2021/11/05 のログ
ご案内:「落第街 ポイントB-05」に正体不明のパワードスーツさんが現れました。
正体不明のパワードスーツ > 『雪景部隊長!ポイントB-05がちょっと押されてます!至急援護お願いします!』

落第街、ポイントB-05。
風紀委員側がそう呼称する落第街の一角。
万全に装備を固め、異能を持つ風紀委員の兵士が苦戦する理由がそこに『居た』



3m近くの漆黒の人型パワードスーツ。
腕部と背部、腰部にはマシンガンやミサイル、電磁砲などの多種多様な武装が施されている。

風紀委員の隊員たちが銃器を乱射するものの
その存在を包むように貼られた防護フィールドによってそれらは叩き落される。

正しく、動く戦闘要塞。
今現状は落第街の人々も、風紀委員も対処できない存在。
その腹の中に居るのは

(ガチの戦場だな…でも大丈夫。今のところ俺が対処できないほどの相手は居ない)

普通の男子生徒だった

正体不明のパワードスーツ > (大丈夫だ、落ち着け…武器を狙え、武器だ)

パワードスーツの頭部、目にあたる部分のカメラで相対する隊員を視認する。
猛攻をシールドで防ぎつつ、持っている武器にロックオンして

背部のミサイルポットの蓋が吹き飛び、垂直にミサイルが飛んでいく。
そのミサイルは一定の高度に達すると対象目掛けて落下していき、拡散。
小型のミサイルに分裂して、所持している銃器のみを破壊していく。

(勝つ必要はない)

ふぅっと、黒い装甲の中心で息を整える。
風紀委員たちの注目を一身に浴び、攻撃が激化する。
それでも、弾丸や砲弾などといった攻撃は装甲には到達せず、フィールドに叩き落されて。

この戦場に立つうえで、自分の中でいくつかルールを設けていた。

1つ、人殺しは絶対にしない。
2つ、正体は絶対に隠し通す。
3つ、生き残る。

この3つを厳守し、出来る限り多くの命を救う。
風紀委員への対処をしながら、落第街の人々が逃げれるように更に注目を集めて。

正体不明のパワードスーツ > 隊員たちに致命傷を負わせないように迎撃しながら
逃げる人々の盾役になり、一身に攻撃を受ける。

そうこうしているうちにそのパワードスーツの脅威度が増したのか
歩兵戦闘車や戦闘ヘリまでもが現場へとやってきて、一斉射撃をしてくる。

(おいおい…!)

流石に防御フィールドのみでは攻撃を受けきることができず
ブースターで滑るように移動しながらミサイルやロケットの弾幕を
両手と肩に装備した小型のCIWSで迎撃する。

「本気出して来たか…!こっちも完全無敵ってわけじゃねぇんだけど…!」

先ほど同様、ロックオンしてミサイルを発射。
敵の武器を無力化しながら、腕に備え付けているレールガンでプロペラを撃ちぬく
ヘリは飛行能力を失い、パイロットが脱出した直後に近くの建物に落下し、爆炎に飲まれる。

正体不明のパワードスーツ > 「っ、大丈夫か!?」

ヘリの落下に巻き込まれた人は居ないか。
センサーでスキャンするものの、死傷者は確認したところ0人で
戦闘ヘリがやられたことで風紀委員も一時退却していき、攻撃が一旦止む。

「はぁっ…チクショウ…疲れる…!」

遠慮なしにぶっ放していいわけじゃなく
相手の武器を壊したり、戦闘不能にするだけというのが集中力を使う。
深呼吸をして呼吸を整えれば、気合を入れなおす。

「これで終わりなはずはない。きっと増援を連れて来る…」

関節駆動と装甲の損傷、エネルギー残量と武装の弾丸をチェックする。
次に来る敵に備える。

「嫌な感じだ…まるで嵐の前の静けさっつーか…
 こう、雑魚モンスターが逃げて、大ボスを連れてやってくる前の不安感っつーか…」

それでもやることに変わりはない。
まだ余力は十分に残っている、使用していない武装の方が多い。
次はどんな敵が来るか、センサーで周囲を警戒する。

正体不明のパワードスーツ > おかしい、静かすぎる。
そんな、まさかこれくらいで戦意喪失したはずは…

一通り、スーツのチェックが済んだ後に移動をしようとした、その時―――

センサーが上空に巨大な質量を持った『大剣』を探知し、警告音を鳴らす。
それと同時に、辺りがまるで建物の日陰に入ったかのように暗くなり…

「っ…んだよアレ…!?」

上空を見上げる。
そこには武器と呼ぶにはあまりにも歪で、奇妙で、狂気を孕んだ切っ先が
こちらに『落ち』始めていた。

「ええい、クソが!!」

エネルギーをブースターに回して、最大速度で回避行動を取る。
しかし、攻撃のサイズがサイズだ。
大剣の直撃は免れたものの、地面に激突した際の衝撃波と瓦礫の雨に晒される

「ぐぅぅぅうううっ―――!!」

必死に回避しながら、避けきれないものはフィールドとCIWSで迎撃する。
めちゃくちゃだ。こんな攻撃。風紀委員は、こんな隠し玉を持ってたのか…!?

クソ、クソクソクソクソクソクソクソクソクソ!
チクショウ!!

正体不明のパワードスーツ >  
「クソがぁあああああ!!!!」


ああああああああああああああ
ああああああああああああああ
あああああああああああ
ああああああ
あああ
ああ
あ…



……………
……………


 

正体不明のパワードスーツ >  
………………
………………


「―――うっ」

目を覚ます。
ここは、どこだ?
あぁ、クソ。ボーっとする。

そうだ、確か俺は落第街の人達を…
それで、上からバカでかい剣が降ってきて…

―――それで、どうなった?

「再起動…」

パワードスーツを再起動させる。
カメラ大部分が損傷しており、ディスプレイにはノイズが走り
関節部は上手く動かないが、それでも自分の上に積み重なった瓦礫を退かしていって

正体不明のパワードスーツ > 瓦礫を退かして、砂埃を被りながら立ち上がる。
武装が誘爆しなかったのは不幸中の幸いだ。
関節部は火花が散り、ギギギッと不具合を示して

「…キャノピーを開けろ」

パワードスーツの胸部が開き、そこから這い出る。
頭部から少量の出血をしているが、それ以外に外傷はなく
頭を抱えて立ち上がる。

「チッ…視界が…」

ポタポタと血を流しながら、顔を隠すためと砂埃を吸わないように
ガスマスクを生成してそれを被る。

「はぁ……っ…助かった。少し休め」

既に機能を停止したパワードスーツを蒼い光に還して歩き出す。
少し休める場所を…と、建物の間に入り、休息できる場所を探しに行く。

ご案内:「落第街 ポイントB-05」から正体不明のパワードスーツさんが去りました。