2021/10/02 のログ
ご案内:「落第街 とある一室」にフィーナさんが現れました。
フィーナ > 「………………」
ぱら、ぱら、と。

積み上げられた書物に目を通す。

普通の書物店には並ばぬ代物。

世に在ることすら憚れる代物。

黄泉の穴から持ち出した禁書を、読み解いている。

フィーナ > 「……………………意外、ですね」
そう、呟く。

かつて黄泉の穴が作られた原因。

「無名の恐怖」なる存在を召喚しようとした儀式。

あれは、大本を辿れば、唯の『転移魔法』であったのだ。

縁となるものを利用し、世界を超えて呼び出すための。

呼び出したものが呼び出したものだったせいで制御が出来ず、転移ゲートがそのまま穴になってしまったものが黄泉の穴…………と推測されている。

これは、使えるかもしれない。

フィーナ > 「……………ふむ、ふむ」
この召喚儀式は、『魂を転移術式にて呼び出し、肉体を術式にて構成、召喚とする』ものだったようだ。残念な事に魂を呼び出した時点で制御は成らず、惨事を引き起こすことになったようだが…

そもそもの話、不備が多いように感じる。呼び出した魂を維持する方法、魂を肉体へ付与する方法、肉体を構成する方法…あるにはあるが、どれも拙く感じる。

フィーナ > 「…うーん」
しかし確信には至らない。私は術式を扱うことはあっても開発などは一度もしたことがない。頂きモノしか使ったことがないのだ。

この儀式に対しても、『なにか足りない』とは感じていても、『何が足りないのか』がわからない。

魔術の基礎が、ないのだ。

フィーナ > しかしこの魂の転移術式については、意外としっかりしたもののように感じる。

これだけでも試して―――――いや、問題が発生する。

死者を弄べばあらゆるものから目をつけられかねない。

「…………うーん」

ちらり、と外を見やる。

気が早い商店が、ハロウィンの催しの準備をしているのが、見える。


「………使えるかもしれないな」

ハロウィンならば、幽霊が出ても『催し』だと通せるかもしれない。悪影響は、出るかもしれないが。

フィーナ > 「……………」
さらさら、と。術式を書き上げてみる。

魂だけ転移させる術式。勿論この場には繋がりを齎す触媒もなにもないので、発動はしないが。

「問題は制御だなぁ」

通常の転移なら問題は無いのだが―――異世界からも呼び出す事もできたこの術式だ。下手をすれば異界の門が出来上がってしまうかもしれない。

それを必要なだけ開けて、閉める為の術式が必要になる。

フィーナ > 「……………うーん」

ああだこうだと考えながら、禁書を読み解く。

或る人の望みを叶えるために。

フィーナ > 「…………さて、今日はこの辺にしておきますかね」

頭痛がし始めたので手を止める。

この手の禁書は精神に影響を与えるものもあるようだ。

少しづつ読み解くしか無いだろう。

ご案内:「落第街 とある一室」からフィーナさんが去りました。