2019/03/18 のログ
ご案内:「フタバコーヒー」にアリスさんが現れました。
ご案内:「フタバコーヒー」に白鈴秋さんが現れました。
■アリス >
私、アリス・アンダーソン!
常世学園に通っていて、今年の四月から二年生!
今日はフタバコーヒーで友達と待ち合わせをしているわけで。
その前に注文をしなければいけないわけで。
「ええと………」
確か前は……ホワイトモカフラペチーノのグランデに
キャラメルソースヘーゼルナッツシロップチョコレートチップ
エキストラホイップを追加したエスプレッソショットを注文しようとして、
挫折したんだった。
自分の番が回ってきた状態でレジ前で唸っているのが今の私ってこと。
■白鈴秋 > 待ち合わせの時刻、ドアを潜り周囲を見る。もし来ているのならその席に行けば良いし、いないのなら相手に見やすい位置に行けば良い。
キョロキョロと周囲を見回した後、レジで唸っている友人の姿を見かける。
「先についていたのか」
と声をかけ、近寄る。それからメニューを見て……顔をしかめた。
並んでいるのは珍妙な文字列。ホイップだけでなんか色々と書いてあるし。
「……魔法の呪文か何かかこれは?」
思わず出た単語がそれであった。
ある意味で魔法の呪文より覚え難いかもしれない。あれはロジックを覚えてしまえばなんとかなるが、これはそうは行きそうにない。
「アリスは何を注文するか決めたか」
と聞くと自分は決まっているかのようだが、そんな事は無い。注文方法がわからないから同じのをと言うつもり満々である。
■アリス >
その時、後ろから声をかけられて振り返る。
秋だ。
「え? ええ、うん………」
声をかけられて助け舟を求める視線を巡らせる。
しかし。
「……わかんないよねー」
涙を堪えて頷いた。わかる。すごいわかる。
でもフタバコーヒーで友達とコーヒー飲むのってスゴイ! リア充!!
って感じがして好きなんだもの。
前は一緒にいた人になんとかしてもらったけど。
今回はそうはいかないみたいで。
「え、ええ……もう決まっているわ」
息を呑んで店員さんと視線を合わせる。
「アメリカンコーヒーで」
『お…お取り扱いしておりません』
わかってた。前にも同じこと言った。
でも試さざるを得なかった。
「これください」
目を瞑って指差したそれはエスプレッソドッピオ?というのだった。
■白鈴秋 > 「ああ、まったくわからねぇ」
恥ずかしげも無く言い切る。
店を見れば普通に色々な種類のコーヒーが飲まれている。つまりこの魔法を唱え終わった人たちがたくさんいるのだろう……ある意味真似できない事であった。
「そうか、決まってんだな……ああ、俺もアメ」
といい終わる前にお取り扱いしておりませんの声。リと言い掛けた口を閉じる。
危ないところだった。2回連続で言われるところだった。
「え」
しまった、そればかりに気を取られ彼女が何を注文したか見ていなかった。
何がくるかわからない物を注文する事はできない。考えた結果。
「ショートコーヒー。ノンシュガーノンミルクで」
なんだ簡単なロジックじゃないか。つまりこういえば良かったのだ。
となんとなく決まったと思っていたが”え、ええとこちらの商品でよろしいでしょうか”と指を指される。
「……ありがとうございます」
ロジックエラー。注文方法は間違っていたのだ……
次の人に譲るためにカウンターからズレる。
「結局店員にまかせちまった……」
とコーヒーが来るまでの間声をかける。
■アリス >
肩を竦めて溜息を一つ。
「ここでコーヒーを注文しようとするたびに同じ悩みに直面してる気がする…」
それで成長してないのはナンデ?と自分に問わざるを得ない。
気を取り直してコーヒーを受け取り…
「え?」
なんかドロドロの黒くて小さいコーヒーを渡された。
なにこの……なに?
一口、ちろっと舐めて舌を出した。
「にっがーい……」
地獄のような苦さがした…
小さいだけじゃなく、相応に濃いというわけで。
「と、とにかく座ろう、秋」
窓際のテーブルについて、黒すぎるコーヒーの液面を揺らした。
「そうそう、ホワイトデーのお話で!」
満面の笑顔。それはもう。すごい笑顔で。
■白鈴秋 > 「そりゃ悩むだろうな。俺も次来たら同じの注文するし……メニューの名前だけは覚えた」
この点こういう男は便利である。毎回同じ物でも飽きない。
自身のコーヒーを受け取る。見た目も普通のブラックコーヒーだ……が席に向かおうとしたときに出てきたアリスのコーヒーを見る。
「……まぁそうだろうな。俺のと代えるか? ただのブラック……だと思うからミルクと砂糖入れれば飲めると思うぞ」
そういうコーナーは置かれており、自分で好みも変えられる。
自身は苦いのも平気なので別に問題はないだろう。
問題は自分が注文したのが本当にただのブラックコーヒーなのかということだが……まぁ、ただのブラックである。
「ん、ああ。そうだな」
と席に向かい。座ると、満面の笑みを向けられる。
思わず少しだけ笑って。
「別にんな喜ぶようなものでもねぇだろうに。これだ。バレンタインの時はありがとうな」
と渡す。クラッカーとビスケットのセットで入った小さな袋。白いラメがホワイトデーっぽいだろう。
「甘いのだけってのもどうかと思ってな。少し塩辛いクラッカーも入ったやつにしておいた」
■アリス >
「でも表の看板にあるフニャ? フニャペチーノ? は一度飲んでみたいー」
だってあれ甘そうだし。
実質スイーツでしょあのクリームとかの盛り方。
ただ注文の呪文がわからない。
「ううん、これ飲むー」
気だるく言ってぶんぶんと首を縦に振った。
これを注文したのは自分で、私はこれと対峙する運命にあるのだから。
とりあえず砂糖を入れよう砂糖。
思ったより溶けない……
あ、そっか。濃いもんね。
ジャリジャリしてきた……
「ふふふ、あの時は私のイタズラによく気付いたわね!」
わーいと小さな袋を受け取り。
「やったー、ネトゲやりながら食べるわ、ありがとう秋」
笑顔で小さな袋を少しいじり、鞄にしまった。
■白鈴秋 > 「ああ、あれか。滅茶苦茶甘そうだよな……俺もどうやって注文するかわからねぇな。だからといってアレくださいはなんか負けた気がするし」
変なところで負けず嫌いなのである。
これ飲むというとそうかといってそれ以上は言わない……明らかに溶けきらない量の砂糖が投下されたように見えたが。何も言わないのもそれはそれで優しさだろう。
「気がついたっていうか、野菜を調理しようとしたら出てきたしな。少し笑ったぞ……一瞬なんのチョコだこれって考えたしな」
もう少しわかりやすく渡してくれと少しだけ目を細めて続ける。
自身もコーヒーを飲む。いつも飲むのはだいたい缶コーヒーだが。今日のはそれとは違う味がする。
「……ん、ネトゲ?」
そういうのは男の子の遊びとか。もう少し大人の遊びだとばかり思っていたので少しだけ目をパチクリとする。
「あれか、なんか人気だって噂の……蓬莱オンライン? とかいうやつ」
自身は全然ゲームなどをしないのであまり知らないがたしか今そんなゲームが人気だったはずだ。
■アリス >
今にも嘆きと苦しみを吐露せんばかりに大仰に身振り。
「そうなのよ! 普通に考えたら看板のあれと同じものくださいで通じるはずなのに」
「なんでか知らないけど負けた気がする……!!」
負けたくない。
それは男の子も女の子も共通なので。
そしてジャリジャリするド苦いコーヒーを一口飲んだ。
負けてる。
「ふふふ、私の天才的頭脳がここでチョコを入れておけと囁いたのよ」
ドヤ顔でジャリジャリを誤魔化すようにスプーンで何度も混ぜた。
「ええ、蓬莱オンライン。スペクトラルギアっていう没入型VR装置で入ると臨場感抜群!」
「まるで自分が異世界にいるような感覚よー、もうあれは最高ね」
あれこれと虚空を指差しながらネトゲトークを繰り広げる。
狩場を占領する悪しきギルドとの戦い。
モンスターを引き連れてPKしようとする輩との戦い。
変な名前でログインする仲間たちと肩を並べて巨大モンスターと…あれ戦ってばっかだこれ。
■白鈴秋 > 「あれを当然のように注文してる奴が居ると考えると余計にな……」
謎の共感、だが通じ合う。
実際今平然のように呪文詠唱を終えて看板の商品を手に取った人がいる。そういうのを見ると出来る気がするが……言おうとすると噛むか飛ぶのが目に見えている。
「ホントに天才的な発想だったな。完全に不意を撃たれたし」
まさか出てくると思っていない位置から出てくると思っていないものが出てきた。それを思い出し少しだけ笑ってしまう。
ネトゲの事を話しているのを相槌をうちながら聞いていた。
「ホントに好きなんだな。でも異世界か、たしかに良いな。ほら学校にも異邦人とかいるじゃねぇか。ああいう奴の話とか聞くとそそういう違う世界とか少し興味沸いてくるじゃんか」
異世界にいるような感覚というのに特に深く共感した。
ホントの世界でなくてもそういう気分だけでも楽しめるというのは楽しそうではある。
「でもあれって事故とか起きそうで少し怖いところもあるんだよな。ほら接続したまま感覚もどらねぇとか。事故で意識ぶっ飛ぶとか」
1番気になるのはそれである。自分も没入できるというのがあるが、その時に事故が起きた場合どうなるのだろうか……
■アリス >
「新作フニャペチーノくださいで通じないかな…無理かな……」
エキストラなんとか。チョコチップなんとか。
部分部分は聞き取れるのが何ともいえない。
「でしょう?」
ない胸を張って得意顔。
秋の意表をつく一撃だったのは間違いないようで。
「そ、それは………」
異邦人に知り合いはいる。
けど、彼はこの世界に来てから悲しい思いもしている。
そのことを考えると興味本位で異世界を語るのは少し憚られた。
「事故は起きたわよ、最近追加されたアビスタワーに行ったらへんな開発者にゲーム世界に閉じ込められたし?」
「まぁそれ以上に変なプレイヤーにその開発者がボコられてすぐ帰れたんだけど…」
ちょっと怖いけど。ちょっと面白い記憶。
■白鈴秋 > 「……ギリギリ通じそうだな。新作ってあれだし」
他に新作は無かったはずである。看板に出ていないだけで本当はあったとかであれば話は別だが。
でしょうと胸をはっているが、その後の少しだけ言い淀んだ空気を感じ取る。だからこそ話を変えるように。
「……ホントに事故おきてんのかよ。てか、それに巻き込まれるってやっぱりお前らしいというかなんというか」
はぁと溜息を吐き出す。異世界の話はそれ以上突っ込まないようにした。なにか事情があるのだろう。
「ああ、そうだ。そういえばよ」
と鞄を取り出すと出てくるのは2年のシラバス。
いくつか付箋などが貼り付けられているのは自身が目をつけた科目なのだろう。
「お前2年で何とるかとか決めたか。必須の基礎教科Ⅱとかはともかくとして……半分くらいは決まったんだが他がどうしても決まらなくてな」
選んだ科目は異能学Ⅳや魔法発展学、異能成長学に魔術応用学などなど専門的な科目が多いが……流石にそんなのが多くあるとは限らず、半分程度しか決まっていない。
■アリス >
「……じゃあ私なんでジャリジャリする黒いの飲んでるの?」
言ってはならない一言だった。
背景に宇宙が見える。
最後の一口を飲んだ。なんだか無性に目が冴えてきた。
「本当なんなのかしら……事件に巻き込まれる頻度が異常すぎて…」
運がないにしてもあんまりなお話で。
秋が取り出したシラバスを見ると、科目を指差す。
「異能学は取るわ、異能成長学も。私、異能に興味はあるもの」
「でも後はー……魔術が苦手でー…また教えて?」
「あ、でも異能犯罪学はオススメしないわ、先生がちょっとイジワルで問題が難しいの」
うーんと唸って。
「龍種学? 専門的で難しそう……電脳学総論? はちょっと面白そうだけど…」
2年になるとそれだけ授業も難しくなるんだと実感せざるを得ない。
まだ15歳だから、じゃ逃げられないものもある。
■白鈴秋 > 「……その発想まで届かなかったから。とかだな、じゃなきゃ俺も名前もしらねぇ液体のんでねぇし」
背景の宇宙を見て少しだけ汗が出るが、落ち着いて考えると今自分が飲んでいるのもブラックコーヒーっぽいなにかであり。名前の羅列は覚えたがそれがどういう意味かは知らない。
「前も言ったが、ある意味異能レベルに巻き込まれてるからな……一回調査するのもありかもしれねぇぞ」
不幸になるとかいう異能とか判明したら嫌すぎるが何も知らないよりはマシ……かもしれない。
「へぇ、異能に興味あるのか……ん、了解。魔法学関係ならいくらでも。たぶん2年でも英語は頼るしな」
お互い様なので了承する。彼女が居なければきっと英語は今頃赤点だっただろう。
「龍種学はⅠは面白いぞ。各地にある龍伝説についての事とか逸話とかだから、それこそ童謡とかに近いし。Ⅱになると途端に難易度跳ね上がるが」
コーヒーを飲み終え、話す形になる。
シラバスを見ながら色々と考えて。
「異能に興味あるならこれとかどうだ。異能経済学。異能が経済にもたらす影響を調べるとからしい」
と指をさす。自分は経済関係はあまり興味が無かったので取っていなかったが。彼女の異能は結構影響ありそうだ。
■アリス >
「フタバコーヒーに負けた……」
負けた。そう、私は負けた。だから諦めるべきなので。
そう自分に言い聞かせた。
「うん、さすがに調査してもらうわ……この調子だと命が何個あっても足りないもの」
今まで生き残ってることが奇跡に近い。
バスジャック、強盗、誘拐、果ては気がついたら上空にいた。
なんでもありにも程がある。
「任せて! 英語なら満点取らせてあげるから!」
英語は大得意分野。だって母国語だから。
「えー……じゃあ龍種学Ⅰとって興味を持った生徒をⅡで返り討ちにしてるも同然じゃない…」
異能経済学の話が出ると、少し真面目な顔になって。
「私、将来的には製薬会社に勤めることになると思う」
「上手くすれば、ギリアデルでもラクスターナでもコピーし放題でしょ」
「それだけ人が助かるってこと」
窓から物憂げに外を見て。
「でも、私の一生が異能に完全に曲げられたことを認めることになるわ」
首を左右に振って。
「暗い! 今のナシ! それでね? 異能経済学といえば……」
また楽しい話に逃げて。それで楽しく話を続けました、じゃダメだっただろうか。
ご案内:「フタバコーヒー」からアリスさんが去りました。
■白鈴秋 > 「まぁ、次来たときに勝てば良いじゃねぇか。覚えておけば勝てるんじゃねぇか?」
と答えて少しだけ笑った。自分も負けた側なのでなんともいえないが。
まぁ自分は名前を覚えたこれを注文するだろう。
「そうしてもらったほうが良い。場合によっては風紀なりの護衛が入るかもしれねぇし」
どこかの令嬢みたいな登校風景になりそうだ。と少し想像してしまい頭を軽く振るう
相手の力強い言葉に頷き。
「ああ、頼りにしてる」
と少し笑みを返したことだろう。
だがその後の真面目な顔を見ると、こちらも真面目な顔に戻して。
「……ん、わかった。無しな」
彼女がそれを望むのなら、今は無しにしておこう。もしいつか、彼女がそれをもう一度話してくれたなら、その時に力になろう。
その後も色々な話をして、なんとか講義も決まり、楽しい時間をすごしたのだろう。
ご案内:「フタバコーヒー」から白鈴秋さんが去りました。