2019/05/19 のログ
ご案内:「常世教会」にイレイスさんが現れました。
イレイス >  
深夜に常世教会に現れる男たちの姿がある。
人気もないそこで、何らかの細工をする動きをしていた。

「そこまでだ、業骨海造」

そこに赤いエネルギーラインが走る緑の装甲を身に纏うヒーローが、俺が登場ってわけだ。
あいつらが持っているものも知れている。

「おっと、何も言わなくていいぜ」
「あんたらが明日の結婚式にサプライズプレゼントってガラじゃないのは見ればわかる」

そう言うと、リーダー各の厳つい顔の男が構えを取る。

『お前………何故ここがわかった?』

憎悪に凝り固まった声と表情でヤツはご挨拶だ。

「どうかな? あんたが爆弾を持って教会に来るってことしか知らねぇ」
「携帯が危険だからって無線を使うのは無用心すぎたな」

業骨海造が舌打ちをして唾を吐き捨てた。

イレイス >  
『明日、ここで結婚式を挙げる女がな……』
『卒業式に俺の女にしてやるっつったのに断りやがったからよォ…』
『素敵な花束を用意してやっただけじゃねぇか、なぁ?』

醜悪な心根を隠そうともしない言い分。
そして腐った動機。もういい。
ここで成敗してやる。

「あー……そういうとこさ、非常に親近感が湧くが…」
「良くないなぁ……業骨…」

拳を胸の前で打ち合わせると、暗闇に紅い軌跡が走った。

「花嫁は幸せでなくちゃいけないんだ。常識だろ?」

業骨の仲間が揃って銃を構えて撃ってくる。
ヘヘ、大型パンデミックとも戦えるミスリル合金だぜ!
銃弾程度、通しはしねぇよ!!

イレイス >  
全身を撃たれながらも、全て装甲で弾く。
そしてゆっくり亜空間から次元銃イレイスバレットを抜く。

銃を撃っていた連中の得物を一つ一つ、イレイスバレットで撃ち抜いていった。

「悪いな、俺の玩具のほうが上等みてーだ」

銃口を上に向けてゆっくりと悪党の元へ歩いていく。
怖気づく彼らに、どう制裁を加えてやろうかと思索にふける。

すると。
業骨海造が笑い始めた。
不気味だ、ああいう笑い方をする異能犯罪者は大体、奥の手を隠し持っている。

『ははは、お前か噂の正義の味方さんは』
『気に入らねェ、潰すぜ……今から、俺が…』

近接強化型の異能か?
遠隔放射型の異能か?
あるいは……魔術も考えられる。ヤツはじりじりと距離をつめてくる。

イレイス >  
直後、業骨の姿がブレた。
違う……分裂した!?
凄まじいスピードで増え続けながら業骨は素手で殴りかかってくる。

「……っ!!」

三人の業骨の人間離れした拳足を受けて後退り。
強化型のパワー!?
でも、事実分身してる!! どういうことだ!?

反撃に振るった拳は、一人の業骨を捕えたが、霞のように滲んで業骨は消えてしまった。

「分身と、強化と……異能を二つ持っている、“ダブル”の能力者か!?」

そういうと、業骨全員が笑って左掌を揃ってこちらに向ける。
すると、水塊が強烈な速度で一斉に浴びせられる。
このスピードだと、水も凶器だ!!

『違うな、俺は異能を三つ持っている……“トリプル”なんだよ…』

イレイス >  
どうする!? どう出る!? どう戦う!?
ただでさえ厄介な異能を三つ持ってるなんて、反則くせぇ!!
でも……戦闘型の異能しか持ってねーなら、その歪み方もわかるってもんだぜ!!

機動力を生かして戦うも、一人や二人の業骨を倒したところで一切、影響はないらしい。
攻勢に出てもすぐパワーと水塊に押し切られてしまう。

『異能を三つ全部使うのは疲れるんだぜ……早く死んでくれや』

そう業骨海造が笑うと、さっきまで怖気づいていた業骨の仲間たちもヘラヘラと笑い始める。

クソッ、戦いづれぇ!!
後ろには……教会があるんだぞ!!

イレイス >  
『おいおい、まさか? お前……さっきから教会を庇ってるのか?』
『ダセぇなぁ………』

くっ、バレたか!?
もうこれだけの事件になって明日の結婚式があるかはわからねぇが……
それでも、教会だけは破壊されたくねぇ!!

『どうしてそんなに必死になる? てめぇにゃ関係ねぇだろうが』

業骨の問いに、肩で息をし、センサーのレッドアラートを無視しながら答える。

「……教会ってのはな…幸せの思い出がたくさん蓄積された場所なんだ…」
「お前みてーなクズが!! ノリと勢いだけで壊していい場所じゃねーんだよ!!」

足に意志の力を伝えて、真っ直ぐに立つ。

『じゃあ教会もろともぶっ壊れろ!!』

大勢の業骨海造が掌をこちらに向け、水塊を放っ―――――

ご案内:「常世教会」に佐藤重斗さんが現れました。
佐藤重斗 > 深夜、なかなか寝付けなかった俺は散歩をしていた。
最近は風紀委員の仕事の影響であまり夜寝れていない…。

「風紀委員はブラック~♪風紀委員はブラック~♪」

お?変な歌を歌っていたら教会の方に来てしまったらしい。
明日結婚式らしいし、拝見させてもらおうかな…。

「……ん?」

なんだ…?
怪しい集団が怪しい人と喧嘩してる……?

ふ ざ け ん な よ 、この野郎!教会の近くでやんなや!
協会壊されたら仕事が増えるんだよ!!

「おい!このクズども!直ちに戦闘行為を停止しろ!」

言葉と同時に愛銃のコンテンダーを発砲。
協会を破壊しようとした不届き者の足元を狙い、注意を引こうとする。

イレイス >  
強大な威力の銃撃が業骨たちの足元を穿つ。
その時に気勢を殺がれたのか、こちらに向けて撃たれた水塊は四発だけだった。

剛大剣イレイスブレイドを咄嗟に抜き、斥力フィールドを発生させて水塊を防ぐ。バリアってやつだ。

「お、おい」

割って入ったのは、佐藤くんだ!?
しかし、そう呼んで自分が竹村だとバレるのはまずい!!

「少年、いいから逃げろ!! あいつは……」

クソッ、メンテ中で強化人口筋肉が正常に動作するかわかんねぇが。
人間相手だが、使うしかねぇ……ディザスターフォームを!!

腕時計型強化アイテムを慌てて装着している間に。
業骨が三人ほど、佐藤くんに駆け寄っていった!!

『おい、何だてめぇ……邪魔すんのかコラ!!』

やばい! 拳を振り上げ、業骨が佐藤くんに襲い掛かる!!

佐藤重斗 > 風紀委員に見つかったと知れば逃げるかなぁと思っていたが、だめらしい。
激高して襲いかかってきた男は三人。

落ち着け。油断をするな。
自分は凡人だということを心に刻みつけろ。

一撃目。単調な右拳を体を投げ出して回避する。
二撃目。そのまま地面を転がり何とか逃げ出す。
三撃目。立ち上がった所を水弾に吹き飛ばされる。

「がっ!!…………いてぇなおい!」

咄嗟にコンテンダーを発砲し威力を減らしていなければ危なかった…。
速いし重いし強い。正直言ってクソゲー。
話しかけなきゃ良かった…。

「こんなもんか?全然余裕だな…!」

先程、逃げろと叫んだ緑の男。きっといい奴なんだろう。
…ていうか、此方側じゃないと死ぬ。

注意を引き付けるために叫ぶ。
何とか時間を稼ぎ、逆転の目を…!

イレイス >  
『クソガキが……てめぇから死ね!!』

佐藤の余裕の発言に苛立った業骨が、満身創痍の俺を無視して彼に襲い掛かる。
この隙さえあれば。
後は、正常に動作してくれるだけなんだがな。

俺は腕時計型強化アイテム、エクスタイマーのスイッチを押した。
Disaster on!!という機械音声が鳴り響いた。

全身の装甲が極光に包まれて黒緑のものへと入れ替わっていく。
その内側に強化人口筋肉がはちきれんばかりに満ちて。

「うおおおおおおおおおおぉ!! ディザスターフォームで勝負だ!!」

叫んで一気呵成に前に出る。
オリハルコン製の装甲と、選別された人口筋肉は水塊弾を全く寄せ付けない。

7、8人程度の業骨の分身を叩きのめして雲散霧消させる。
その勢いのまま、一番奥の……本体と思われる業骨海造に近づく。

「少年! 気をつけろ、まだ悪党は戦える!!」

できる限り大きな声で、業骨一行の注意をひきつけた。
ディザスターフォームの一撃は重い。
下手すれば、業骨を殺害してしまうかも知れない。

できれば、佐藤くんの働きにも期待したいが…

佐藤重斗 > 良かった…良かったよ~!
緑の人、良い人だった!今は黒いけど!

黒い人の言葉に注意を引かれ、動きが止まった分身男たちに狙いを定める。
意識の隙間を刺すように。正々堂々なんて柄じゃない。
だから、この一瞬で…!

「ふっ………!!」

コンテンダーに入っている銃弾で一発。
空中に投げた銃弾を入れ、即座にもう一発。
対物ライフルに匹敵する凶弾は二人の男を吹き飛ばし消滅させる。

できた!できた!!できた!!!
練習して練習して、やっとできるようになった早撃ち。
本番でも役に立った!

あそこまでパワーアップした黒い人。敵はその対処に追われているはず。
俺という弱者は相手にされず、時々飛んでくる流れ弾を回避するばかり。

そうだ。せいぜい油断しろ。こちらを見るな。
魔力を銃に通し、三秒間溜め続ける。
静かに、静かに、決して気づかれぬよう。

さあ、いけ!足を動かせ!
あの人が奥の手を出した様に、俺も奥の手を切る時だ…!

イレイス >  
曲撃ち? いや、見事な速射術だ。
佐藤くん、やるじゃないか。
撃たれた分身は塵も残さず消えてしまう。

「いいぞ、少年!!」

散開していた分身がいなくなると、教会を守りながら戦うのはそんなに難しくはない。
あとは……どうやって業骨を捕まえるか、だ。

『く、くそ……』

異能の過度な使用で疲労の色が濃い業骨の、分身と思われるものを両手で無造作に払うように一掃していく。
つまり、ディザスターフォームの人を振り払う動作はそれだけの威力があるわけで。
俺としてはいくら異能犯罪者でも、それで殺したくはない。

最後に残った業骨に殴りかかる。

「………っ!!」

驚きに目を見開いていた業骨を俺は……殴れ、ない。
殴れば相手が近接強化系でも、血と肉を地面にばら撒いてしまうだろう。
メンテナンス中で強化人口筋肉の微調整が上手くいかないのもマズい。
寸止めしたまま硬直していた俺を、業骨は蹴り飛ばした。

『甘いんだよ、バカが!!』