2022/01/25 のログ
ご案内:「【イベント】常世大ホール 新年会会場1」に八坂 良彦さんが現れました。
■八坂 良彦 > 新年会会場の立食スペースに常世制服に身を包んだ、小柄すぎる少年が一人。
テーブルの上にある料理名と説明の札を目印に、テーブルへ近づいていく。
地味に高いテーブルに料理を取りにくそうにしつつ、まず一品と取り分けたのは、フライドチキン。
「おぉ、流石にこういう所に出される料理だけに、すげー美味そう」
ホクホク顔で、周りを見渡すと、端っこにある飲み物が置かれている一角を目指し歩き出す。
ご案内:「【イベント】常世大ホール 新年会会場1」に桃田舞子さんが現れました。
■桃田舞子 >
いや新年会のドレスコードわからないって!!
悩みに悩んだ末にセパレートタイプのレディーススーツを着てきた。
周りを見る。
制服だらけだった。
私だけ結婚式の参列者じゃん………
私だけ結婚式の参列者じゃんッ!!!
肩を落として飲み物を取りに行く。
小柄な同級生……だったような…とにかく同じ授業で時々見る人と目が合う。
「ど、どうもー……」
そそくさとソフトドリンクが入ったコップを取る。
■八坂 良彦 > 「ん…あぁ、えーと…桃田だっけか?」
目が合って誰だったかと悩んでいると声を掛けられて、そう言えばなんか嫌がってるあだ名があった相手だと思い出し。
そこから、きちんとした名前が出るまで思わずしばし考えて、何とか苗字を思い出した。
「なんか、随分気合入った格好してるなぁ…制服と印象が違うから一瞬思い出せなかった」
少し頬に汗をかきながら、誤魔化す様に服装へ言及していく。
■桃田舞子 >
「ああ、うん………や、八坂……くん?」
ギリ名前を思い出せた。話したことはあったっけ。
なかったっけ………挨拶くらいはしたような…
「いや本当……ドレスコードがわかんなくて悩みまくった末にこう…」
カッと目を見開く。
「間違った」
うん、言葉で認めるのは大事!!
過ちを認めて人は成長するのだ………
相手、汗かいてない? 無駄に“圧”与えてない?
■八坂 良彦 > 「間違ったのかぁ…まぁ、周り制服の奴ばかりだしな、というかさ」
少女の姿を見て、あぁと納得すし、苦笑して、そして。
「正装が必要だと思ったんだとしたらなんだけど、学生って正装が制服でいいんじゃないっけ?」
さらっと痛い所を突く発言。
「あ、何か飲むか?」
そんな事をいいながら、飲み物を取ろうとして、少しテーブルに近づいていく。
ご案内:「【イベント】常世大ホール 新年会会場1」に藤白 真夜さんが現れました。
■桃田舞子 >
目が泳ぐ。
そうだよね。制服だよね。学生の正装って。制服だわ。
「………………一理あるね」
いや完全解答なんだけど。
八坂くんが優秀回答者なんだけど。拍手なんだけど。
「え、じゃあピナコラーダ風ソフトドリンクで」
遠慮なく好きなやつを言うやつ。
■八坂 良彦 > 「…ぴこ、ピナコラーダ…すまん、なんだそれ?」
言われた名前が判らないのか、首を傾げる。
目の前にある飲み物にそんな名前のがあるのかと、札を見れば、端っこの方にソフトカクテルという札、その下にその名前が書いてあるのを見つける。
「あるのか、てかなんなんだ、まぁ、いいけど」
その札がある場所へ小走りに掛けていく少年は、少しの戸惑いを持って首を傾げている。
■藤白 真夜 >
「……うう……」
ついに始まった新年会。いや始まってしまったというべきかもしれない。
年末の大掃除などで委員会活動に参加していたら、その労働の見返りにでも、みたいなノリで新年会にまで招待されてしまったのです。
しかし、私はといえばこういう場にそぐわない自信しかなく、立食パーティーみたいな雰囲気の会場の中、どこか気まずそうに立ちすくむばかりで……。
何かにすがるように知り合いの顔を会場に探してみるものの、始まったばかりのそこに委員会の知り合いはひとりもおらず。
……いや元から知り合い全然居ないんですけど。
目につくのといえば、気合の入った格好の素敵なドレスの方に、小さな男の子がいるだけ。
(……も、もしかしてちゃんとドレスコードとかあったのかな……着飾ってきたほうがよかった……?
む、無理無理……私普通の制服くらいしか持ってないし……。
……もしかして、あの二人お姉さんと弟さんだったりするのかな……)
「あ、あのー……。
もしかして、新年会ってドレスコードがあるんですか……?
私、いつもの格好で来ちゃったんですけど……」
……意を決して、着飾ったお嬢さんに話しかける、私。あまり見知らぬ人に話しかけるだけで既に勇気を使い果たして顔が赤い。
周りを見れば制服だったり普段通りの格好の人間が入り乱れているあたり、ドレスコードなんて無いのは考えればすぐわかるはずなのに。わざわざ聞くあたり緊張と不安で頭がのぼせ上がっているのかもしれない。いや赤くのぼせている。
■桃田舞子 >
「知らない? ピナコラーダ。スペイン語で裏漉ししたパイナップルって意味なんだけど」
「村上ハルクの小説に出てくるやつ。大人になったら飲みたいカクテル私的ナンバーワンなやつ」
未成年なのでソフトにしますが。
いつか飲みますが。
黒髪赤目の女の子にドレスコードについて話しかけられて真っ赤になる。
「いやこの濃紺レディーススーツは結婚式の参列者の定番であり」
「決して学生の新年会のドレスコードなんかではございありません……」
いや日本語。でもこんなの言語野狂うわ!!
■藤白 真夜 >
「……あ、あの。
で、では、私も、ぴにゃこ何とか風を頂けますでしょうか……!」
そして顔が赤いまま、ドリンクを持ってきてくれる男の子に私も同じモノを頼んでみる。
モノがなにかも知らぬまま。
もしかしてお酒ではないのでしょうか。
そして真っ赤な顔の私は既に慣れない場酔いをしかけているのではないでしょうか。
ハルク……?ハルクかな……?
それは大分、筋肉で筆を持たれる方なのでは……?
なんて聞こえてきた言葉に思わずツッコミを入れそうになるけど、我慢。9がQになることしか私は知らないのです……。
「えっ?」
……ドレスコードが無いなら貴女は何故そんな気合の入った格好を?
と、目だけで問いかけて、
「な、なるほど!ありがとうございます。
……す、素敵な花飾りですね……!」
無理矢理褒め言葉でなんとか誤魔化した。いえ、素敵なのは本当ですし。
■八坂 良彦 > 「おーい、持ってきたぞ…いや、普通知らない、いや、俺は知らないぞ」
言われたドリンクを持って戻ってくると、その名前を言った少女に差し出して。
もう一人少女がいるのに気づいて。
「て、いやいいけど…ちょっとまっててくれ」
言って戻ってを繰り返し、増えている女性にも同じドリンクを差し出し。
軽く走っているような感じで、結構な速度で走っていたりする少年が、自分は近く似合った普通のオレンジジュースを手に取り。
「ところで、えーと…桃田、おしりあい、じゃなさそうだな…えーと、どちらさまでしょう?」
ソフトバンクの配達をこなした相手の、素性を聞いてみる。
■桃田舞子 >
「このコサージュはお気に入りなんだけど」
「よく考えたら造花のコサージュつけてきてるのも結婚式の参列者だなぁという感じ」
生花のコサージュをつけるのは新郎新婦だけなんですね。
八坂くんジュース係でもないのに取ってきてくれるのシンプルに人が良さそう。
「八坂くんジュース係でもないのに取ってきてくれるのシンプルに人が良さそう」
思わず心の中に出た言葉がそのまま口をついて出てしまう。
いけないいけない、ズケズケと物を言っていいのは友人だけだ。
……友人にもしてはいけない気がする。
「ああいや、わからないかな……お名前を伺っても?」
「私は桃田。桃田舞子です、二年の」
■藤白 真夜 >
「あっ、ありがとうございます。
……す、すみません、こういうところに慣れないもので、喉が乾いてしまって……」
ドリンクを受け取れば、思わずボーイさんみたいに使ってしまった男の子と親切な参列者系女子に向かってぺこりと頭を下げて。
「祭祀局に所属している三年の藤白 真夜と言います。
……顔も知らないのにいきなりすみません……」
ふと、もしやドレスコードに違反しているのではと不安になって尋ねてみたものの、私がやっていることはそれはそれで失礼な気がして、もう一度ぺこりと頭を下げて、……ぺこり。
喉とか全然乾いてないはずなのに、顔が熱い。
……誰も知らないところで独りで居るのに耐えられなかったなんてことは無い、はずなんですけど……。
■八坂 良彦 > 「いや、この位の距離なら苦でも無いからいいんだけど」
実際小走りして往復を繰り返して、息も切らしておらず。
失礼そうな一言は、おいっと軽く突っ込みを入れ
お礼には、気にしないでくれと、手をひらひらとさせる。
「あぁ、そうなんだ、風紀委員の八坂良彦です、よろしく。
ま、新年会だし、いいんじゃないか、知り合いが増えるのは歓迎だ」
細かいことを気にしないたちなのか、よろしくと、軽く挨拶を返してくる。
■桃田舞子 >
「祭祀局……先輩!?」
三年生だった!!
なんかしらないけど年下に見ていた!!
──緊張している相手は小さく見えるものだ。だが実際はそうとは限らない。
ゲーテの言葉だ。いや違う。ゲーテは格闘技の心構えみたいなことは言わない。
「申し訳ありませんでした……二年です…後輩です…」
八坂くんは軽くツッコミを入れてくれる。
なんか気さくで本当に話していて心地よい。
「えっ風紀………風紀委員なんだ八坂くん…」
「風紀委員交通部です…………知らなくてすいません…」
一気に視界が淀む。
いや知っておけよみたいな話だけど。
しょうがないじゃないか。
交通部がやっているのは交通整理なんだから。
震える手でピナコラーダ風ソフトドリンクを飲んだ。
甘い桃の味わいが広がった。
■藤白 真夜 >
「……つまり舞子さんは、結婚式に来るつもりだったということでしょうか?」
思わず、首をかしげて尋ねてしまった。悪意なく。
「よ、よろしくおねがいします。
良彦さんにも、ありがとうございます。……ついボーイさんなのかなと思ってしまって……」
そんなはずはないんですけど。
何も考えず同じものを頼んでしまって手元に届いたドリンクを、不思議そうに見つめる。
……牛乳みたい……。
おそるおそる、ストローに口をつける。
……よくわからない……。
……牛乳みたいな……酸っぱいような……。
「あ、お二人とも風紀委員の方なんですね。
……いつもお世話になっております」
もう一度頭を下げた。今度は少しだけ、緊張が解けて嬉しそうに。
……“日常”を守るのがこの人たちのお仕事だったはずだから。
「……いえお世話になってたらまずいのでしょうか……!?
へ、変な意味ではなくですね……っ」
でもやっぱりあたふたした。
■八坂 良彦 > 「桃田も風紀なのか、いや俺も知らなかった、というか…部署が違いすぎるからか」
此方も知らなかったと素直に言って、交通と実行部隊じゃなぁと呟いて、苦笑。
「まぁ、勘違いしたんなら仕方ないかな、さっきも言ったけど、この会場内位なら、言ってくれれば取ってくるから遠慮なく言ってくれ」
自分もついでに食い物取ってくるしと、軽く笑いながら、一年上の先輩にも普通に声を掛ける。
「流石にそんな勘違いは試合と思うぞ、なぁ桃田」
あたふたする相手に苦笑しながら、勘違いしないよなと、同意を求める。
■桃田舞子 >
「結婚式に来るならパンプスのヒールをもちょいローにするかな…」
そういう問題ではない?
どういう問題なのかはドレスコード勘違いガールには判断が難しい。
藤白先輩の言葉にえへんと胸を張って。
「日常を守ってます、それが誇りです」
フフンと口で言ってみる。
「さすがに実働の人は接点なくて………」
「山本英治くんのSNSのアカウントはフォローしてる、風紀委員のでっかいアフロの人」
「さすがにその勘違いはしないよー」
「いや新年会にレディーススーツで着た時点で勘違いはしているけど」
■藤白 真夜 >
「……ふう……ちょ、ちょっとだけ落ち着けました……」
手元のドリンクをちびちび。ストローで啄むように少し飲んで、一息。
「……、年末にも忘年会をしたのに、なんで新年会もやるのでしょうか……。
そして何故私が出てるんでしょう……」
なんて、愚痴めいた言葉が口から溢れ落ちてしまった。
いや、お祝いごと自体は良いのだけれど、誘われると断りづらくて困ってしまうというか……。
私のような人間にこういう会合はもはや戦場……。
そしてこうしてお話に付き合ってもらえたり助けてくれるこの場こそ一筋の光……。
「……風紀委員の方々は、普段が大変だからこそ、あまりご迷惑をおかけしたくありませんから」
異能のせいで風紀委員の方を驚かせることもあったけど、この分なら大丈夫そう。基本、辛気臭い女なのです……。
……でも。どこか誇らしげな彼女を見つめていると、口元が緩む。
風紀委員としての役割。それが意味すること、為すことは深く知らずとも、風紀委員が何を抱えているのか、私は知り合いを通じて知っていたはずだったから。
自らの役割に誇りを持てる――それだけで、彼女のほうが先輩な気がするくらいに。
「……アフロ……?
……な、なるほど……」
……もしかしたら。風紀委員の人は変な格好をする決まりがあるのかもしれない。
……いやでも知り合いの風紀委員は黒尽くめだった。……私も似たようなモノかも……。
■八坂 良彦 > 「落ち着けたんならいいけど…忘年会は、その年の労い、新年会は一年の初めに頑張るっていう気合入れで、意味合いが違うからじゃないか」
そう言いながら、愚痴は流しつつ、苦笑を返す。
「迷惑になりそうな案件は無い方が確かにいいなぁ、忙しさが減るし」
最初に持ってきていたフライドチキンを、ちぎって口へ放り飲み込みながら、楽ができるしと、微笑んで。
「あぁ。あの人か…なかなか独特な髪型だよなぁ」
アフロと言われ思い浮かべる相手の事を思い、にがわらい
「そいや、藤白さんは祭祀局の人だっけ…ええと、何してる所だっけ?」
あまり他の場所の事を気にしてないのが丸わかりな言葉。
■桃田舞子 >
「それは私達が社会のモデルケースだからじゃないでしょうか」
「常世学園が社会の縮図である、ならば忘年会新年会も人とお金を集めるのが」
「社会の仕組みとして本当に必要なのか? 効率的なのか?」
「あるいは……生徒が人の関わりをどう結ぶかを見ているのかも」
なんてね、と言って笑って。
「そう、あのモコモコの………一年生の…」
笑いながらドリンクを口にする。
「あ、私も祭祀局のお仕事知りたいです」
「教えて教えて藤白先輩」
八坂くんに乗っかってみる。
会話が上手い人には乗っかるに限る。
■藤白 真夜 >
「おお……良彦さんの模範解答が……」
さっきも完璧な回答を返していたような……!
「……私はやっぱりこういう場には慣れなくて、どうしてもスパンが短く感じてしまいますね……。
もう少しゆっくり……、……ゆっくりは出来てるのかな……。
……ぱーっとはしゃぐついでにお金を集めているというのは……」
しかし、基本陰気な私は、懐疑的な舞子さんの言葉に惹き寄せられるのでした。
……確かに、忘年会も今回の新年会も、委員会同士でお互いの腹を探るようなやりとりが結構……。
むぬぬぬと考え込みだした私に、でも。
「――人の関わり……」
そう言われると、頭の中の謎が解けたようにすっきりしました。
確かに、私は慣れないながらも、お二人との関わりを……――結べているのでしょうかこれは。
私がただ助けを乞うただけでは――?そう思いつつも、やっぱり腑に落ちた。
「……えっ? い、いえ、そうですね。私が一番くわしい“筈”ですし……。
そうですね。……かしこまった言い方だと、……
祭祀による神性との交渉、魔術や異能に依る非実在存在との接触、それらによって常世島の耐霊体防御や予防を司る部署……でしょうか……?」
なんて、ちょっと焦りながら応えてみた。まるで先生に当てられたときの回答みたいに。
……私もやっていることが変わっているのであんまりやることが一般の祭祀局とズレているので実体験として知らない部分があったりするので――
「……つまり、おばけ退治の専門家みたいなものかと……」
なんか、わかりやすくくだいた。
■八坂 良彦 > 「連続で騒ぎすぎて疲れるっていうのは、あるのかもなぁ、似たようなことが続くとあきるし。
あぁ、そういう金集めとかは、出来る人がすればいいんじゃないか、面倒だし」
同じことが続けば飽きるのは誰でも同じ、そして腹の探り合いなんかは向いてないからできる人間にさせればいいだろうと、投げっぱなし。
単純な思考は難しい、面倒は放り投げるらしく。
「縁でもいいけど、少なくとも話した事がある相手なら、何かあった時頼み事とかしやすいし。
逆に頼まっると断り辛いけどな」
知らない同委員より、知ってる他委員とか…そんな感じだ、と、自分も少し首を傾げながら。
「そういう事してるのか…妖怪とかと戦ってる、と」
難しいことを抜かして、退治部分を覚えたらしい。
■桃田舞子 >
「おばけ退治……大事な仕事ですね」
「つまり、私達三人は常世の日常を守っているわけです」
「これからもよろしくお願いしますね、藤白先輩。八坂くん」
腕時計を見て。
「あ、先輩から指定された時刻に挨拶周りするように言われてるんだった……」
「それじゃ私、頑張ってくるね」
手を振って二人と別れて。
パーティの交通部に関わりの深い人に文字通り、挨拶をしてくるのだった。
ご案内:「【イベント】常世大ホール 新年会会場1」から桃田舞子さんが去りました。
■藤白 真夜 > 「……やっぱり、妖怪退治のほうがわかりやすいですね」
考えこんで難しい言葉を使うより、その一言のほうがわかりやすくて、ちょっとしんなりした。
……私にも、日常が守れていると良いのですが。
「舞子さんも、……どうかお気をつけて」
小さく笑顔を浮かべて、彼女を見つめる。
風紀委員が全て、危険を背負うわけではないはずだった。それでも。
私達の担う役割は、どこかで繋がっているはずだから。
「……挨拶回り、大変なんですよね……。
舞子さんも、頑張ってください……!」
私も、忘年会のときに呼ばれた人たちに挨拶はしないといけないことに、舞子さんを見てようやく気付く。
……あまり知らないひとに話しかけるのは、それこそ場の勢いが無いと私にはきびしい。それこそ、委員会の仕事以上に。
だから、文字通り戦場に飛び出す……――一時とはいえ関わりを結んだ友達を見送るかのように、気合を入れて送り出した。
■八坂 良彦 > 「判りやすい所だけ、言葉にする癖があるからなあぁ、俺。
というか…あー、昔家が神社に所属してた時、妖怪退治とかしてたんだよな、それでそっちに意識がさ」
ごめん、と軽く頭下げつつ、苦笑する。
「がんばれよ、桃田…」
ある意味で戦場へ向かう相手に、敬礼しつつ見送って。
「面倒だなぁ、こればかりは出来る人間に任せるとはいかないし」
時間を見て見つけた相手には挨拶をしなくてはいけないのは此方も似たようなもので。
「はぁ、気がめいりそうになる…何か食べたい物とかある?、良かったら取ってくるよ」
気分転換になるしと、そう言って聞いてくる。
■藤白 真夜 >
(……なんでアフロは風紀の間で通じてるんだろう……。
もしかして何かの符号とか……。事件が起きるのとか隠語でいうらしいし……。
まさか今どき、アフロの人間が、……実在、する……?
いえ、この島なら、有り得る――)
何故か二人の間では通じている有名人を知らない他部署の私は、割と腹の探り合いっぽいことをしていた。独りで。
「いえいえっ。短くて的確なほうが正しいものですよね、……オッカムの剃刀というんだったでしょうか」
飾り立てる余計な言葉より、純粋な真実。
というか、風紀にはそういうことにも慣れてる方が多いのかもしれなかった。
「いえ、お気遣いありがとうございます。……またボーイさんみたいに扱っては失礼ですから。
……というか、私もちょっとまだ緊張で喉を通りそうにないので……。私も行かないとですし……」
食べ物はやんわりと断って、ピナ……ピナなんとかドリンクをようやく飲み干す。まろやかなような、すっぱいような……桃……?名前の印象が強すぎるのでは……。
「私も、軽く挨拶回りに――行けるかはともかく、ちょっと予行演習をしてきますね……」
立ち上がる顔色は、わるい。このままでは小さな男の子をパシらせる先輩になってしまいます。
「……良彦さんも、ありがとう。
私も……気は滅入っていた気がしますけど、お二人のおかげで勇気が出ましたから。
私も、行ってきますね」
立ち上がれば、少し腰を折って顔を覗き込んで、……頭を下げた。
緊張で縮こまっていた私を助けてくれた、……縁を結んでくれた二人に。
■藤白 真夜 >
席を立って、お辞儀をぺこり。
そのまま歩きだして、ひとり考えた。
「……」
実のところ、新年会に来たのは目的があった。
……もちろん、忘年会からの続きや、断り難いお誘いや、その他諸々もあったんですけど。
それは、常世学園生徒会の副会長が姿を現すという話があったから。
それはただの噂程度で、出てこないのかもしれなかったけれど。
(一度、見てみたいなぁ。
……本当に、ここを社会の縮図として見ているのかな。……それは、常世財団の思惑? ……ううん、どっちにしても)
新しい縁、新しい関わり、新しい何か。
……それを得ることは、喜ばしいのかもしれない。
それが、腹の探り合いのようなモノであったとしても。
(……絶対慣れないけど。
社交の場というのは、……本当は戦場と変わらない。
……お二人と会えたのは、良かったんだけど)
再び陰気な考えに染まりそうになるのを、頭を振り払って、歩み去った。
ピナコラータの香りだけを残して。
ご案内:「【イベント】常世大ホール 新年会会場1」から藤白 真夜さんが去りました。
■八坂 良彦 > 「がんばってな…さて、俺も他の場所言って挨拶しないとな」
近くにあったナプキンで手を拭くと、はぁっとため息をつく。
本当に面倒くさい、と思う。、がそれもしておかないと円滑に物事が進まない。
「だれからあえるかねぇ」
そして、他に縁を作れるのか、問題は縁にもいろいろある事だが。
合縁奇縁、この学園じゃ他の縁もありそうだし、相手が人とは限らない。
「気が抜けねぇ」
そういいながら会場を見渡し歩きだす。
ご案内:「【イベント】常世大ホール 新年会会場1」から八坂 良彦さんが去りました。