2021/02/28 のログ
ご案内:「学生街・とあるマンション」に修世 光奈さんが現れました。
ご案内:「学生街・とあるマンション」にジェレミア・メアリーさんが現れました。
■修世 光奈 > バレンタインのお昼下がり。
周囲からは高級と評されるマンションの一室。
まだ真新しいフローリングが敷かれたリビングを、マグカップとハート型の…光奈の手のひらサイズの包装紙に包まれたチョコを持ちながらぺたぺたと部屋着で歩く光奈。
これもまた、二人で選んだテーブルや棚が綺麗に配置されている。
もちろん二人で座れるソファーや、テレビもしっかりと置かれていて。
「……大分見慣れてきたなー」
最初は、結構びくびくしながら生活していた新居も慣れてきた。
庶民代表とも言える光奈には中々慣れないことも多かったが…それ以上に、楽しかった。
毎日おかえりと行ってらっしゃいを言えたり、時間が合う日は一緒に家を出たり。
それに緊張することもあったけれど…最近は自然なこととして認識できるようになってきた。
今迄一部分しか見てこなかった彼の生活を、ほとんど独り占めできるのは…まあ、嬉しいところだ。
そして今日はバレンタイン。
もちろん、チョコレートは用意してある。
一緒に住んでいるからこそ、彼には作っていることもバレているだろうけれど。
それはもう仕方ない。しっかり渡そう。
「ミア。よいしょ、と。…はい、これ。…えっとー、ハッピーバレンタイン?」
バレているであろうモノを渡すのは中々気恥ずかしいけれど、いつもの感謝と…愛情を込めたスタンダードなチョコレートを手渡そうと。
バイト先から買ってきても良かったが、それはそれ。一応冷蔵庫にチョコケーキも用意してある。
それとは別に、自分の手で気持ちを伝えたかったのだ。
■ジェレミア・メアリー >
「…………」
本日は風紀の仕事はお休みだ。
現場から少し遠のいて、デスクの前で書類とにらみ合い。
先日の違反組織との交戦により影響は非常に大きく、自分の様な末端にも波及は及んでいる。
自分は現場から離れた場所の応援部隊の援護で終わったが、現場は中々凄惨なものだったようだ。
例の違反組織との結果は、"痛み分け"と言っていいだろう。
風紀委員も多数の負傷者を出し、違反組織の人間も取り逃してしまった。
大きな支障がある訳じゃないが、相手に立て直す隙を与えてしまっていると言っていいだろう。
「レイチェル先輩の頭痛が消えない訳だ」
今頃、盛りに盛られた書類と格闘しているに違いない。
自分は資料に目を通すだけだが、彼女はそうはいけないだろう。
はぁ、と辟易した溜息を吐けば不意に、愛しい声に呼ばれた気がする。
「ん……あ、光奈」
キャップを外し、軽く頭を揺らせば視線を彼女へと向けた。
すっかり資料の目通しに熱中していたから、忘れていた。
と言うより、未だ少し実感が薄い。彼女との同棲生活。
自分たちで決めたこととはいえ、普段ずっと一人で暮らしてきたから、未だに慣れていない。
いつも通り……とは、まだいかない。彼女を見て微笑んでみたけど、何処となくぎこちない。
そう、"恥ずかしい"。二人でいるからこそ、隠す気はないとはいえ、ありのままの自分を見られるのは。
「ごめんごめん、ちょっと集中してて……え、あー」
そうこう言ってる内に差し出された包装物。
その言葉からして、どういうものかは理解する。
碧眼が右往左往、気恥ずかしさに頬を掻いて、受け取った。
「ありが、とう?この島で始めて貰った、かな。開けていいかな?」
■修世 光奈 > 彼は仕事柄当然隠そうとはしているが、何かあったんだろうな、くらいは光奈にもわかる。
雰囲気がぴりぴりしているというか。
彼が酷く真面目だということも知っているから…別に嫌ではないけれど、心配にはなる。
「いーよ。それが仕事だもん。仕方ないよ」
くすくす笑い、手を伸ばして彼の頭にぽふ、と触れよう。
わかってるよと伝えるように、声には全く嫌悪や怒りは乗っていない。
むしろそれだけ集中できることにある種の尊敬を抱いているくらいだ。
「どーぞ。…小さめに作ったけど、手を抜いたわけじゃないからね?」
そう、今日はこれだけではないのだ。
バイト先のラ・ソレイユから買ってきたチョコケーキもある。
だから、彼の胃を考慮して手作りは少し小さめに。
けれど、愛情はたっぷりと。
丁寧に温度を測りながら湯煎。
ぴかぴかに洗った型で不純物が混じらないように気を付けて作ったもの
あまあまなものではなく、ビター寄りのチョコレートを固めて食べやすいように。
包装紙を解けばそれがハート型になって、彼の目の前に現れるだろう。
「って、嘘?ミア、今迄貰ったことないの?……、ふふーん♪」
やったね、と一人頷く。
こんなにカッコいい彼に初めてこの島でチョコをあげたのが自分とは。
他の女の子は見る目が無いなあ、なんて優越感。
「あ、そうだ。
この前、バイト始めたって言ったじゃない?、そこでチョコケーキも買ってきたから、また珈琲と一緒に食べようよ」
彼が仕事で忙しかったため、把握できているかわからない情報を伝えておこう。
よいしょ、と彼の隣に座り。
じー、と彼がチョコを食べる姿を観察しようとする。
■ジェレミア・メアリー >
「ありがとう光奈……っと、こ、光奈。くすぐったいよ」
ぽふ。暖かな彼女の手が自分の髪に触れる。
柔らかな金糸のクッションから感じる彼女の感覚が妙にこそばゆい。
思えば、何時もは身長差で彼女の事を見下ろしてばかりだ。
こうして、見上げるのは新鮮な感覚だ。
「ちょっと身長伸びた?」
なんて、からかってみた。
どうぞ、と言われれば丁寧に包装を解いていく。
一々破ったりしない辺り、変に几帳面だ。
中に入っていたのはマグカップにハート形のチョコ。
思わず、目を見開いた。
「ありがとう、とっても嬉しいよ。普段使いしやすいし……ハハ、そんな事思ってないよ」
「光奈、何時でも力いっぱいだしね」
微塵も手抜きとは思わない。
この小さなハートには、自分の想像も出来ないほど大きな愛情が籠っているに違いない。
嬉しそうに微笑んだままパクリ、とチョコレートは一口だ。
蕩けるような、甘さでは無く程よくビターな感じ。
カカオの香りが丁度良い、自分好みの味だ。
「ん、美味し……。そりゃね、近寄りがたいとかあると思うし」
"キッド"は少なくともそうだ。
いけ好かない気取った男。
自分が交友関係を限定していたのもあるかもしれないけど、嘘は言ってない。
初めてのバレンタインの味は、本当に幸せなものだ。
「バイト?確か、えっと、喫茶店……だったっけ?」
彼女と一緒に暮らしている時にちらほら話題に上がった気がする。
確か、『ラ・ソレイユ』と言う名前の店だったか。
実際寄った事は無い。"キッド"は寄らないからだ。
ああいうふんわりした店よりは、雑多な場所を好む。
「そうだね。行ってみたいな。光奈が働いてる場所に興味が在るし、ちゃんとサボってないか知りたいしね?」
なんて、冗談一つ。
「どう、バイト先は楽しい?」
■修世 光奈 > 身長は伸びてはいないが、髪はかなり伸びた。
首筋を超えて、肩甲骨に届きそうなほどだ。
「成長期は終わりましたー。意地悪ー。どーせ私はちっちゃいですよー」
彼の揶揄いに応え、ぷー、とわざとらしく膨れてる光奈。
髪を長くするに合わせてしっかりと手入れも怠らず、さらさらの髪を揺らして。
「とーぜん!……集中したりするなら珈琲とかも必要でしょ。美味しいの、淹れてあげるからね」
あまり摂りすぎは良くないが、カフェインは眠気をある程度飛ばすのに有用だろう。
マグカップは、忙しい彼をサポートするために選んだものだった。
「…ほんとーはこんなにかっこよくてかわいいのにねー?」
お返しに、チョコを食べて少し緊張がほぐれたように感じる彼を揶揄い。
彼の側頭部に手を添えて、なでなで、と優しく動かす。
「あ、うん。そうそう。ラ・ソレイユ。良い名前だよねー
サボるわけないよー、もー。…楽しいしね。涼子先輩も綺麗でとってもいい人だし…機会があったらお菓子作り教えてもらいたいなー」
部活として、とは思えない品ぞろえの洋菓子店。
そこのとても美人な先輩のことに思いを巡らせる。
「ミア好みの、大人っぽい味の…苦いのじゃなくて、甘さ控えめで桜の香りがするお菓子とかもあるから来てみてー」
外では未だキッドとして振舞うことの多いであろう彼が来てくれるというのだからはしゃいでしまう。
作るのが好き、という言葉通りラ・ソレイユには多種多様すぎるお菓子が並んでいる。彼好みのものもあることは確認済みだ。
「…ミア、最近この辺に皺が寄ってるから、ちょっと心配。
辛くなったら、いつでも言ってよ?…もう、その。一緒に住んでるんだから、一人で抱え込んで爆発しちゃだめだからね?」
彼の眉間に指を伸ばして、少しつん、と突いて。
仕事のことを詳しく聞くわけにもいかないし、聞いたところで光奈にはどうしようもない。
だから、できることと言えば彼の寄る辺となることだろうと。
「そういえば、さっき言ってたのって、えーっと…あの綺麗な人?レイチェルさんって。
前に街頭モニターでインタビュー受けてるの見たよー。すっごいよねー」
結構な有名人である…あの綺麗な人が同僚なのだろうかと。
■ジェレミア・メアリー >
「ハハ、最近はちょっとは"大きい"よ。髪の毛も伸びて可愛くなってるしね?」
ちらりと見やったのは彼女の胸部。
衣服に隠れたそれがどうなっているかは、恋人の自分だけが知っている。
クスクスとからかうように肩を揺らして笑って見せた。
髪の長さも随分と自分好みになってきた。
ふぅん、と思いつつさらりと揺れる髪の毛を指先でなぞってみよう。
「光奈、ちゃんとコーヒー淹れれるの?なら、期待しちゃおうかな」
本格的なものは望んでないし、彼女が注いでくれるだけでも嬉しい。
が、今日は何となく意地悪したい気分だ。さらに彼女をからかっていく。
「光奈の前だけだよ。……へぇ、楽しそうだね。
光奈がそう言うならきっと楽しい場所なんだね」
和気藹々と語る彼女の雰囲気から店の雰囲気が何となくわかる。
長続きしているようなら何よりだ。
「サクラの香り?確かニッポンの花だっけ。いい匂いするのかな?」
余り馴染みのないものだ。
外国人には桜の香りは余り想像出来ない。
彼女が言うからには、結構いい香りがするんだろうか。
「ん、結構大きな事があったからね。その内、僕も忙しくなっちゃうかな。
大丈夫だよ、光奈。光奈がいるからその時は相談するし……と言うか、そんなに撫でて楽しい?」
何だか今日は子供みたいにあやされてるみたいだ。
眉間を突かれるとほんの少し苦い顔で、軽く自分の額を撫でた。
「レイチェル先輩がインタビュー?珍しいなぁ、あんまりそう言うのは受け無さそうな人なのに……。
ああ、うん。そうだよ。僕の部署の先輩、かな。うん、"憧れ"なんだ」
■修世 光奈 > 「……もー。ほんっと、下着買い代えないといけなかったんだからねー?」
サイズが大きくなったのは確かだ。
未だ、巨乳とは言えないサイズだけれど、確実に大きくなっている。
その原因は…まあ、目の前の彼だろう。
今更、変態、と返すのも違う気がして、少し顔を紅くしつつ膨れる
「そーんな意地悪言うミアにはインスタントを適当に淹れちゃうよ?」
意外に凝り性な光奈だ。
その内、バイト代でコーヒーミルという前時代のものが部屋に置かれているかもしれない。
「…ミアも、気に入ると思うよ。
……そっかー…、応援してるからね」
頑張って、と言うことは簡単だ。
けれど彼はもう十分頑張っていると思う。
だから、そうは言わずに…応援する、と。
せめて少しでも、その心労が和らげばいいと思う。
「楽しいよ。私がミアを独り占めしてるんだーって感じで。
ぎゅーもしてあげる♪」
彼にこうして、気安く触れる人がどれだけ居るのだろうか。
キッド、という心の壁がある分、少ないと予想するけれど。
腕に抱き着いて、ぎゅー、と身体を密着させよう。
「――憧れかあ…、カッコいい人だし、わかるかも…。
私もああいう感じでキリってできたらいいんだけどね」
カッコいい、というのはちょっと憧れる。
彼には、自分のいいところをたくさん見てもらいたいから、そういう服装やメイクも考えてみようかなあ、とか思いつつ。
「あ。忘れてた。チョコケーキ持ってくるねー。
早速マグカップ使って…今日はインスタントだけど、コーヒー淹れてー、おやつにしよ」
チョコケーキは二人で食べて丁度いいくらいの大きさ。
先程とは違い少しだけ甘みの増したケーキだけれど、苦めコーヒーと合わせて食べると良い感じになる。
ぱ、と離れつつ、ぱたぱたその場を離れて、ケーキを用意してこよう。
■ジェレミア・メアリー >
「あはは、それはごめん。けど、僕は少し大きい方が……。
ああ、勿論どんな光奈でも僕は好きだよ?」
冗談か本気かさておき、そんな好みを冗談で言える位だとは思っている。
髪の毛の事もそうだけど、彼女がどんどん自分の好みになっていくのは、正直嬉しい。
とはいえ、胸のサイズに関しては何か手を加えたわけではないけど
彼女の気持ちによるおかげ(?)なのかもしれない。わからないけど。
ただまぁ、変態と言われても仕方ないのはそうだ。
けど、嬉しいのは仕方ない、男の子だもん。
「インスタントでも、光奈が淹れてくれるなら嬉しいかな?」
手間暇かけるのは勿論嬉しいけど、彼女がしてくれるのが嬉しい。
些細なことかもしれないけど、二人きりなら惚気で返してやるのも悪くないと思っている。
赤くなった頬を軽く撫でれば、少しだけ首を伸ばしてちゅ、と首筋に口づけを。
可愛い所をみると、ついつい意地悪くなってしまう。
「独り占めしなくても、もう僕は光奈のものだよ…、っと」
ぎゅ、と密着する彼女の体。
慣れた彼女の体温が安心する。
……夫婦って言うのは、こんな感じなんだろうか。
だとしたら、とても悪くない。
ああ、寧ろ良い。この幸せを感じる為にも、自分の戒めを忘れてはいけない。
小さく頷けば、軽く伸びて席を立つ。
「……ちょっと"似た者同士"だしね。僕がこうしていられるのも、先輩のおかげなんだ。
強い人だけど、優しすぎる人。だから、僕等があの人を捧げてあげないといけないんだ」
レイチェル・ラムレイ。
刑事課の先輩、バレットタイムの異名を持つ切っての武闘派も今は鳴りを潜めている。
その功績の輝かしさの裏にあるのは、彼女のも普通の少女だと言う事。
彼女は彼女の役割をこなす一方で、自分を押し殺すような雰囲気はよく憶えがある。
だからこそ、"憧れ"だけでは終わらせれない。
光奈と一緒にいられるのは、彼女の支えがあってこそだ。
「それに、光奈はちょっと間の抜けてた方が可愛いよ」
なんて、茶化して見せた。
「そうだね。報告書の枚数も多いし、ちょっと休憩。
光奈は砂糖とミルクたっぷりのがいい?」
疲れた頭には丁度良い。
彼女からもらったマグカップを片手に、軽くからかってやれば後を追うようにゆるりと追いかける。
因みに当の本人はちょっとだけお砂糖は入れる派。
苦すぎるコーヒーはちょっと苦手だ。
■修世 光奈 > 「…やっぱり変態……」
いつものジト目。
彼が喜んでくれるならいいと良いと言えばいいのだけど。
面と向かって言われるのは、ちょっとジト目で返したくなる。
「…そ。じゃあ、気合入れて淹れないとね
ふふーん。…もっと言って?」
インスタントだから、誰が淹れてもある程度は一緒だろうけど。
それでも、愛情を籠めて淹れよう。
そして、独占欲を満たしてくれる彼の言葉には、もっと、と甘い声でせがんで。
今迄、これほど求められるのが嬉しいとは思わなかった。
だけど、彼に言われると…心の奥がじんわりと暖かくなってとても幸せになるのだ。
「ん。じゃあ今度差し入れでもしに行こうかな?
…旦那様がお世話になってます、ってね」
揶揄いを続ける光奈。
でも、多少は本気だ。
どうにも自己評価が低い部分が見え隠れするけれど、彼はかなりのイケメン。
更に、本当の彼は…優しくて、今の様に自然に手伝ってくれる気遣いと…かなりポイントが高い。
浮気されるなんて思わないけれど、しっかり威嚇(?)しておかないと。
「うん。甘いのがいいかなー。
ケーキ切り分けて持っていくね」
小さいとはいえホールケーキ。
しっかりと等分になるように切り分けてお皿に入れておやつタイムだ。
ぱく、と一口口に入れれば、優しい甘さがほわ、と口の中に広がる。
「はふ…しあわせ…」
こんな日常が続けばいい。
常に、そう思っている。
■ジェレミア・メアリー >
変態と言われると敢えてスルーすることにした。
今ここで返しても弁明しようがないし、嬉しいのは本当。
だから、それは"後で"わからせることにしよう。
「光奈の元気をおすそ分けして貰わないとね?
ん、はいはい。僕の光奈、好きだよ」
あしらうような言い回しだけど、嘘じゃない。
他愛ないからこそ大事で、可愛くて、愛しい。
日常の一幕に彼女がいるのが、とても幸せなんだ。
「だ、旦那様はちょっと早い気が……ま、まぁ、でも、そうだね」
近い将来、そうなるという事。
彼女が自分の傍にいてくれる限りはそうなってくれるんだ。
そして、自分がそうなって欲しいと思っている。
嬉しくないはずがないが、そうしれっと言われると少し照れる。
彼氏、ならまだしも旦那様と来たか。
少しばかり恥ずかしさに思わず口がどもった。
気恥ずかし気に視線を少し逸らすも、すぐに彼女の方を向いてはにかんで見せた。
「……なら、卒業したら式でもあげようか?」
彼女が本気なら、自分だって本気だ。
独占欲だってある。だから、自分のものだって大々的にアピールしておかないと。
そんな甘い、甘い日常の一幕。毎日の一部。
……嗚呼、幸せなんだ。
「…………」
レイチェル先輩、貴女のおかげでもあります。
胸中独り言ちた感謝の言葉。
彼女の言葉を忘れていないから、今でも咎を背負ったまま前を向ける。
向き続けるからこそ、今を享受出来る。
この幸せと贖罪を続ける一生だけど、彼女がいればきっと大丈夫だ。
そう、信じて口いれたケーキの味は、とっても甘くて、ちょっぴり苦い。
■修世 光奈 > 「もちろん。いくらでも持っていっていいよ!無尽蔵だからね
へへー、ミアを盗られないよーにしないとねー♪」
好きだ、と。
言葉だけ見れば軽く聞こえるかもしれないけれど…そこに込められた思いはきちんと受け取っている。
えへへー、とにっこり笑って。
自分にもこんなに独占欲があるとは思わなかった。
「…う。……………ウェディングドレス、着せてね?」
彼の反撃に、頬の赤みが増していく。
けれど、嫌などという感情はない。
彼に着せてもらえるウェディングドレスはきっと、本当に特別なものになるのだから。
「…ああもう、…ほら、食べよ食べよ!」
何事か考えている彼。赤くなっている自分。
そんな空気が恥ずかしくなってきて、少し大声でケーキを促す。
しっかりとふわふわに作られたそのケーキは、正にしあわせの味。
どうか、彼にもっと幸せなことがいっぱい起きますように。
そんな願いを、心の中に秘めながら、穏やかな午後を過ごしていく――
ご案内:「学生街・とあるマンション」から修世 光奈さんが去りました。
ご案内:「学生街・とあるマンション」からジェレミア・メアリーさんが去りました。