2020/11/24 のログ
ご案内:「常世学園付属総合病院 VIP個室」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 >
規則正しい点滴の音で、目が覚めた。
ぼんやりと視界を巡らせば――其処は、見慣れた天井だった。
「……ひい、ふう、みい。今年で四回目かな。此処で目が覚めるのは」
よいしょ、と身を起こしかけて、身体に奔る鈍痛に顔を顰める。
前回のディープブルーとの戦いよりは幾分軽傷ではあるようだが、それでも重傷は重傷だ。
とはいえ、どんな怪我を負ってもきちんと治して前線に復帰させてくれるのだから、つくづく常世の医学というのは凄まじい。
「………しかし、今回は。今回の件は、色々堪えたな。
…いや、まだ終わった訳じゃ無いか。後始末とか、色々、あるし」
小さく溜息を吐き出すと、のろのろと身を起こす。
部屋の主が目覚めた事を検知したのか、大きな窓を覆っていたカーテンが自動で開いた。
穏やかな初冬の陽光が、部屋に降り注ぐ。
ご案内:「常世学園付属総合病院 VIP個室」に鎗次飛車丸さんが現れました。
■鎗次飛車丸 > コンコン
『神代さーん おはよーございまーす 起きていますかー?』
VIP個室に備え付けられた数々のセンサーにより部屋の患者が目覚めたのを感知している。
その報せに朝の検温やら色々と行う事のお手伝い(意味)に看護師が個室の外からノックしている。
■神代理央 >
ノックの音に、億劫そうに扉に視線を向け、次いで時計に視線を向けて。
最後に己に繋がれた機器へと視線を巡らせた後、準備の良い事だと内心苦笑い。
「……ええ。起きています…というより、今目が覚めたところです。
特に不都合などありませんので、検診でしたらどうぞお入り下さい」
扉の向こうへ声を投げかけて。
医師か看護師が検診にでも来たのだろうかと思考を巡らせながら、声の主を部屋へと招き入れるだろうか。
■鎗次飛車丸 > にこにこーと患者に不安を持たせないような笑顔を振りまきながら
やけにテンションの上がった看護師が色々な医療器具の入った台車を押しながら入ってきた。
「おはよーございまーす、本日午前中担当の『井上』です。
朝の検診に来ました。採血もありますけど針は苦手でしたっけ?」
ガラガラとなる台車は室内に入ってからは床が高性能なおかげか静かに収まり
的確な定位置にぴたぁと止まって、『井上』と名乗った看護師は
無駄のない動きで神代へと朝の挨拶と自己紹介、朝の検診として検温、採血、機器の調整等を説明していく。
「まずは、こちらぁ おでこを拝借」
非接触型の検温計を手に取るとにこにこーと神代へと近づく。
■神代理央 >
井上、と名乗る看護師。妙にテンションが高いな、とか。
こんな看護師居たかな、とか。
思わなくも無いのだが――何せ、大怪我の後目覚めたばかり。
「おはようございます。
入院は慣れたものですから。今更子供の様に針が苦手などと言いませんよ」
まあ、年齢的には十分子供の部類に入るのだが。
針が怖い云々等、前線に立つ風紀委員として怖がってなどいられないし。
「…ええ、どうぞ。此の躰ですので余り身動きは出来ませんから、検診はお任せしますので」
身体にぐるぐると巻かれた包帯を見下ろして小さく苦笑した後。
検温計を手に近付いていく看護師を、特に拒絶する事も無く。
ん、と素直に額を前に突き出すのだろうか。
■鎗次飛車丸 > 無論 本物の『井上』という看護師は今頃病院の倉庫の一室ですやすや寝ている。
その『井上』看護師に上手く化けられた正体不明の何者かは至って
真面目にテンションは高めだが検診を始めてしまう。
「入院は何回目ですか? あまりするものではないですよ!?
出来るだけ、出来るだけ痛くしませんからね!!では早速。」
入院患者の怪我の原因や重傷度、立場などの個人情報は医療用タブレットに記載されている。
数秒で体温を測れる検温計がぴっと鳴りそれを見ながら
「あー、平熱ですね 6度4分、36.4と。熱が下がってよかったですね?」
看護師は前かがみになって彼の前にいたかと思うと検温計を台車の上に置き
順調に血圧や口を開いて貰い喉奥をライトを少し入れて見たり、採血等を施していく。
「すこーし ちくっとしますよー?意外と痛がらないんですね、
おねーさん 感心感心。」
アルコールで消毒をしてから彼の包帯の隙間から伸びている採血用の器具に接続をして採血しだす。
ちくっとするのは元々腕に刺さっている針を少し動かすから痛いのです。
でも痛がるそぶりを見せない彼の顔を見て テンションの高い看護師は少し感心するそぶりを見せ。
■神代理央 >
「今年度に限って言えば、これで三回目か四回目、ですかね。
もう、良く覚えていませんが」
己とて、そうそう何度も入院したい訳でも無いのだが。
彼女の言葉には苦笑いと共に緩く首を振ると、其の侭大人しく検診を受け続けているだろうか。
「……事後の経過が順調そうで何よりです。
相変わらず、此の病院の技術は目を見張るものがありますね」
負傷度合いを考えれば、既に熱が下がりこうして会話出来ているだけでも此の病院の技術の優秀さは理解出来る。
まだ少し、身体が重たく感じているのは単に血が足りないだけだろう。
早く退院して仕事を片付けたいものだ、とぼんやり思考を煙らせていて。
「……此処に運ばれた時は、刀が背中から刺さっていましたからね。
注射針程度で痛がっていては、風紀委員など務まりませんから」
感心した様な素振りの彼女に、小さく笑う。
まあ確かに、普通は痛がるものだよなあ、と思わなくもないが故に。
■鎗次飛車丸 > 「入院しすぎです。私が言うのもなんですがお体を大切に、ですよ!」
ちょっともう体を大切に労わって下さいよ!
看護師という立場をちょっと利用して彼に小言をかけてしまう。
心配そうにしながらも 怒ってますよぷんぷんとばかりに頬を膨らませて小動物のよーになってしまう。
けれども順調に検診は行って医療用タブレットの空欄は埋まりつつある。
「ここの病院技術は素晴らしいものがありますよ!
治せないものはないのではと思うくらいの技術の高さを持つ先生たちが揃ってますし!
その下で働く私たち看護師も先生たちに負けないように頑張るんです!」
あ、テンション復活した。
ぐぐっと握りこぶしを作ってこうしていられないぞおーと力みだす。
彼の重傷度は酷い方とは言え長くも短くもない筈。血が足りなければ
最悪輸血ではとタブレット数値は悪くないので輸血は不要と見た。
「風紀委員ってそんな危ない事をしちゃうんですか?怖いですね!…はい、終わりです」
最後、採血を終わると器具から採血ボトルを抜き取り消毒などをし綺麗な包帯を巻きなおして終わらせてしまう。
ちゃぷちゃぷと小さなボトルに入った彼の血液を揺らしてから所定の位置に置き
「よく食べてよく寝て下さい。井上おねーさん看護師からの小言ですよ!次の検診は1時間後に来ますからね。」
■神代理央 >
「良く言われますよ。と言っても、仕事柄どうしても負傷しがちなものですから。
多少の検査入院くらいは、勘弁して欲しいものですね」
身体を労われ、と頬を膨らませる彼女に、苦笑い気味にこくりと小さく頷いた。
しかし、どうにもテンションの高い…というか、喜怒哀楽の激しい看護師だ。
別にそれが悪いという訳では無いのだが、こんな看護師いたかな、という疑念は目覚め始めた思考の中で燻り始める。
「……あー…えーと。そうですね。医療技術に誇りを持っていただく事は素晴らしい事です。
私も、微力ながら応援していますよ」
何せ、VIP個室の患者ともなれば病院に落とす金もそれなり。
入院費で応援、という訳でも無いのだが、まあ太客だと自負するくらいは許されるだろう。
拳をにぎり、まるで子供の様に力む彼女を笑顔と共に眺めながら――やはり、疑念が燻る。
燻るだけで、何がどうこうという訳では無いのだが。検診はしっかりしていてくれるのだし。
「全ての風紀委員がそうである、という訳ではありませんけどね。
まあ、違反部活生との戦いに赴く者は、そうなりがちというだけの事です。
……ああ、有難う御座いました。包帯も変えて頂いたので、大分すっきりしましたよ」
と、検診を終えた彼女に礼を告げて。
一時間後にまた来るという彼女に頷いた後、ふと、思い出した様に。
「……そういえば、井上さん。神名火先生は御元気ですか?
以前入院した時、色々と御世話になったのですが」
■鎗次飛車丸 > 「風紀委員は怖い怖いですねえ。負傷しすぎなのでは。
あまりに高額になっちゃうなら医療制度活用するのも手ですよ
お得です。 何がいいとかはおねーさんちょっと分からないんですけど…」
テンションの高さは変化ではどうにもならなかった模様で
喜怒哀楽の激しさは折り紙付き過ぎて酷い代物。それが冷静沈着な看護師が揃う病院内でテンション高めなのだから怪しまれても仕方がない。
(さてはばれたか!?長居は無用だね♪)
やる事は真面目にやりました。これで身代わりにされた本物の看護師さんも周りから怒られないよよかったね!
ちょっととある風紀委員の容態を探って来いというお仕事を貰ってからやって来たから不安もあったけれど!
「風紀委員の入院がちょくちょくみられるので怖い怖い。
いえいえー…神名火先生?私この前異動してきたばかりなのでちょっと分からないかなー?
じゃあ また来ますねー お大事にー…」
等と尻切れトンボのよーに言葉を濁しながらにこにこ看護師に化けた何者かは特別個室を後にしていく。
数分後慌てた様に本物の看護師が個室にやってきてすべてが終わっていた事に首を傾げたりしたとか。
化けた何者かの行方は―分からない。
ご案内:「常世学園付属総合病院 VIP個室」から鎗次飛車丸さんが去りました。