2021/11/06 のログ
ご案内:「Free1」に雪景勇成さんが現れました。
ご案内:「Free1」から雪景勇成さんが去りました。
ご案内:「落第街 ポイントB-05」に雪景勇成さんが現れました。
雪景勇成 > ――一夜明けて。

「…正体不明のパワードスーツ…ね。」

昨夜、援護要請の無線にあった報告を思い出す。
結局、正体は分からぬままだったが、隊員達には負傷者は何人か出たが死人は出ていない。

”爆心地”の如く、巨大なクレーターと、そこに突き立ったままの巨大で歪な巨刃を見上げてから小さく一息。
軽く手でその刃へと触れればまるでガラスが砕けるような破砕音が一つ。
あれほど巨大な大剣が一瞬で粉微塵になり欠片も宙へと溶け消えていく。

「……残骸の欠片もねぇってこたぁ…仕留めきれてはいねぇって事か。」

少なくとも、そのスーツの乗り手は生存しているだろう。
不確定要素は早めに潰すのが鉄則だが、流石にそう都合よくも行かない。

ご案内:「落第街 ポイントB-05」に雪景勇成さんが現れました。
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雪景勇成 > 既に報告書は纏めて、ボスやクソ野郎――口が滑った、神宮司には提出済みだ。
流石に、例の”ノーフェイス”を名乗る女に関しては意図的に報告は伏せていたが。

(…そもそも、変な加護か何かしらねぇが掛けられたっぽいしな…。)

『王殺し』が手っ取り早いと勧めて来た血のように赤い髪が印象的な女。
何やら、違反部活を新たに作るようだがそれはそれ。今は関係ない事だ。

(盤面がどうなってんのかは俺みたいな単細胞にゃ分からんが……さて、どう転がるか)

指し手でも傍観者でもなく、あくまで遊戯の駒の一つ。
何時何処で盤面から落ちてもおかしくはない。

雪景勇成 > 爆心地のど真ん中に佇みながら、取り敢えず一服するべく煙草の箱を取り出す。
1本口に咥えながら、ジッポライターで火を点ける――漂い始める紫煙越しに、瓦礫の群れを一瞥して。

「――ま、結局の所…。」

俺もボスも連中も誰も彼も、盤面の駒でしか無いのだろう。
冷めた思考はそのままに、足元の瓦礫の一つを軽く蹴飛ばして。

逃げる者、抗う者、蹂躙する者、暗躍する者、傍観する者、
義憤に燃える者、憎しみに囚われる者、誰かを助けたいと思う者、
嘆き悲しむ者、怯え竦む者、何も感じない者、何も知らぬ者、

――どいつもこいつも、当然俺も。

雪景勇成 > 「――揃いも揃って”どうしようもねぇ”な。」
雪景勇成 > 口に出すと存外すっきりするものらしい。
別に鬱憤が溜まっていた…とも思えない。
どちらかといえば自虐みたいなものだ…独り言で正解だ。

「……しかしまぁ。」

昨日の戦果で誰が得したか、喜んだかといえば――言うまでも無い、風紀の過激派の連中だろう。
ボス辺りはとっくにその辺りは分かっているだろうし、不愉快に思っているかもしれないが。

(…むしろ、アレだけ分かり易い連中も逆に凄いわな。)

いっそ清々しい程に。俺のような単細胞でも分かる浅ましさだ。過激派どうこうではない。
正直、そういう上役の駒になるのは流石に仕事と割り切っていても多少なり不快感はあるものの。

「仕事は仕事――…ってな。」

紫煙を燻らせながら小さく呟く。
その割り切っているから淡々と無感情にこなせる。

割り切れない思いを抱えていたら、それこそが致命傷になりかねないからだ。
少なくとも男はそう思っているし、だから仕事と私的な時間はきっちり分けている。


極端な話――”時間外”ならば、殺しあう相手でも何事も無く接する。そういうスタンスだ。

雪景勇成 > さて、わざわざここに足を運んだのは単に現場検証だ。
例の謎のパワードスーツの痕跡が無いかと足を運んでみたが。

『雪景よりB-05ポイントの追加報告。件のパワードスーツの痕跡は無し。矢張り逃亡したと見られる』

と、ボス宛に軽く送信してから一息。それなりに気合を入れた一発だったが、結果は見ての通りだ。
まぁ、取り逃したものはしょうがない。それに、撤退した連中から相手の武器の特徴は聞いている。

「…つっても、ただのパワードスーツって訳でも無さそうだが。」

あくまでそこは勘でしかないが。こういう勘は馬鹿に出来ないので割と従う事にしている。
短くなって来た煙草を携帯灰皿に押し込みながら、さて他に何かあるやら。

――まぁ、見渡しても爆心地じみたクレーターと瓦礫の群れしか無いのだが。

雪景勇成 > 「とはいえ、あっちにも俺が一発かましたのは気付かれてはいない…とは思うが。」

そもそも、自分の能力は”連中”には兎も角意外と知られて居ない気がする。
まぁ、普段は武装を展開して手持ちや射出で扱っているのと手札を常に隠す傾向からだが。

…で、昨日の戦闘。死者がゼロという点で、物的被害はそこそこだが相手の方針が薄っすら読める。

(不殺前提で、あくまでこっちの撃退を最優先でって所か?)

それを偽善と蔑むつもりもない。”お人好し”と馬鹿にするつもりもない。
”ソイツ”が決めて起こした行動なら是非も無い。敵対するなら潰すだけだが。

雪景勇成 > 「……ほんと、色々と面倒臭ぇな…。」

最早、この男の口癖とも言える台詞を呟きながら一息。
取り敢えず、贔屓にしている雑貨屋は出来るだけ巻き込みたくないが。
――あそこでしか売っていない銘柄の煙草があるのだ。潰れるのは惜しい。

等と考えながら、緩やかにとある方角へと顔を向ける――スラムのある方だ。

かつての生まれ育った場所。どんな生活をしていたかなんてもう記憶が霞んですらいる。
世話になった奴も居たし、敵対した奴だって居た。闇の底の底を垣間見た事もある。

――だけど。

「……くだらねぇな。」

己自身に向けて吐き捨てるように口にした。昔は昔、今は今。それだけ。

雪景勇成 > まぁ、今後に備えて矢張り手札は増やしておいた方がいいだろう。
面倒臭い連中を相手にしているのは変わり無いのだから。

「……やっぱ、決戦兵装持ってくるべきかね…。」

応急処置は既にされているが、どうせなら改修と微調整も頼んでおくべきか。

(まぁ、すんなり許可が下りるか微妙な所だが。)

今回はおそらく特別攻撃課はほぼノータッチなので、決戦兵装を持ち出すのは難しいだろう。
が、矢張り手札の一つして個人的に確保はしておきたい。難しい所ではあるが。

「――ま、もうここには用はねぇな。」

既に”終わった”場所に居る意味もこれ以上は無い。
緩やかに爆心地から歩き出し、そのまま瓦礫の群れを縫うようにその場を後にする。

ご案内:「落第街 ポイントB-05」から雪景勇成さんが去りました。