2021/11/03 のログ
ご案内:「風紀委員会本庁 大会議室」に神代理央さんが現れました。
『過激派上層部』 >  
 
「……一通りの報告書は目を通しているよ。いやはや、随分と好き放題やられているみたいじゃないか」


『全くだね。落第街、違反部活、2級学生、落第街の有象無象。
それらに適切に対応出来なければ、我々の信用はガタ落ちだ』


≪そもそもとして、犯罪者と話合いで物事を解決しようっていう甘ったれな考えが気に食わねえ。連中の所為で、こっちの動きが制限されてんのも尚気に食わねえ≫


「……まあ、各々言いたい事はあるとは思うが。
最近は特に色々と手をこまねいている様じゃないか」

「なあ、神宮司?」

神宮司蒼太朗 >  
まあ、こういう展開になるとは思っていたけど。
特務広報部は、前回の抗争で碌な活躍が無かった。
捕虜を奪還され、相応の被害を出し、部長である神代理央も手酷くダメージを負った。
あの時の、穏健派の連中の得意げで誇らしげな顔と言ったら。
今でも思い出したら腹が減る。ステーキ5枚はいける。

「と、仰られてもですねー。現実問題として、特務広報部はそもそも人員不足なので。幾ら装備と兵器が充実していても、絶対的な数の不足はどうしようもありませんよ」

「落第街から、正規学生になることを望む二級学生を引き抜いて武装化。その性質上、どうしても大規模な"徴兵"はし難い組織です」

「寧ろ、今の人員を維持出来ているのは過剰な資金を投入して装備の充実を図っているからですよ~?
本来は、もう少し訓練に時間をかけたりとか~したいんですけど~」

全く。人の私兵を何だと思っているのか。
特務広報部は、自分が便利に使う為の手駒だ。
断じて、過激派連中の為に組織した武装集団ではない。
その辺、コイツ等は勘違いしているんじゃないだろうか?
これだから、強大な異能と魔術に溺れたガキどもは。

…まあ、僕もまだピチピチの24歳。
彼等をガキ扱いするほどじゃ、無いけどね!

『過激派上層部』 >  
 
 
 

『戦力なら、あるだろう?』
 
 
 
 

『過激派上層部』 >  
 
 
〈ねえ、神代部長?"鉄火の支配者"なんて御大層な二つ名は、狗たちを黙らせる為の方便かしら?〉

≪それとも、一人じゃ何も出来ませんってか?別に良いんだぜ、俺が出てもよ。違反部活の一つや二つ、適当にぶん殴ってやれば大人しくなるだろうよ≫
 
 

神代理央 >  
「……確かに、私の異能は対多数派の戦闘において最も効力を発揮するものです。
極論、私は他の委員が同行せずとも或る程度の火力を投射する事が出来ます。
落第街やスラム程度の建造物やバリケードなど、私の前では薄皮の様なもの」

発言を求められた、と認識した少年は末席から静かに口を開く。

「火力を出す、というだけで宜しければ、私は相応の結果を出してみせましょう。
しかし、逆に言えばそれだけです。私の異能は、情報収集だの敵の拠点捜索だの、そう言った事には不向きです」

「まして、落第街への大規模な攻勢…となれば、穏健派も黙ってはいないでしょう。
場合によっては、一般生徒からの評価も下がるやも知れない。
何せ、今回は"二度目"です。仏の顔も三度までとは言いますが、この学園に仏はおりませんでしょうし」

最後の言葉は皮肉だ。

『過激派上層部』 >  
「ふむ、謙虚だね。以前の君ならもう少し猪突猛進するかと思ったが…まあ、良い。
私達だって、今から君達に情報収集しろだの、落第街の実情を探れだの、そんな面倒な事は言わないさ」


≪伊都波凛霞からのメールはお前達にも届いているな?真偽の程は定かじゃねえ。そもそも、風紀委員会からそういった任務をアイツに与えたっていう事はねえからな≫


[同時に、彼女が潜入していると思われる組織の長の情報…いや"噂話"も上がってきている。
『好色』で『気の強い女』が好みなんだそうだ。はて、色々と思い当たる風紀委員を、私は一人知っているよ?]


『……まあ、全ては憶測。不確定な情報でしかない。
だが、これは好機だ。少なくとも、落第街には多少の動揺がある。
この動揺が作られたものなのか、それとも偶然の産物か。本当に内輪もめに近い何かなのか。
そんな事は、関係無い』
 

『過激派上層部』 >  
 
 
 

『"落第街へ武力介入する理由が出来た"』
 
 
 
 

『過激派上層部』 >  
『…と、私達は判断した。
"君達の失敗"を、挽回するチャンスではないか、とね』


《ガツン、と落第街を叩きのめす口実を、態々連中が投げてくれたんだ。有難く頂くしかねえだろ。
素敵なプレゼントを御返しするのは、性に合わねえしなぁ?》


[逆を言えば、これ以上の失敗は許されない。
穏健派の連中に実権を握られる訳にはいかないからね]


「装備や予算については、可能な限り準備しよう。
君達は、君達の仕事を果たすんだ」

『過激派上層部』 >  
 
 
 
『落第街への大攻勢。今度は風紀委員会としての正式な任務。
君達の独断専行ではない。風紀委員として、胸を張ってかの地を焼き払うと良い』
 
 
 
 

神宮司蒼太朗 >  
やっぱこうなるよなあ。こうなっちゃうよなあ。
嫌だなあ、落第街を焼いて幾ら稼げるっていうのやら。
いいよねえ、意地とか誇りとかプライドとか。
そういう感情で動ける人達は、後片付けの事をなーんにも考えなくてすむ。
戦争っていうのは、当事者になった時点で"負け"なんだけどなぁ。


「はーい。畏まりました。んじゃ、予算とかその辺はこっちで神代君と打ち合わせするのでー」

「言ったからには、ちゃんと準備してくださいよ?
島外の軍産複合体とも交渉しますからね。
何がいりますかね。戦車?戦闘ヘリ?歩兵戦闘車も準備しましょうか。
ああ、落第街を焼き払うなら、海からの一撃も考えましょう。
中古のミサイル駆逐艦でも用意しましょうか?」

神宮司蒼太朗 >  
 

「航空戦力もいりますかねー。ヘリだけで十分かな、って気はしますけど。
戦闘機?爆撃機?僕、あんまりミリタリーな方面は詳しくないんですけどぉ。
少なくとも、マッハ3以上で高高度からミサイルぶち込んでくる兵器を迎撃出来る能力者は、早々いないでしょう。
あーー、パイロットいませんね。どうしよ、無人兵器って高いかな」
 
 

『過激派上層部』 >  
 
 
『…神宮司、其処まで兵器を購入する予算は流石に出せないぞ。
何より、そんなモノを持ち込んでは生徒会が…いや、先ず委員長が何と言うか…』
 
 

神代理央 >  
 
 
 
「しかし、貴方方は私達に戦争を命じました。
私に、落第街を焼き払え、と命じました」
 
 
 

神代理央 >  
「予算と兵器の手配については、私から父に相談してみましょう。
落第街も広いですからね。大規模な戦術兵器は、神宮司委員の仰る通り必要になるかと思います。
その分、陸上戦力については再考の余地があるかと」

「特務広報部の隊員達を輸送する為の車両は必要ですが…陸上からの火力なら、私一人で十分過ぎる程に。
私が周囲の被害を考慮せずに事に当たればどうなるか。お見せしましょう」


神宮司の言葉に僅かに狼狽えた様子の上層部委員達。
彼等を一瞥し、言葉だけは丁寧に。
しかし、その態度は尊大に、傲慢に。


「戦争を、なさるのでしょう?落第街を、燃やし尽くしたいのでしょう?
ならば、御望みの儘に。私は、そういう事に特化した異能能力者です。
特務広報部はその為の組織です。そういう事の為の、組織です」

「どうぞ有効にご利用下さい。私の猟犬を。貴方達の猟犬を。
"英雄殺し"を、どうぞ、ご随意に」


穏やかに微笑む少年。
しかしその笑みには、仄暗い闘争への焔が灯る。

神宮司蒼太朗 >  
こうなると思ったから、会議前に一応止めたんだけどな。
吐き出した溜息で5キロは痩せた気がする。
今日の夕食はかつ丼だな。

「……んじゃ、まあ。そーいうことで。
落第街は早めに焼きますのでー。事後処理と予算、お願いしますね。
生存者は駆除する方向でいきますよ?面倒くさいし。
んじゃ!僕は別の用事があるからこの辺で!」
 
これ以上、時代錯誤な戦争賛美者と独裁者ごっこなガキに付き合っていられるか。
ひらひら、と手を振りつつ、一足先に会議室からドロン。
今日は久し振りに歓楽街で女を抱こうかな。
気分がむしゃくしゃする日は、飯より女!
これは、相場が決まっているからネ。

神代理央 >  
神宮司の体質を見送ってから。
此方も委員達に一礼しよう。

「では、私も通常業務に戻ります。
作戦計画書その他諸々については、後程提出させて頂きますので。
では、吉報をお待ちください。
殲滅した後の落第街の再開発計画など、御準備されては如何でしょう?」
 
 
穏やかに、しかし尊大に微笑んだ儘。
少年も一礼して、会議室を後にした。
後に残ったのは、席に着いた儘の上層部の面々だけ。

『過激派上層部』 >  
 
 
『……私達は、何かとんでもない間違いを犯してはいないだろうな?』
 
 
 

神代理央 >  
 

神代理央 >  
 
――会議室から、自らの執務室に戻る迄の廊下。
眩い照明が、真っ白な廊下を照らしている。
 
 

神代理央 >  
「……紫陽花と月夜見には、謝らないといけないかも知れないな。
いや、謝ってどうこうなるなら、風紀委員なぞなってはいないかも知れないが」

「まあ、良い。何方にせよ、賽は投げられた」

こつり、こつり、と廊下に足音が響く。
磨き上げられた廊下を進むのは、自分一人だけ。

「これは二度目だ。最早決める覚悟も、壮大な物語も無い。
ただ人が死ぬ。人を殺す。薄汚い街を焼き払う」

「それだけの話だ。何の面白味も無い。悲劇ですらない。
だがそれでも、必要な事だ」

「それが私に求められている事なら、全力を出そうじゃないか。
二度目だろうと、擦り切れたフィルムだろうと。
私は、鉄火の支配者。それは、何も変わらない」

執務室の前に辿り着く。
プシュン、と空気音と共に、部屋の扉が開く。

「……全く。ああ、本当に。
嫌な場所だ、此の島は」

零した囁きは、誰に聞こえる事も無く。
少年の姿は、執務室の中へ。
機械的な殺戮の設計図を描く為に。

ご案内:「風紀委員会本庁 大会議室」から神代理央さんが去りました。