2020/07/21 のログ
夢莉 > 「まあ、227番って番号で登録自体は出来ない事もねえし、後から変更もー…まあ手続き結構面倒だけど、出来ない訳じゃあねえけど…」

その「出来ない訳じゃない」は本当に不可能ではない程度の話で、余程の事がないと名前の変更というのは何処でも難しい。
登録してすぐに変更は当然出来ない。まず、数年レベルで時間が立たないと変更は不可能だろう。

227番で登録する訳にいかないというのも、人間の名前としてそれはどうなんだという問題なだけで、登録できるかどうかでいえば、出来る。
ただ変えられない名前を番号にするのは…流石に色々と不都合になりかねないのだろう。何より、役所に難色を示される。


少女は随分と悩んでいる。
きっと自分には分からない部分で、大事な何かに関係する部分なのだろう。

「んー…
 分かった、今じゃなくても問題ねえよ。
 住民登録はこっちで仮登録って事で通しとくからさ。
 …普通じゃ無理だけど…ま、ウチのクソ上司にたのみゃどうにかしてくれんだろ。」

大事な何かなら、無理に進める訳にはいかない。
子供一人の住民登録の例外化位なら、まぁ……立場的にどうにでもなるだろと、少女の都合を優先した。

「ま……でも
 自分の名前は、考えといてくれな。
 ホントの名前があったら、その名前で生きるのか、それとも、自分の今呼ばれてる名前の中で、一番気に入ってる名前で生きるのか、とか。
 
 名前って結構大切…らしいぜ?オレはあんまし実感ねえけどさ」

約束な?と、また一つのやくそくごととして。

227番 > 未だに学園のシステム、役所の仕事などはよくわからない。
ただ、簡単な仕組みではないことは、風紀や公安をみていて、よく分かる。

「……ごめん、なさい。」

自分の都合で困らせてしまうのだから、謝る。耳も力なく垂れる。
それでもやはり譲れないものらしく。

「うん……名前、大切、だから。
 本当の、名前、見つけるまで、変えたく、なくて」

説明は相変わらず苦手ながらも、なんとか伝えようとする。

「うん、わかった。考える……ずっと、考えてる」

はやく手がかりだけでも見つけなければ。
自分のためにも、周りの人を困らせないためにも。

「ありがと、ゆーり」

少女は、もう一度頭を下げた。

夢莉 > 「いーんだよ。オレはお前の親なんだし」

頭をわしっと、撫でて。
流されるよりもちゃんと自分の考えがあるなら、それはいい事だろう。
だから、謝る事なんてない。親と子に、既になった間柄なのだから。

「そか……それもそうだよな。
 …また、落第街とか行って手掛かり探したりもしねえとな?
 あ、一人でいくんじゃねえぞ? オレも一緒にいくからよ」

今の自分は、親らしく出来てるだろうか。
親がどういう風にするべきなのか、正直あまり分かってない。
手探りで、失敗だらけだから、正直不安ばかりだが。
関わると決めたのだから、最後までやり通そう。

日常の一時は、その後しばらく、続いた。

ご案内:「夢莉の自室」から夢莉さんが去りました。
227番 > 「うん」

短い返事。そこにはいくらかの感情が乗せられている。
撫でられれば、それを黙って受け入れた。

「……うん、そのときは、頼る」

当然……ああ、でもそのときは自分の身を守れるようにしなくては。
エイジと一緒のときのようなことは、避けないといけないから。

自分から夢莉への接し方は何も変わっていない。
下手に意識すると、逆にぎこちなくなってしまいそうな気がして。
でも、……もっと甘えてもいいのかな。

ちょうどよい温度になったうどんを、また1本ずつ食べ始めた。

ご案内:「夢莉の自室」から227番さんが去りました。