2020/07/06 のログ
紫陽花 剱菊 > 「──────……。」

白日の下に晒すのが全てでは無く、平和で在れば其れでも良い。
それで人々の、太平の世が守れるのであれば其れでも良い、と。
あの世界にいた時分はただひたすらに修羅となっていた。
善悪も無く、ひたすらに斬り伏せ、公安の刃と成った今
人々の目に太平の世を揺るがしかねない者を陰ながら裁く。
意志ではなく、漫然とした宿命である。
なればこそ、在る事に迷いが生じていた。

「……ふ、確かに……。」

毒で在ったら、それは困る。
噴き出す様に、はにかんだ。
成る程、それで守る事になるならば、一つばかり決心はついた。

「────いや、忝い。幸子殿、些か整理がついた。」

万全とは言わない。一つ、本人から確かめねばならない。
だが、一つ覚悟は付いた。
"斬る覚悟"。決して彼女には、言えはしまい。

「……否、大丈夫だ。幸子は良い子だ。きっと、将来は良き妻に成れるとも。」

女性の幸せと言えばそう言うものだと思っている。
誉め言葉だ。番号が交換完了すれば、端末をしまった。

「……如何様な用であっても、困り事であれば何時でも……。」

すぐに駆け付ける。
真面目に言うのは良いが、モンブランとか多数のクレープに囲まれてて言ってる些か説得力に欠けている。

「……あ、失礼。てぃらみすとやらも……」

……いや、まだ食うんかい。
当分は此処に縛られそうだ。糖分だけに。




御後がよろしいようで!(了)

因幡幸子 > 生真面目な彼に、生真面目に礼を言われ、生真面目ならざる破顔を見て釣られて笑ってしまいました。

「いやいやそんな改まっておっしゃらずとも!ただの例え話ですし」
「ただ、良く解りませんけど、何かしらの一助に成れたなら幸いですね」
「ロケット研究会の因幡幸子を今後とも宜しく──って妻ですか!」

笑って、次にちょっとだけ困りました。妻、誰かの奥さん。
ふむ、と頬に指を添えて考えて未来の旦那様を想起する。
う~ん、出来ればお目目は赤くて、ロップイヤーで、笑顔の素敵な人がいいですかね!

「案外お月さまにいたりしませんかね。素敵な彼氏~……」

頬杖をついて溜息。困りごとがあればいつでもと仰る紫陽花さんを一瞥す。
そうして彼にロップイヤーが生えた様子を想像しかかり、次には言葉が迷子。

「あ、私は普通のウーロン茶で……」

健啖家ぶりを見せつけられる午後。カロリー無視の暴虐三昧に、甘味を前に苦くあるばかり。

ご案内:「学生街(大通り)」から因幡幸子さんが去りました。
ご案内:「学生街(大通り)」から紫陽花 剱菊さんが去りました。