2019/02/09 のログ
ご案内:「クリスマスの異邦人街」に美澄 蘭さんが現れました。
ご案内:「クリスマスの異邦人街」に八百万頼さんが現れました。
美澄 蘭 > クリスマス。地球においてはかなりの影響力を持つイベントだが、異邦人の駆け込み寺としての機能を持つ常世島の、更に異邦人街とあってはその限りではない。
とはいうものの住人の中には多少空気の影響を受ける者もあるらしく、まばらに、奥ゆかしいクリスマスカラーがモザイクを作っている…ように見えなくもない。
ただ、クリスマス「そのもの」を楽しみたいのならば、デートスポットは他にあるだろうというのは間違いないだろう。

「…♪」

それでも、「恋人」と道を歩くこの少女は、手を顔の前で寒そうに擦りながらも楽しそうにしているのだが。

八百万頼 >  
今日は蘭ちゃんえらいご機嫌さんやなぁ。

(普段よりも四割増しぐらいでウキウキしている彼女の隣でニコニコいつも通りの笑顔の自分。
 しかしまぁ、その気持ちもわからなくはない。
 今日はクリスマスなのだし、その日に恋人と歩くと言うのだから当然であるだろう。)

ところでなんで「こっち」なん?

(デートに適した場所なら学生通りとか歓楽街とかの方がいろいろあるだろう。
 何故こちらを彼女が選んだのか、少し気になる。)

美澄 蘭 > 「それはもう…前倒しの卒業審査の後はずっと受験勉強漬けだったから、楽しみにしてたのよ」

何だったら「気になるからやりたい勉強はなくもなかったけど無理やりスケジュールに空きをねじ込んだ」まである。
そのくらい、この少女にとって「こういう時間」は大事にしたいことだったのだ。
恋人の質問には、目をぱちくりとさせた後…

「………そうね。ルーツがないでもない癖にあんまり縁のある場所じゃなかったけど、せっかくだから、心に残しておきたくて」

「卒業する前に」という言葉は飲み込みながら、柔らかくも感慨深げな表情で、横目で街並みを見やる。
冬の、昼なのにほんのり薄暗いような街の空気が、その光景に妙な陰影を与えているかのようだった。

八百万頼 >  
愛されとるなぁー。

(にこにこしたままからかうような口調。
 とは言え愛されていると感じるのは確かであり、そんな彼女はとてもかわいい。
 かわいい。)

蘭ちゃんは、卒業したら本土戻るんやったっけ。

(自分は残るつもりなので、そうなると寂しくなる。
 ここいらに居を構えている自分はさほど珍しい光景ではないけれど、二人で見るのならば話は別だ。
 ぐるうりとあたりを見回し、改めて目に焼き付けるように。)

美澄 蘭 > 「それは………もう…」

頰をほんのり赤らめて軽くうつむく。寒さを凌ぐために擦り合わせている手で口元が隠れる。
…手袋はあるのだけれど、左手の銀色を隠したくなくて、あまりしたくないのだ。

「………そのつもり。
将来の目標に向けて専門的に勉強するなら、そっちの方が都合が良さそうだったから」

ほんのりうつむいたまま、そう語る。
葛藤がないわけではないことを示すかのように、視線を落として。

八百万頼 >  
あっはっは。
かわいーなーもう。

(彼女の頭へ腕を回して引き寄せる。
 そのまま頭へ頬擦りをしてから腕を離した。)

まー外国行くんとちゃうし、会おう思たらいくらでも会えるしな。
って前言うたなこれ。

(結局は同じ日本国内だ。
 ちょっとのお金があれば会いに行けるし、二度と会えないわけではないのだから。)

美澄 蘭 > 「きゃっ」

頭を抱き寄せられれば、小さく息を飲む。
薄い化粧では、顔が真っ赤になっているのが視認できるほどだ。

「…そうなんだけど…やっぱり、ちょっと寂しくて」

「自分で決めたことだから仕方ないんだけどね」と、視線を落としたまま、少しだけ笑った。

八百万頼 >  
そう言う可愛いとこ、好きやで。

(うりうりと肘で彼女を突いてみせたあと、その頭を優しく撫でた。)

そんなボクとしばらく離れ離れになるぐらいでそんなこと言うとったら、これから先の色んなこと耐えられへんよ。

(ここはあえて突き放すような言葉。
 自分が彼女と一緒に島を出ても、結局は彼女が自分の決めた道を進まなければならないのだ。
 それを支えることは出来ても、一緒に歩けるわけではない。)

美澄 蘭 > 「………もう………」

小突いてからの撫でまで、からかわれているようで不服に感じて頰を軽く膨らませる。
…触れ合うことそのものは嫌ではないのが、また悩ましいのである。

突き放すような言葉には、むぐっと唇を歪めた後…

「…分かってるわ。
…ただ、ないことにして押し込めるのも、違うと思っただけ」

そう言って、拗ねたように少し唇を尖らせる。
「寂しい」と思う自分も自分なら、「彼と隣に並べるように、立派な「大人」になりたい」と望むのも自分で…どっちも否定したくなかったのだ。

八百万頼 >  
(むくれる彼女にひっひと悪戯っぽい笑みを返して。
 あと何回こういうやり取りができるのだろうか、とちょっと寂しくなる。)

まーアレや。
寂しい思たらいつでも電話してくれれば、すぐ会いに行くから。
ボクからも寂しいから会いに行く言う連絡するかも知れんし。

(そりゃあ自分だって寂しい。
 だから寂しければ会いに行けばいいし、会いに来てもらえばいい。
 ただ、それだけの話。)

美澄 蘭 > 悪戯っぽい笑みを向けられてむぐぐとなっていたが、頼の口から「連絡するかも」との言葉を聞けば、透明度高く輝く視線が頼の顔にまっすぐ向けられた。

「………頼さんも、そう思ってくれてるの………」

言われてみれば割と当たり前のはずなのだが、普段余裕に見えるのでつい頭から抜けてしまいがちである。
大きな瞳が、ぱちぱちとやや大げさに思えるほどにゆっくりと瞬く。

八百万頼 >  
そりゃそうやろ。
恋人に会えへんで寂しないヤツはおらんよ。

(何を言っているんだ、と言うような表情。
 自分だって人間だし、寂しいと思うときはあるのだ。)

ひどーいー。
蘭ちゃんボクが蘭ちゃんに会えんでもへいちょのへいきやと思てるんやー。
その程度の愛やと思っとったんやー。

(よよよよよ、と顔を両手で覆って泣いたフリ。
 大げさにおーいおーいと泣いてみる。)

美澄 蘭 > 相手に憮然とされれば、こちらがあわあわと落ち着かない感じで手をぱたぱたさせる。

「…ご、ごめんなさい、頼さん普段あんまり表情変わらないから、つい…」

しかし、相手にそのまま流れで大げさに嘘泣きをされるとその手をぱたぱたさせた途中で固まる。
読めない。読めない…。

一方で、蘭の脳裏には「普段」じゃない時の彼の様子・表情も遅ればせながら色々浮かんではくる。
かける言葉に悩んだまま、挙動不審気味の態勢で、真顔で固まっていた。

八百万頼 >  
――えー。
こんなにコロコロ変えてんのに?

(一瞬固まった後、ぴゃ、と手をどかしてニコニコ笑って見せて。)

いろーんな顔しとると思うけどな。
考えてる顔とか、悲しい顔とか、怒った顔とか。

(そう言いながらその言葉通りの表情を作る。
 まるでコロコロと変わる表情の百面相だ。)

美澄 蘭 > 「〜〜〜………」

嘘泣き解除からの満面の笑み、更なる百面相にむぐぐ、と唸っていたが…

「………そういえば…悲しい顔とか、辛い顔とか…もしかすると、普通の人より、よっぽどさせちゃってるかもね」

「その分嘘がない」と考えることもできるけれど、その分頼に負荷がかかっていないといえば嘘だろう。
どこか、物思わしげに視線を落とした。
「それでも、一緒にいたいと思ってくれるのは本当に嬉しいし幸せだけど」と、口元で小さく呟いたのは、聞こえていただろうか。

八百万頼 >  
そらそうや。
ボクをこれだけ色んな顔させられるの蘭ちゃんだけやで。

(再びにこーっとしたいつもの笑顔に戻った。
 だけど負荷なんて思っていることはなく。)

人間笑ったり泣いたりせな無表情な人間なってしまうからな。
無表情なったら幸せも逃げるし、蘭ちゃんのおかげでボカァ幸せやでー。

(そして抱き着く。
 と言うか抱き着こうと両手をがばりと広げて彼女の方へ。)