2020/07/22 のログ
ご案内:「常世神社 社務所」に月神 詠さんが現れました。
月神 詠 > 宴もたけなわ。そろそろ今日の祭りも収束に向かっていくことだろう。
他の巫女よりも長く社内を歩き回っていた詠は早めに休ませてもらえることになった。
とはいえ祭りは明日もある。自宅に直帰ではなく、社務所で寝起きする手筈だ。

社務所にある居住スペースの戸を開き、帯を解いて巫女装束を脱いでいく。
ぱさりと音を立てて畳に落ちる巫女装束。色白の肌が露わになる。
胸元にはサラシを巻いており、これも解いて全身の汗を拭き取った。

月神 詠 >  
「ふぅ……」

どうせ誰も見ていない。すぐには着替えず、半裸のまま壁際の箪笥に向かう。
箪笥の上には詠が私物として持ち込んだ写真立てと赤い宝石が置かれている。
収められた写真に写るのは、夕暮れの教室で肩を並べる詠と一人の少女の姿。

───日ノ岡あかね。
あれから少し調べてみたところ、彼女は一年もの間この学園の"表側"から姿を消していた。
そのため留年しており、かつての同級生が今は後輩ということになる。
何があったのか、なぜ再び現れたのかは分からずじまい。
少なくとも、会って話した印象は"よく笑う、年頃の乙女"くらいなものであった。

月神 詠 >  
「あれから、想い人とは仲直りできたでしょうか」

軽い恋愛相談のようなものをした。
彼女を想うあまり、それに相応しくあろうとして周りが見えなくなっている人物の話。
自分も似たようなことで大切な人に嫌われてしまったので、ひどく耳の痛い話だった。
それだけに、彼女達が自分と同じ道を歩まないよう願うばかりである。

「あなた方は、どうか……進む道を違えませんように」

写真の前で瞑目し、祈るようにしてから寝間着に着替え始めた。
最後に和柄の髪飾りを外して、赤い宝石の横に置く。
初めてできた同年代の友人から贈られた、彼女の瞳と同じ色をした髪飾り。
その友人も祭祀局員であり、今もどこかで頑張っているのだろう。

「……私(わたくし)も、しっかりと務めを果たさなくては」

そのために今はしっかり休もう。
布団を敷いて、横になり……数分後には穏やかな寝息を立て始めた。

ご案内:「常世神社 社務所」から月神 詠さんが去りました。