2020/11/28 のログ
ご案内:「常世学園付属常世総合病院 VIP個室」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 >
さて、今日からリハビリも始まり身体も動く様になってきた。
今回も相変わらず重傷ではあったが、流石は常世総合病院の治療技術というべきか。
とはいえ、余り短期間に重傷を負い過ぎるのも宜しくは無いのだが。
「……しかし…リハビリって…思ったより…つかれるな…」
元々己の体力が低い事も相まって。
リハビリはその内容より単純に体力的な問題で辛い。
とはいえ、それを認めるのも癪なので、リハビリの内容が辛い事にしておくのだが。
ベッドの上で一息入れて。くぴくぴと冷や水を飲みながら溜息。
■神代理央 >
とはいえ、ぼんやりとベッドで黄昏れている暇もない。
己が入院している間、所在の無い特務広報部の面々。
元違反部活生達の集まりである彼等には、己の庇護と生活の糧が必要だった。
公安委員会からの訓告に風紀委員会が応じた以上、落第街で住民を巻き込んだ大規模な活動は行い難くなった。
打てる手としては、やはり違反組織への対応に搾った攻勢組織としての立ち位置になるだろうが――
「……それだと、今迄の儘、なのかなあ」
昨日、見舞いに訪れた風紀委員の先輩である女性からの言葉。
今迄と同じではいけない、というのは分かるのだが、それを一体どう変化させていけば良いのか。
悩みは、尽きない。
■神代理央 >
その時、鳴り響く部屋の内線。
珍しい事もあるものだ、と受話器を上げる。
此の部屋に内線をかけられる者は、そう多くは無い筈だが――
「……もしもし、神代ですが」
■神宮司蒼太朗 >
「やあ、神代君。元気してるぅ?」
受話器の先で響く、飼い犬の声。
相変わらず声変わり微妙に終わりました、みたいな声してるなあ。
「いやあ、こっちは今日で退院する事になってねー。
大変だったよお。VIP個室居心地良いから延長してたんだけどさぁ」
「公安から御叱りの電話かかってくるし、事後処理の書類全部こっちに回ってくるし。
折角美人な看護師と色々お楽しみだと思ってたのにもー」
■神代理央 >
何というか、脱力してしまった。
予想外に何時も通りな、己の上司の声。
退院というくらいだからそりゃあ元気なんだろうが、本当にこの人は何時もと変わらない。
「御無沙汰してます。今回の件では、色々と御迷惑をおかけしました。
退院してから、改めて謝罪に御伺いしようと思っていたのですが」
■神宮司蒼太朗 >
「謝罪?ああ、いらないいらない。公安からの訓告に従ったのは僕の判断だし、其処に君の意思が介在するところはなかった。
サラリーマン…とはまあ違うけど、宮仕えはおとなしく上の判断に従ってればいいんだよぉ」
律義なのか、未だに僕に色々な後ろめたさを持っているのかは知らないけど。
何というか、生き辛そうな性格してるよなあ、とのほほんと思う。
もう少しこう何というか…欲望の儘に生きても良いとは思うんだけど。
「僕も君も、まあそこまで上手くやれなかった。
今回の件はそれでおしまい。其処に何か不満があるのかな」
■神代理央 >
少し、意外だった。
もう少し己の不甲斐なさを責め立ててくるかと思っていたが、何というか、達観している様な口調と声色。
「……御配慮、痛み入ります。
しかし、私に処罰が無いというのは問題ではないでしょうか。
特務広報部は現在活動停止になっていますが、実質的に私の復帰と共に活動再開が可能です」
少し考え込んだ後、気になっていた事を一つ。
彼は、水無月沙羅の一件でも此方の意を汲んで真犯人を秘匿し、それまでも色々と配慮してくれてはいた。
だからこそ、此方も或る程度従順に従っていたのだが。
「綱紀粛正を図るは組織の務めです。
何かしらの罰なり査問なりが、必要では無いのですか?」
■神宮司蒼太朗 >
「何の罪で?」
ぼすぅ、とベッドに身を預ければ、めっちゃベッドが沈む。
柔らかいなーマットまじ柔らかいなー。
「君は私の指示に従い、風紀委員会の公式な任務を果たしていた。
公安からの訓告は、あくまで"やり過ぎ"ということだ。
君は、特段常世学園の校則を破った訳では無い。
特務広報部が、君の私利私欲で動いていたなら話は別だけどねえ」
と、お題目を並べてはいるがとどのつまり。
「ま、ようするに。
君を罰すると、君に指示を出した面々も危ないってこと。
勿論、僕も含めてねえ。
しかし、主流派ではないとはいえ風紀委員会の『過激派』の面々は無視できない政治力を発揮している。
というか、僕がそうなるように仕向けている。
だからまあ、その辺は適当に処理しておけばいいのさー」
そろそろ看護師プレイも飽きて来たしな…。
次はこっちが医者とか…いや、美人女医に…。
「信賞必罰は大事だけどね。正直、君に明確な罰を与えないことが一番の罰だとも思うし。
暫く後ろ指さされながら。有象無象の連中の妄言に悩まされながら。
それでも君は、風紀委員として立たねばならない。
だって君は――」
もぞもぞとお土産の中から取り出した饅頭。
…なんでお土産に饅頭、とか考えない。
「だって君は『鉄火の支配者』なんだから。
君が屠り続けた落第街の塵共が、そう簡単に君に贖罪の機会を与えるかなあ」
「君はこれからも、風紀委員の憎まれ者でいなきゃ駄目だよぉ。
中からも外からも、まあ精々嫌われてもらってね!」
■神宮司蒼太朗 >
「………って、似た様な事をいった人もいたんじゃないかな。
君、なんだかんだ人付き合い良い方だしねえ。
ああ羨ましい。特務広報部の女子隊員、一人くらい分けてくれても良いんだよ?」
と、冗談で締め括って饅頭を頬張る。
……なに、この…なに…?
あんこかと思ったら…こう…後からグレープフルーツの味がする…。
■神代理央 >
「……今度、神宮司さんの行きつけの店で豪遊してあげましょうか。
お気に入りの子、全員札束で叩けば靡きますかね?」
彼の言葉を黙って聞いていたのだが。
まあ、納得出来る様な出来ない様な。理解は出来るけれども。
とはいえ、冗談で締め括られた言葉には、小さな苦笑いと共に此方も軽口で返すのだろうか。
「…しかしそうなると。特務広報部の存在意義が宙に浮きます。
今後、神宮司さん…もとい、私達の派閥の望む動きが取れなくなるとしたら。
特務広報部は、そもそも必要なのでしょうか」
此れは、確認をしておかなければならない。
あそこにはまだ、己の部下達がいる。
『表』で暮らさせてやると、約束した猟犬達がいる。
それを見捨てる訳には、いかないから。
■神宮司蒼太朗 >
「ああ、そうねえ。好きにすれば?」
グレープフルーツ饅頭……結論から言うと、不味くはなかった。
何というかこう…すっぱくて甘くて酸っぱいわ。
美味しいかと言われると、微妙なところだけれども。
「僕の直轄であることは変わらないし、公表する活動内容にも変化は無い。
つまりは、完全なフリーハンド。今、特務広報部に関わりたい風紀委員もいないだろうし…」
「いいよぉ、好きにして。君が思うままにすればいい。
でもやりすぎだけは勘弁してね!僕も卒業後の進路危うくしたくないから、マジで」
念押ししとこ。まあ、何だかんだこいつは裏切らないだろうけど。
「おっと、それじゃあ僕そろそろ検診だから!
歓楽街のお店行くときは誘ってねえ。君の驕りなら何時間でもいるからさあ」
と、言いたい事だけ言い切って。
よいしょ、とお腹を揺らして受話器を置いた。
■神代理央 >
「……言いたい事だけ言って切った…」
ぽかん、としながら受話器を置く。
まあ、取り敢えず。
部下達の事は心配なさそうだ。
「…となると、やはり何時までも入院している訳にはいかないな。
訓練もしてやらないといけないし、書類も揃えてやらないし…」
よし、と気合を入れ直す。
リハビリもまあ…程々に、頑張ろう。
■神代理央 >
そうして、決意を新たにしたところで。
先ずは甘味で小腹を満たそうと内線に手を伸ばしかけて。
検診に訪れた看護師に、めっ、とされる事になってしまうのだった。
ご案内:「常世学園付属常世総合病院 VIP個室」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「常世学園付属常世総合病院 VIP個室」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 >
さて、手際よく退院への準備も進み、週明けからは委員会に出席出来る運びとなった。
入院が多く、遅れが出ている講義などもある為、年末年始は少し忙しくなるだろうか。
学園祭については、特に仕事で関わる事は無いとは思うのだが。
「…まあ何にせよ。早いとこ仕事に戻らねばなるまいしな」
特務広報部の面々の事。
違反部活に対する対応が、その後どうなっているのか。
情報が入りにくい此の場所に引き籠るのは、精神衛生上宜しくない。
喫煙の許可は下りなかったが、禁煙パイポの様な物は構わないとの事だった。
一番甘いフレーバーの物を選んで蒸かしてみたが――どうにも、気に食わない。
やはり、火を付けてニコチンを摂取するというのは大事な事なんだな、と思うばかり。
ご案内:「常世学園付属常世総合病院 VIP個室」に日下 葵さんが現れました。
■日下 葵 > コンコンコン。
ノックを3回すれば、特別断ることなく扉を開けた。
「はーい、失礼しますよ。
この場所で神代君と会うのも二回目ですねえ」
どうやらまた入院したらしい。
いい加減にしろ、なんて思ったりもするが、
とりあえずいつも通りのヘラヘラした様子で同僚の様子を見てみよう。
流石に以前見舞いに来たというのもあって、
腰のナイフについてあれこれ言われることもなかった。
「さて、そろそろ片手で入院の回数を数えるのが厳しくなってくるころだと思いますが、
調子はどうです?」>
■神代理央 >
部屋に響くノックの音。
此方も来訪者を一々確認する事は無い。
この個室に通される、というだけで、既に病院の厳重なチェックを潜り抜けた後であり、来訪者の氏名諸々も備え付けのタブレットに送信されている。
「こんにちは、日下先輩。
そうですね。前回は随分なお見舞いの品を頂きましたけど」
小さく肩を竦めつつ、ベッドの上で彼女を出迎えようか。
因みに、特務広報部の人斬りの少女も鉢植えのお見舞いを持ってきたりしていたので、彼女を当てこする様な言葉も冗談交じりの軽口、という色が強い。
「今回はまあ、重症ではありましたが逆を言えばそれだけなので。
というか、スタッフの面々が私の治療に慣れてきている、というのもあるのでしょうね。
明日には退院して、明後日からは職務に戻る予定ですよ」
■日下 葵 > 「残念ながら今回は見舞品はなしです。これからお仕事ですから」
誰にとっての残念なのかは言わずもがな。
今回は仕事の合間を縫って立ち寄っただけなので、
気の利いたものは何もない。
「へえ?私以外にもこういうのを送ってくる人が居るんですねえ?」
随分なお見舞い、なんて評されたが、棚に置いてある鉢植えを見て首を傾げた。
私が午時葵を持ってきたのは前の入院の時。
つまりこの鉢植えは他の誰かから送られたものということになるが、
それが自分のペットのペットが持ってきたなんてことは知る由もない。
「別にいつ退院して、いつから現場に復帰するとかはどうでもいいです。
でもその”死ななきゃオッケー”みたいな考え方、
改めたほうが良いですよ」
彼の言葉に、少し釘を刺した。
決して冗談とか、そう言う雰囲気はない>
■神代理央 >
「別に其処まで横着しませんとも。入院生活は退屈ですから、来て頂いただけでもありがたいですよ」
小さく苦笑いを浮かべながら肩を竦める。
「まあ、恨みつらみをあちらこちらで買いこんでいるもので。
持ってきた奴も、他の誰かに頼まれたとか言っていましたから」
彼女が視線を向けた鉢植えを此方も一瞥した後、苦笑いの儘小さな溜息。
とはいえ、前回彼女が持ち込んだ様に植えてある植物にまで凝っている、という事は無く。
何処にでもある様な鉢植えに、何処にでも売っている様な花が咲いている。土が湿っているので、水をやったのだろう、という事が分かるだろうか。
まあ己としても、よもや強引に引き入れた人斬りの少女が、眼前の彼女のペット、だなんて思いもしないのだが。
「……それ、先輩に言われるとは思っていませんでしたよ。
御互い、危険な任務に赴く事が多い立場ですし。
死ななければおっけー、というのは、割と共通認識だと思っていたのですが」
ぱちくり、と瞳を瞬かせた後。
此方も鉢植えを眺めた彼女と同じ様に、首を傾げて見せるのだろうか。
■日下 葵 > 「毎日凝りもせずに仕事漬けの人が『退屈』なんて言っても、
あまり信用なりませんけどねえ?
おや、ついにはこんなちゃちな嫌がらせを受けるくらいには嫌われましたか。
手に余る買い物はするもんじゃないですよ?」
どうやらこの鉢植えは嫌がらせの色が強いらしい。
いや、私が前回持ってきた鉢植えも嫌がらせだったけど。
あちこちで恨みつらみを買った結果がこの入院とは情けない。
なんて思うが、それを口にする事はなかった。
「一緒にされちゃ困りますよ。
私は死に難いし死なないようにとれる対策は全て講じていますからねえ。
確かに”死ななきゃオッケー”と思っている節はありますけど、
それ以前に”手を抜いて死ぬのは御免”と思っていますから」
遠回りに”お前の仕事は雑だ”と言っているのが、彼に伝わるだろうか。
口調こそいつものふざけた口調だが、
今日のしゃべり方には冗談の色がない。
さらに言えば、静かに怒っているようにも思えるほどだ>
■神代理央 >
「仕事にやりがいを深く感じている、と私が言っても余り説得力はないかもしれませんけどね。
…いやはや、全くです。とはいえ、恨みを買うのが仕事みたいなところもありましたから。今更気にしても、というところです」
ふう、とベッドに身を預ければ、仕方の無い事だというように再び肩を竦めるのだろう。
敵意を集め、風紀委員会の『強硬策』の諸悪の根源は己だと高らかに喧伝する様な仕事。
それを選んだのは自分なのだから、仕方ないのだ、とでも言わんばかりに。
「私も、特段死にたがっている訳でも、大怪我を負いたい訳でもありません。
まして、仕事に手を抜くなど、そんな事は微塵もありませんよ。
唯、必要ならば負傷に至る様な事に成る事を躊躇わない。それだけのことです」
手に持った禁煙パイポを、くるくると弄ぶ。
「…まあ、今回は公安委員会との戦闘でしたから、其処に至るまでの経緯をもっと考慮すべきだった、と言われれば何も言い返せませんけどね」
と、我が身への配慮が疎かだった事は素直に認めつつ。
怒りの感情が垣間見える彼女を、不思議そうに眺めているのだろうか。
一体何故、彼女はこんなに怒っているのだろうかと言わんばかりに。
■日下 葵 > 「こんな仕事にやりがいを感じてるのは、
恐らく表の世界の警邏をやってる人だけですよ。
はぁー……。
本当に書類仕事もしているのか疑いたくなるような発言で驚くばかりですよ」
今度は露骨にため息まで吐いた。
それくらい呆れているのだろう。
「最近どうやら暴れまわっているようですね。
恨みを買ったっていうのも暴れまわった結果適当な組織から狙われたか、
上か公安にでも目をつけられてのことでしょう。
何でしたっけ、特別広報課?特務広報課?
正式名称は覚えてませんけど、その組織で暴れてると聞きましたよ」
おおよそ事の経緯は報告書を読まなくても察しがついていた。
「何が目的の組織なのか知りませんけど、
ハッキリ言って風紀委員会にとって何かいい事あるんですか?」
バッサリだった。
私が怒っている理由はここだった。
つまるところ邪魔なのだ、特務広報課が。
うかつに制服を着て警邏なんてできないし、諜報活動もやりづらい>
■神代理央 > 「まあ、書類仕事は大した事していませんから。
最近ですよ。部下が増えて、書類が溜まり始めたのは」
今迄は、特務広報部と言えども己一人の部隊であったから、さして書類に追われる事も無かった。
しかし部下を抱えてからは、意外と追われる事も無きにしも非ず。
今は、活動休止中なので結果的に暇になってしまったが。
「特務広報部、です。まあ、別段覚えて貰わなくても大丈夫ですよ。
ええ、暴れていましたよ。落第街やスラムに高度な装備を持った隊員で突入。学生証や身分証を持たない住民を、島外や転移荒野の開拓村へ追放。
対違反部活ではなく、落第街への武装対応…言うなれば、難民への強硬部隊といったところでしたね」
「……風紀委員会にとってのメリット、ですか。
風紀委員会も一枚岩ではありませんから、私達の活動が利となる派閥もあれば、利とならない派閥もあった。
また、本来はもう少し時間をかけて。或いは、戦力を集めて行うべき策でしたけどね」
『風紀』を守るというよりは。
学生の集う筈のこの学園で『政治ごっこ』によって生まれた組織。
一概に、その功罪を評する事は少なくとも当事者であり、部隊の長である己にはし辛い事だと、訥々と告げるだろうか。