2021/10/24 のログ
ご案内:「河川敷 芋煮会」に矢那瀬陽介さんが現れました。
矢那瀬陽介 > 茜色に染まる大気が冷たさを帯びて肌に吹き付ける。
それにも関わらず川辺の前ではひとり、またひとり、人が集ってゆく。。
ほくほくと湧き上がる蒸気は食指そそる香を放って次々に人を誘い込み。
巨大な鍋の周りには人垣が輪となって包んでいた。

「ちょっと、ごめんよ」

椀を抱えて歓談に及ぶ人々の間を縫うように巡ってきた少年は、やっと最前列の前に立って大きく息を吐いた。
ボランティアで配給を行う人へと、ビニル袋に詰めた白米を見せて。

「悪い。自分の分を用意しろってわかってたんだけれどさ。
 お芋とかお肉とか全くなかったから。これで勘弁してよ」

一食分の代わりに差し出した其れ、と交換して渡されるのは熱々の椀。
登り上がる湯気が、食指乗せた香を立てるのに堪らず口をつけて
――咽喉から体の奥まで温めしむ熱気に、は、と熱い吐息を零した。

矢那瀬陽介 > 「美味しいよコレ。
 有料でも買っちゃうくらいに」

配給してくれた者に、にっこりと唇で弓描いて称賛を送ったなら。
喉仏も露に覗く角度で芋汁を食してゆく。
夕日も鈍色になり始めて更に寒気が肌を泡立たせるも。
それよりも暖かな温もりに満たされて自然と笑顔が出てしまう。
雫一つ残さず食べた椀をキッチンペーパーできれいに拭い終わって返した後も。
何故かしら足はこの場から離れようとしない。
自分だけでなく皆もまた留まりボランティアの手伝いや歓談に花を咲かせている様子。
すっかりと寒さも忘れたこの身はベンチの上に腰を下ろして何気なく目の前の光景を見つめていく。

「いい感じ」

ご案内:「河川敷 芋煮会」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
目の前には3つの武器、ここから2つを選ばないといけないのです。
そして、最後には1つを選ばないといけません。
相対する相手と戦い、倒すために――!

合図とともに、二つを取り選びます。
そして儀式を行います。神聖な戦いの踊りだそうです。

「――しゃかしゃかしゃんっ! しゃかしゃかしゃんっ!
 しゃかしゃかしゃかしゃかしじゃんけんぽんっ!」

片方を出します。手に持った、先が大きくなったマラカスです。
振ればシャカシャカ音が鳴り、その先にはグーチョキパーの図柄が。

「勝ちましたっ!」

わーい、と両方のマラカスをあげて喜ぶ巫女服姿の美奈穂、
少し離れてやっていた勝ち抜きじゃんけんイベントの中にあったのです。

矢那瀬陽介 > 週末の秋の炊き出しであるからだろう賑わしい人々の中で特別かしがましいものが混ざるのに
少年はベンチの上に片膝を持ち上げ両手で抱きしめながら伺った。
巫女服姿の女子へと、黒水晶の眼眸は凝っと覗き込む。
やがてそれがじゃんけんでの勝負であり、巫女服姿の者が喜び勇むのに口元が緩まる。

「ふふ。ご飯あげるだけじゃなくてレクリエーションのようなものかな」

片膝持ち上げた体を前傾にして、ぽん、と膝弾みに軽々と立ち上がればその輪に近付いてゆき。
勝者の女子に小さな拍手を送っていった。

幣美奈穂 >  
じゃんけんイベント、これまた奉仕部主催。
参加は異邦人だろうが二級生徒だろうが構わない、と誰もが一緒に遊んでいます。
寒くなってきたので、身体を動かして遊びましょうという趣旨です。
幾箇所かでやっており、その上、何度でも参加できるというのです。
主催側なのに参加している美奈穂、5回連続勝ち抜きで商品の1kgのお米券を頂きました。
本来のお米券は金券ですが、ここで扱うお米券は金銭ではなく純粋にお米、
これは提供してくださる農家や販売店の方からの寄付です。
まあ、去年のとか少し古くなっている奴とかなのですが。

手に入れたお米券、頂いてから、また賞品として奉仕部に戻す美奈穂です。
このお米券、このように戻しても構わないのです。
ボランティア活動ですので、寄付の一環になるのです。

他にも、有志でイベントをしているグループなどもあり、
中には二級生徒なんてのはお断り、なんてグループもおりますが。

「あっ、やってみますか?」

しゃかしゃかとマラカス振りながら、拍手した男の人に明るい声をかけます。
マラカス、子供でも触れるようにプラスチック製の軽いものです。
振るたびに、長い髪が元気に動き、袴の裾が短く軽いのでひらひらしているので、
元気な感じに見えるでしょうか。

矢那瀬陽介 > 周囲を見渡せば簡易テーブルに積まれる景品の類に、それに躍起となって参加しようとする者。
何が起きてるのかと側の者の肩を叩いて伺い出す。

「奉仕部の……5回勝ったらお米券。
 タダ飯食わせてくれる上に景品まで出してくれるなんて。
 このご時世にしては豪気だねぇ。いや、すごいよ
 ――ぇ?あの人、奉仕部の人なの?ダメじゃん。主催者が景品取ったら」

胸前に腕を組み前傾姿勢。隣人から聞き出す情報に微笑み、或いは唇を尖らせて表情を転々とする。

その黒壇の眼眸が再び巫女服の方に向いたのは軽快なマラカスの律動に導かれてのこと。
人差し指で自分の顔を指して。

「俺? ……ん、別にいいよ。
 参加費なし、勝負はじゃんけん、負けてもペナルティなしでしょ?
 のったよ」

肩に掛かるフードを背中に滑らせたなら躊躇いなく踏み出す足、意気揚々と前に進み出た。

幣美奈穂 >  
川を見ている大きなクマもいます。カムチャッカオオヒグマのクマさんです。
川を見ておりますが、中には入りません。
ちょっと汚れているから。鮭もいなさそうですし。

「ふふふっー。
 挑戦、承りましたの!
 わたくし、つよいのですよ?」

いそいそと、マラカスを三本ずつ並べます。全部裏返し。
手に取ってから何を取ったかと確認します。
相手にも見えるので、その時点である程度勝敗が見えるのです。
その後に踊って、片方を前に出す、というやつです。
強者の笑みと余裕を見せているつもりの美奈穂。
客観的には、胸を張りえっへんとしている微笑ましい感じで鹿ありません。

「いざ、尋常に勝負なのです――!」

子供のわんこがやる気満々にしている気配を醸し出します。

先が二股に分かれている青首大根。オープンテントの横で、炊き出しで帰ってきた椀を
冷たい水で皿洗いのお手伝い。どうやってスポンジを持っているのか。
青首大根のマンドラゴラさんです。
丁寧なお仕事です。

矢那瀬陽介 > 妙な気配が増えてる気がする……ふと視線を彷徨わせれば何故かしらいるクマと目があって

「ぅぉっ!?」

思わず身動ぎすれば足にやたら尻尾を振っている子犬にぶつかる。
異形も多いこの街なれどここまで異様な雰囲気は初めてだ。
右へ左へメルヘンチックな夕闇に覆われた空間にたじろぐのは一瞬。
巫女服の子から話しかけられるのに己が頬をぱちりと両手で叩いて

「もしかして夢見てるってオチじゃないよね
 ……あ、君が強いのはわかったよ。
 連勝阻止して主催者以外の人に景品がいくようにするさ」

体を3つ並べられたマラカスに向けたなら、顎に指を添えて首を傾げ。

「これでじゃんけん。踊って出せばいいんだね……
 うーん。それじゃとりあえず、これ」

3つのうちマラカス2本を取る。膨れた先端にグーとチョキが書かれたもの。
その2つを軽やかに振って音を奏でた。

「これでいいのかな?」