現れました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」にメアさんが現れました。
■『調香師』 > 『着替えたら、戻ってきてくださいね』
そう、ロッカーの部屋に残したメアに告げて。『調香師』は一足先に調合室、或いは店頭へと戻ってきました
タイマーの切られた蒸留台。抽出されたローズの香りを先に確かめては頷いて
他の道具も、彼女がやってくる前に次々と準備を始めていきます
■メア > 「んー、さっぱりしたー」
いつものドレスを纏って、店頭へと戻ってくる。
施術を受けたからだろうか、来たときよりもツヤツヤしている気がする。
■『調香師』 > 「おー、来たね来たね...」
貴女の方をみて...しばらくして、首をかくんと傾けました
考え事をする時に、ちょっと首元が緩む癖があるそうです
「...肌が不安なら髪の毛。それに付けるのに丁度いい物を調合する?」
肌のつやつやに合わせて、触っていない場所もつやつやさせたくなってきたそうです
しっかりとした量がある事を踏まえて、調合しないといけませんが
■メア > 「髪もちょっとねー…ほら、手入れが大変だから」
足の先から髪の先まで特別製であるが故の苦悩でもある。
ワンオフであることは換えが利かないということであり…同時に、損耗は出来る限り避けたいのである。
「髪に馴染むのだったら良いんだけど」
■『調香師』 > 「私を誰だと思ってるの?それより、何もしない方がお手入れ大変だよね!」
うんうん、方針は決定です
部屋の中に強く広がる、ローズの香りの出所である瓶を作業区域に移動させ、他に必要なベースとなるオイル、追加の香りの瓶を戸棚から次々と集めていきます
「他に、『こんな雰囲気が欲しい!』とかのお願いなら聞くよ
普段から使うから、普段の行動に合う雰囲気でもいいね」
■メア > 「んー、そうねぇ。落ち着いた雰囲気のが欲しいかな?こう、鎮静効果のある…例えば白檀とか合わせたりとか出来る?」
香水については知識が無いため、出来るかどうかはわからない。
自分が使うもので気に入っているものを合わせられたりできないだろうか、と聞いてみる。
■『調香師』 > 「ローズも元々落ち着くのには良い香りだからね
でも今のままだと軽いから、そこにしっかりとした重さのある物を入れればいいんだね。うん、言う通り白檀もいいかも」
彼女の抽出技術、そして調合技術ならば合わせるのには問題ないとのお返事
ビーカーの中にベースとなるオイルを入れて、抽出したローズの精油に加えて様々な香りの元をスポイトで垂らし、加えてゆく
淀みないその動作は、既に目的地が分かっている証
■メア > 「おぉ~…プロだねぇ」
その様子を眺めている。
自分にはわからない分野だが、それでも彼女の腕が確かなのはわかる。
出来上がるのを楽しみにしながら、待つ。
■『調香師』 > 「...あ、これは言わないと
このお店はね。出来た香りに名前を付けてもらってるの
これは私から、あなたの為に作った香りだからね
出来るまでに考えてくれると嬉しいな?」
喋っている最中も手は止まらず。人間なら時々手を止めて確かめる所をノンストップです
「それが、私とあなたとの楽しい思い出にもなるんだから」
■メア > 「んー…それだったら…『夜の夢』なんてどうかしら?一夜にして現れ、消える泡沫の夢…なんて」
それは、彼女の有り様と同じものだ。
一時の愛を囁き、受け入れ。朝になる頃には去る、という。
皆を愛するが故の、己に課した習慣。
■『調香師』 > 「恰好いいね。翌朝に残る、気分を落ち着かせる香り
夢を静かに思い出すような香り。そして、髪を靡かせ去っていったあなたの胸の内、ちょっときゅんってさせちゃうような切なさ」
そのイメージに、燻らせ漂う香りは近付いていく
今まで誰一人捕まえられなかった貴女の、これからの『残り香』
「...最後の一滴は、私の想いかな?」
スパイシーノート。消えた後でも微かに惹かれる隠し味の痺れ
瓶の蓋を閉じて、貴女を見上げました
■メア > 「へぇ……いい香りじゃない」
残り香を堪能し、素直にそう告げる。
市販のものでは辿り着けない香り。オーダーメイドというのはかくして顧客毎に違ったものが作られる。
「世界で一つだけの…えーと、フレグランスオイル、だっけ?そういうのが此処で手に入るだなんて思わなかったわ」
■『調香師』 > 「その分、お値段もしっかりしてるけどね?」
香りと共にお客様の事を記録する
自ずと別々の物を作る。それが彼女にとって当然である
四角い瓶とラベルを用意して、その作品の『題名』を記す
瓶に入れる前に一滴、小指に垂らした香を艶めかしく唇に触れさせた
「人の為の芳香。その誕生、その精製を私は確かに見届け記録できた
...フレグランスオイルをベースのオイルに混ぜたものだから、これは香油かな?種類が多くてまどろっこしいよね。うひひ、難しいから適当でいいかも」
ラベルを瓶に貼って、商品の体を整えれば紙袋に梱包
あとは受け取ってもらえれば今日のお仕事はおしまい!
■メア > 「…まぁ、機能してれば商品としてはそれでいいからね…えーと、それじゃあお金を…」
懐から財布を取り出し、ぱっと10万程置いた。
香油のオーダーメイドは初めてなので、相場がわからないから、取り敢えずの10万。
自分にとってはそれだけの価値があるし…高ければ追加で払う、安くてもそのまま渡そうというつもりだ。
■『調香師』 > 「はい、10万のお預かりだよ」
彼女はレジカウンターの方へと移動した
電卓をたたくなんて様子もない。こんな計算はすぐに出来る
「おつりだよ!」
そして、半額程度返ってきた。超過分を受け取るなどと言う『気遣い』が存在しない
...以前も同じことがあったし、その時も受け取らなかった。受け取るという文化があるのは学習したが、まだやっぱりその身に染み付いてはいなかったのだ
そして、おつりのお札の上にはポイントカード。翼のスタンプが押されたそれの空欄は、あと2つ
■メア > 「…あぁ、そのまま受け取ってくれても良かったのに」
お返しされては受け取るしかない。
施されては受け入れるしか無いのだ。
そして、ポイントカード。翼のスタンプ。
「この翼って?」
■『調香師』 > 「?」
その言葉の意図は、やはりあまり察していないこの笑み
「それはね。このお店に3回来てくれたらね
私が『どんなこと』でもするっていうサービス
あなたも、マッサージと香油で迷ったけど...
やっぱり、1回は1回、ズルはダメだよねって!」
『どんなこと』という言葉には。きっと、貴女が想定する内容も含まれている事だろう
■メア > 「『どんなこと』でも、って…一体何してくれるのかしら?」
ちょっと怪しい笑みを浮かべて。いや、サービスとしてはどうなんだろうかと思いつつ。
「そうそう、誰に対しても公正にね。贔屓したらそれが基準になっちゃうから」
そうして潰れた店は数知れず。メアもそれを知っている。
「これって3つ溜まった時点で、なのかしら?」
■『調香師』 > 「大丈夫じゃないかな?
私、『人の為』なら出来るから」
その文字通りのなんでもを
今苦しめられているとしても、その瞬間に存在理由を満たす為にはそうするしかなかった
...なんて事は、感じさせないような
明るく幼い言葉で、変わらない笑みで
「溜まった時点でも良いし、大事に持っててもまぁ、いいかな?
3回目、『これをして欲しいな!』って思ってるなら来店時に押してあげるし
つまり、なんとなくだよ~」
■メア > 「…あんまり盲目的なのは、良くないんだけどなぁ」
それは、自分の創造主と重なって。あまりいい顔はしないだろう。
「まぁ、でも…使えるようになったら、使わせてもらおうかな。何をしてもらうかは、まだ決まってないけど。」
つまりは、あと2回必ず来るという宣言。
ここの香りや施術はとても良いもので、また来たいと純粋に思っていた。
■『調香師』 > 「だって。私はそういう物で、」
『あなたもそういう物でしょ?』
機械の無意識。落ちかけた言葉は両手で押さえた
彼女は人間だよね、不思議な事もあるものだ
「はい。それじゃ、またのご来店をお待ちしています!」
カウンター越しから直接目の前に移動して
今度は来店とは逆に、こちらからお辞儀をするのが筋という物だろう
■メア > 「じゃぁ、また来るね」
商品を受け取り、扉を開け。
振り返って、笑顔で手を振る。
そうして店を後にするだろう。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」からメアさんが去りました。
■『調香師』 > 扉を出て、店の外までお見送り
彼女の笑みは、最後まで変わる事はなかったですが
心と呼ばれる部分は確かに、今日のやり取りで満たされました
「次のマッサージは...」
また、シミュレーションに空をなぞりながら、店内へと戻っていきました
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から『調香師』さんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に『調香師』さんが現れました。
■『調香師』 > さて、と。本日もその営業を終えた『Wing's Tickle』
看板をひっくり返した後、日記と向かい合う
良い出会い。不安から挽いた薔薇に誘われて彼女は来てくれました
まだ店内にはその匂いが残る。すん、と嗅いだ後に記録した限りをまた、日記帳に書き出していきます
『夜の夢』、今日完成した香油の名前を題名に書ききった1ページを閉じて。彼女は『彼』への回線を開く
返ってきた言葉は短く。『心配するな』
「羅刹さん、らしいと言えば...うん」
彼がそう返す以上、そうなのだろう。ここで一度、安堵の溜息を香りと共に吐き出した
■『調香師』 > 『このお店を続けられる。私は使命を果たし続けられる』
それが彼女の本心だ
人の命より、自分の願いが重いのも酷い話と考えられるのだろうか?
彼だって、こんな私の事を知っている。知った上で、お互いこの関係を選んでいる
私達はただのビジネスパートナーで。彼がそれ以上に踏み込んできた時には、本当に『最期』を覚悟した時だろう
---良いお知らせ。たくさん溜めて待ってるね
それは『私にとって』で、彼に得なんて殆どないだろうけど
連絡を簡単に返して、芳香に包まれた彼女は首を垂らして休止の時間へと入る
(昨日よりはずっと、安らかに眠れそう)
再びお店を開くために動き出すまで、あと数時間...
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から『調香師』さんが去りました。