2020/07/11 のログ
ご案内:「◆木登りFree(落下描写注意)」にグランブルさんが現れました。
■グランブル >
拝啓。おふくろ様。
僕は今、転移荒野で木登りをしようとしています。
見上げてみれば、遥か彼方に枝が生えている樹木。
異世界から転移したこの樹は。
ハチャメチャに美味しい実がなってるらしい。
■グランブル >
普通の杉の木くらいの太さの樹なのに。
見上げると首が痛くなるような高さだ。
多分、高さにして100メートルくらいはあるんじゃないかなぁ。
学名、タウマタファカタンギハンガコアウアウオタマテアポカイフェヌアキタナタフの樹。
タウマタファカタンギハンガコアウアウオタマテアポカイフェヌアキタナタフの実は、とても栄養があり、美味…
ということらしい。
「はえー………」
そしてその美味しい実を!!
マトロナ様に捧げれば!!
僕ちゃん感謝されちゃうんじゃない!?
ま、エスケイプの分も一個くらいは持っていってやるか。
グフフ……ま、僕ちゃんにかかればこんなもの。
周囲に潰れた果実が転がっている。
泥だらけだ。
こんな高さに実っていたら、そりゃ落ちたら潰れる。
あの果実を取るなら、登るしかない。
■グランブル >
でもアレだ、せいぜい100メートルだよ?
走れば17秒もあればついちゃうよ?
ハハン、楽勝。そしてよく考えれば僕って100メートル走苦手すぎるな?
まぁいい。
「ふんぬ!」
僕は木に抱きついた。
あとは少しずつ登っていくだけだ。
十五分経過。
全然登れてない。
枝がないから登りづらい。
クソッ、こんなはずでは………!?
この僕ちゃんの計算ではもう取れているはず………!!
イレギュラーが過ぎる……!!
■グランブル >
ずる……ずる………っ!
落ちる……落ちちゃう……っ!
ずり落ちる恐怖………っ!
遥か真上にあるゴール……っ! 想定外…っ!
想定外の……あ、地面にお尻ついた。
「ファッキン! タウマタファカタンギハンガコアウアウオタマテアポカイフェヌアキタナタフ!!」
こんなのクソ真面目に登ってられるか!!
僕は樹にロープを一周させ、それを両手で持って軽く締め上げた。
「こんなん真面目に登るやつはッ! アホじゃないかぁ!?」
へへへ、あとは体をずらしながらロープを少しずつ上げていけばいい。
10メートルほど登った時。
僕の頭に真上から落ちてきた果実が直撃した。
■グランブル > 「がるぼ・じっく!?」
■グランブル >
頭から地面に突き刺さる僕ちゃん。
あ、口の中にちょっと果実が入った!!
美味しい~!! ってムカつくわッ!!
このクソったれの樹、なんとしても攻略してくれる!!
■グランブル >
「学校に道往独歩《ルールブレイカー》っていう異能のカワイ子ちゃんがいるらしいなァ…」
「なんでも足を接地した部分を地面と定義して歩けるとか」
荷物から何の変哲もない安全靴を取り出す。
「じゃじゃーん、ルールバスター!」
パクりじゃない。インスパイアだ。
これは足を接地した部分に足の裏から細かな鋲を無数に撃ち込むことで。
「壁だろーと!」
どこでも歩くことができちゃうんだなー!!
「木登りだろーと!!」
木が傷ついたら可哀想だからやめておいてやったが。
ここまで舐めた態度を取られたらやらざるを得ない。
僕は木を真上に歩いていった。
■グランブル >
おっと、携帯デバイスが震えた。
ママからの電話だ。僕は電話に出る。
「あ、ママぁ? 今年の夏休みも帰らないヨ」
「ごっめ~ん、バイトあるからさ~」
「大丈夫、元気にしてるよ。友達もいるし、勉強も…」
その時、周囲が騒がしい。
ふと、携帯デバイスから顔を上げてみると。
周囲に小型の翼竜が無数にいた。転移荒野って感じする~。
「話の途中だがワイバーンだ!!」
そう叫んで通話を切る。
ワイバーンは僕に群がるように襲いかかる。
「やめろ、僕ちゃんはお前らのご飯じゃない!!」
啄まれ、引っかかれ、僕はつい足を両方離してしまい。
■グランブル > 「ざんざ・るぶ!?」
■グランブル >
頭から地面に突き刺さる僕ちゃん。
ワイバーンどもは遥か真上で餌が落ちたのを見て散っていっていた。
ファック!! ファッキン!! ファッケスト!!
■グランブル >
キレちまったよ………
何がタウマタファカタンギハンガコアウアウオタマテアポカイフェヌアキタナタフだ…
こんなの僕ちゃんにかかればなぁ!!
腕時計型デバイスに向かって叫ぶ。
「来ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!! ロボォォォォォォォォ!!!」
叫んでから体育座りで4分ほど待っていると。
おっ、来た来た。
自動操縦でやってきたのは。
我らがトライアド・クロウのサプライズメカ。
質実なデザイン!!
渋いカラーリング!!
重厚な外装甲!!
あえてのタンクレッグ!!
上半身はサブアーム込みの四本腕!!
「来たか………本日のサプライズメカ!!」
「超装甲砲戦機動兵器グランドダックだ!!」
こいつで木なんてへし折ってやらぁ!!
■グランブル >
あとは乗り込んでこの樹を根本から寸刻みに…
その時。
二人組の警邏中の風紀に声をかけられた。
「えっ? いや、その……今、身分証は持ってないですね…」
「いえ!? このロボは僕のです!! 盗品なわけないじゃないですか!!」
「風紀支部までご同行って……お、横暴だ!! 僕は公権力には屈しないぞ!!」
ガチめの職務質問やめて!?
「とうっ!!」
ジャンプしてサプライズメカに乗り込む。
もちろん僕の脚力じゃなくてそういう機能だ。
「覚えてろよ、お前ら!! こっちは顔覚えたからなー!!」
そう叫んで僕はグランドダックでガションガション逃げ出していった。
ご案内:「◆木登りFree(落下描写注意)」からグランブルさんが去りました。