2021/11/15 のログ
ご案内:「歓楽街 大通り」にノアさんが現れました。
ノア > 歓楽街の中腹。
表は飲み屋街、裏はホテル街といったもので人通りも多く、歓楽街の中では風紀委員の巡回も多く比較的治安の良い地点。
巡回の風紀委員とてこの街で見境なく嫌疑をかけてくる事もないため、人の良さそうな笑みを貼り付けて会釈でもすれば問題も起きない。
そんな大通りをポケットの中に手を突っ込み歩く人影が1つ――

「作っちまえばこんなもんでも通っちまうんだよな、滞在証明って」

化粧次第で誰にでもなれそうなAIに作成させた顔を映した物が1枚と、そもそも写真を使用していない物が1つ。
どちらも依頼の品だ。
写真に映らないだとか、性別の概念が適応し難いだとか。
それらしい理由を付ければ殆ど名前以外が無地だろうと発行元の印さえあれば大概の事には使えてしまう。
当然、風紀や公安などにデータベースで照合されれば一発でバレる物ではあるが、
下手を打たなければわざわざそこまでされる事も無い。

ノア > 訪れるのは赤髪の歌姫のために見繕った寝床。
来賓などが一時滞在するのに適した真っ当なホテルとしても機能しているが、話の分かるスタッフが多く在籍しているため重宝することも多い。
余分に札でも渡そうものなら“うっかり”本人確認の手順をすっ飛ばしてくれるし、極端な話だが滞在中に中の人間が入れ替わっていても言及してくる事がないのも良い。

「ん、東館の302号室に差し入れ頼みたいんだけど。
――生物だから封はしたままで」

エントランスで右手に時計を付けた蝶ネクタイのホテルマンを捕まえて荷物を預ける。
腰から曲げる丁寧なお辞儀と共に荷物を受け取った男に感謝の意を示し握手を交わす。

「んじゃ、頼んだ」

当然、握手などただのポーズで。
少し長すぎるくらいのシャツの袖の中に小さく織り込んだ札を数枚差し込む。

直接相手に渡しても良いが、変に目を付けられても困る。
自分も、彼女も。
その後、数名の手を経由した後に"荷物"は歌姫の所へ届くだろう――

ご案内:「歓楽街 大通り」からノアさんが去りました。