2020/07/03 のログ
ご案内:「◆拷問Free(高倍率感度注意)」にグランブルさんが現れました。
■グランブル >
僕、トライアド・クロウのグランブルは。
たまたま落第街で活動している際に。
たまたま出会った敵対部活『マグナート・クロウ』の。
メンバーに。捕まってしまい。
こう……拷問を受ける直前なのだ。
「痛い痛い痛い!! マスク引っ張っちゃらめぇぇぇぇ!!」
「これ特定の手順を踏まない限り外れない仕組みになってるからぁ!!」
奴らは俺の正体を探ろうとマスクを引っ張っている!!
なんて強引な連中だ!! きっと女の扱いも粗雑に違いない!!
■違反部活生 >
「ええい、口は堅いし妙ちきりんなレベルで我慢強いし!!」
「面白くもなんともねー普通の男だしなんなんだお前ッ!!」
■グランブル >
「僕はどんな拷問にも屈しないぞ!!」
「だって上司のお叱りのほうがもっと怖いからね」
縄で腕周りを縛られたままエヘンとイバる。
■違反部活生 >
「こうなったらしょうがねぇ……例の薬を出せ!!」
「お前には感度3000倍になってもらう!!」
■グランブル >
こ、こいつ!? 今なんて言った!?
感度3000倍だってぇ? そんなことできるはずがないッ!
「おい、何を考えている!! バカなことはやめろ!! おかーさんが悲しむぞ!!」
■違反部活生 >
「建物を包囲した時の風紀みてーなこと言ってんじゃねーぞヘッポコ違反部活!!」
「もう夜更けだしお前に吐かせてとっとと家に帰りてーんだよ!!」
フラスコの中の薬を混ぜ合わせる。
「確かこれくらいこの薬を混ぜれば感度3000倍になるはず……」
■グランブル >
「おいバカやめろ!! 目分量で計るな!! 人に飲ませる薬だぞ!?」
■違反部活生 >
「いいんだよ細けぇ事は! できた…いいから飲めグランブル!!」
■グランブル >
「グワーッ!! ってやっぱり分量間違ってるじゃないか……これじゃ感度3012倍だ」
■違反部活生 >
「結構惜しかったな……っていうか自分で感度わかるのか」
■グランブル >
「感度3012倍だからな」
■違反部活生 >
「約3000倍ってことにしてくれねぇかなぁ………」
■グランブル >
「いいだろう……だが僕ちゃんは何をされても屈しないぞ!!」
何が感度(約)3000倍だ!! そんなのに怯む僕ちゃんではない!!
悪を貫く覚悟のない奴は、最初からヴィランコードなど名乗りはしないのだ!!
■違反部活生 >
「その強気な態度がいつまで持つかな……?」
「おい、アレを見せてやれ」
そう言われると部員の一人がニヤニヤしながら窓を開ける。
■グランブル >
「窓なんか開けてどーすんのさ……」
ふと、窓から空を見上げると。
満天の星空が広がっていた。
今日はとても星が綺麗に見える。
「わぁ………綺麗だなぁ…………」
星空がいつもの3000倍綺麗に見える!!
■違反部活生 >
「どうだ!! この辺は夜は薄暗いからなぁ!!」
「星が綺麗でたまんねーだろ……ククク…」
悪い顔をしながら指し棒を伸ばして夜空をくるくる指し示す。
「あれがはくちょう座だ、良いモンだろ?」
■グランブル >
「ああ……とても綺麗だ…」
「星影に映るのは、きっと思い出で……」
「僕が生まれてきた日にも、この世界のどこかには星が出ていたんだ」
「この空にあるのは、無数の砂金より輝いていて、価値のあるモノ……」
「僕たちが気づかないだけで、昼間にだって光ってるんだよな……」
■違反部活生 >
「く、薬が効きすぎたか!? こいつ男なのに星を見てポエムを言い始めやがった!!」
「気持ち悪ぃなぁもう!! 次だ、次!!」
窓を閉めて、奥の部屋から何かを台車で運んでくる。
「夏場にこいつを手に入れるのは苦労したぜ……ヒヒヒ」
■グランブル >
「ああん、もう窓閉めちゃうのぉ?」
「だがこの程度で屈する僕ちゃんではなぁい!!」
部屋の奥から何かが運ばれてくる。
いよいよ拷問道具か。感度3000倍で耐えられるかどうか。
奥歯を噛み締めて相手をキッと睨む。
■違反部活生 >
「見ろ! 常世苺だ!! 赤い真珠の異名を持つ絶品フルーツだぁ!!」
「この甘さ……そして香りはたまんねぇぜ………」
「お前、今感度3000倍なんだよなぁ!! これ、食わせてやるよ!!」
■グランブル >
「な……!? そんな……やめろ、やめてくれぇー!!」
抵抗する僕の口にヤツらはイチゴを一粒、押し込む!!
「あぐぅ!! しっとりとした優しい優しい甘味が口の中いっぱいに広がるゥー!!」
「ただの甘露じゃない!! 芳しく、それでいてどこか懐かしい香りが鼻孔を甘くくすぐって……!!」
「甘ィィィィィィィン!!」
僕は背筋をピンと張って悶絶した。こいつらは悪魔だ。
■違反部活生 >
「おい、一粒でヘバってんじゃねぇぞ……」
「こんなこともあろうかと高い金出して1パック用意してるんだからなぁ…ヒヒヒヒ!!」
■グランブル >
「や、やめてくれぇー!! 僕ちゃん壊れちゃうぅぅぅぅ!!」
悪夢はまだ、終わらない。
感度3000倍にされたまま絶品フルーツを食べるという衝撃。
もう……体は限界に近い………
■違反部活生 >
「結局完食しやがって………」
「俺だって食いてぇよ畜生………」
「ええい、次だ次!!」
奥の部屋から映像出力装置とモニターを引っ張り出して接続する。
「あれ、上手く映んねぇな……?」
■グランブル >
もぐもぐと口を動かしながら。
「ああ、そのケーブル違う違う。黄色いトコに刺すんだよ」
ごくん、と常世苺を嚥下した。
次はどんな手で来るんだか………恐ろしいヤツらだ。
■違反部活生 >
「お、映った! サンキューグランブル」
「お次の拷問はこれだぜぇ………」
モニターに映った映像、それは。子犬。
始まったのは、映画だ。
「この『僕たちのワンダーライフ~愛犬と過ごした最後の365日~』を見てもらうぜ……!!」
■グランブル >
「な、おい、考え直せ!?」
「タイトルからして犬が死ぬやつじゃん!!」
僕そういうの絶対泣いちゃう!!
感度3000倍でそんなの見ちゃったら……!!
でも、映像から目が離せない……!!
あ、これ多分あの映画監督のやつだ。好き。
■グランブル > ~90分後~
■グランブル >
「うおおおおおおおおん!! ジョンよ…ジョーン!!」
「なんで死んじゃったんだよぉ…………!!」
「僕を置いていかないでぇ、ジョォォォォォォォン!!」
号泣。もう涙を堪えるなんて無理だ!!
■違反部活生 >
一同、涙を流している。
感度3000倍になんかならなくても泣けるやつでしたね。
「おま……これ最高の映画じゃん…」
「ただ悲しいだけじゃなくてなぁ……残された子犬って希望があって…」
ぐす。しんみりしてしまう。
「なんでこんな雰囲気なんだよ!! さっさと口を割れ!! 次だ次ぃ!!」
奥から新しいディスクを持ってきて犬映画のディスクと交換する。
「お次はこれだ……そろそろ喋ったほうがお互い楽だと思うぜ…」
■グランブル >
「うおおぉ……ジョン………君がいない世界で僕は何度夜明けを迎えたらいいんだ…」
まだ泣いてる。
が、次に流れてきたのは……音楽。
まさか、こいつら!? 鼓動が一際大きく跳ねた。
「おい……これ………ま、まさか…」
「ツヴァイフリューゲルの去年のライブツアー映像じゃねーか!?」
ツヴァイフリューゲル。
女性のダブルヴォーカルのデュオユニット。
力強い歌声は、そう……耳を打つ。
心さえも、打つ。
■グランブル > 「耳が妊娠しちゃううううううううぅぅぅぅ!!」
■グランブル >
「らめぇ、時に甘く時にメロディアスに歌い上げるのらめぇー!!」
「ギ、ギターの音しゅごい!! ライブっ! ライブ行きたかった!!」
「この音、生で聴きたかったぁぁぁぁぁぁ!! ああああ!!」
感度3000倍でこの音楽は耐えられない!!
死ぬ、死んでしまう!! 一度死んでファンとして蘇っちゃう!!
■違反部活生 >
「うっせーなコイツ……歌が聞こえねーだろうが」
「あと本っ気で気持ち悪いなグランブル……」
「次の歌、ガチで好きだから4分間黙ってくれねーかな…」
不満たらたらでライブ映像を見終わった。
「あーもう、埒が明かねぇ! こうなったら違う薬でいくか…」
■グランブル >
息も絶え絶えで縛られたまま悶絶していると。
あいつらが変なことを言い出した。
ガタイの良い男が立ち上がって。僕を見ている。
なんだ? 何を始める気だ……?
■タケシ >
「こいつには性感が3000倍になる薬を飲んでもらう」
「へへへ……なかなか良い顔してるぜ、可愛がってやる」
手に整髪料でも入っているかのような。
チューブに入った薬を持っている。
■グランブル > !?
■グランブル >
「や、やだー!! 男に犯されるぅー!!」
「助けてエスケイプ!! 助けてぇーマトロナ様ぁぁぁ!!」
縛られたままガクガク震えてジタバタ暴れる。
■タケシ >
「すぐにピィピィ鳴いて欲しがるようになるぜぇー!!」
「これは超強力だぜ!! こいつを塗り込んだらなぁ、すぐに全身が」
左手にチューブからニュリュリュッと塗り薬を出す。
「らめええええええええぇぇぇ!!!」
手から効いてその場に卒倒した。
床でびくんびくん跳ねる。
■違反部活生 >
「タ、タケシぃぃぃぃ!! お前、何やってんだ!?」
「あれほど扱いには注意しろって言われてたのに、素手て!!」
「大丈夫か、タケシ!!」
■タケシ >
「らめぇぇぇぇ触らないでぇぇぇぇぇ!!」
「そこ感じちゃうのおおおおぉおぉぉぉっ!!」
「んほおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ゴロゴロと巨体が床を転がる。
■違反部活生 >
「気持ち悪い声を出すなよタケシぃ!?」
「今、医者に連れてってやるからな!!」
ドタバタと彼を連れてその場を後にする。
「お前はそこでじっとしてろグランブル!!」
全員が出ていってドアが閉じられた。
■グランブル >
しばらくポカーンとしていたが。
すぐにグローブに仕込んでいた刃物で縄を切り。
ついでにグローブの手の甲のボタンを押してドリルに変える。
僕ちゃんの発明品、太極突破グレートドリルだ。
壁に大穴を開ける。
「なんだったんだろ……まぁいいか」
手の甲からワイヤーを射出する定番のガジェットを駆使し。
夜の闇に逃げ出していった。
3000倍、虚しい。
ご案内:「◆拷問Free(高倍率感度注意)」からグランブルさんが去りました。