2020/07/04 のログ
ご案内:「学生街(大通り)」に因幡幸子さんが現れました。
ご案内:「学生街(大通り)」に紫陽花 剱菊さんが現れました。
因幡幸子 > 前期試験前の学生街なんてもんはそりゃあ戦場宛らです。戦場、ゲームでしか知りませんけど。
右を向けば独り言をぶつくさ呟くノイローゼ気味の男子生徒が居て
左を向けば全てを諦めたかのような菩薩が如き顔の女子生徒が居ます。
私はと言うと、なんと!ロケット研究会の勧誘活動に勤しんでおります!!

「やあやあ遠からん者は音に聞き、近くば寄って目にも見よ!」
「これなる三千六道九重に飾る花道詣、阻みて天の八衢通ひ路鳴らすは泣く子も笑うロケット研究会~!」

というのも、この島。部活動とか委員会活動に入ると単位が有利だったり、場合によってはお金が出たりします。
それはこの島が学園主体であるからの何よりの証左であって、自活している私にとってお金は大事です。
この研究会がおこん先生のポケットマネーで活動している弱小だとしても、おこん先生ならお小遣いくれないかな~~??
くらいの純粋な動機で活動しております。

「遠き鮮やか近くに美麗!けれどもしかして進みが過ぎて御覧ぜば、焼いて焦がれて駿馬の夢も見れましょう!」
「はい!なんと!今!部員を! 募 集 中 です!!!あとロケットクッキーも販売中でーす、あ!そこの貴方!どうですか!」

という訳で、本日は華のような笑顔に言葉を並べてチラシを配ったりクッキーを売ったりしています。
街頭販売の許可?顧問が多分取ってくれてます!なので生徒Aな私は通りすがる誰かにチラシを配ります!

紫陽花 剱菊 > そんな学生街をふらりと歩くのはくびれたコートを着た男。
学生諸兄は何やら試験期間とのことで、色々と大変なのが伺える。
各言う男は勤勉な男であり
公安の仕事の一環として、様々な情報を収集中。
その収集方法たるや、『耳に入って送る声を覚えて記しておく』
なんていう聖徳太子方法。傍から見れば、歩きながらメモとってる変なおっさんがいるように見える。

「…………ん。」

そんな通りすがりの目の前に偶然、チラシが言ったのはある意味必然だったかもしれない。
目の前のチラシを一瞥し、少女と交互に視線を移す。

「……失礼。此れは……如何様な号外か?」

因幡幸子 > 暗い顔した女子生徒!シカトされました!
機嫌良さそうな男子生徒!ヤベーもん見るような顔されました!
鼻歌を諳んじながら歩く埴輪!快くチラシを受け取って貰えました!……いや今の何?
ともあれこもあれ、ロケット研究会の一員としての活動をしていると、妙な事を言われました。
くるくると忙しなく動いていた所為か、手指と体幹に遅れて視線がその声の主に向きます。
其処には、気難しそうな男性がおりました。

「あ、これはですねえ。ロケット研究会の勧誘活動です!主な目的は常世島からロケットを打ち上げ、月まで到達することですね!」

ともあれ、チャンスです。彼の手を取ってその手にチラシをそっと忍ばせます。

「荒唐無稽かもしれませんが、千里の道も一歩から。とはこの世界でも申しますもので」
「……如何ですかね。ロケット研究会。興味がおありでしたら詳しく御話などしますけれど!」

耳を左右にゆらゆらとしながらに、真っ赤なお目目で上目遣い。ついでにウィンクもばちこーん!とキメてお話モードです!

紫陽花 剱菊 > どうも、気難しそうな男性です。
実際不愛想な仏頂面。
気難しい所か、岩よりも堅い堅物と見られてもおかしくはない。

「ろけっと。」

復唱。なんかイントネーションが色々怪しい。
そう言えば、傾けた言葉の中にその様な事を言っていたような気がした。
この明るい声、成る程。合点が行く。

「ろけっと……と言うものが如何様なものか存じ上げぬが……。」

「夢を追い求める姿勢は大変好感が持てる。然るに、月、か……。」

「私の世界の月には何もなかったが……此方の世界は如何なのだろうか?」

男は静かに青空を一瞥した。
青空に溶け込む真っ白な月、日のある今は目立たぬもの。
男の口ぶりは、さながら月に言った事が在るものだった。

因幡幸子 > 「はい、ロケットです!」

長い風雪に晒された岩のような、とまでは定かでは無いのですが、
中々の男伊達な男性の口から、その容貌からは些か不釣り合いな抑揚の言葉が漏れました。
すかさず復唱する私ですが、同時に首をかたりと傾いでしまいます。
そしてその懸念は見事に的中するのです!

「なんとロケットを御存じ無──い可能性もそりゃありましたね。ええと、この世界の方ではない。のでしょうか」
「ともあれ、ロケットとは簡単に言うなら~空を飛ぶ装置、道具です。それに乗り込み月を目指す。が目的になります」
「夢、よく見るもので叶えるものではない。なんて言う方もいらっしゃいますけど」
「私も異世界からすっ飛んで来たもんでして、一度そんな夢みたいな事があったなら2回目があってもいいかな~と!」
「で、月には何かって言いますと、此方の世界はロクに月に至ってはいないみたいです」
「というのも、ああ、これも本で読んだだけなんですけどね」
「なんでも過去にあった《大変容》なる事件の一つに『かがやく月の宮」なるものがあったそうで──」

かがやける月の宮。学術的区分で"物語型"とされる月からの怪異。
詳しい記録は判らないのですが、少なくとも月に至る手が頼りない一因じゃあないかと勝手に考えております。
私はそういった旨を男性に告げ、タイミング的には大分遅れてもう一度首を傾げました。

「……月、行った事あるんです?」

空を見上げる彼を視る。恐らく科学技術がそう発達していない世界から来た彼が、如何にして月へ?と
口程に物を言う眼が見つめておりました。