2021/10/25 のログ
幣美奈穂 >  
「これは戦い。悲しいかもしれませんが、勝者は、一人だけなのです」

むむむっと、真剣な表情で3つから2つを選んでいる美奈穂です。
クマさん、声に『ぐわぁ?』と小さく喉を鳴らし振り向き、のそりと立ち上がり。
人から頭幾つ分も抜き出た位置から、遊びを眺め下ろします。3m弱ありそうです。

「? あっ、わんこさん。これは真剣勝負ですからね。
 このうちどれがいいと思いますかしら?」

男の人の足元にいる子犬さんに、嬉しそうにお声を掛けるのです。
どなたかが連れてこられたのでしょうか?
子犬にふんふん、マラカスを嗅いでもらい。
わんっ、と可愛らしいお声で啼いた2つを手に取ります。
ぐーとぱーのものです!

「こうやりますのよ?
 しゃかしゃかしゃんっ! しゃかしゃかしゃんっ!
 しゃかしゃかしゃかしゃかじゃんけんぽんっ!
 で片方を前に出しますの」

んしょんしょっ、という感じで、右側に両手でしゃかしゃか、左側に両手でしゃかしゃか。目の前で実演する美奈穂です。
最後は上、右、下、左としゃかしゃか振って、前に片方を出します。
右手のパーを前にだしてます。
美奈穂、ずっと右側を前に出しているのに、気付いていません。
自分では悩みに悩んで前に出しているつもりだからです。

矢那瀬陽介 > 「でもレクリエーションみたいなものでしょ?
 もっと気楽にやっていいんじゃない?
 なんかメルヘェンチックになってるし」

まるで絵本に出てきそうな動物たちに囲まれて自然と抜ける力。
だから腕はお為ごかしにリズムよく振っていたが。

「ん?結構激しく振るんだねぇ」

マラカスの音かしがましく、また見ているだけで熱さを覚える動きに手の動きを変えた。
円を描きて振り仰ぐマラカスは夏の熱気を思い出す激しい音色。見様見真似。そしてリズムを崩さぬようにしたものだから。
――… シャ  ン。  長々しい余韻を残してマラカスを振り終わる頃には額に汗が浮かび。
相手の手札を見る余裕もなくぐーのマラカスを前に出していた。

幣美奈穂 >  
ちなみに、炊き出しで出されたエリンギ焼き。
あれが巨大エリンギなマタンゴで、それが本茸の希望で串焼きされた一部とは、
知っている人は知っている話・・やってきたところとか、焼かれている姿とか見た人とかは。

「戦いは真剣にって、おっしょう様もおっしゃってられましたの。
 ――そうですか?」

メルヘンチックといわれて、きょとんと見回します。
美奈穂にとっては普段通りの世界。
神宮の神様の寝所で、箒で怠惰な神様を転がすよりは普通です。

結構、全身運動。だからこその屋外で身体を動かすレクリエーションなのです。
出来るだけ腕を伸ばして大きくやる方がいい神聖な儀式だそうです。
美奈穂が聞いた話ですが。

「――じゃんけんぽんっ!」

頑張った感じで全身一杯でマラカスを振ります美奈穂。
ここで、「ジャンケンポンッ」と美奈穂はいいますが、ここは地方が出てくるところです。
静岡では「じすとっぺ」とかになるそうです。

出すのはやっぱり、右手側のパーです。
真剣な表情が、ぱぁ~っと、花が開いていくような表情になるのです。

矢那瀬陽介 > 「じゃんけんぽん! ……ぁっ」

グーとパー、勝敗は相手の勝ち。
それに嬉々と喜ぶ姿を見れば自然と眦が下がり。
勝負自体は後出しさえすれば必ず勝てるもの。
目の前の巫女服の者は駆け引きも知らぬような者。
故にあとから自分が勝つ手を出せばいいだけだが、この笑顔の前にわざと負けたのかもしれない――
などとは真剣勝負と口にしたその人には言えず、弓月の形に絞った唇から出たのは

「いい笑顔するね。
 他の人もそれが見られたから負けたことに後悔はなかったのかも」

そんな婉曲な表現。
額から伝い落ちる汗をを腕裾で拭えば、負けたのに晴れ晴れとした笑みが顔のあちらこちらに浮かび上がる。

「いいね。これ。寒いときにこれだけ動けば体が温まる。
 奉仕部すばらしいじゃない。
 ――君、名前は?俺はヤナセヨウスケっていうんだ」、

幣美奈穂 >  
「わーっ、わたくしの勝ちですっ!
 あっ、クマさん、また勝ちましたっ!」

両方のマラカスをあげまして、ぴょんぴょんちいさく跳ねまして喜びます。
袴の裾がひらひらします。
子犬なわんこさんも、なんか楽しいとぴょんぴょんっ。
声を掛けられたクマさんは『ぐぁっ』とお返事してなんか頷いています。
全身と笑顔で喜んでいる姿な美奈穂です。

言う通り、実は大人とか年上になる人たち、接待も多かったのです。
それにまるで気付いていない美奈穂なのです。

「そうでしょう?
 あっ、次してみますか?」

興味があるらしいカップルさんがいたので、マラカスを並べて差し上げます。
にこにこと、陽性な雰囲気いっぱいなのです。

「それなら奉仕部、どうですか?
 来月もここで週末してますし、その次は毛布などの配布とかもしますのっ。
 わたくし? わたくしはミテグラミナホと申します」

はいっ、ありがとうございます、と。
参加賞の飴玉を持ってきた青首大根マンドラゴラさん。
それを受け取りまして、はいっ、と矢那瀬様に笑顔を向けまして、両掌の上に乗せて差し出します。

矢那瀬陽介 > まるで人語を解するかに喜ぶ動物達の称賛に、きょと、と瞬きながらも。
こちらも巫女服姿の者に今一度手を打ち鳴らしていく。

「いやー、強いね。これで6連勝かな?
 ……次?いいよ。真剣勝負は一回だ。それに、ほら。
 まだマラカスじゃんけん?したい人が沢山いるみたいだし」

つ、と視線を投げかける先には列を作って街輪ぶり人達。
そして己の持つマラカスは元の場所に丁寧に直していった。

「奉仕部への勧誘?考えておくよ。入ったときに適当に選んだとはいえ俺一応美化委員だから。
 でも時間があったらここでお手伝いするよ。
 よろしくねミテグラミさん」

そして手渡される飴玉を手に受け取ったのならその場で口に含んで片目を瞑る。

「甘っ、それじゃ俺はもうそろそろ行くね。
 奉仕部の活動、頑張ってね」

背を翻して高らかに持ち上げた手を軽く振った。
河川敷を立ち去る前に、今一度彼女の姿を見てから消えていくだろう――

幣美奈穂 >  
「はいっ!」

全身を使って振付をするほど楽しくなるジャンケンです。
最初は奉仕部の方や、知っている方が率先してやっていたのですが、
笑い声が上がる笑顔な人たちも多く。
ただ、連続すると結構息が上がる運動になります。
別の場所では、3連勝してふぅふぅと汗をかいているお父さんとかがおり、
そのお子さんでしょう『お父さんがんばって!』とか声援も。

「わたくし、風紀委員でもありますわ?
 あっ、ありがとうございますっ」

ぺこりんっ、頭を下げてお手伝いをしてくださるという声に頭を下げます。

「気を付けて帰ってくださいまし。
 ――あっ、クマさん、もう大鍋覚めましたので車にお願いしますわ」

普通は怖くなるような大きなクマさん、頷くと、最初に作りもう空になっている大鍋に。
それを運ぶ姿も最後に見れるかもしれません。
美奈穂のお隣では、美奈穂と一緒に矢那瀬様に片手を振る青首大根さんの姿があるのでした。

ご案内:「河川敷 芋煮会」から矢那瀬陽介さんが去りました。
幣美奈穂 >  
例えば、輪投げとか。
お祭りで使うようなのを借りてゲームをしたりと。
出来るだけお金を掛けないようにしながらも皆さんを楽しませる奉仕部です。

今だけは、風紀委員や公安委員と違反組織や部活動との対立もなく。
異邦人や二級生徒と差別することもなく。
――もちろん、中には差別をする方も来られたりもします。
そこは奉仕部員が間にたったりもします。

が、今日は何より熊がいるのでした。
3m弱のクマさん、何より雄弁です。
トラブルがあり駆ければ、『ぐわっ?』と顔を出せば大抵はの騒ぎは収まるものです。

そんな芋煮会、日が沈んで残光だけになった時間。
美奈穂はお帰りの時間です。
芋煮会自体はまだ数時間やるのですが、美奈穂はいつも通り定時上がりです。
青首大根マンドラゴラさんを、明日泊めてくださり、明後日に大根おろしにしてくださる方も
紹介せねばなりません。
大根と手を繋いで、一緒にこの時間で帰る奉仕部員――やはり安全とかの面があり、
女性たちは基本この時間までとされています。
彼らと一緒に帰る美奈穂です。

クマさん、もう少しいるそうです。
クマさんなら、勝手に帰ることができるでしょう。電車に乗って。
なにせ、農業区から交通カードを使ってきたのですから。

そうして芋煮会はまだ続いていたのでした――。

ご案内:「河川敷 芋煮会」から幣美奈穂さんが去りました。