2020/08/26 のログ
ご案内:「常世公園」にジャムさんが現れました。
■ジャム > 夕焼け雲が暮れてしばらく、街灯がぽつぽつと光る頃。
常世公園の砂場のあたりでしゃがみこむ小さな人影があった。片手に持っているのは手持ち花火が満載の大袋。
夏にお店に行くと鍵のかかったガラスのショーケースに入ってるあの花火セットである。
かちっ、かちっ。
ポケットに持ってきたライターを鳴らすもなかなか火がつかない様子。
「がんばれ!火の精霊さん!
……って、点かないやー。うーん。壊れてるのかな。
せっかく花火セットもらったから遊んでみたいのに。
誰か火種もってる人とか、火の異能使える人って通りかかったりしないかなー……?」
ライターに向かって檄を飛ばすも、
ライターも花火セットもバイト先の店長から「去年使いそこねたやつが倉庫から出てきたんだけど、要る?」と聞かれて「はい!」と即答して入手したものだ。
品質保証なんてなかった。
しかし夏季休暇も終わりに近づく頃にセルフ花火大会は開催したい。
花火セット片手にきょろきょろ、あたり見回し。
■ジャム > 「むー、居ないっぽい!
コンビニ行ってライター買ってこよっかー」
うまい具合に通りすがる人が見当たらない。
現場調達は無理の様子。
それならと立ち上がれば、近場のコンビニで自力調達の道を選ぼう。
大きな花火セット持ったまま常世公園を抜けていき。
で。コンビニに向かったものの。
コンビニに入ったら中の涼しさにまず目元が緩んだ。
ついで、頭のネジもどこか緩んだ。
暑かった外から冷気あふれるパラダイスに到着したら、まず異邦人がとった行動は冷凍ケースに向かってアイスを買う事だ。
そしてアイスを買ったらついでにカップケーキが欲しくなる。当然であろう?
かくして、コンビニを出る頃にはアイス片手スイーツ片手。
手持ち花火は腕にかけられていた。
アイスの包装さっそく破くと、ヒエヒエのグレープフルーツ味のそれを舌で舐めてからサクっと一口いく。
その美味しさに花火セットの事はすっかり頭から抜け落ちていた。
かくして、自室に着いた頃にようやく花火の事を思い出すのだけれども。
一緒に買ったカップケーキを食べているうちにやはり忘れてしまう異邦人であった――。
ご案内:「常世公園」からジャムさんが去りました。