2023/01/06 のログ
ご案内:「ある冬の日」にさんが現れました。
ご案内:「ある冬の日」に神樹椎苗さんが現れました。
> 彼女は悩んでいた、しーなちゃんともっと仲良くなるには、と。

「う、うーん、んー?」

そこにめについた一つの本

『友達からランクアップ!一つ近づいて二つ進む方法』 作者は掠れて見えない

「これだ」

幼女は直情であった、読んだ

「しーいーなーちゃーん、デートしよー」

そして部屋の前で大声で言った

神樹椎苗 >  
 
「――しません」

 部屋の扉を開けて、ちまっと目をキラキラさせてる妹分を確認。
 さらっと一言言ってから、問答無用とばかりに扉を締めようとする。
 

> 「待って待ってちょっと待って!?」

お目目をぐるぐるキラキラさせながら、脚をドアの隙間に入れて、部位強化、ぐいぐいと力強く

「ええと、その、初詣、行きたい、いこ?」

言葉は遠慮しているが、今回、いつも以上に押しが強い。

神樹椎苗 >  
 
「――はあ」

 力比べをしたら勝てないので、早々に諦める。
 さて、今日は何用なのかと思えば。

「初詣ですか」

 少し考える。
 ――まあ渡すにはいい機会かもしれない。

「――わかりました。
 でも、折角ならしゃんとしていきましょう」

 そう言って、部屋の中へと招きいれるのだ。
 

> 「やった」

ぐ、と拳を握る。
(ファーストブリットは衝撃的に、達成、と)

にこにこと笑いながら

「お邪魔しまーす」
しゃんと?と疑問符を浮かべながら元気よく靴を揃えて上がり込み

神樹椎苗 >  
 
「はいはい、お邪魔されます」

 そう言いながら、部屋に通して。
 クローゼットの中にある、白木の箱を引っ張り出す。

「――ほら、開けてみると良いです。
 近々お前に渡そうと思っていたものです」

 と、床に置かれたのは、平たく大きい。
 中に入っているのは、椎苗がこの非合法ロリっ娘の為に用意した振袖だ。
 

> 「ん?え、しーなちゃん?」

くきり、と首を傾げながら
箱を開き。

「え、と、え、たか、え?」

幼女でもわかる振袖は高い。
少し呆然としてピンク色の振袖を眺めながら

神樹椎苗 >  
 
「なにボケっとしてんですか。
 ほら、着つけてやりますから、さっさと脱ぐんですよ」

 そう言いながら、呆然とする妹分の頭をぺしぺしと叩いて促す。
 そういう椎苗にも、部屋の奥に紫色の着物が用意されている。
 本当は別の知人との初詣用に手入れをしていたのだが、そういうのは言わぬが華である。
 

> 「あ、えあ、は、はい」

促されるままにぽいぽいと脱いでいく。

肌には薄い古傷、犬の噛み跡、火傷、処置してないから残った跡がまだ薄ら残り、でも、会った時よりは健康的に肉がつき、年頃の少女の身体で。

神樹椎苗 >  
 
「――ふむ。
 少しは骨と皮以外も付きましたね。
 良い事です」

 ぽんぽん、と背中を叩きながら、肌着からなにから、順番に着つけていく。
 帯を整えるところまで、きっちり手際よく進めれば、あっという間に初詣のドレスコードばっちりの幼女が出来上がりである。

「ん、やっぱり似合うじゃねえですか。
 ほら、そっちの姿見で確認してみると良いです」

 そう言いながら、椎苗は椎苗で、自分の着付けをして、紫色の振袖を纏う。
 外見にしては、少々落ち着いた雰囲気の見た目に仕上がるだろう。
 

> 「う、わぁ、綺麗、ありがと、しーなちゃん」

鏡を見て、ピンク色の振袖姿は完璧な初詣コーデで、ぴょんぴょん飛び跳ね、甘えるように抱きついたりすりすりする。

ちょっといつもより過剰に、スキンシップを取っている。

「えへへ、しーなちゃんも可愛い、似合ってる」

神樹椎苗 >  
 
「ああもう、その恰好でじゃれつくんじゃねーです。
 まったく、着崩れたら面倒じゃねえですか」

 いつもよりベタベタ甘えてくるのは、多分久しぶりだからだろうと勝手に結論づけつつ。

「はいはい、しいが可愛いのは当然です。
 ほら、準備が出来たんですから、初詣に行きますよ」

 そう促さないといつまでもここではしゃいでいそうなので、しっかりと白足袋も履かせて準備する。
 

> 「えへへ」

これも本に載ってた、セカンドブリット、撃滅的にスキンシップしよう、である。

「うん、良いとこ、みつけたの、ないしょの秘密!」

にししと笑いながら、足袋を履かされ、おっとっとと転びそうになりながら。自然に手を伸ばして、手を繋ごうと。

神樹椎苗 >  
 
「ん、なんですか、内緒の場所?
 普通に神社いくんじゃねーんですか」

 一人で歩かせていたら転げそうなので、仕方なくしっかりと手をつなぐ。
 そう、仕方なく。

「まあ、どこでもかまわねーですが。
 とりあえず、寮を出たらタクシーに乗りましょう。
 案内はちゃんとできますか?」

 と、二人で部屋をでてしっかり戸締り。
 すでにタクシーは寮の前に呼んであるのである。
 

> 「え?普通の神社だとしーなちゃん疲れるでしょ?」

それに、しーなちゃんのカミサマが嫉妬しちゃうし、と囁いて。

「えと、大丈夫、ある、覚えてる」

準備が良いしーなちゃんに感心しながら、常世渋谷の中のとある場所を伝えて。

神樹椎苗 >  
 
「まあ、それは否定しませんが」

 『言われてますよ』と自分の後方47度辺りに向けて言うと、困ったような気配が伝わってきた。
 まあ、どのみち椎苗は、基本的に宗教が違うので、神社には行っても参詣はしないのだが。

「常世渋谷ですか?
 また妙なところに」

 手を繋いでタクシーに乗れば、運転手は微笑ましそうな様子で、場所を聞けば頷く。
 小さな娘二人を乗せて、タクシーは走り出す。
 

> 「えへへ」
彼女なりに、幼女なりに、気を遣ったのだ。

「そう、丑寅に三つの、角の先で、はい、そこです」

空き地に、ビルの隙間に、そこだけが切り離されて残っているように。

古き社が、残っていた。