2022/08/22 のログ
ジェレミア・メアリー >  
「秘密」

人差し指を立ててしぃ、と此処は意地悪く答えておいた。
実際は知らない。よく見るとついてるかもしれないし
ついてないかもしれない。彼女はよく食べるし、結構お米つけてるし。
だからこその意地悪。可愛い人ほどってやつだ。

「(結構子どもっぽいなぁ……)」

敢えて口には出さないが王道の練乳イチゴ。
小さいカップに盛られたそれは彼女が持つと結構幼く見える気がする。
ポリポリと食べたトウモロコシの後に軽くかき氷を一口。
ブルーハワイの爽やかさに練乳の甘みが後を引く。
うん、ちょっと脂っぽい口内がすっきりした。

「美味し。…ん、どうしたの?何か見つけた?」

促されるままに彼女と一緒についていく。
進んでいく先はちょっとした隠しスポット。
此処なら花火もしっかり見える。

「へぇ、凄いね光奈。どうやって見つけたの?」

これなら二人でゆっくり見れそうだ。
寄り添う彼女にはにかみながらキャップを目深に被った。
その瞬間、夜空を覆いつくす爆音と光。
夏の夜を彩る花火が先上がっていく。

「お、丁度始まったね」

修世 光奈 > 「う~~!」

本当なら今すぐ離れて確かめたいが、彼から少しでも離れたくない気持ちが勝つ
こうして意地悪されるのも楽しいから、本当にダメだ

やっぱりかき氷はイチゴだなー、とか
彼の視線には気づかずしゃくしゃくしながら道を歩く
どうやって見つけたの、と聞かれれば

「ふふふ。探し物は得意だからねー
ここに入っていくカップルっぽい人たちが見えたからさー」

にんまり笑いつつ、ベンチなどはないもののゆったり見れそうな高台でかき氷で口内を冷やす
今きっと舌は真っ赤になっているだろう

そっと彼に寄り添いつつ空を見上げれば、ぱん、と花咲く大輪の花火
赤、黄色、青…それぞれの色が夜空に咲いていく

「…綺麗ー…」

僅かな時間しか見れない花だからなのかどうかわからないけれど…心がじーんとする気がする
また来年も、こうしてミアと見れるといいな、なんて思ってから

「えっとー…。ミア、そのー…、ちょ、ちょっとこっちむいて」

急に我慢できなくなってしまった
丁度人の目も少ないし…
真っ赤になりながら…背の高い彼に声をかけ、精一杯の背伸び
花火の光に紛れて、久しぶりに自分から、彼に愛の口づけをしようと

…花火が終わっても、夜はまだまだこれからだ

ジェレミア・メアリー >  
「ふふ……」

そういう反応をするから意地悪したくなる。
だからこそ、好きなんだな。
好きな子ほど、そして愛してるからこそ何でもしたくなってしまうもの。

「流石は光奈。ナイスな着眼点」

それは盲点だった。
実際人ごみばかりだし、道行くカップルなんて珍しくもない。
思えば彼女との出会いも物探ししている最中だったっけ、懐かしい。
夜空で炸裂する彩を見つつ、かき氷を一口、二口。ゆったりと。
早く食べるとかっこ悪いことになるからね、ゆっくりだ。

「うん、とっても」

こうして二人で見ているととても和む。
また来年もこうして、と思う事はくしくも同じ。
此方を向いて、とせがむ彼女の方を向けばん、と少しかがんで受けた。
互いに霞める唇。彼女が何をするか、もうわかっているからこそだ。

花火の色と音が、二人の事を隠してくれる。
ひと夏の思い出もまた、こうして一幕として刻まれていくのだろう。

ご案内:「常世夏祭り」からジェレミア・メアリーさんが去りました。
ご案内:「常世夏祭り」から修世 光奈さんが去りました。