2021/01/30 のログ
ご案内:「常世総合病院・病室」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
『それじゃ、何かあったらナースコールで呼んでくださいね』
愛想よく笑顔でそう言って、ワゴンを押しながら個室から出てゆく看護師
はい、と簡潔な返事と小さな笑みを返して──独りになる
「ふう。…いたた……」
ベッドの上で姿勢を直そうとして顔をしかめる
痛み止めを打ってもらったばかりで、効いてくるにはまだかかるようだった
相変わらず体は殆ど動かせない
魔術医の施術も受けてはみたものの、
手足は特に物理的な損傷が酷いためにまずは手術が必要とのことだった
■伊都波 凛霞 >
「………」
白い天井を眺める
点滴の投与のおかげで体力は回復
鍛えた体だったことも幸いして、手術の日程も滞りなく決まった
手術が終われば、魔術治療をが開始されて…快復にはそうかからない…といいなと思う
「…とりあえず、手が動かせないと何もできないもんね」
ふう、と嘆息しながら独りごちる
報告書に書くべき事柄があまりにも多い
後輩である神代理央に重要事項だけは伝えたものの…
その時にはまだうまく喋れなかったこともあって、十全とは言い難かった
■伊都波 凛霞 >
そして、どうしても一つ…疑問が残った
──なぜ彼は、松葉雷覇は自分を生かしておいたのか
例えあの場で自分に話したことが虚偽だったとして、名前すらも偽りだったとしても、
かならず何かしら、そこから足はついてしまうものなのに
四肢を潰され、意識も完全に失っていた自分をあの場で始末するなどそれこそ簡単なコト
なのに彼はそれをしなかった
情報が多少伝わる程度は歯牙にもかからないということか、それとも…
以前の事件でその尻尾すら見せなかった人間とは思えなかった
なら、状況が変わった…もしくは目的の段階が進んだと見るべきなのだろう
「───……」
…彼に見せられた映像のことを思い出す
余りの情報の大きさと密度と重さに、脳裏に残っているのは断片程度ではあるけれど
彼が自分に接近した目的が、あの情報の再生であったなら
もしかしたら、自分の思う以上に彼の思惑は遠いところにあるのかもしれない
それこそ、犠牲を厭わないほど崇高…あるいは狂った場所に