2021/10/21 のログ
『調香師』 > 「ん、んん...?」

おそらく、今まで見た中で一番困惑しています
止まらない語り口に、相手を思ってか時々差し込まれるフォローが論理的な矛盾を作り出し

つまり、『何が言いたいのか』を遅れて理解する頃には、既にあなたは机に突っ伏して動かなくなっていたという事なのだ


「えっと。初めて来た時もお店に興味持ってもらってたから?
 あのまま出来たら、買うつもりだったでしょ?だから、良いかなって...

 それじゃよくないんだよね。だから悩んでるんだよね
 そしたら、うーん。どうなんだろ」

『埋め合わせ』を考える事自体が苦手の部類なので
彼女自身も一緒に。揺れるウサミミの後頭部を眺めながら首を傾ける


「私の事を覚えてくれたら、それで...?」

多分、納得してくれないけれど
自分の満足の為に自然と自分を差し出す。難儀な性格はお互い様

黛 薫 >  
「それに関しては忘れないって前回言っ……ぁー、
あーたの方が覚えてなぃってこたねーよな、はぁ。
てコトは、大事なのか。"忘れられなぃ"っての」

口調からも表情からも納得していないのは丸分かり。
しかし、どうも相手にとっては大切なことらしい。
無碍に扱うのも躊躇われて小さく唸る。

「……じゃあ、あーしからひとつ提案。
要は商売って同等の対価を支払って品を受け取る、
っつーコトだろ。んで、あーたは"忘れなぃ"を
望んだワケだ。それを踏まえての落とし所として」

「名前教えて。あーしも教えるから」

等価のやりとりとして。『お店の店員』ではなく
個人として『覚えておく』『忘れない』ために。
そんな提案をしてみる。 

『調香師』 > 「私はもちろん覚えてるけど
 ...うん、やっぱり大事だよ」

『大事』という表現しか、彼女には出来ないのだ
この約束、全てを無かった事にしてしまえる強力な異能があるからこそ

失われる事が、あまりに簡単に出来てしまうという事を。最後の手段として未だ、大事に抱えて隠している
覚えていて欲しいと願っておきながら、消え去れる手段を大切にしている

『所持して欲しい』『手放して欲しい』

目を瞑る。何も口には出せないのだろう


「名前はね、無いよ
 私は『調香師』、今はそれ以外じゃないから

 名前はね、無いよ
 ...本当に」

かつてこの歓楽街で呼ばれた、『■■■■■・■■■』との呼び名
それはノイズの中に、捨てた筈なのだ

黛 薫 >  
「……ままならねーのな」

『今は』それ以外じゃない。では、かつては?
問うことはしなかった。……出来なかった。

ごん、と再び長机におでこがぶつかる音。

「……あーしがさ、ちゃんと自分の好きな香りとか
知ってたら悩んでねーんだ。2回分買えば良いから。
傷を作ってなくても、悩まずに済んだ。マッサージ
頼めば良かったんだから。どっちも自業自得」

「あーたの作る香りは通うだけの価値があるし、
3回目の来店サービスにも同じコトを思ってる。
1回分の得っつってもさ、その1回がデカいんだ。
……なんて、あーしが意地張ってるだけだって
言われたら、何も反論出来ねーけぉ」

のっそり顔を起こす。納得できないとか不満とか
そういう表情ではなく、寂しそうな顔をしていた。

「……覚えとく。あーたのこと、覚えとく。

今はそれしか言えねーし、あーたみたいに
『何でもする』なんて言う自信もねーけぉ。

あーしの力が及ぶなら、サービスの1/3くらい
どっかで返させて欲しぃ。そうじゃなかったら
不公平だって思ぅくらぃあーたのくれた香りに
価値があるって思ってっから」

会話をしていたはずなのに自分の中ではうだうだ
一方的に話していたような感覚が残っている。
此方が映るほどに、貴女が透き通っていたから。

『調香師』 > 顔を落とす、机の上に顎を乗せる

のそりと顔を上げた、貴女の真正面。また随分と、その距離は近い
瞳の距離も。鏡として機能するのか怪しい位の間隔


「だったらわがまま、言っていいかな
 あなたの名前、知りたいの」

散々、イコールの取引を求めていた彼女から
ただ『欲しい』と告げる

自分で渡せるものが何もなくっても。それだけは『欲しい』と言えた
光の反射する余地のないこの隙間が生み出した、影の中の本心

黛 薫 >  
眼前の瞳、宝石に例えた美しいそれを見つめ返す。
右の瞳は鮮やかな緑味かかった青。貴女の瞳の色に
近しく、それより少し昏い色。左の瞳は見る角度に
よって色を変えて、貴女が加えた宝石の欠片に似る。
……けれど、『何も無い』しか見えない目。

「黛 薫(まゆずみ かおる)。あーしの名前」

囁くように答えた少女は、何の因果か。
『薫り/香り』に準えて名付けられていた。

ほんの僅かな時間、視線を交わして。

「……長居、しちまったかも。じゃあ、あーしは
これで。また、機会見つけて来る。次、3回目だし」

触れ合いそうなほど近くからの『視線』。
欲も悪意もない視線の感触が残っている。
どうしようもなく恥ずかしくて、顔が熱くて。
しかし……不思議と嫌な気分では無かった。

フードを深く被り直し、頭を下げる。
これ以上の会話が無ければ、退店するだろう。

『調香師』 > 「黛 薫」

香りを名付けられた時のように、その言葉の反芻は短く、重く

「好きだな」

自分のお店に来てくれた、そんな貴女の名前がこんなに縁の深い名前だなんて


「うん。こっちも引き止めちゃったね
 来てくれたらうれしいけどね。あなたに贈りたい香りはもう決まってるし
 あとは、欲しがってくれるか...かな?うふふ」

背筋の伸ばして、正面から見る。その笑みは、いつもの形

「またのお越しを!」

お店の外までお見送りをして、貴女の背中が見えなくなった後
両手を胸に当てて、大切な物をしまい込むような仕草と微笑み


『OPEN』の看板を手に、お店の中に戻りました

ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から黛 薫さんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から『調香師』さんが去りました。
ご案内:「修学旅行中」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
旅館ですやすやぐっすり。
朝はいつも通り5時過ぎには起きてしまいます。
てきぱき、お布団を畳んでおきます。
ふと、横を見れば。
同じ大部屋の女子たち、みんなきちんとお布団に入ってます。
昨日の夜、あの後で起きて布団を敷いたのでしょう。
まだお外暗いですわねーとか窓から見てから、ちょっとお外に。
旅館の草履スリッパを履きまして、手にはタオル。
庭を歩いてからお風呂にそのまま入るつもりなのです。

廊下に出ますと、なにか簀巻きにされている何か。
うん、眠っておられる男子のよう。
お休みのお邪魔しないように、そろり歩きます。
お隣の大部屋、少し空間に隙間をあけまし確認。
うん、こっちの方々も元気、まだ飲まれてますね!

隙間を元に戻しておきます。
そして、中庭に出るところを探して、まだ暗く常夜灯だけの廊下を歩くのです。
実は、不思議なお宿なためか、霊力みたいなので美奈穂にはかなりしっかり見えるのです。

幣美奈穂 >  
とててっと階段を下ります。
そして、右に曲がって、左に曲がって。
まっすぐ行って左に曲がると行き止まりでしたので、
戻って階段を下って、更に左にあった階段を登ります。
・・・・
・・・
・・

お庭に出れました!
ちょうど白みかけている時間です。
お外用のこじゃれた下駄に履き替えまして、からりんころりんっ。
おー、綺麗な庭です。
あちらでは藤棚の東屋もあり、天気がいいお昼とかに見ますと、
池に緑が移り綺麗に見えるのではないでしょうか?
もう少し先だと、赤い紅葉が映えるのだと思います。

傍のしげみ、がさごそ。
昨日、お風呂に来てた子がくるのかしら?
と脚を止めますと、現れたのは青灰な毛並みが綺麗なにゃんこさん。
んなぁお、とご挨拶の声です。

「はいっ、おはようございます。
 お出かけですか?
 それともお散歩から戻ってきましたの?」

綺麗に毛並みを整えられたにゃんこさん。
ちりりんっと小さく音が鳴る鈴が付いた首輪をしているので、
この宿の子でしょうか?
しゃがんで、ちょっと待ちます。
するりと近付き、腰のあたりに頭を擦りつけて、うにゃぁ。
そのまま、前足でお顔を洗う仕草です。
いい子ですねー、と撫でる美奈穂です。

幣美奈穂 >  
「お庭見ながらお風呂行きたいのですけど。
 どう行けばいいか判りますかしら?」

わしゃわしゃとしてから撫でつけ。
気持ちよさそうなにゃんこさんに尋ねてみます。
すると、長い尻尾を美奈穂の脚に軽く触れさせてから、
こっちだよ、と先を歩き振り返ります。

「はい、ついていきます」

にこにこ、景色と、尻尾を立てながらぷりぷりお尻を動かすにゃんこさん。
丸い毛玉があるので男の子なようです。
うーん。二郎三郎宗衛門ちゃんのお嫁さんにはなれませんわね。

東屋を通り、池を半周めぐるようなコース。
あれ?、向こう廻った方が近くない?
と気付きましたけど、どうやらお庭も見どころを案内しながらのようです。
景観に足を止めると、少し先で待っててくださいますし。

からりんころりんっ。
木の陰に隠れているような小道。
知っている人しか通らないような道に入ります。
竹林の小道になっています。
まだ完全には明けていないからなのか、小道の脇に足元を照らすようにある灯篭のあかり。
夜通ったら、とても幻想的かもしれません。
竹笹のドームを少し見上げて歩いてますと、脚をくすぐるものが。
ん?、と見下ろすとにゃんこさんです。
なぁお、と見上げて啼いてから、元に戻る方向に。
どうやら、曲がる道があったようです。

人一人分ほど空いた竹の小道の生垣。
そこを入るのですね。
ごめんなさい、からころと追いかけます。

幣美奈穂 >  
そこを通ると、いくつも並ぶ鳥居。
その中ごろに出たようです。
ショートカットコース?
それとも別の道でしょうか。
横から鳥居の間の石畳な道に入ります。
この先、社です。
狐様ですね。
お祈りをあげてから、にゃんこさんどこ?ときょろりとしますと。
社の横で待っていてくださいました。
その後を続きます。
社の横手から、少し建物が見えます。
離れの露天温泉なようです。
渡り廊下で旅館に繋がっており、本当はそっちから入るのでしょうね。
低い石階段を登り渡り廊下に横から入ります。
こういう作りは、お家のと一緒です。
温泉の入り口のところでにゃんこさんが待っています。
格子戸を横に滑らせ手入り口をあけますと、さささっとにゃんこさん。
女湯の入り口に入っていきます。
あれ?、にゃんこさんも入りますの?
一緒に入れたらちょっと嬉しい。

下駄は石階段に置いてきましたし、草履スリッパは庭に入る前のところ。
ですので、素足でぺたぺたです。

幣美奈穂 >  
男の子だけどこっちはいて大丈夫?
怒られない?
にゃんこさんに声を掛けてから、朝の温泉です。
ここのは澄んだ温泉ですね!

朝になると冷えてきている季節です。
お風呂に入ると、じんわり。
・・いえ、いつも通りです。
美奈穂、加護のおかげというかせいというか。
寒すぎたり暑すぎたりするのは体感できないのです。

にゃんこさんが桶を持ってきて、お湯を入れろと。
そういうので、湯船につかる美奈穂は、すぐそばで桶に入って目を細めるにゃんこさんと一緒。
ぬくぬくになってから上がります。
もうそろそろ、お腹の時計が朝ごはんと伝えているのです。
ご飯かなー、パンと目玉焼きかしらー。
なんて旅館朝ごはんもちょっと楽しみ。
タオルはタオル籠に入れてしまえばいいようで、にゃんこさんもきちんとぬぐい乾かしまして。
小さなポーチだけ持って、ぺたぺた。
あ、素足だけど・・いいですか!
旅行の解放感です。
にゃんこさんに案内されて無事にお部屋に帰りつきますと、起きあがっているのは半数ぐらい。
皆さん、昨日は楽しかったようで、肌がつやつやですね!

朝ごはん、小鍋付きでした。
朝からお鍋です。
美味しく頂いてから、荷物片づけ、お部屋もちょっとお掃除。
綺麗にしてから、待ち時間はロビーで。
すぐそばの売店を覗きます。
風紀委員へのお土産に、この栗饅頭を買って帰りましょう。

そうしてお友達とおしゃべりしていましたら、バスに乗る時間です。
点呼を取り、人がきちんといるか、忘れ物、神隠しとかあっていないか確認です。

そうしてバスに乗り、次は農業区方面です。
そちらで学習するのです。
帰りは夕方、修学旅行二日目はこれからなのです!

ご案内:「修学旅行中」から幣美奈穂さんが去りました。