2022/01/14 のログ
ご案内:「落第街 閉鎖区画」に霧島 孝介さんが現れました。
霧島 孝介 > 落第街の一角で小規模のバイオハザード。
詳細は風紀委員会による情報規制によって、詳細は伏せられていたものの
勿論、一部情報はニュースとして報道される。

他人事ではない。そんな気がして、一般生徒の有志として参加した。
『闘争の種子(ストラグルシーズ)』。とある違犯部活の生物兵器。
宿主に寄生し、コントロールする悪魔のような植物。

宿主は完全に寄生されれば、助かる見込みはないと判明しているが
助かる可能性のある不完全の宿主や、寄生されていない生存者がいる可能性も示唆されていて
今回は風紀委員の鎮圧隊と共に区画へと突入したが―――



「はぁっ…はぁ…!く、そ…!」

汗を流し、息を荒くしながら、作り出した刀を構える。
目の前には無数の『犠牲者』。寄生体 type-γ-1と呼称されているモノ。

突入の際にこれらの寄生体の奇襲を受け、風紀委員の隊員たちと離れ離れになってしまった。

霧島 孝介 > (動きは早いが、単調!見切れる!余裕で…!!

 でも…!)

十数体の寄生体に囲まれてはいるものの、タックルや殴打を見切って防御や回避をする。
しかし、どうしても回避が間に合わずに寄生体の内、一人の腕を斬り落とす。
すると…

『あ”ぁ”ぁあぁ!いだぁ”あ”あ”ぁああ!!』

まだ脳が破損しきっていないのか、叫び声にも似た言語を発する。
斬り落とされた腕の断面から、根が張り、即座に補強される。

『助ケて、タスケケケ、て、たたすケて』

『カエリタイ、帰りタイ、カエリタイ、かかかか』


「やめろ……やめてくれ」

脳が生きている『犠牲者』から聞こえる悲鳴に、冷や汗が浮かぶ。
手が震える、呼吸が苦しくなる、心拍数が上がる。動揺する。
もう助からないって言うのは頭では分かってる。分かってるけど。

この人たちを無慈悲に消せるほどの勇気、持ち合わせていない。

ご案内:「落第街 閉鎖区画」に『虚無』さんが現れました。
『虚無』 > 「斬れないなら離れろ。そのくらいの時間は稼いでやる」

 頭上よりの声。呻くその犠牲者、甲高い金属音が鳴り響くと同時にその頭上より飛来した無色のそれは―大気を拒絶し弾き飛ばした空気の弾丸―は1撃の元に頭部を消し飛ばす。
 そして背後に降り立つ。

「まぁいい気分じゃないのは同意するが……だからといって仲間になってはそれこそこいつらが報われない。だから斬れないならさっさと逃げた方が良い。北へ行けば臨時シェルターがある。戦闘系の異能者が集まっているからしばらくは持つはずだ」

 相手をただ迷い込んだだけではないと判断しその事も告げた。もし彼が逃げるにせよそっちへいくにせよ。どう転んでも利益になるからだ。
 外へ逃げるならシェルターの位置を風紀に教えてもらえるし、そっちへ行くなら彼も防衛隊に入ってもらえるだろう。
 もっとも、慈悲もなく無情に手を下した自身を彼が敵としてみないのであればだが。

霧島 孝介 > 「っ!」

頭上より響いた声に視線を天に向ける。
甲高い金属音と共に、空間の歪みが落ちてきて、寄生体の頭部を消失させる。
声の内容と、一連の出来事。それらの事から鑑みるに、自分を助けるための一撃だと判断して

「風紀委員の戦闘員か!?
 すまない、助かった!」

身体は尚も震えているが、一旦、背中は彼に任せる。
風紀委員、にしては腕章も付けていないし、纏う雰囲気が落第街の住民のものの気がしたが…
ともあれ、自分に害が無いことを悟って、感謝を述べる。

「…シェルターへは行けない。
 ここの周辺で生存者のバイタルをキャッチしたんだ。
 どこかに、まだ救える人が居る…!」

寄生体の手足を斬って、後方へ吹き飛ばしながら告げる。
此処に突入した直後、複数のドローンを異能で作り出し偵察を行った。
その結果、今自分が居る場所の周辺で生存者と思わしき人物の影をキャッチしたのだ

それを見つけ出すまでシェルターには行けない。

目の前の寄生体に怯えながらも、強い視線で訴えかける。

『虚無』 >  
「……生憎だが、風紀とは真逆の違反組織側だ。とはいえ。この状況は見過ごせないからな」

 悪は悪だ。風紀委員等と嘘をつくつもりはない。そもそもそのシェルターを守っている戦闘系の異能者というのもそう扮した自分達の仲間のメンバーだ。風紀委員がくればその異能者はどこかへと消えている事だろう。
 しかし、相手の発言を聞けば少しだけ後ろを向いて。

「それなら猶更急いで見つけないといけないな。これだけ集まって来たら俺達より先にこいつらがその生存者を見つけてしまう……援護する。その生存者を早く見つけてくれ」

 その視線を受けてそう答えるとこちらも前に向きなおる。迫る感染者。こちらは手足を破壊する等という事はしない。というよりできない。打撃という都合上切断や焼却が有効なこいつらはとことん相性が悪い部類にはいる。しかも生存者がいるとなれば範囲攻撃を行う事も出来ないわけで。
 となればこちらができるのは1撃の元に相手の頭部を破壊することだけである。
 迫る2体。それを異能の力を込めた上段回し蹴りで破壊。それを蹴り飛ばし一時しのぎをする。

「まぁ、生存者を見つけた所でこの状態ではどのみち逃げられないが……先に全滅させる。さっきの目線。覚悟だと受け取らせてもらうぞ」

 手と手を打ち合わせる。双方に拒絶の力を含んだそれは凄まじい甲高い音を周囲一帯に響かせる。この群れの目線を完全にこっちに釘付けにする。
 生存者に視線を向けさせない為に。

霧島 孝介 > 「真逆…!?
 まさか、この事件を起こした組織の回し者、とかじゃないよな…!?」

落第街に正体を隠して巡回をするようになってから、違犯部活である者の雰囲気を何となく察することが出来るようになった
とはいえ、その予想が本当に当たってるとは思わず、驚きの声を上げながら
目の前の寄生体の攻撃をいなし、蹴って時間を稼ぎ。

「あぁ、大まかな位置は分かる…!すまん、援護任せたぞ!」

チラッと後ろの彼に視線を配った後、行くべき道を見据える。数十メートル先の廃屋。その中から反応がする。
自分は彼とは逆。彼のような覚悟はなく、無限に再生する寄生体の手足を斬り落として時間稼ぎするしか出来ない。
これまで訓練で鍛えてきたセンスで寄生体の凶暴な攻撃を足運びで回避し、手足を斬り落とす。
しかし、即座に欠損部は回復していき、何度も立ちふさがって思うように進めない。

(動きを止める…止めるには…これか…!)

蒼い光の粒子を煌めかせ、右手に集中させる。
作り出したのは…大型のネイルガン。それを肩や足に撃ち込む。
貫通した釘は壁や地面に刺さり、寄生体の動きを拘束する。

「……悪い、…そうだ。
 生き残る確証がないから言っておく。

 霧島 孝介。2年生だ」

彼が甲高い音を鳴らしてくれたおかげでヘイトが向いて、道が開けた。
その道を駆ける前に、一言、自己紹介をして。

『虚無』 >  
「事件を起こした組織がやりすぎたからと特殊部隊を派遣する。まぁありがちな展開ではあるが違う……むしろ、そいつらとは敵対関係だ。違反組織側は1枚岩じゃないからな」

 まぁ自分達はすべての違反組織と風紀から言ってしまえば敵対関係にあって協力関係にあるようなよくわからない立ち位置だが。説明は割愛。というより悠長に話している余裕はないしするわけにもいかない。
 こちらは迫る感染者の頭部を1撃で刈り取っていく。痛みも苦痛も残さぬように。徹底的に。
 そして彼が別の方向へと進み始めるのなら少なくとも彼が向いていない方向は生存者がいないという事。

「はぁ……!!」

 近くの大きな瓦礫を拳で打ち据える。甲高い金属音、そして建物に罅が走り、それが倒壊。道を狭める。同時に感染者を複数圧殺する。

「ヴァニタス。死ぬつもりはないが名前は伝えておく」

 そう告げると、自身に群がる感染者の群れを衝撃波で無理やり押し開き、同じ方向へと迫る。しかし。唸り声が聞こえた。人の物とは明らかに違うそれの主は犬だったもの。感染してしまったそれはその身体能力をそのまま一気にかけてくる。

「チッ! 2匹そっちに行くぞ!」

 数匹は押しとどめられるが相手の速さが速さだ。全部は止めきれない。霧島の大腿部に噛みつこうとそれは飛び掛かってくるだろう。

霧島 孝介 > 「なるほど、アンブレラ社じゃなくてHCFって事な!」

違犯組織にも派閥は沢山ある。
その潰し合いに関与したこともあるから、彼の言いたいことはわかる。
ともあれ、彼が風紀の敵だろうが、この事件の黒幕の敵だろうが、今は味方してくれるなら心強い。

「…!強いな……」

瓦礫が崩れた音を聞き、目を見開く。
何も装備をしていないと思ったが…圧倒的なフィジカルが彼の異能なのだろうか。
ゆっくり考察したいが、今は時間が無い。早く行かなければ…!

「ッ!犬か!!とことん、バイオだな…!!」

彼の名前を心に刻む前に、唸り声が思考を持っていく。
野良犬に寄生したそれはより一層、凶暴性が増しており、涎を垂らしながらこっちに向かってくる。

大腿部を噛みつこうとすれば、膝のプロテクターでガード。
上半身と下半身を左手の刀で切断して、ネイルガンで固定。
向かってくるもう一匹の噛みつきを刀で防げば

(発動…!)

足の裏に仕込んだルーン文字。
それを発動させて、爆速のキックを放つ。
その蹴りは犬に命中して、数メートル吹き飛ばした後に壁に激突させる。

「っ…!」

自分に襲い掛かった寄生体を片付ければ、再度、廃屋の方へ走り

『虚無』 >  
「どっちも聞いた事も無いな……!」

 群がってきた犬。それにあえて噛みつかせる。だが牙は通らない。防御の力でそれをふさぐと能力を発動。噛みついてきた犬はそのまま2つに裂ける。そして頭はそのまま拳で破壊する。苦しみを長続きさせる必要はない。

「お前も強いだろう。手加減をするのは相手より実力が上じゃないとできない……まぁ、少し優しすぎるみたいだが」

 殺せずに無力化された者達。できうる限り空気の銃弾でそれらにもトドメをさしているが如何せん手数が足りない。
 そして彼の駆けていく先を見る。見えるのは廃屋。なるほどあそこに生存者がいるのかと当たりを付ける。
 ならばすることはここで後ろを抑える事ではない。地面を蹴り、能力で加速。逆に彼の前に回り込む。

「一旦道を開ける押し通れ!」

 壁でも押し出すような動作をすると何度目かの金属音。衝撃波を広範囲で放つ。トドメをさすダメージを与える事はできないだろう。だが霧島の前の道を開く程度ならばできる。展開していた感染者たちを左右へと吹き飛ばす。

「生存者は任せるぞ。俺の面では怖がらせる」

 ある意味初めて相手の正面に立つその姿は狼の仮面を下半分につけた姿。だがこんな混戦であるにもかかわらず返り血などは全くなく異常に綺麗なままだろう。